騒動も、ひと段落。
ネルガルのSS襲撃騒動で怪我した人は少々いたみたいですが、すぐに近くの病院へ直行!
治療をして貰って、今日は大事を取って退社させたそうです。
この時に判ったのですが、隣の警備運送会社はテンカワ家にいる、みんなで切り盛りしているそうです。
アキトさんが社長 ・・・ ユリカさんが副社長 ・・・ カイトさんが機動班長 ・・・ ユウ君は運送班長 ・・・ ラピスちゃんはユウ君の補佐。
ガーネットさんが通信班長で、他の3人が補佐役で、通信オペレートがエメラルドちゃん達8人。
設立当初は、テンカワ家3兄弟だけで小さく始めたそうです。
CMなどの宣伝をしていなかったのですが、運送に使う道具が目立つので、設立当初から宣伝費はなし。
道具は機動兵器2機と船が1隻だけで、住む家がなかったので、ユリカさんの実家へ。
最初は会社同士の重要書類などの搬送を受けていたのですが、そこは新規企業イビリみたいな事があったそうです。
そこは機動力の違いがあって無事に搬送してしまい・・・ この搬送を境に警備が必要な搬送が増えたそうです。
それから人も増え、支店も増えて、どんどんと会社が大きくなったそうです。
私達がいるマンションも、支店が増えたあたりに作り、最上階をテンカワ家が住み始めたそうです。
最初の住民は3兄弟のみ。
ユリカさんが泊まりに来ているうちに、アキトさんの部屋で同居状態に・・・
次は研究所閉鎖という事で、ラピスちゃんがテンカワ家にきて、ユウ君の相棒・・・彼女・・・許婚・・・ん(?)
ガーネットさん達4人も、研究所閉鎖の理由でテンカワ家に住むことになり、そのまま同居人に・・・
エメラルドちゃん達8人も、研究所閉鎖したので、テンカワ家に引き取られて、今に至るそうです。
「研究所って、私のいた研究所みたいな所でしょうか?」 (ルリ)
「ルリちゃんの研究所は、ちょっと特別な所だったけど、その他は実験が主目的だったから」 (カイト)
「知って貰った方がいいだろう・・・」 (アキト)
珍しいですね。
カイトさんの表情が真面目顔なんですが、青くなっています。
アキトさんが1本の映像メディアをカイトさんに渡しています。
メディアのタイトルを見て、カイトさん・・・震えています。
「ルリちゃん・・・ 僕の部屋で見よう・・・」 (カイト)
「はい」 (ルリ)
カイトさんの部屋に入ってみて、部屋に入った感動というより、これから見る映像の方が心配です。
カイトさんがメディアを機械にセットしてから、私の知らない所でカイトさん達がやっていた事のお話をしてくれました。
「MC計画って知っているかな?」 (カイト)
「ネルガルがやっている計画ですね。私も、その全容は知っています。」 (ルリ)
「あれには表と裏があって、表ではルリちゃんを含んで数名だけ、その他は裏だったんだ。」 (カイト)
「数名ってラピスちゃんは?」 (ルリ)
「うん・・・ ラピスは裏の計画で誕生した。」 (カイト)
「裏の計画は・・・」 (ルリ)
「表の計画のコピーで、データも穴だらけだったから失敗もたくさんある。成功しても完全体は数える程度。ある研究所では研究員の欲望だけで誕生したのもある。」
「これから見るのは、今回の襲撃事件のもとになった物で、計画中止を伝えた時の研究所内の映像が入っている。」 (カイト)
見せたくないのか、開始ボタンを押す指が震えています。
ちょっと怖いですが、知らないといけないような思いもあったので、私が押しましょう。
ショッキングな映像が、たくさんありました。
画面には、ガーネットさん達が映っていました。
SSさん達が「秘匿披験者」と口々に言っていた意味が、ようやく判りました・・・
そして、いつの間にか、カイトさんの腕をしっかりと掴んでいました。
カイトさんは続けて、もう1本取り出して機械の中のメディアと入れ替えています
「続けて、もう1本。これにはアキト兄さんとユウ・・・ラピスが映っている。アキト兄さんとユウが装着していたカメラの生映像」 (カイト)
・ ・ ・ (スプラッタです) ・ ・ ・ ※05話※
2本の映像を観終わって、涙が止まりません。
カイトさんがハンカチを差し出したので、やっとカイトさんの腕を開放して、涙を拭きます。
「カイトさんも・・・ですか?」 (ルリ)
「あぁ・・・ 僕も場所は違うけどMC計画で誕生した。」 (カイト)
カイトさんは、手の甲を隠しているグローブを外して、両方の手の甲を見せています。
私のはオペレータのIFSが両手にありますが、カイトさんのパターンとは違います。
シュミレーションで一緒だったパイロットさん達のパターンとも違います。
「僕のパターンは、パイロット用とオペレータ用の兼用。場合によってはパターンが変化する。」 (カイト)
「それが裏の研究所の結果ですか・・・」 (ルリ)
「これは副産物・・・ 他の研究で、こんなパターンになった。」 (カイト)
どちらからも話せる状態にならないまま・・・ 見詰め合っていると、ドアの外からノックがありました。
「カイト・・・ 終わったか・・・ そろそろアカツキが来るぞ!」 (アキト)
「はい・・・兄さん。 リビングですね。」 (カイト)
「あぁ・・・ カイトだけでも来てくれ。」 (アキト)
私がカイトさんとリビングに戻って、しばらくすると来客がありました。
何回も来ているのでしょう・・・ 家族並みに馴染んでいます。
「お〜い〜来たよ! 今回は新しい秘書も連れて来たよ。」 (アカツキ)
「いらしゃ〜い アカツキさん・・・ プロスさん・・・ 女性は初対面ですね。」 (ガーネット)
「それでは自己紹介したいけど・・・ もう知っているんだろう。」 (アカツキ)
「まぁ・・・ね! 前任者を降格させた原因探したのも僕たちだからなぁ・・・」 (アキト) 「えぇ・・・」 (カイト)
「会長! この人たちは?」 (エリナ)
「家族全員が、ネルガルのAAAクラスのトップシークレット!」 (アカツキ)
固まっていますね・・・秘書さん。
家族って、私も入っているのでしょうか? ・・・ だったら嬉しいのですが ・・・
「お〜い〜♪ エリナさぁ〜ん♪ もっしもぉ〜し♪」 (ユリカ)
「なんなんですかー 会ー長ー」 (エリナ)
(アキト) おいおい・・・(汗) 怒りのオーラーが見えるぞ!
(ユリカ) 最初の頃から頭が上がらなかったのねアカツキさん
(カイト) これが、このまま続くのか・・・(笑)
(ル リ) 喧嘩してますね
(ユ ウ) データ通り・・・
(ラピス) おなか空いた・・・
(その他) ぼーぜん
全員の自己紹介が終わって、着席すると今回のお話になりました。
エメラルドちゃん達は、ラグの上に座って、テーブルの方を見ています。
アキトさんとカイトさんは落ち着いていますが、まだ怒っているみたいですね。
「さて、SSの件について教えて貰おうか・・・ あの連中は本社じゃないだろ!」 (アキト)
「あぁ・・・あいつ等は・・・」 (アカツキ)
「私が変わります。もと社長派の専属SSだった者たちで、現在はヨーロッパ方面の所属になっています。」 (エリナ)
「通信でも言ったけど、始末はしてないよね。」 (アカツキ)
「全員、病院行き・・・ 最低でも3ヶ月は入院コース・・・ 佐世保の総合病院へ入れた。」 (ユウ)
「ありがとう。 あとの調べはプロス君に任せるよ! よろしく」 (アカツキ)
「はい。それでは病院へと行ってみます。 ・・・ 脱走の心配は?」 (プロス)
「逃げられないように、うちの警備が付いている。脱走の気配を見せたら、撃って良し!の許可をしている。」 (アキト)
「それなら逃げられませんね。あとで寄りましょう!」 (プロス)
何か難しい話をしていますね。
怒っていたアキトさんも、色々話し合っているうちに落ち着いてきたみたいです。
そして研究所の場所を聞くと、ユウ君に出前を頼んでいます・・・(?)
カイトさんがテレビを付けると、衛星軌道からの映像が映っています。
「さて誰がやるかな・・・」 (アキト)
「ボク・・・やりたい」 (ジル)
「ジルか・・・ いいだろう・・・ 3発しか無いから、しっかり考えて・・・な!」 (アキト)
「うん!」 (ジル)
アカツキさんはエリナさんに言って、お話に出ていた研究所へと退避命令を出していました。
ジルはユウ君からキーボードを渡されて、考えながら入力をしています。
画面に映っていた建物から、ゴマ粒のような点々が出てきて、敷地外に移動しています。
入力を済ませたキーボードがユウ君に返されて、「発射」と言ってキーを押してから片付けています。
「アキト兄ぃ 10分ぐらい掛かる・・・」 (ユウ)
「それだけ時間があると、逃げるのには十分だろう」 (アキト)
「10分後に研究所がなくなるのか・・・ エリナ君、事務処理を頼むよ」 (アカツキ)
「事務処理ですか・・・ 研究所閉鎖でいいですね」 (エリナ)
「あぁ 建物も全壊するから、更地の準備もヨロシク」 (アカツキ)
?です。
今のやり取りで、研究所閉鎖は判りますが、建物が全壊?
ユウ君が言ったひと言も気になります。
「あとはルリちゃんだけど・・・」 (アキト)
「私ですか?」 (ルリ)
「引越しできないかな・・・」 (アキト)
「こっちも、その方が安全だと思うし、エステバリスの開発状況によるけど、僕はいいよ。」 (アカツキ)
「開発の方は、テストで微調整をすればいいだけだし・・・」 (カイト)
「それじゃ! ルリちゃん次第だね。」 (ユリカ)
「私ですか・・・ 引越しって、どこにですか?」 (ルリ)
「ここ!」 (ユリカ)
私が了承すると、トントン拍子で私の引越し&部屋が決まりました。
引越しで戻らなければならないのですが、カイトさんの機動兵器で戻ることになり、その日のうちに、引越しは終わりました。
アカツキさんが帰る前に、次のお仕事の話をしたのですが、新しく建造している戦艦のメインOSの教育となりました。
完成すれば、そのままメインオペレーターとして乗り込む事になります。
ついでにですが、私の養護者との話し合いはアカツキさんが済ませていて、テンカワ家の同居人となっているそうです。
そして、ユリカさんは・・・
「ユウ君とルリちゃんの名札を入れ替えとかないとねぇ・・・」 (ユリカ)
「ユリカ・・・ まだ早い。」 (アキト)
「だってぇ・・・ その内に、そうなると思うし・・・」 (ユリカ)
私は構いません・・・ 本音としてはユリカさんの意見に賛成です。
しかし、カイトさんが了解しないと思います。
アキトさんと同じで、こういう事については・・・ 結構、硬いです。
それとテレビに映っていた建物は、ガレキの山になっていました。
ユウ君が説明してくれましたが、近くにいるMars所有の船からミサイルが1本届いて、建物に当たったらしいです。
それで建物は全壊。
夕方の食事の時に、ジルちゃんの所には大きなパフェがありました。
1回で当てた・・・ご褒美だそうです。
ありゃ・・・ なんか文体が変わっています・・・ 2桁に入っても、まだ本編に入っていませんね。
やっとルリちゃんがテンカワ家の一員になりました。次はアキトさんのお話になります。
一応、予定としてアキト・ユリカ・ナデシコの順番で本編へと続きます。
| 2006/09/16 製作開始 | 2006/09/17 校正 | 2006/09/17 『風の通り道』 投稿 |
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