ビーッ!!ビーッ!!ビーッ!!

 

 

 

 

- カイトからの伝言だ -

 

 

 

 

《・・あー、前方に敵第三波確認。みなさー戦闘配備で〜

《・・・!・・・!!!》

《あー、もう・・・ジュンちゃんうるさい!やるったらやるの!!》

 

 

 

 

- カイトさんからの・・・! -

 

 

 

 

「敵機だぁ?まだいたのかよ!」

「んじゃ、一緒に格納庫にデートと洒落込みますか。ね、中尉」

「な・・!」

「はじめて会ったその日から〜」

「恋の花咲くことも〜」

「な、なに言ってんだてーら!!」

 

 

 

 

- ああ・・・あの時 −

 

 

 

 

「ほらユキナ!もう遊びじゃないのよ?どきなさい」

「そうだユキナちゃん!いくらなんでも民間人が・・・!」

「やーですよー!ミナトさん、ジュンちゃん、寝癖で前髪変になってるよ

「「え!?ホント!?」」

 

・・・・・・・・・

 

「って関係ないでしょ、もう!!」

「僕の寝癖じゃない!!」

 

 

 

 

- カイトが俺をエレベーターに投げ飛ばした時に・・・言っただ -

 

 

 

 

「敵戦力確認、さっきの機動兵器30機!格納庫から連絡、パイロットが到着したそうです!」

「わかりました。ユキナさん、エステバリスに通信を繋いでください」

「了解です!」

 

「・・・」

「・・・」

「・・・型についているな」

 

 

 

 

- ルリちゃんを頼む・・・って -

 

 

 

 

《こちらスバル・リョーコ。エステバリス全機いつでもいけるぜ、ルリ!!》

「了解です」

「!敵部隊後方に新たなボソン反応!!・・・って、あれ?消えた・・・」

「!!」

《消えた?・・・!この前の金ピカ野郎か!!》

「ま、またですかぁ〜!?」

 

 

 

 

- そして・・・ -

 

 

 

 

「金ピカ・・・消えて・・・!?ルリ!今出てきたヤツ、まさか!」

「どうしたの?ユキナ」

「艦長、護衛艦隊から援護が入ります!ステルンクーゲル部隊、発艦確認!」

「ナデシコはここで堕ちるわけにはいきません。隙を見て月に向かいます」

「ねぇルリ!!」

「エステバリス隊は各機独自にナデシコを防衛してください」

《《《《了解!!》》》》

 

「・・・エステバリス隊、発進」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

機動戦艦ナデシコ

The Prince of darkness

U

― 傀儡の見る『夢』 ―

 

 

第五話

【強襲、悲しみの『追撃者』】

後編

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ナデシコを護れ!!アレを沈められるわけにはいかない!!」

 

 

護衛艦隊総指揮官、アララギが叫ぶ。

そう。ナデシコを堕とされるわけにはいかない。

アレが沈んだ時点でこの戦争は負ける・・・

本能が感じていた。

 

 

「ステルンクーゲルはもう出ないのか!」

《・・せい!援護要請!!・・・!?》

《・・・キ・・・》

「あるだけ出しました!もう出ません!」

《なんだ?あっち・・・光って・・・隊長!隊長どうしたんです!?》

「敵機接近!!包囲網を突破されました!」

《・・・ネガティブコンタクト、隊長は堕ちた!スカイ2、指揮を引き継いでくれ!》

「弾幕を強化!近づけさせるな!」

《う・・・わあああああ!!》

「ナデシコから通信!・・・援護射撃を行うそうです!発射まで10!」

《なんあの光・・・星・・・?》

「各機体に情報を、できるだけ引き付けてカウント3をもって放射線上から退避させろ!」

《艦に近づけさせるな!!》

「了解!!」

《っしゃあ!どうこの野郎!!俺達をなめんな!!》

「敵第四波、第五波、感知!!デカイ・・・ジンタイプのようです!」

《いいぞ!派手にぶちかませ!!こっちに来い!後継者ども!!》

「我が方、消耗率70%を超えました!!」

「な、70!?」

《なん・・・どこから打た・・んだ!?ちくしょ・・・!脱出す・・・!!》

《・・・キ・・・》

「4・・・3・・・」

《デカブツはジャンプするぞ!予測位置にありったけぶち込め!!》

「ひめあざみ撃沈!やまあい大破!」

《・・・来るぞ!!緊急退避!離れろォ!!》

「・・・!」

「ナデシコから援護射撃!!今!!!」

 

 

ズギュオオオオオオ!!!!!

 

 

「・・・マジかよ」

「敵ジンタイプ全て消滅!味方に被害は無し!!あとはザコだけです!」

「敵パイロットに打電『武装解除し投降せよ』」

「了解!」

「よし。だが最後まで油断するな!家に帰るまでが遠足だ。手の空いたパイロットは脱出した奴らを回収してやってくれ」

《《《了解!!》》》

 

 

艦内に少しやわらかい空気が流れ、落ち着きを取り戻す。が・・・

 

 

「艦長、ミムラスから打電・・・!!あ・・・ミ、ミムラス撃沈!!」

 

「なんだと!?まだ抵抗するのか!打電内容は」

 

「『キカン、キオツケタリ。ワレ、オウゴンヲミタリ』」

 

「おうごんをみたり・・・黄金だと!?」

 

「どうしたです、艦長?」

 

「い・・・いや」

 

「?なんでしょう、これ・・・急に」

 

 

突如レーダーに一つの点が現れた。

それはふらふらと不規則な機動をしていた。

千鳥足・・・とでもいうのだろうか。その動きはちょうど泥酔者のそれに似ていた。

 

 

(なんだ?素人が戦場に出ているのか・・・!?)

 

 

しかし、すぐに異変に気付く。速い。それはおよそ尋常ではないスピードで移動していた。

そしてなにより、その物体の移動した跡にはなにも残っていなかったのだ。

 

そう。

 

敵も。味方も。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ・・・はっ・・・」

 

 

今日、戦闘があった。

相手は防衛目標を狙ってきたテロリストども。

敵の数はそれなりだったが、仲間はもっとたくさんいた。

戦艦の援護もあり、少し離れた所にはあの『ナデシコ』もいる。

楽勝だ。

とっととこの戦闘を終わらせて、シャワーを浴び、お気に入りのレコードを聴きながら眠りに就くハズだった。

 

 

「はっ・・・はっ・・・はっ・・・はっ・・・はっ・・・」

 

《た、たすけ・・・たすけてええええ!!!!・・・!!》

《なんなんだよ!なんなんだよ!!畜生ぉぉぉぉ!!!!》

《・・・キ・・・》

《・・ガー・・・ザザ・・・ガガ・・・サー・・・・・・・》

《当たらない・・・当たらない・・・なんで・・・あ、ああ当たれ!!当たれえええ!!!・・・・ぁ!・・・・》

《・・・こえるか!!き・・・・・・るか!?》

 

 

模擬戦を何度も経験してきた。

編隊の組み方も完璧。

シミュレータで最後に負けたのはいつだったろうか。

腕には自信があった。

簡単だ。機動兵器の扱いなんて。

それでなくてもこのステルンクーゲルという機体は、細かい動きを機械が勝手にやってくれるのだ。

パイロットのすることは基本的な操作だけだった。

敵を捕捉し、撃つ。

それだけだ。

だから、今そこに見えている『光』を打ち落とすことなど造作もないことだった。

簡単なんだから。

 

 

「はっ・・はっ・・はっ・・はっ・・はっ・・はっ・・はっ・・はっ・・はっ・・」

 

《・・・機!聞・・・・・・・・しろ!》

 

 

通信で何か言っているが、強すぎる心臓の鼓動でよく聞こえない。

呼吸の感覚も早まっている。

大丈夫。いつも通りだ。なにも変わりはない。少し興奮しているだけだ。

敵を捕捉し、撃つ。敵を捕捉し、撃つ。敵を捕捉し、撃つ。捕捉して。捕捉して。撃つ、撃つ。

それだけ。それだけだ・・・なのになぜ・・・?なぜっ・・・!?

 

 

「はっ・・はっ・・はっ・・はっ・・は・・ご・・・ごぽぉ・・・」

 

《えるか!?・・・・・・・!!!》

 

 

・・・?喉が塞がれた。

なんだ?

わからない。

なんだ・・・呼吸ができない。

 

 

「ご・・ぽぉ・・・ひゅ・・・ヒュー・・・コォーォォ・・・ヒュ・・ヒュー・・・・・・」

 

 

苦しい・・・・クルシイ・・・息・・・イキ・・・できない・・・

ヒュ・・・ヒュー・・・

乾いた妙な音が喉から洩れ、目の前が真っ暗になる・・・なんだ・・・?ナンダ・・・・

 

ヒュ・・・ヒュー・・・」

 

ナニカ・・・キコエテ・・・

 

 

《・・・キ・・・》

 

 

ナニ・・・??ア・・・息・・・シナイト・・・・・・ヒュー・・・

 

 

「・・・・・・」

 

《聞こえるか?各機、金色の機体は危険だ!単独戦闘は絶対に禁止、その時は迷わず逃げろ!》

 

「・・・・・・」

 

《・・・敵はシヴァー・ゴールドだ》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

- エステバリス・カスタム 

- スバル・リョーコ機 -

 

 

 

 

ステルンクーゲルがまた一機潰された。

その黄金の機体、パイロットの声がコックピットに響く。

他のパイロットにも聞こえているだろう。・・・ナデシコにも。

アイツの声。昔の仲間の声。

 

 

《・・・キ・・・》

 

 

黄金は串刺しにしていたステルンクーゲルを放り投げると、また動き始めた。

ふらふら、ふらふらと。

まるで、無くしてしまったナニカを探すかのように。

 

 

《・・・あ・・・ああああ!!!!》

 

 

もうその声を聞きたくなくて、リョーコは敵側の通信を切った。

 

 

《・・・敵はシヴァー・ゴールドだ》

 

 

変わって、味方の声が聞こえてきた。

さっきの、アララギとかいう男の声だろうか。

 

『シヴァー・ゴールド』

 

アマテラスの戦闘の後、統合軍兵士の間で瞬く間に広がった言葉。

防衛艦隊を一息に壊滅させた、金色の機体の名前だ。

軍の機密だったらしいが・・・こういうことはどこからか洩れるものだ。

 

「あの宙域に住み着く悪魔」

「過去の戦闘で死んだ兵達の幽霊で、実体がないから攻撃が当たらない」

「ネルガルが生み出した新型の機体で、星の光に溶け込むため金色をしている」

「本当に土星トカゲ」

 

など、いろんな噂が飛び交った。根も葉もない噂だが、共通していることがあった。

 

「戦ったら生きては帰れない」

 

だそうだ。

 

 

(ばかばかしい!)

 

 

深紅のエステの中、リョーコはつぶやく。

 

 

「アイツは・・・カイトなんだぞ・・・!!」

 

 

後方に見える、ナデシコに目を移した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

- ナデシコC 

 

 

 

 

[敵コックピットのウインドウを開きますか、ルリさん?]

 

 

そして彼の姿が映し出される。

 

息を呑む音が聞こえた。その先にはユキナ。

話には聞いていた。が、映し出された映像に想像していた姿はなかった。

ユキナはその代わり果てた姿を見て何を思うのか。

 

 

《・・・キ・・・》

 

 

「カイト・・・君・・・?」と、呟いたのはジュン。

休戦直後、おそらく最も彼の世話をやいた人物。彼の初めての友達。その友達は彼の死を心の底から悲しんだ。

ジュンはその代わり果てた姿を見て何を思うのか。

 

 

《ああ・・・・あああぁぁぁぁ・・》

 

 

その絞り出すような声にビクッと体を震わせたのはミナト。

ことあるごとに彼をからかい、彼の姉のように接していた女性。彼の死後、彼の大切な人をずっと支えてきた強い女性。

ミナトはその代わり果てた姿を見て何を思うのか。

 

 

ぁぁああぁぁぁあああああ!!!!》

 

 

ピクリとも動かないのはハーリー。

その声に、その顔に、この前の恐怖が蘇ってきた。膝が笑い、奥歯が踊った。

そして・・・

いつものように、彼女を、見た。

彼女は目を瞑り、うつむいていた。

その小さな唇が動く。

 

 

 

「この映像に映っている人は・・・あの金色の機体に乗っている人は・・・」

 

 

そして、瞑っていた目を開いた。

 

 

「カイトさんです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

- 火星極冠遺跡 -

 

 

 

 

「『建御雷(たけみかづち)』二号機、三号機、起動確認!!」

「おお!!」

「やりましたな!!」

 

「よし、では二号機、三号機共にナデシコへ跳躍。・・・いいですな、ヤマサキ博士」

 

「・・・ああ。たのんだよ」

 

「はい。・・・跳躍準備だ!パイロットを人形に乗せろ!」

「了解!跳躍準備!!」

 

「うんうん。起動しましたね。博士」

 

「ああ」

 

 

隣で一人ニヤニヤした笑みを浮かべるカトウ。

いや、他の研究員もピリピリはしているが、その喜びを隠せないでいる。

それはそうだ。

 

実験は成功した。

 

人形は動いたのだ。

 

研究してきた時間、努力が今実ったのだ。

これは快挙だった。このまま上手くいけばクーデターは確実なものになる。

・・・だが。

 

 

「カトウ君」

 

「ん、はい。なんすか?」

 

「・・・いや、なんでもない」

 

「?」

 

 

顔を上げる。

目の前の巨大なディスプレイには、建御雷一号機のパイロット。ミカズチが映し出されていた。

コードで繋がれた体、ギラギラとした眼、光り輝くナノマシンパターン・・・

いつもと違い、完璧にこちらの命令通りに動いていた。

だが・・・

 

 

「オーバードーズだね」

 

「え゛・・・でもこちらの指示通りに動いていますよ?」

 

「今だけだよ。明らかに今のミカズチはおかしい」

 

 

機動、戦闘能力共に予想値を遥かに超えていた。

それはいい。『ブースト』が、『ウロボロスシステム』が効果している証拠なのだから。

 

しかしヤマサキの予想は当たっていた。

建御雷跳躍以降途絶えていた通信がやっと入ってくる。

 

 

「通信回復!」

「よし。・・・聞け、勇者達。先ほどミカズチを送った。続いて・・・」

ぎゃああああ!!!!・・・・》

「!!??」

「なっ!?」

《!?通信が・・・!!し、司令部!!どうなってる!?アレは味方ではないのか!?》

《・・・キ・・・》

《あ・・?わああああ!!!!

 

 

司令部に叫び声がこだまする。

敵味方入り乱れたそれはもはや人の声ではなく、耳障りな雑音にしか聞こえなかった。

しかし、それもすぐに静かになる。

静止した空間に、通信士が鳴らす喉の音が響いた。

 

 

あ・・・し、積巳気部隊・・・・・・全滅」

 

 

もう一度隣にいるカトウに目を向ける。

 

眼鏡の下のその表情は読み取れなかった。

 

 

《・・・キ・・・》

 

 

ノイズに紛れて聞こえなかったミカズチの声が、今、ハッキリと聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《・・・イツキ・・・》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦っていた

 

 

 

 

― ずっと・・・待ってたんだよ・・・ミカズチ ―

 

 

 

 

闇の中、戦っていた

 

 

 

 

― 捨て・・・ないで ―

 

 

 

 

それは疾く、何者もその姿を捉えられない

 

 

 

 

― 忘れないで・・・ ―

 

 

 

 

色は、黄金

 

 

 

 

― お願い・・・ ―

 

 

 

 

宇宙を切り裂く、一筋の雷

 

 

 

 

― 早く・・・ ―

 

 

 

 

その閃光に触れたものは、戦艦だろうが人型だろうが砕け散った

 

 

 

 

― 私を・・・ ―

 

 

 

 

阿鼻叫喚

 

 

 

 

― 迎えに・・・来て・・・!! ―

 

 

 

 

人と鉄との亡骸の中心で、「彼」はつぶやいた

 

 

 

 

 

 

 

 

「わかったよ・・・イツキ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

- ナデシコC -

 

 

 

 

《あの人はカイトさん。三年前、火星の遺跡からボソンジャンプした時にナデシコに現れた、記憶喪失さんです》

 

 

ルリからの通信。

その通信に、館内にいる誰もが息を呑んだ。

目の前にいる殺戮者は、かつての仲間だっただから。

 

- お・・・おい、カイトって・・・あのカイトか・・・? -

 

- なんでアイツが生きてんだ・・・?死んだはずじゃ・・・ -

 

- オイオイ・・マジかよ・・・! -

 

- アイツがみんな・・・殺して・・・ -

 

- なんであの人が –

 

- どうしてアイツが –

 

- ナンデ –

 

- ドウシテ –

 

館内に動揺が走る。

 

(艦長失格・・・かな)

 

重要な・・・

そう、歴史が変わってしまうような重要な作戦中、クルーをわざわざ動揺させるような情報を伝える?

それが戦闘中にどんな結果をもたらすかなんて、子供でもわかるのに。

 

 

《あ゛あアアアアアア!!!!!!》

《・・・やっぱり艦長の知り合いだったのか。なんでまた敵さんに?》

《カイト・・・って、あのカイト君!?漫画の仕上げ手伝ってくれたカイト君!?》

《どうしてここにいるの・・・敵?》

《ごちゃごちゃ考えんな!とにかくカイトを止めン!!》

《そ、そんなこと言われても〜!》

《向こうはやる気満々みたいよ》

《気をつけろ、奴はジャンプするぞ!》

《エステバリス隊行くぜ!》

 

 

リョーコの声に合わせ一斉にエステが加速する。

が、その機動は目に見えて悪い。

統率がとれていないのだ。

 

ナデシコCブリッジ。

皆の目の前には、カイトの姿が大きく映し出されていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

- 火星極冠遺跡 -

 

 

 

 

「ミカズチ、こちらに答えません!!」

「ウロボロスシステムは順調に作動しています!!」

「くっ・・・!!止まれ!!」

「人形の跳躍を止めさせろ!!」

「駄目だ!二機ともカウントダウンに入っている!今止めたらどこに跳ぶか・・・!」

《イツキ・・・迎えに・・・》

「!?なにを言ってるんだコイツは!」

「ちっ、傀儡ごときが・・・」

 

「イツキ・・・ねぇ」

 

 

慌しい周囲とは裏腹に、ヤマサキの頭の中は極めて冷静にコトを整理していた。

 

 

(なぜイツキが出てくる・・・ブーストの副作用か)

 

「ど、どうしましょう博士!」

 

「あ、実験はもちろん中止。『連中』に連絡、ミカズチを回収してもらって」

 

「は、はい!」

 

「二号機、三号機もできれば回収。できない場合はパイロットには悪いけど爆破。アレは敵には渡せない」

 

「・・・了解です。しかし、近くにナデシコもいることですし止める必要はないじゃ・・・」

 

「万一にもミカズチを回収されたら困るからね。彼がこちらにいればまだ勝機はある」

 

「はい・・・」

 

「じゃ、ちょっと出てくるよ。あと、カトウ君に黒い箱に来るように言っといて」

 

「あ、は、博士!」

 

 

部屋を出るヤマサキ。廊下を歩きながらアゴに手を当て考える。

 

ミカズチはあの連中が何とかするだろう。

問題は回収後だ。

ブーストはもう使えない。ウロボロスシステムも。

これだけやって駄目だったのだから。

ならどうする?

どうすればミカズチはこちらの思い通りに動く? 

・・・

・・・なぜイツキを思い出した?

『ミカズチ』にはイツキのデータは入力していない・・・

だとしたら・・・

・・・

『彼』が出てきた・・・?

『カイト』が?

まだ抵抗しようというのか・・・?

・・・

いや、違うな。

抵抗なら、正気でいるなら誰彼かまわず撃墜するなんてコトはしないだろう。

それに彼の言葉・・・

イツキへの想いが彼に夢のようなものを見せているのか。

・・・

・・・夢?

そうだ、ミスマル・ユリカの制御には夢の逆利用を・・・

 

 

(・・・もしかしたらコレでうまくいくか)

 

 

アゴに当てていた手をそのままポケットに突っ込み、頭に浮かんだその台詞を小さく口にしてみた。

 

 

「心が離れてゆく二人。次回、九月号に続く・・・と」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『遺跡システム』試験機 

 建御雷 

 

 

 

目の前には広大な宇宙が広がっていた。

その宇宙の向こうには彼女がいた。

 

 

― ずっと・・・待ってたんだよ・・・ミカズチ ―

 

・・・ごめん。

 

― 捨て・・・ないで ―

 

・・・うん。

 

― 忘れないで・・・ ―

 

もう忘れたりなんかしない。

 

― お願い・・・ ―

 

僕にできることならなんでもする。

 

― 早く・・・ ―

 

そう、なんでも。

 

― 私を・・・ ―

 

キミを殺した罪を償うためなら。

 

― 迎えに・・・来て・・・!! ―

 

 

「わかったよ・・・イツキ・・・」

 

 

宇宙の遥か先。暗黒の海の向こう。

キミはそこにいる。

その腕を広げ、僕を待っている。

すぐに・・・すぐに行くから・・・

 

 

「イツキ・・・」

 

 

・・・なんだろ・・・頭が痛い・・・

痛い、痛い、痛い痛いいたいイタイいたいイタイ・・・!!!!

 

 

「あ゛あアアアアアア!!!!!!」

 

 

頭が・・・割れる・・・キミが・・・消えてゆく・・・

ダメだ!消えないでくれ!すぐに行くから・・・!!

 

 

(キミを・・・迎えに・・・!!)

 

 

今、カイトに知覚できるものはイツキのみだった。

自分がなんでここにいるのか、自分は誰なのか、自分は何をしているのか。

そんなことは浮かばなかった。

イツキが呼んでいる。イツキが悲しんでいる。だから行く。

今の彼を動かしているものはそれだけだった。

 

 

《ごちゃごちゃ考えんな!エステバリス隊行くぜぇ!!とにかく奴を止めン!!》

 

 

声が入ってくる。

同時に近付いてくる四機のエステバリス。

記憶の彼方にある聞き覚えのある声、見覚えのあるカラーリング、機動。

だが・・・

 

・・・またきたか。

 

イツキの所へ行くのを邪魔するものは全て敵だった。

 

 

「邪魔・・・邪魔・・・!邪魔アアアアア!!!!!」

 

 

身体が熱くなり、激しく光を放つ。コードに繋がれた手足が細かく震えた。

目の焦点が合い、その時だけは頭の中にかかった霧が晴れる。

「敵」を認識。間髪入れず、脳から排除命令が出された。

一瞬視界がブラックアウトした後、目の前にあるのは敵の背中。

 

 

ああああ!!!!」

 

 

そして爪を振りかぶった。

その矛先が、かつての仲間だなんて気付くこともなく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カイトォ!!返事しろ!!カイト!!」

 

「!リョーコ、後ろ!!」

 

「おわぁ!!」

 

 

突如掻き消えた黄金が、リョーコ機の後ろに姿をあらわす。

ヒカルの声に、建御雷の爪をすんでのところでかわすリョーコ。

ヒカル機に背を向ける形になる建御雷。

すかさずレールガンを発射。動きを止められそうな箇所を正確に攻撃する。それは確かに着弾した。

黄金の機体の一部から小さな爆炎が巻き起こる・・・ハズだった。

 

 

よ〜し!!・・・って・・・あれ?」

 

「今・・・当たらなかったか?」

 

「当たった・・・よな、イズミ?」

 

「当たったわね」

 

 

被弾したはずの黄金の機体からは爆炎どころか何の変化も見られなかった。

黄金・・・シヴァー・ゴールドが加速し、そして消えた。

 

 

「んだぁ!?」

 

「とにかく動くよ。止まっていたら後ろから刺されるわ」

 

「おお怖い」

 

「一度で駄目なら二度三度!ガードの上から叩き続けるのよ!うん!燃える〜!!」

 

「オメーはだまってろ!」

 

 

軽い会話をしているが、動きは超一流そのものだった。

建御雷のジャンプ位置をそのつど予測し、ギリギリながらも確実にかわしてゆく。

当然、攻撃の手も休めずに。

 

 

「なぁ中尉、アイツは誰だ。もしかして知らないの俺だけ?」

 

「アイツは仲間だ!詳しいことは後で話す!!」

 

「了解。でもな、正直奴はぬるくない。これ以上直撃無しで攻撃するなんて余裕はないぜ?」

 

「・・・!それは・・・!」

 

「集中!また来るよ・・・!」

 

「あー!もう!ど〜すればいいの〜!」

 

 

リョーコ、ヒカル、イズミ、サブロウタが神経をすり減らし疲労してゆく中、カイトの動きは一向に衰えない。

一瞬でも油断すればリョーコ達も黒い海の藻屑と化すだろう。

軍内部でも屈指のエースパイロット四人が、たった一機を相手に苦戦を強いられていた。

気持ちに迷いがあったから。どうしていいかわからなかったから。

 

助けたい・・・が、それは自分達だけでは無理だ。

ナデシコCとの連携が必要なのだ。

だが、それは同時に危険を伴う行為だった。

 

もし失敗したら・・・?

 

自分達だけでなく間違いなくナデシコも墜とされるだろう。

そうなる前に目の前の脅威を全力で撃墜した方がいいのではないか・・・?

かつての仲間とはいえ、男一人の為に歴史が変わるなどあってはならないことなのだから。

そこに私情をはさむべきではない。軍人として。戦えない人たちの代表として。

 

でも・・・だけど・・・

 

 

「ルリ!どうすんだよ!!ルリー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

四機のエステバリスが黄金色の機体を相手に戦っている。

その機体に乗っている、かつての仲間。

『カイト』と呼ばれていた記憶喪失の男。

 

 

《頭・・・!!イタ・・・イ!!あ・・ああ!!》

 

 

みんな、ただ黙ってその男の映像を見ていた。

ふとその人が私を見た様な気がして、私はじっとその人を見た。

痩せこけた顔に走るナノマシンパターン。

大きく開いた瞳には何が映るのか。

あるいは何も・・・

でも、生きている。夢じゃない。ちゃんと話している。ちゃんとそこにいる。

 

・・・取り戻す。

 

私はあの人を取り戻す。絶対、必ず。

 

カイトさんの映像は音声を含め艦内各所に流している。

みんなは彼の代わり果てた姿を見て何を思うのか。

驚くだろう。しかし驚きの後にくる感情は?

恐れるだろうか、絶望するだろうか、嫌悪感を抱くだろうか、「敵だ」というだろうか。

 

・・・『殺せ』というだろうか。

 

もしそうなったら、艦を下りてでも彼の元へ向かうつもりだった。

そして、きっとそうなる。

目の前で仲間の艦隊が潰された。

次はこの艦かもしれない。

彼は危険。

身に降りかかる火の粉を払うのは当然の行為だ。

ナデシコを沈められるわけにはいかないのだから・・・

 

当たり前のこと。なら、どうして・・・

どうしてそんなこと伝えたの?

伝えたからといって・・・どうなるわけでもないのに。

でも、みんなにも知っていて欲しかった。

 

・・・なんで?

 

(・・・信じたいから)

 

何を?

 

(わからない・・・)

 

わからないの?

 

(うん・・・)

 

変なの。

 

(うん・・・でも、信じたい・・・信じたいの・・・!)

 

 

だから信じて・・・みんなの言葉を待った。

たとえそれが、どんな結果になろうと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・っ危ね!!・・・ルリ・・・!」

 

「イズミ!そっちに!!」

 

「了解!・・・ちょっと、キツイわね

 

 

回避、攻撃。

 

それを何度繰り返したか。確実に攻撃はHITしていた。

だが、それだけ被弾しているにもかかわらず、建御雷になんら変化は見られない。

よほど強力なフィールドでも展開しているのだろうか。

 

 

「ちくしょう・・・ちょっとくらいぐらつきやがれ!鉄砲が効かねぇんなら直接叩けだ!サブ!」

 

「了解中尉!」

 

 

四機の中で唯一フィールドランサーを装備していたサブロウタのスーパーエステバリスが建御雷に突撃。

カイトもサブロウタに向かって加速した。

 

 

(このままじゃジリ貧だ!相打ちだろうが動きを止める!!)

 

 

二機が超高速で交差する。

 

 

「・・・っおお!!!!」

 

 

すれ違いざまランサーを突き立てる。それは建御雷の左手にめり込んでいった。

瞬間、サブロウタの魂を刈り取ろうとコックピット目掛けて伸びてくる爪。

しかし、超反応でそれを回避。

命の代償に砕け散る、スーパーエステバリスの右腕。

 

 

「サブ!!」

「サブちゃん!!」

 

「・・・へへ、お嬢さん方。これで少しは機動が・・・」

「・・・待って!!・・・まだ」

 

「?・・・無傷・・・だと!?」

 

 

何事もなかったかのようにそこに在る黄金。

サブロウタは確かにランサーを突き立てた。それは間違いない。

確実に痛手を与えたはずだ。

なら・・・なぜ?

アレは本当に幽霊だとでもいうのか・・・

 

 

《イ・・・ツキィィィィィ・・・イ!!!》

 

 

ボォ・・・と建御雷の黄金の装甲が闇に浮かび上がる。

身体は興奮と緊張で火照っているのに、サブロウタの背筋には寒いものが走っていた。

首筋に冷たい汗が流れ、ブルッと身体が震えた。

 

 

「・・・なるほど。それでシヴァー・ゴールド。戦慄の黄金・・・ってか!」

「まだ来るよ!サブちゃん、動いて!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの日、あの人が私を信じてくれたように、私もナデシコのみんなを信じた。

 

信じて。信じて。ただ、信じた。

 

 

「・・・みんな!」

 

 

・・・そして、聞こえてきた言葉。

 

 

「みんな聞いて!カイトの奴、アキトさんやユリカさんと一緒に敵に捕まって、悪の科学者に改造されちゃったの!それでなんか操られてるみたいなのよ!」

「悪の科学者!?ほ、本当ですかぁ!?」

「じゃあ・・・ホントにカイト君なんだね!?い、生きてたんだ・・・!」

「そ、そうみたいねぇ〜・・・意外に元気そうだし!」

《そうだっただぁ・・・でもホントによかったねぇ〜ルリルリ!うんうん!これはマンガのネタに!》

《駄洒落のネタに》

おめーらちょっとは緊張しろぉ!!カイト!絶対助けてやるからなぁー!!行くサブ!》

《はいはい。中尉の頼みならなんなりと。ま、なんとかしますか!人助け人助け!》

「なんとしても彼を取り戻すだ。彼を保護することがそのままこの戦いにも影響するだろうからな」

「そうね。敵にA級ジャンパーがいなくなればおのずと勝利に近くなるわ。私の負担も減るし」

《ルリルリ!こちらウリバタケ!とりあえずエネルギーをありったけフィールドにまわしといた!ちょっとやそっとの攻撃じゃかすり傷もつかねぇぞ!エステはナデシコの心配はしねぇでアイツに気遣ってやれ!・・・おいカイト、俺のこと覚えてるかァー!?》

うーし!!気合の入れなおしだ!!エステ各機、オレに続け!!軍人さんの力、見せてやっからなぁー!!》

《《《了解!!》》》

 

 

それは、願ったとおりの言葉達。

 

 

《ルリル・・・艦長!自分も助けてやりたいです!アイツとは一度大浴場で話をしました!まぁ、それだけですけど・・・とにかくいいヤツでした!!》

《あの護衛艦には知り合いが乗っていた・・・故意じゃないと判ってても、正直許せない・・・!!だから!!尚更生きるべきだ!せめて一発殴らせろおおお!!!!》

《私もそう思います。わざとじゃなくてもちゃんとみんなに謝るべきだと思います・・・・・・だって怖かっただからぁー!!(泣)》

だそーだ!!》

《アイツを仲間にできればこっちが有利になるかもしれんからな》

《戦争・・・終わるかもしれないですしね》

《俺からもお願いします!!アイツに借りたジュース代、返してないもんで・・・》

《あ、俺もだ・・・》

《おれも・・・》

《あんたたちは何やってんのよ・・・》

《そうよそうよ!カイトさんがかわいそうよ!!》

《・・・ゴメン、わたしも・・・》

《《ええ〜!?》》

 

 

そっか、そうだっただ。

私が信じていたのは・・・

 

 

「艦長、指示を!」

《《《《艦長!》》》》

「ルリルリ!」

 

 

ナデシコの・・・家族の・・・『絆』。

 

不意に頭にアキトさんの声が響いた。

あの日、墓地で聞いた言葉。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カイトからの伝言だ」

 

 

 

 

「カイトさんからの・・・!」

 

 

 

 

「ああ・・・あの時」

 

 

 

 

「カイトが俺をエレベーターに投げ飛ばした時に・・・言ってたんだ

 

 

 

 

「ルリちゃんを頼む・・・って」

 

 

 

 

「そして・・・」

 

 

 

 

「ここからがルリちゃん宛てのメッセージ」

 

 

 

 

「・・・はい」

 

 

 

 

「『ずっとキミを想ってる』」

 

 

 

 

「・・・!」

 

 

 

 

「『好きだよ』」

 

 

 

 

「・・・!・・・!!」

 

 

 

 

「・・・この二言だ」

 

 

 

 

「じゃあ、俺は行く。確かに伝えたよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

アキトさんはそのまま行ってしまった。

 

 

 

 

よかった。

 

 

 

 

このとき私は

 

 

 

 

泣きそうで笑いそうな

 

 

 

 

変な顔をしていただろうから。

 

 

 

 

・・・気のせいかもしれないけど

 

 

 

 

私には確かに聞こえたから。

 

 

 

 

優しくてあたたかい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ずっとキミを想ってる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「好きだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『・・・ルリちゃん・・・』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カイトさんの声が。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう一度、ウインドウに映し出された青年を見る。

 

(オモイカネ、カイトさんにウインドウ通信は繋がってる?)

 

[はい。ルリさん]

 

(ありがと。オモイカネ)

 

 

そして、語りかけた。

 

彼を助ける言葉を。

 

彼の心に響く想いを。

 

 

「あなたは・・・カイトさんです。私の・・・私たちの・・・大切な家族です」

 

 

カイトの瞳がゆっくりと動き、ルリの瞳を見つめた。

 

 

「・・・〜・・・はぁ〜」

 

 

深呼吸。

 

確かめるように、自分に言い聞かせるように。

 

言葉をつむいだ。

 

みんなにもしっかり届くよう、めずらしく大きな声で。

 

 

「これよりナデシコCはあの人を・・・カイトさんを・・・助けます!!」

『『『『『『了解!!!!』』』』』』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To Be Continued。。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

どうも〜!YOUです。

 

すいません。

とりあえず謝っておきますね!

ええ!今回はいつもより多めにとりあえず謝っておきますね!

なんでかっていいますと・・・

そう・・・こう、なんていうか・・・メチャクチャやねん!今回メチャクチャやねん!!

途中でホントに何書いてるか判らなくなったねん!!

・・・というわけで今回意味分かりません。

ごめんなさい。多分これ以上まとまりません。

でもいいです。そんな自分もなんか好きだから。

あ、途中時間が戻ったり感じるのはミ・・・演出です。

けっしてみすではないです。いえ、どもってません。どうようなどしておりませんよ?

 

にしても・・・こんなに主人公が出ない小説も珍しいですね。

『主人公は誰か』・・・ですか?

もちろんカイト君ですよ!!

当たり前じゃないですか。カイト君ですよ。

カイト君ですね。

カイト君ですかね。

 

・・・

 

・・・・・・カイト君ですか?

なかなか出ないので忘れてしまいました。

もう主人公は月臣元一朗とかでいいじゃないでしょうか。

 

あと、始まり方と終わり方がワンパターンになってきた今日この頃です。

 

 

 

 

次回

 

第六話

【消えない『絆』】

 

私の声 聞こえますか カイトさん

 

 

 

 

お楽しみに!

いや、たいした展開ないっスよ。

 

※本作の主人公はカザマ・カイトです。


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