〜なでしこ七夕物語〜












  カイト:「着いた…着いたんだ…(感動)」








―― カササギの力で何とか天の川を渡りきった彦星 ――

―― 最後の力を振り絞って、織姫の待つ宮の前に立ったのです ――
 




カイト:「ルリちゃぁぁぁぁぁぁぁんっ!!」

  



―― 血の涙…流れてますね…………。

 



  ルリ :「カイトさんっ!」

  カイト:「ルリちゃんっ!」





  ひしっ!!




 
―― 呼び声に宮の中から飛び出してきた織姫、駆け寄る彦星。

―― 2人は一年ぶりの再会に身を寄せ合って喜びあいました。




 
  カイト:「ルリちゃん!ルリちゃん!ルリちゃん!ルリちゃん!ルリちゃん!ルリ…」

  ルリ :「カ、カイトさん…ちょっと苦しいです」

  カイト:「ルリちゃん!ルリちゃん!ルリちゃん!ルリちゃん!ルリちゃん!ルリ…」

  ルリ :「カ、カイトさんてば…」

  カイト:「ルリちゃん!ルリちゃん!ルリちゃん!ルリちゃん!ルリちゃん!ルリ…」

  ルリ :「もう…しょうがないですね(////)」






―― 傷つき疲れ果てた彦星の様子に

―― 驚きつつも喜びを隠せない織姫でしたが、

―― いつまでもこのままでは話が進まないので、彦星を宮に招きいれました。





  カイト:「逢いたかった…。本当に逢いたかったんだ、ルリちゃん(涙)」

  ルリ :「私もです。カイトさん…」

  カイト:「ルリちゃん…」

  ルリ :「カイトさん…」





―― もはや互いしか目に入らない2人。

―― しかし。さすがに1年かけて用意したプレゼントの存在を忘れることはできませんでした。

―― 背後からそっと玉手箱を取り出す織姫。



 

  ルリ :「カイトさん、じつは貴方のためにプレゼントを用意したんです」

  カイト:「プレゼント?」

  ルリ :「はい。もしご迷惑でなかったら受け取っていただけませんか?」

  カイト:「迷惑なもんかっ!ルリちゃんがくれるものなら、僕にとって何物にも代えがたい宝物だよっ!」

  ルリ :「あ、ありがとうございます(////) どうかこれを…」

  カイト:「こ、これはっ!?











  ルリ :「………………………………」

  カイト:「………………………………」

  ルリ :「………………………………」

  カイト:「………………………………」

  ルリ :「………………………………」

  カイト:「………………………………」

  ルリ :「………………………………」







 
  カイト:「………………………………スミマセン。コレハ何デショウカ?」







 

―― かたまる彦星。


―― 彼には手の上でひらひらと舞う(ちょっちボロっちい) 細長い物体の正体がわかりませんでした。








 
  ルリ :「『帯』です」


  カイト:「ひっじょぉーーーーっに申し上げにくいのですが…少々薄くて短いような…」


  ルリ :「『帯』です」


 カイト:「………………………………」


  ルリ :「『帯』ですっ!(怒)」


  カイト:「………………………………ポン!なるほど!『帯』(汗)ですか!」


  ルリ :「はい。『帯』(汗)です(にっこり)」














  カイト:「………………………………」

  ルリ :「………………………………」

  カイト:「………………………………」

  ルリ :「………………………………」

  カイト:「………………………………」

  ルリ :「………………………………」

  カイト:「………………………………」

  ルリ :「………………………………」

  カイト:「………………………………」

  ルリ :「………………………………」

















  カイト:「この『帯』(汗)はっ!この色、この肌触り…なんて素晴らしいんだっ!」

  ルリ :「カイトさんのために、私の想いをこめて作ったんです(////)」





―― めげないな…この2人。






  カイト:「ルリちゃん…ありがとう、すごく嬉しいよ」

  ルリ :「カイトさん…」


  カイト:「でも…僕は『帯』だけじゃなく…ルリちゃんごと欲しい」

  ルリ :「あ…」






―― ゆっくりと重っていく2つの影。







―― とうとう…とうとうここまで辿りつきました。


―― あぁ、長かった。いやホントに。


―― 幸せいっぱいの彦星と織姫。


―― これ以上の覗きは無粋というもの。


―― お邪魔ムシは早々に退散することにいたしましょう(^^)/






 ぴんこん、ぴんこん、ぴんこん。






―― はて?何でしょう?この音は?






 ぴんこん、ぴんこん、ぴんこん。






―― どこかで聞いたような…??







 7がつ8か、ごぜん0じをおしらせします。













―― へ?











カイト&ルリ「「えぇっ!?」」






  カイト:「ちょっと待てぃぃぃっ!!」

  ルリ :「そんな…」

  カイト:「これからが制限なしの良いとこなのにっ!!」




 ぴ、


  ルリ :「カイトさんっ!」






 ぴ、







  カイト:「ルリちゃんっ!」








 ぴ、










カイト&ルリ「「待ってぇぇぇっ!!」」














 ぴ〜ん。



















がばっ!!












「ゆ、夢か…………」










はぁ〜。


バクバク弾ける心臓を押さえつける。

何かを暗示するような夢…。

カイトは暗闇の中に浮かび上がるグリーンの時計表示をみつめていた。





『07/07 02:37:24』












<つづく>




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