〜なでしこ七夕物語〜











「艦長!今日は非番ですよね?もし良ければ僕と…」

「いやいや、ぜひとも俺たちと…」

「すみません。今日はちょっと…」





朝の食堂で周りをクルーに取り囲まれているルリ。



今日は彼女の誕生日。


なんとか1日を彼女と共に…そして、あわよくば…(にや)………な連中が後を絶たない。









たったったったったっ!!








「お〜い、カイト!朝メシくったら勝負するぞっ!」

「すみません、リョーコさん!今日はパスっ!!全部パスですっ!」










「艦長!できれば少しお時間をっ!(真っ赤)」

「忙しいです」









だっだっだっだっだっだっだっだっ!!












「何だよ?カイトのやつ慌てて…」

「ま、今日はしょうがないと思いますよ、大尉?」

「うわっ!サブロウタ!いきなし後ろに現れるなっ!」

「まぁまぁ、勝負なら俺がつきあいますから」













「お、俺たちでは役不足だということでしょうか…(TT_TT)」

「いえ、別にそういう訳では…」













だだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだっ!!!
















「少しだけでも…」

「ですから…今日は…」









「ルリちゃんっ!!」








「えっ…? きゃっ!? カ、カイトさん!?





食堂に飛び込んだとたん、カイトはルリを抱えあげる。




「皆ごめん!今日は僕が先約だからっ!」




そう言って抱えたままのルリを連れ出すカイト。


背後に轟く 「ばかやろ〜!」「ふざけんな〜!」 な声はきっと彼には聞こえていないだろう。


彼にわかるのは真っ赤になって彼の首にしがみつくルリのやわらかさだけだった。











「ふぅ〜まったく…。あんまりビックリさせないでくださいね」

「ごめん、ルリちゃん」






皆の視線から逃げ回って飛び込んだ展望台。

先程の勢いはどこへやら…カイトはすっかり萎縮している。



<少しお小言が過ぎたかもしれませんね?>



と思うルリ。内心、珍しく積極的なカイトの行動にドキドキしっぱなしなのだが…。



「ホントに…どうしたんですか?」

「その…ゆうべ…………夢を見て…」

「夢?」

「うん…。なんか……いろいろ邪魔されて…ルリちゃんと一緒に入れなくて…」

「……………」

「やっと2人きりになれたと思ったら…また離れ離れで…その…」

「……………」

「つまり…」



ルリの顔色をうかがうようにおそるおそる話すカイト。

耳と尻尾があったら、きっと彼の気持ちを的確に表したことだろう。




「くす」



「え?」



突然のルリの笑みに一瞬思考がとまる。



「私はちゃんとここに居ますよ?」

「う、うん(////)」

「今日はずっと一緒って約束、ちゃんと守ってくださいね?」

「うんっ!もちろんだよっ!ルリちゃん」











―― 長くつらかった織姫と彦星のものがたり。


―― こうして再び出逢った2人は…


―― 失われた7月7日をもう一度幸せに過ごせたのです。















―― まぁ、当然、あ〜んなことこ〜んなことまで…………




 「「してませんっ!(
////)」」



   「まだ!」
   「まだ?」
   「「……(
////)」」












―― めでたし、めでたし ――















---
<あとがき>

どもども、Rin です。

間に合わなかった…間に合わなかったんだ…。

あとは来年…来年用…。





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