機動戦艦ナデシコ


お間抜けな人たちの恋愛事情



  少しやつれたルリちゃんを見ると少しだけ後悔した。あの事件の後どうして付いていてあげなかったんだろう。確かにあの時は自分にしか出来ない重要な役目があったけど。

「あの、カイトさん。もしかして私お邪魔虫ですか?」

ボーッとしていたの勘違いしたのかそんな事を言ってくる。もちろんの事だけどお邪魔のはずがない。むしろこの降って沸いたような幸運を神様とは仏様とアッラーの神と代打の神様の八木様に感謝している。

「あのね、ルリちゃん。すぐに自分を小さく見るのは良くないと思うよ。僕は」

少し照れるのを隠して

「ルリちゃんと少しの間だけどこんな事になれて嬉しいと思ってるよ」

やはり言葉にすると恥ずかしいね。

「そうですか。それではその・・お世話になります」

ぺこりと頭を下げて礼をする。ツインテールが垂れる。ふとどうでもいいがこのツインテールが武器になったら・・・。



「ほぁちゃー。ツインテール 乱舞の舞ぃぃぃぃぃ」

可憐な少女が自分の髪を振り回して屈強な男達をなぎ倒していく。 うめき声を上げながら倒れていく悪役AからZ´の計52名。そこで少女は決め台詞。

「私が3日後に戻らなければ貴方たちは『ボンッ』です」



「あのーカイトさん。人を勝手に一子相伝の拳法の後継者にしないでください」

はぅ。全部口にしていたか。これで何度軍で白い目で見られた事か・・・。一応誤魔化しておこう。

「そんな事よりも今日のご飯は僕が作るね。消化に良いものたくさん勉強してきたからさ」

先生は荒岩さんではなく山岡さん。

「久しぶりにカイトさんの料理ですね。楽しみです」

こういう場合ちゃんと人の親切を受け取れるのがこの子の良い所だと思っている。こういうときこそ男の一人暮らしの本領が発揮されるのだ!!

ちょっと空しいけどね。







「おいしいですね」

ルリちゃんが僕の作ったブロッコリーのグラタンを食してそう言ってくれた。

「前作ったときおいしいって言ってくれてたからね。ルリちゃんにそう言ったもらうとどんどん作りたくなるんだよね」

正直本当の事だ。ルリちゃんみたいに正直の物事を言う人の言葉は 何よりも重みがある。その事を一番示してくれたのはアキトさんだった。不器用かもしれないけど自分で一生懸命に探した道を進んでいた。だから復讐の道に走ったのかもしれないと思う。そう思うと・・・いまだに悲しくなるし怒りが湧き上がる。

「・・トさん、カイトさんお代わりよそいましょうか?」

いけね。ボーとしていたようだ。

「いやいやお客様にそのような事をさせるようでは」

「遠慮はいりませんよ。私カイトさんに警護されようと思ってきたんじゃありません」

言葉は少ないけど結構嬉しい。

「うんじゃ、大盛りでお願い」

「わかりました」

そういってトテトテと台所に向かう。

実際ルリちゃんに会ってみて分かった事がある。自分があの火星の後継者の事件にかなりショックを受けている事。それにルリちゃんがかなり精神的にショックを受けている事を。確かにルリちゃんは強い子かもしれない。けどやっぱり女の子なんだなと認識させられた。でもどうやってこの子にに元気を取り戻させようかな・・・。



モーッちとだけ続くかも。






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