機動戦艦ナデシコ
高
橋
名
人
の
冒
険
島
な
ら
ぬ
カ
イ
ト
名
人
の
宝
島
S
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c
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とある太陽が一番その輝かしい姿を日本の人に見せ付ける時間が長い日。
場所はTOKYO STATION。20世紀の姿をそのまま保った(幾度かの改築はしてあるが)レンガ造りの駅の入り口にホシノ・ルリはいた。待ち人を待つ雰囲気を出している。しかしそれは1時間も前からずっとそのままだった。
(いつもの通りなんですけど・・・カイトさん、時間守ってくれませんね)
しかし何十回と繰り返している時刻確認もそろそろ終わりに近づいた。遠くからサイレンを鳴らした車―もちろんパトカーだが―が制限速度なぞ国家権力の前ではごみといわんばかりの速度で近づいてくる。
(あの人は・・・成長するという事を忘れているんですか?)
数秒の後ルリの目の前パトカーが急ブレーキをかけて止まる。それとほぼ同時に後部座席のドアが開きルリの待ち人であるカイトが飛び出てきた。
「ぎりぎりセーフ・・・かな」
「一時間の遅刻です」
ぼすっと少し鈍い音がカイトの頭上 に響く。
「いてて・・・。待ち合わせは9時でしょ。今は9時38分だよ」
「私は8時半から待っていたんです」
「もしかして・・・僕に早く会いたかったとかかね?うれしぃーな」
「ちがいます」
「なぬぅ!?」
ひざをガックリとしながら前のめりに倒れる。さぞルリの言葉に疑問を持ったのか早く来た理由を聞く「なぜぇぇぇぇぇぇだぁぁぁぁぁぁぁl!?」とおまわりさんがいたら職務質問されちゃいそうな勢いのカイト。
「カイトさんが電車のチケットとっていないからじゃないですか!」
「あっ、忘れてたわ。ごめんね」
カイトは悪びれた様子も無くあっさりとした詫びを入れる。
「本当に・・・
私がついていないとだめですね
」
ほんの少しだけ自分の気持ちを勇気を振り絞って言ってみたがその言葉の対象となる人物はパトカーの運転手と話していた。
(私って恋愛に向いていないんでしょうか?)
日々のカイトの奇行を知る人物が聞いたらこういうであろう。
相手が悪いと・・・。
ルリがため息をついているとパトカーを見送ったカイトが近づ いてきた。
「うんじゃ、そろそろホームに向かいますかね」
と言ってルリの荷物を持ってホームに向かう。こういう状況でレディーファーストの精神はなぜか忘れないのが不思議である。
「新幹線のチケットは私が預かっておきますね。カイトさんじゃ間違いなく失くしますから」
「信用ないのね、俺って・・・」
首を垂れて落ち込むカイト。ちなみにカイトはちゃんと宇宙軍で仕事しているのかと言うとそれなりにしている。意外にも。
なぜか周りにカイトのずぼらをフォローをしてくるれる人が結構いる。ルリもその一人だったりする。
「ところでなんでパトカーで来たんですか?」
「そりゃ、国家権力で法廷速度を無視して早くルリちゃんに逢えるじゃないか」
さも当然と言わんばかりの返答をする。
「そっ、そういうことでは無くて・・・。なんでカイトさんがパトカーに乗っているんですか」
「いやさぁ、昨日歌舞伎町でしこたま飲んでたらさ変なおっさんと知り合ってさらに朝まで飲んだらいつの間にか時間じゃん。そしたらそのおっさんパトカー呼んで『乗っていけぇぇぇぇ』と言うわけ。」
注意してみると 服はヨレヨレだし酒臭い。
ルリはハァーとため息をついて考えこむ。
(私って苦労を呼び込むんでしょうか、男の人で・・・)
少し遠くを見る。
「おーいルリちゃん、そうしていると幼くて可愛い男の子を物色してるみたいだぞ」
カイトは人の悩みなんぞもちろん天然で気付かない。ルリはツカツカと先に歩いたカイトに追いつき軍の訓練で習った鼻の下の陣中にワンパンを入れる。これがかなりカイトには効いた。
「うぅぅー。痛いぃぃぃょょょょょょょょょょょょょょ」
鼻を押さえてうずくまるカイトを尻目にっとっとルリは歩く。大分怒っているようだ。
「痛いが・・・なぜか不思議な気分だ・・・」
そこに一人の変態が生まれた・・・。
「所で今回の旅行って現地集合なんですね」
ルリがホームのお弁当屋さんで弁当を選んでいるカイトに話しかける。
「うーん安そうなパック旅行だし。うーんどれにしようかな。鳥五目釜飯弁当か牛タンサンデーかダイナマイトビビンバかエビチリャー弁当かタクワン&沢庵弁当か打倒ウサギもどき野郎弁当か・・・。迷う」
この男車 中で食べる弁当を真剣に悩んでいた。カイトには地球が滅ぶのと今日の昼飯は大して変わらない問題なのだ。まぁそれだけ一日を一生懸命生きているのだろう。
しかしそれ以上にルリも何か決意した表情をしていた。
「あっ、あのカイトさん。お弁当なら・・・」
「よし決めた!おばちゃん弁当端から端まで全部くれ!」
込めた気合が全て散った。
毎度ーと言う声とともに大量の弁当を持ったカイトが振り返る。
「どうしたん、ルリちゃん?」
「何でもありません!早く電車に乗りますよ!」
頭上にはてなを浮かべるも怒っているルリが怖いので原因を追及できないカイト。先に歩くルリの後について電車に乗り込む。
「7号車のG・・・ここですね」
「俺、窓際がいいな」
いい年をした大人が子供のようにはしゃいでいるのを見るといい意味では純真な人、悪い意味だと獄門島の推理のミソな人である。
「カイトさん、荷物貸してください。棚に入れますから」
こういう場合手伝うのが男だがホームを見てなぜかはしゃいでいるカイトは別である。まるで母親のように荷物を棚に入れて席に着く。
ルリはカイトのほうに目をやる。
「お弁当を食べえるのが早過ぎです!」
既に購入した17個の弁当のうち4個を平らげたカイト。
「いやはや、駅弁はうまいなぁ」
ふぅーとルリのため息とは違った幸そうため息を吐く。
「ルリちゃん、お茶ちょーだい」
「はいはい」
こんなところを見たら電子の妖精ファンクラブの面々が怨嗟の声を上げるだろう。
「やはりお茶は美人さんが入れたのに限るなぁ・・・」
ずずぅぅーとお茶をのんきにすするととんでもない事を言う。とんでも発言だ(cf.とんでも野球)。頬を赤らめてうつむくルリ。
源氏名はヒカルと言うホスト時代があった。
発車後しばらくして(15分後)カイトが全ての弁当を食い終えた。
「足りない・・・」
「食べすぎじゃないですか」
「ハラ6分だな」
「そんなに食べると太りますよ」
「大丈夫、俺燃費悪いし」
そういうとドッコイショと席を立つ。
「どこへ行くんですか」
「お弁当」
「ちょ、ちょっと待ってくださいカイトさん」
「うん?なに?」
立ち上がったままルリに顔を近づけて耳を傾ける。
「あのその、お弁当を作ってきたんですけど・・・」
沈黙
沈黙
沈黙
「要らないですよね私が作ったお弁当なんて・・・」
下を向いて呟くルリ。
「そんんあなあ、そんな事無いよ、ルリちゃんの手からほとばしった僕に対する気持ちがこもった料理を食べないわけがないじゃないか!」
「あっ、あほな事を電車の中で叫ばないでください!」
馬鹿は卒業したのであほに入学したルリちゃん。カイトの大声に乗客の視線が集まる。
「それはいいとして」
少し顔を赤くする。
「お弁当食べてもいいかな」
「はい!」
ルリはかすかな微笑をしかし最大級の喜びを表してお弁当を差し出す。
「さて・・・、いただきます」
カイトはこのべたべたな展開に酔っていた。予想だと見た目が悪くて味がそこそこいけるみたいな展開をしていた。ここまでは・・・。
パカッ。
・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・。
絶句した。弁当はアンバランスで色彩に飛んでいた。イッツ・ア・カラフルマジック!
ご飯の上には緑のマーガリンみたいな物が塗られていた。
そして面積の三分の一を占めるおかず部分には
・妙にテカリのある肉団子。
・焦げ目の入った玉子焼き
の2点が収められていた。
(うーむ、やばい。安全そうなものが無いとは・・・。)
「さぁ、遠慮しないで食べてください」
早く食べて感想が聞きたいですと心の声が聞こえる。
(悪気が無いだけにかなり辛い・・・。)
カイトが箸を取る。
「ご飯から食べるね」
「はい」
ドク。ドク。ドク。心臓の音が聞こえる。けっしてこの弁当の正体を擬音で現しているのではない。と祈ろうとカイトは思った。ていうか思い込んだ。
端でご飯(緑)を一すくい。口に持っていく。パクッ。
「どッ、どうですか」
「辛いんですけど・・・」
「わさびご飯ですから。カイトさん辛いもの大好きじゃないですか」
「うーん好きだけどね辛いのは・・・」
(さすがにわさびは無いとは思うが)
心で付け加える。
「つぎはこの肉団子を食べてみてください」
カイトの表所を見て自分の作ったお弁当をいけると思った(勘違い)のか自信作である肉団子を進める。
「それではいただきます」
カイトは箸で肉団子を刺そうとする。がなぜか刺さらない。半分に割ろうとしてもなぜか割れない。仕方ないのでそのまま口に運ぶ。
(硬い・・・。)
肉団子の表面をコーティングしている餡が異様な硬さをしていた。何とかと餡を溶かして食べる。
「どうでしたか?」
食べるのが遅かったので少し不安になっているルリ。
「味
は
すごくいいよ」
「ほんとうですか!じゃ次はこの玉子焼きを食べてみてください」
「うん」
玉子焼きを口に入れる。
モグモグ。
「どうですか」
既に前の二品が成功している(と思っている)ので少し自身のある声で問いかけるルリ。
「この玉子焼き甘いね」
「装ですよ、カイトさんの好みに合わせたんですから」 「それはマジで嬉しいよ」
「これでいつでも・・・」
「なんか言ったルリちゃん?」
「い、いえ何でもありません!」
(何が言いたかったんだろう・・・。けど僕の好みを覚えてくれるなんてうれしなぁ。けど甘いのがカラメルソースだったのはどうだろう・・・)
チラリとカイトが瑠璃のほうへ目をやるとルリは眠そうにしていた。健康管理がしっかりしているルリにしては珍しい。
「どうしたの、ルリちゃん。眠そうにしているなんて珍しいね」
「その・・・。昨日の夜からお弁当の準備していたら遅くなっちゃって。その上初めての旅行で緊張してしまって...」
ジーン。カイトは心の中で喚起の涙を滝のように流した。
「僕のために君って子は。泣かせるね」
「べっ、別にカイトさんのためってわけじゃないですよ」
顔を真っ赤にしても余り説得力が無い。
「よしご褒美だ」
カイトはそういうと手でルリを肩に寄せる。
「なっ、恥ずかしいじゃないですか」
「いいから駅に着くまでゆっくりしなさい。そんなんじゃいい宝は見つからんよ」
少しの間。
「それじゃお言葉に甘えますね」
「おうよ。遠慮なく甘えてくれたまえ」
すると本当に疲れていたのかすぐに眠りに付く。
(やっぱり疲れていたのか。けどこういうが小さな幸せって言うのかな)
続
10ゲームか・・・。
まだいける。やられはせん、やられはせんぞ!νダイナマイト打線は伊達じゃない!
あの投手は良い者だ!
打たれたね二度も。松井(・・・)にも打たれたこと無いのにー。
うそだ!桧山さんが4三振なんて。桧山さんは怪我をして。
井川(さん)!サッカーと戯れ合うのはやめろ!
ナベツネとは違うのだよ、ネベツネとは!
悲しいけどこれってペナントなのよねー。
意外と巨人も甘いようで・・・。
トレードしてやるぅぅぅぅ。
すみません。取り乱しました。まだいけると個人的には信じています。
愚作にお付き合いありがとうございます。もうすこしつづけてもいいですかね。それでは。
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