機動戦艦ナデシコ

〜 Endless  Story  第一章 アカキヒトミ 〜










夢・・・


僕にも夢があった・・・


あの日・・・あの瞬間までは・・・


あの時、掴みかけていた夢は永遠に届かない場所に行ってしまった・・・


どんなに背伸びをしても届かない場所に・・・


些細な夢だと思ったのに・・・手に入ると思ったのに・・・


もう・・・僕に夢を見ることは許されないのだろうか・・・




ただ・・・ただ自分の居場所が欲しかっただけなのに・・・





第7話 悲しき選択




8月15日

時間帯はまだ早朝、夏だと言うのに雨が降っていた・・・まるで誰かの涙の様に・・・

そんな雨の中・・・二人の男が墓地に立っている、一人は黒いマントに顔の半分を覆い隠すようなバイザーを付け、もう一人の男は白いコートを着ている、そして太陽も出ていないのに何故かサングラスのようなものをかけていた。

二人は夏だというのに暑苦しい格好をしているのだが、雨の日ということもあってか不思議と違和感は感じられない。

白いコートの男が目の前の墓に花を供えると立ち上がり、黒いマントの男に向き直った。

「お久し振りですね・・・アキトさん」

「あぁ・・・久し振りだな、カイト・・・」

カイトの言葉に対してアキトの言葉には生気というものが感じられなかった、どこか冷たい印象を受ける。

「ところで、何のようだ?」

「回りくどい言い方をしても時間の無駄ですし、単刀直入に聞きます。・・・・・・アキトさん、あなたの目的が達した時、どうしますか?」

「・・・・・・どういう意味だ・・・」

「みんなの元に帰るか・・・帰らないか・・・です。」

「・・・・・・。」

カイトの質問にアキトは無言で返した、しかしその無言がアキトの答えになっていたのだ。

「帰らない・・・つもりですね?」

カイトにはアキトの感じた事、言いたい事が痛いほど理解できた。

「・・・お前は知らない・・・俺は、罪を重ねすぎた・・・罪の無い人々を殺してしまった・・・」

「それがどうしたんですか?」

アキトの気持ちがわかるからこそ、カイトは冷たく言い放った。
この時、二人の間には昔のような和やかな空気はもはや無かった・・・そんな様子がお互いの真剣な顔から垣間見える・・・

「!!・・・・・・どういうことだ・・・」

初めてアキトの口調に感情が現われた、バイザーの奥にうっすら見える瞳が鋭くなっていく・・・

「罪を重ねた?・・・確かにアキトさんは、多くの人を殺してしまったのかもしれない、しかしそれは『甘え』だ。」

「『甘え』だと・・・・・・。」

「こんな言い方は死者に失礼ですが、死んだ人は返ってこない、例えどんな事をしようとも・・・ね・・・」

「・・・・・・。」

「ならあなたが死んでいった人たちにできる事・・・それは、死んでいった人が成しえなかった幸せを別の・・・多くの人達に託す事だと僕は思います・・・そしてその一歩が皆の元に帰ることなんですよ・・・しかしあなたは逃げようとしている、最低限の『義務』からも・・・だからあなたは『甘え』ているんですよ自分に・・・」

この時には二人はかなり険悪なムードになっていた。
二人の性格上、殴り合いなどするはず無いが、何故かそう思わせるような雰囲気だ・・・

「フッ・・・俺が甘えているか?・・・そんなこと言われたのは初めてだな・・・」

「そして・・・あなたが消えることによって、多くの仲間が悲しい思いをするとなんで気づかないんですか?・・・いえ、もしかしたらあなたは気がついているのかもしれませんね?・・・しかしあなたはみんなの元に帰らないと口にする・・・あなたは罪を更に重ねようとしている、口ではこれ以上罪を重ねたくないと言いつつも!!」

「しかし・・・。」

思わずアキトは言葉を濁した、アキトは今までの自分のしてきた事が許せなかった、自分が殺してきた人に悪い気がした・・・自分だけ幸せに暮らす事が、しかしカイトは言った。死んでしまった人の幸せを多くの人達に託せと・・・それは最低限の『義務』だと・・・その一言がアキトの心を覆っていた氷に亀裂を入れ始めたのだ。

「大丈夫ですよ・・・あなたの手は血塗られてなんかいない・・・なにかを守れる手をしている・・・」

カイトはアキトに悟らせるような優しい口調で語りかけた。しかしカイトの心の中ではその手が堪らなく羨ましかった、何かを守れる力が欲しかった、呪われた力なんて捨ててしまいたかった。

でも、それも叶わない・・・カイトは知っている、『扉』はもう開かれたと・・・閉じる事は叶わないと、そして呪われた力が自分が自分でいられる最後の光りだと・・・

「俺がこんな体でもか・・・」

アキトは自分の体を憎らしい眼差しで見つめた・・・アキトの体にはある秘密があった、もちろんその事はカイトも知っている

「五感が無い、辛いですね・・・だけど、あなたが愛した人は・・・信頼した仲間は、その程度のことであなたから離れていってしまうんですか?」

「・・・・・・。」

アキトは何も答えなかった・・・いや答えられなかった・・・

「はぁ〜〜・・・これはあの人からの伝言です・・・『今の段階でギリギリ3割までなら五感が戻る』・・・昨日会って直接本人から聞きましたから真実です、さらに奴らの本拠地であなたの実験データが見つかれば、8割回復も夢では無いそうですよ・・・それでも、帰りませんか?」

「俺に五感が戻るのか?」

「はい、そのためにもあなたは帰るべきだ・・・」

「・・・しかし・・・」

それでもアキトは踏ん切りがつかなかった、元々優しい性格だったのが邪魔しているのかもしれない

「ど〜しても帰らないって言ったら、引っ張ってでも連れて行きますよ・・・それであなたに恨まれる事になっても・・・ね・・・」

カイトは寂しげな笑みを浮かべながら冗談半分のようなセリフを吐いたが、最後の言葉だけは何故か誰が聞いても本心という事は伝わった。

「(俺の負けだな・・・)・・・カイト・・・お前はどうする気なんだ?」

この時、アキトは皆の元に帰る決意をあきらめにも似た形で決めたのかもしれない・・・カイトの一言で・・・

そしてこの時、二人の間にあった張り詰めた空気はいつのまにか消えていた・・・

「僕は・・・帰りません・・・」

その言葉は大きくアキトの予想を裏切った、カイトは自分を説得しようとしているのだから、当然カイトも皆の元に帰ると考えていたのだ・・・

「何故・・・・・・・・・」

アキトの言葉はそれ以上続かなかった、それは辺りの空気が変わったのに関係があるのかもしれない。先ほどまでの空気ではなく、それは明らかな殺気・・・二人の目が瞬時に鋭くなった、と言っても二人のかけているバイザーとサングラスで表立った表情の変化は見られないのだが・・・

「「!!」」

カイトはコートの下からアキトはマントの下から当たり前の様に銀と黒の拳銃を取り出し、ある一点に向けて構えた・・・



「迂闊なり、テンカワ・アキト」



二人が銃を向けた先には編み笠にマント姿、二人よりもその姿は目立ち、なによりその男から出る雰囲気が只者では無かった。

「(あれが北辰・・・)」

カイトは目の前の男に妙な気持ちを抱いた、それは懐かしいような、自分と似ているような不思議な感覚、何故そのような気分になったかはすぐに理解できた。

北辰の片目がカイトのような赤い瞳だったからだ・・・

「(もしかして、北辰も?)」

「我々と共に来てもらおう!」

カイトの疑問をよそにその言葉と同時に北辰の後ろから六つの人影が現われた、北辰と共に行動し人数から六連のパイロットと考えるのが妥当だろう。

そして一方形勢が悪くなったにも関わらずカイトとアキトは動じる様子も無く、ジッと銃を構えていた。

「重ねて言う・・・一緒に来い!」

その言葉を合図の様に二人は同時に引き金を引いた。

ダンッ!!

一発の銃声が辺りに木霊する、正確には二発なのだが一発に聞こえるほど二人の射撃は同時だった。

「無駄だ。」

正確に二人の弾丸は北辰を目指していた。しかしクサナギの時と同様にフィールドらしきものに阻まれ、あっさり弾き返された。

「・・・やっぱり無理ですか・・・」

クサナギの時にすでに効かないということは分かっているので、カイトはあっさり銃をコートの下にしまった。

「手足の一本は構わん・・・捕らえよ!」

「隊長・・・隣の男は?」

「殺せ・・・」

北辰の冷たい声が冷徹な命令を下した・・・

「カイト・・・いけるか?」

いまだに銃を構えてるアキトが、呟くようにカイトに尋ねる

「えぇ・・・それよりも先ほどの続きなんですが・・・」

フッと思い出したようにカイトはゆっくりとサングラスを外した・・・

「烈風!」

北辰の様子が変わった、明らかに動揺している、カイトがサングラスを外した瞬間から・・・

「おう! ちえぇぇぇーッ!!」

北辰の部下の一人がカイトに襲いかかってきた、手には短刀を持ち低い姿勢を保ちながらも疾走してきている。

「僕が帰れない理由・・・それは・・・」

その時、カイトは笑った・・・その笑顔いつものカイトの顔ではない、その笑みは恐ろしく冷たく、その場にいる全員の背筋を凍りつかせる・・・それは味方であるアキトも含めて・・・

「!!」

一瞬だった・・・カイトは別に構えもせず、男が目の前まで来るのを待つと左手で短刀を持っている手を弾き、体を回転させるように避けると、その勢いを殺さずに右手で男の後頭部を掴み、そのまま地面へと叩きつけた。

「それは・・・アキトさんの知っている『カイト』という男はもう・・・死んでしまったから・・・」

「カイト・・・おまえ目が・・・」

アキトは唖然とした、カイトの赤い瞳に・・・冷酷なカイトの攻撃に・・・

今までのカイトなら幾らなんでもあそこまではやらなかっただろう、せいぜい気絶させるのがいい所だ。しかし今のカイトは違った、先ほどやられた男は顔の半分が地面に埋まり痙攣を起こしている。一般人が食らったら地面に叩きつけられた時に即死しているだろう、それほどカイトの攻撃は容赦が無かった・・・

「北辰・・・僕はアキトさんほど甘くは無い・・・」

「クッ!!」

さすがの北辰も一瞬カイトの気迫に押された、雨の中で見るカイトの瞳は獣より凶暴に、残忍に見えた。少なくとも北辰の目には・・・

「「シャアアアッ!!」」

仲間をやられ、黙っていられなくなった部下の二人がカイトに牙を剥いた・・・しかしそれを見るカイトの目は底知れぬ冷たさがある、まるで全てを見透かしたような・・・

「・・・・・・。」

カイトは足元に埋まる男を引き抜くと、並外れた腕力で襲いかかってくる男達に投げ返した・・・

「「ウワッ!!」」

二人の男もさすがにこの攻撃は予想できなかった、仲間を避けるわけにもいかず、動きを止めて受け止めるとカイトに対する警戒心を強めたのか、後退し元の位置に戻っていく。

「北辰・・・あなたに会ったら聞きたいことがあったんですよ・・・何故・・・あんなことができるんですか?」

「・・・知れたこと・・・我々は『火星の後継者』の影、人にして人の道を外れた外道。すべては新たなる秩序のためだ!!」

「ハッハッハッハッハッ」

「何!?」

北辰はその声に勢いよく振り返った、そして声の主が誰だかわかると北辰は思わず顔を歪めた。

「新たなる秩序、笑止なり」

突然の笑い声と共に現われたのは先の大戦中は木連の将校として、白鳥ユキナの兄、白鳥九十九と共に戦い、さらに草壁の命令で白鳥の暗殺をした事により草壁の思想に疑問を抱き、大戦終結後『熱血クーデター』を起こして謎の失踪をしていた男、月臣元一郎だった。

「確かに破壊と混沌の果てにこそ、新たなる秩序は生まれる。それゆえに産みの苦しみを味わうは必然・・・しかしクサカベに徳なし!」

「久し振りだな、月臣元一郎。木星を売った裏切り者がよく言う・・・」

「そうだ。友を裏切り、木星を裏切り、そして今ではネルガルの犬」

月臣は新地球連合設立後はネルガルのシークレットサービスの一員として働いていたのだった。

「隊長!」

部下の一人が周りの状況に混乱した。北辰たちを中心に囲むようにシークレットサービスが辺りに展開していたのだ、月臣は木連の時の制服を着ているがその他のシークレットサービスは黒いスーツにサングラス、さらにオールバック気味の髪型・・・どこまでも季節感を無視した連中だ。

「あわてるな」

部下を落ち着かせるように低い口調で北辰は呟いた

「テンカワにこだわりすぎたのが仇となったな、北辰!・・・大人しく投降しろ!!」

「しない場合は?」

「地獄へ行く」

「そうかな?」

「ここにいる全員に勝てると思うのか?」

「・・・ハハハッ・・・」

「北辰、投降しろ!」

「跳躍」

北辰の言葉を合図に部下が一斉に集まった。そして北辰の周りが光りに包まれていく・・・

「クッ・・・ボソンジャンプか・・・」

黒いスーツの男が愚痴るのと同時に辺り一面が光りに包まれた、そして光りが収まった頃には既にカイト達の前に北辰達の姿は消えていた・・・

「カイト・・・説明してくれないか?」

カイトの変貌振りに驚きを隠せないアキトは思わず問いただした。

「そうですね・・・その前に場所を変えましょう・・・ここは死者の眠る場所、これ以上騒ぐのは失礼ですからね。」






近くの野原

「何から言ったらいいのか・・・そう・・・『記憶』が戻りました、まだ断片的にですが・・・」

「!!・・・・・・本当か?」

「えぇ・・・そして、気づいたんですよ・・・僕には何も守れないって・・・」

「カイト、それはちが・・・・・・」

アキトの言葉をカイトは止めた・・・カイトにとってそれ以上言われるのは、苦痛以外の何者でもなかったからだ。

「違くなんかありませんよ・・・現に僕の親友も死んでしまった。」

そういってカイトは拳を握り締めた、頭の中ではユウキの死に顔が離れない。

ユウキの顔を思い出すたびにカイトは思うのだ・・・運命の皮肉さを・・・自分の力不足を、あと一分いや一秒でも早ければと・・・

「・・・・・・。」

ユリカを失ったアキトにもカイトの気持ちは理解できた、しかし二人には決定的な違いがある。それは生きる可能性があるユリカに対して、もう死んでしまったユウキということだ。

「アキトさん・・・人は常に決まった数のモノしか持てず、そして一つ新しいモノを得るために一つ何かを捨てなければならない・・・と言ったら信じますか?」

「・・・あぁ・・・」

「僕は違うと思ってました、だってそんなの悲しすぎるじゃないですか・・・でも・・・でもやっぱり本当でしたよ!その言葉は!!」

そう言って笑顔を見せるカイトだったが、どこかその笑顔は寂しげだった・・・

「最初にアキトさんやユリカさんが消え・・・そしてルリちゃんやみんなが消え・・・新たに出来た親友も消えた・・・そして僕が全てを失った時・・・記憶を得ました。アキトさん僕の記憶は全てを失ってでも得る価値の有るモノだったのでしょうか?」

「おまえ・・・」

「アキトさん・・・あなたを僕のような道を歩かせるわけには行かない・・・たとえ何が起ころうとも!!」

その燃えるような赤い瞳でカイトは冷たいアキトの瞳を見つめていた。

「どういうことだ?」

「あなたが歩もうとしている道を歩き終えた男からのアドバイスとでも思ってください・・・つけくわえるとその男の最後は呆気ないほどの『死』です・・・」

「カイト・・・教えてくれ、お前の記憶とはなんだったんだ?」

「(それは・・・)・・・ハハッ・・・まだ秘密です!」

「フッ・・・わかった、ゆっくり待つとするさ・・・頑固なお前のことだからどんなに聞いても答えないだろうからな!」

その答えにカイトは微笑むとゆっくりとアキトに背を向けた・・・

この時はまだアキトは気がついていなかった、自分から張り詰めていたモノが薄れていくことに・・・

「・・・もしアキトさんが罪の意識に押しつぶされそうになったら、あなたの力を誰か他の人に使ってください・・・大事な者を守れる力・・・夢を掴みとる力があなたにはある・・・だから・・・その力を・・・」

「・・・・・・。」

「・・・ハハッ・・・自分勝手ですね、僕の価値観をあなたに擦り付けようとしているのだから・・・出来れば僕にもあなたのような力が欲しかった・・・何かを壊す力ではなく、何かを守る力が・・・アキトさん、みんなのこと・・・真剣に考えてみてくださいね、みんな待ってると思いますよ・・・・・・それじゃあ僕は失礼しますよ・・・」

カイトは一人歩き出した。その背中は先ほどの様な気迫は感じられず、アキトには泣きじゃくる子供の背中の様に見えた。

「カイト!!」

その背中をアキトは黙って見過ごせなかった

「カイト!!・・・おまえが皆の元に帰るんなら・・・俺も帰ろう・・・皆の元に・・・」

アキトの呼びかけにカイトは少し淋しげな笑顔で答えた。

「・・・ありがとう・・・でも無理です、あなたの戦いはもう終わるかもしれない、しかし僕の戦いは始まったばかりなのだから・・・」

そう告げるとカイトの体は光に包まれ、アキトの前から姿を消した。

「カイト・・・おまえはいつからそんなに悲しい目をするようになったんだ?」

その時にはもう・・・雨は上がっていた・・・






連合宇宙軍地下ジャンプ実験ドーム

「昨日は眠れたか、マキビ少尉?」

連合宇宙軍地下ジャンプ実験ドームに続くエレベーターの中にサブロウタとハーリーは居た。

「はぁ・・・・・」

「で、どうだったんだ?」

「え? 何がです?」

いつもの軍服のサブロウタに対してハーリーはパイロットスーツのようなものを着ていた。

それもそのはずハーリーは連合宇宙軍地下ジャンプ実験ドームから、A級ジャンパーである人物と共にボソンジャンプで月に向かうためである。

「またぁ。知ってるんだよ。昨日、艦長の部屋に泊まったんだろ、おまえ?」

ニヤリと笑うとサブロウタはハーリーに顔を近づけた。

「な、何でそれを・・・」

一気にハーリーの顔が赤くなった、さすがにルリの部屋に泊まったことは誰も知らないと考えていたのだから当たり前かもしれない。

「フッフッフッフッ・・・・・・。で?優しくしてくれたのか?」

「ええ、まあ・・・」

益々ハーリーの顔が赤くなっていく、さしずめ昨日の夜を思い出したんだろう。

「おー、言うねぇ。で?」

「フルーツ牛乳ご馳走になって・・・」

「それからそれから?」

男特有というか何というか、サブロウタの目つきがイヤラシイ目つきになっていく

「手をつないで寝ました」

「え?」

チ――――ン

『地下500』

その音が二人の会話の終わりを告げた。

「時間が無い・・・急ぎましょう」

エレベーターから出た二人に連合宇宙軍地下ジャンプ実験ドームの主任らしき初老の男が声をかけた。






「システム異常なし」

「ジャンパー脈拍・体温に異常なし」

「マキビ少尉、具合はどうかね?」

「はぁ・・・何か、操り人形になったみたいです。」

体は幾つもコードに繋がれながらハーリーは装置の中心にいた。

金色の床、遺跡のような模様、それらの事がボソンジャンプの装置である事を印象付ける。

「ハハハ。それはジャンプ直前までの君の体組織や精神の状態を見るものなんだ。我慢してくれ」

「はい・・・」

「ハーリー、月で会おうぜ!!」

「はぁ〜い!!」

明るい口調でハーリーは手を振って答えた。

「ナビゲーター、サークル中央部に到達」

「クリスタル活性化、開始します」

「マキビ・ハリです、よろしく」

近づいてきた女性にハーリーは握手を求め、手を差し出した。

「よろしくね」

A級ジャンパーの女性もハーリーの手を握った。

その女性は目の部分に細長いバイザーのようなものをしているため顔はよく分からない、分かる事といえば金髪という事と悪そうな人ではないということだ。

「行き先のイメージは私が行います。あなたは気を楽にして、目を閉じて・・・楽しいこと、うれしいこと、なんでもいいわ。とにかくリラックス」

「リラックス、リラックス・・・」

ハーリーは肩の力を抜き、言われた通りにした。

「チューリップクリスタル活性化順調」

「光子重力子、π中間子増大」

遺跡の模様が光り出し、辺りを包み込んでいった

「ジャンパー・ナビゲーターのシンクロ順調!」

「ボソン変換値上昇!」

「ハーリー!行ってこい!」

「マキビ君、行くよ!」

「はい・・・」

装置の中の光りが最高潮に達すると、ハーリーは飛んだ・・・希望ある月へと・・・






「雨やんで・・・ホント、よかったね!」

黒い喪服に身を包み、ミナトは目の前に立つルリに言った。

「えぇ・・・ホントに・・・」

ミナトと同じく喪服に身を包んだルリは空を見つめながら、ミナトに答えた・・・

「どうかしたの?」

「ハーリー君、月に飛んだ頃です。」

「あのちっちゃい子でしょ?・・・見送りしてあげなくてよかったの?」

「いいんです・・・」

「なんで?」

「見送りに行ったら、何か起きそうで・・・」

「意地っ張りなんだから・・・」

『イネス・フレサンジュ』

ルリはそう書かれた墓石の前に屈むと、手に持つ花を添えようとした・・・

イネス・フレサンジュ・・・かつてナデシコに医療班並びに科学班担当という立場で乗り込み『説明おばさん』として名を知らしめたり、相転移エンジンの開発に携わっていたり、A級ジャンパーだったりとかなり多忙というか、多趣味というか、な人だったが・・・3年前、シャトルの事故でその命を落としている。

「!!・・・キャッ!!」

ルリの後を追っていたミナトは何かに躓いた。

「何コレ?・・・穴?なんでこんな所に〜!!」

一人バタバタしたミナトは、落ち着きを取り戻し駆け足でルリの傍に寄って行った。

「・・・花?」

イネスの墓にはすでに一束の花が添えられていた

「あら。誰か来たのかしらね?」

屈んでいるルリの後ろでミナトは覗き込むような体勢で話しかけた。

「・・・そうですね。」

「はぁ〜・・・もう三年・・・か・・・長いようで短い三年だったね。」

「はい・・・」

ルリは答えながらも墓石の前で手を合わせた、ミナトもそんなルリを見て手を合わせる。

「ルリルリはこれからどうするの?私は空港に向かおうと思ってるけど・・・」

「私は、もう一つ寄る所があるので・・・」

立ち上がったルリはやんわりと告げた、何処だとは言わなかったがミナトにはルリがこの後、向かうところは容易に想像できた・・・もう一つの墓である。

「そうね、わかったわ!・・・でも・・・遅刻しちゃ駄目よ、艦長なんだから!」

ウインクをしたミナトは颯爽とその場から立ち去った・・・が・・・しかしまた『穴』に足を取られた。

「もぉ〜〜何なのよぉ〜!?」

『穴』に向かって一人愚痴ると再度歩き始めた・・・

「・・・・・・。」

その後姿を見送ったルリはミナトとは別の方向へと歩き出した。






「・・・・・・。」

ルリは野原にいた。元々はミスマル家所有の土地であったが、ルリがある理由でコウイチロウから安値で譲ってもらったのだ。

ルリはゆっくりとした足取りで野原の中心立つ大樹に寄っていった、樹齢何百年という大きな木の下にルリの目的の物はある。

『ミスマル・カイト』

そう・・・この場所にはカイトの墓がある、しかしその墓石の下にカイトの遺体はもちろんあるはずがない。

ルリがこの場所を墓に選んだのにはもちろん理由があった・・・

「カイトさん・・・」

ルリは目の前に立つ墓石を眺めながら、ゆっくりとその場に座り込んだ。






「うぅぅ〜〜・・・いい風・・・」

カイトは木の下で伸びをすると座り込んだ・・・

「そうですね・・・でも、いいんですか?」

カイトが座るのを見たルリはカイトの横に行くと同じく座り込んだ

「なにが?」

「私達、買出しの途中ですよ?」

「いいんじゃない?」

「もう、しょうがないですねぇ〜・・・少しだけですよ!」

「ありがと・・・」

そう言っては二人は笑顔を交わした。この頃、買出しは二人の仕事で、この近くを通る度に二人はこの場所に来ていた。

しかしココに来たから何かをするという訳ではなかった、木の下で二人がのんびりと話し合う・・・何でもないことだが二人はその時間が堪らなく好きだった・・・お互い口には出さなかったが・・・

「ルリちゃん・・・こういうのを幸せっていうのかなぁ?」

「そうかもしれませんね・・・」

「僕の記憶は、余りにも少ない・・・でもさ、アキトさんやユリカさん・・・そしてルリちゃん達といる今、この時が一番幸せだって断言できる・・・ルリちゃんは一番幸せな時ってある?」

「(それは・・・カイトさんと一緒にいる時・・・)!!・・・は、早く・・・帰りましょう!怒られちゃいますよ!!」

ルリは急に立ち上がると歩き出した、カイトには見えないがルリの顔は真っ赤になっている。

「んっ!もう行くの?・・・って待って〜〜・・・」

カイトも立ち上がると急いでルリの隣に並んだ・・・

「・・・カイトさん、また来ましょうね!」

「うん!!」

二人は終始笑顔のままその場を後にしたが、二人はその後・・・一緒にこの場所に訪れた事は無い・・・それはテンカワ夫妻のシャトル事故でそれどころでは無くなってしまったからだ。

ルリがこの場所をカイトの墓に選んだ理由・・・それはこの地がカイトとの想い出が多く詰まった場所だったから・・・






「ホシノ・ルリだな・・・」

背後から聞こえたその声にルリは体が金縛りにあったように動かなくなった。

その声は冷たく、背中から伝わる気配は尋常ではない、そして辺りに微かに漂う『血の匂い』・・・

「あなたは誰ですか?」

覚悟を決めて振り返ったルリの姿はどこか凛とした雰囲気を持っている。しかしその姿もその男の前では何の意味も持たなかった。

「・・・フッ・・・これから、死に逝く者には必要の無い事だろ・・・」

黒いコートに身を包んだ男は、ゆっくりとした足取りでルリに近づいてきた。最初はわからなかったが近づいてくると赤い瞳がルリの目にも見て取れる、血の様な真っ赤な瞳が・・・

「・・・火星の後継者ですね?」

「まっ・・・当たりだな・・・流石になかなか頭が切れるって誰でも分かるよなこんな事・・・」

男はルリの5mほど前までくるとその足を止めた。

「・・・と言うことはあなたですか?A級ジャンパーの人達を誘拐したのは・・・・・・」

態度には現れていないが、ルリはこの男というより赤い瞳に恐怖した、まるで人の姿をした獣、その瞳の奥には殺意しか見えなかったからだ。

「フ〜・・・残念だけどそれは外れさ・・・そんな任務は『出来損ない』で十分だからな・・・・・・さて、お話はもういいだろう?・・・そろそろ死んで貰いたいんだ、こんなどうでもいい『任務』なんだが・・・フッ・・・『アイツ』の悔しがる顔が見れると思うと・・・まぁいいか。」

男は不気味な笑みを浮かべると、また歩き始めた。

「・・・・・・。」

ルリは最初逃げ出そうとした、少なくともこの場に立っているよりも生存の可能性が高いと考えたからだ。しかし今まで味わったことの無い恐怖にルリの足は動かなかった、ルリの頬を一筋の汗が流れ落ちる・・・

「クサナギ・・・それ以上、動くな・・・」

辺りに一陣の風が吹いた・・・その風は優しく・・・その場にいる全ての物を包み込んだ。

「!!」

クサナギが邪魔でルリには声の主が見ない、しかし聞き覚えのあるこの声・・・不思議とルリの中の不安や恐れは消え、安心というものに変わっていた。

「・・・どうした、ミカヅチ・・・この女でも守りに来たのか?」

「・・・違う・・・お前を殺しに・・・」

そう言うカイトの声にルリは一瞬戸惑った。

ルリにはどうしてもカイトが言うセリフだとは思えなかったからだ、思わずルリは横に動き声の主を確認した。

白いコートにサングラス、顔は見えないがやはりルリにはカイトに思えた。

「・・・ククッ・・・わかってきたじゃないか、それよりも何でそんなものをかけているんだ?あんまり似合ってないぞ・・・」

「・・・・・・。」

おそらくカイトのサングラスを指しているのだろうが、カイトは何も答えなかった。

「『奴』はどこだ?」

「『奴』?・・・あぁ・・・あいつの事か・・・知らないな・・・」

「ならいい・・・」

「会ってどうする気だ?」

「お前には関係ない・・・」

「おいおい、随分と昔みたいになってきたじゃないか・・・その冷めた態度・・・記憶でも戻ったのか?」

「・・・・・・。」

「・・・ククッ・・・まあいい、そろそろ俺は退散させてもらおう、こんな任務どうでもいいし・・・時間もない、なにより楽しみは最後に取っておいたほうがゲームは盛り上がるだろ・・・ミカヅチ?」

「逃がすと思うのか?」

「・・・無理だよ・・・おまえには、記憶が戻ったのならあの時の『敗北』を思い出したろ?」

クサナギの体が光に包まれていく・・・その後は誰にでも予想できるだろう、ボソンジャンプである

「ホシノ・ルリ、おまえの前に必ずまた・・・俺は現われる、その時を楽しみに待つんだな・・・フフッ」

ルリの方に向き直り笑みを浮かべながらクサナギは告げると・・・飛んだ・・・

「・・・・・・。」

「カイトさん!!」

ルリは走った。今までのことが漠然とした夢のような気がしたから・・・目を離すとカイトがこの場から消えてしまいそうな気がしたから・・・

この時、先ほどまで鉛のように動かなかった足はどこかに消え、重さを感じさせない羽のようにルリの足は軽やかだった。しかし、カイトの近くまで来ると何故かルリの足はまた鉛のように動かなくなったのだ。

そう・・・ルリの心はカイトの胸に飛び込もうとするが、体は自然とカイトの前で止まってしまったのだ、先ほどのクサナギの時のように・・・

「久し振りだね・・・ルリちゃん・・・」

カイトの声は、先ほどのような殺意に満ちた声ではなく、いつもの優しさに満ちた声をしていた。

「カイトさん・・・生きて・・・たんですね・・・」

「うん・・・。」

「なら何故・・・なぜ教えてくれなかったんですか?・・・生きてるって!一言でも・・・」

「ルリちゃんをこの事件に巻き込みたくは無かった・・・」

「充分巻き込まれてます!!」

「ハハッ・・・そう、その通りさ・・・僕の力不足のせいで・・・」

その時見せたカイトの一瞬の表情をルリは見逃さなかった、その顔はルリが一度も見たことが無いような底知れぬ悲しみに満ち・・・ルリの心に衝撃を与えた。

「・・・・・・。一つ聞いてもいいですか?」

「なんだい?」

「アマテラスで見た黒い機動兵器はやっぱり・・・」

「そうだね・・・ルリちゃん、君は全てを知っておいた方がいいのかもしれない・・・そう・・・事の始まりはシャトルの・・・いや・・・『熱血クーデター』が起こったときから始まったんだ・・・ルリちゃん、奴ら『火星の後継者』の目的を知っているかい?」

「はい・・・確かボソンジャンプの技術を独占、そして現在の政治体制を覆し新たな政治体制を築くこと・・・」

「正解・・・そして奴らはその第一段階としてボソンジャンプの秘密を解き明かそうとしたんだ。」

カイトはルリの答えに納得したように頷くと次の言葉を出そうと口を開いたが、先に声として出したのはルリの方だった。

「そしてその手段として『火星の後継者』の人達はA級ジャンパーの人達を誘拐した・・・ですか?」

「!!・・・気づいていたのかい?」

カイトの口調に多少変化が見られたが表情には変化は見られなかった、どうやら思ったよりも驚いてはいないらしい。やはりカイトもルリにあそこまで見られて隠し通せたとは初めから考えてはいなかったのだ。

「はい・・・でも気づいたのはアマテラスでユリカさんを見たときです・・・」

「それなら話は早い。そう、そして『火星の後継者』は実験を始めたんだ、A級ジャンパーの人達を実験台にして・・・」

「・・・じゃあアキトさんやユリカさんは?」

「奴らの実験台にされた・・・ユリカさんは知っている通り遺跡に融合され・・・アキトさんは度重なる実験により五感を失った・・・そして今はブラックサレナ、黒い機動兵器に乗りユリカさんを助け出すために・・・『復讐』を心に誓ったんだ!!」

ルリには見えなかったが、この瞬間カイトは強く拳を握り締めていた。

「えっ!!」

ルリの大きな目が一層大きく開かれる、明らかにその目は動揺していた。やはり少しは予想していたとはいえ、カイトの口から語られる真実はルリの心を大きく揺さぶった。

「ごめんね・・・僕にもう少し力があれば・・・」

そう悲しそうに語るカイトに思わずルリは俯いてしまった・・・

「そうだ!!ルリちゃん・・・君に渡したい物があったんだ!」

俯いてしまったルリを見たカイトは思い出したようにポケットに手を入れると一対の髪止めを取り出した。

「これは?」

「ホントは皆の所に帰ったときに渡そうと思ったんだけどね・・・そうもいかなくなっちゃったから・・・」

カイトはルリに髪止めを渡そうと右手を差し出した・・・

「・・・嫌です・・・それなら今じゃなくて帰ってくるとき渡してください!」

その言葉を聞いたカイトはゆっくり手を下ろした。

「違うんだよ、ルリちゃん・・・さっきの男の目を見ただろ?」

「見ました・・・」

「どう思った?」

「冷たい・・・恐ろしい目をしていました・・・」

「そう・・・その通り、奴は『人』じゃない・・・」

「だから、どうしたんですか?」

ルリの言葉にカイトはおもむろにサングラスを外した・・・

「!!」

その瞬間ルリの目が大きく見開かれる、明らかに戸惑っていたカイトの赤い瞳に・・・

「・・・ハハッ・・・ビックリしただろ・・・・・・ルリちゃんの思った通り・・・僕と奴は同じなんだよ・・・『人』じゃない・・・」

自分をあざけ笑うように頭を掻きながらカイトは答えた・・・

「だからさ・・・ルリちゃん、最後にコレ貰ってくれないかな?遅れちゃったけど誕生日プレゼント、とっても似合うと思うんだ・・・」

カイトは強引にルリの手を掴むと髪止めをルリに手渡した

「・・・・・・。」

「ルリちゃん・・・・・・君の前にいるのは君の知っている『カイト』じゃない、本当の『カイト』はやっぱりシャトルの事故で死んでしまったんだ・・・」

「なんで、何でそんな事をいうんですか!!」

顔を上げたルリは泣いていた・・・我慢して、我慢してついに流れてしまった涙・・・歯止めの利かなくなった涙は一粒、また一粒とルリの瞳からこぼれ落ちてくる・・・

「・・・それは僕の名が『カイト』ではなく『ミカヅチ』だから・・・」

そう言ってカイトはルリの涙を優しく拭った、その手から声からは底知れない優しさを感じる。

「カイトさん教えてください・・・『ミカヅチ』って何なんですか?記憶が戻ったって?」

「・・・君は知らない方がいい。・・・・・・あ、あのさ、ルリちゃん・・・君には前を向いて歩いてほしいんだ、僕には無理だったけどルリちゃんにならきっとできる・・・自分で考え、悩み・・・まっすぐ前を・・・夢に向かって・・・・・・」

カイトはルリに満面の笑顔を向けた、その笑顔に陰りは無く昔を彷彿とさせる・・・

「・・・・・・。」

ルリはカイトの言葉に何も答えず、俯きながら流す涙はいまだに止まらなかった・・・

「ルリちゃん・・・」

泣き止まないルリをカイトは優しく包み込んだ・・・

「!!(・・・暖かい・・・懐かしい、このぬくもり・・・)」

「ルリちゃん・・・ありがとう・・・」

カイトはルリの耳元で囁いた・・・その声は優しく・・・しかし何故か悲しさが見え隠れしていた・・・

「・・・落ち着いたかい?」

「・・・・・・。」

カイトの胸元でルリはコクリッと頷いた。

「さっ・・・もう大丈夫!」

カイトはルリから離れると光に包まれていく・・・

「まっ・・・待って・・・」

ルリの言葉はもはや遅かった・・・カイトを包む光は一層強くなっている。

「ルリちゃん・・・この戦いが終わったらアキトさんがみんなのもとに帰ると思う・・・優しく迎えてあげてね!・・・って言わなくてもいいよね、こんな事・・・」

カイトは何故か乾いた笑みをルリに向けた・・・

「カイトさん!帰ってきてください!!皆の元に・・・私の元に・・・待ってますから・・・」

「(ありがとう、ルリちゃん・・・その言葉ほど嬉しいものは無いよ・・・でもね・・・)・・・・・・。」

カイトは何も答えなかった・・・した事といったら悲しい笑みを浮かべただけ・・・

「!!・・・カイト・・・さん?」

その時ルリは見たのだ。幻想的なボソンの光がカイトを包み込んでいるために確証は無い、しかしルリの目は確かにカイトの頬を涙が流れているのを見た気がしたのだ。

「ゴメンね・・・もう、僕はルリちゃんの隣を一緒に歩くことは出来ない・・・」

そして、カイトもルリの前から姿を消した・・・

「何も・・・なにも変わってないじゃないですか・・・」

一人になったルリは髪止めを胸に抱き、その場に座り込んだ・・・





つづく



後書き

ども、海苔です\(>▽<)/

七話でした!どうだったでしょうか!!

何て言うか、かなり本編からずれてますね・・・(^^;)

カイト君、なんか人が変わり始めたし、アキトさんも本編より優しい気がするし・・・なにより最後ではアキトさんがカイト君を説得している気がするし・・・

う〜ん・・・これからどうなるんでしょうね?サッパリわかりません・・・

?「・・・・・・。」(怒)

海「後ろから殺気!!ル、ルリちゅぁ〜ん・・・」(汗)

ル「あなたは、なにやってんですか?」(怒怒)

海「なにがです?」(汗汗)

ル「全然、楽しい話じゃないじゃないですか!」(怒怒怒)

海「ストーリーの都合上・・・」(汗汗汗)

ル「は?」(怒怒怒怒)

海「アッ!向こうにカイト君が!!」(汗汗汗汗)

ル「騙されると思ってるんですか?」(怒怒怒怒怒)

海「思ってませ〜ん・・・」(汗汗汗汗汗)

ル「じゃ・・・そう言うことなんで・・・」(キランッ)

海「ギャ――――・・・」

ル「さて、帰りますか・・・」

海「2話連続、必殺死んだ振り!・・・必殺なのに死んだ振り・・・なんちゃって!」

ル「分かってましたよ・・・」(キラ、キラン!)

海「キャ―――――・・・あ・・・あ・・・あ・・・」(バタッ)

ル「これだけやっても気は晴れませんが、これくらいにしておきましょうか・・・」

ル「と言う訳で、皆様、感想ご意見その他もろもろ・・・メール待ってます。返事は必ず出させますのでご安心を・・・それではこの辺で、さよ〜なら〜・・・」



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