「アキト君と仲良くやっているかい?ユリカ……」



「あの、教えてください。あなたは誰ですか?あなたは……」

「ラピス、パスワード解析」



「リョーコちゃん、右!」

「アキト!アキトなんだろ?だからリョーコちゃんて……オイ!?」



「アキトはどこへ行きたいのー!?」

「秩父山中」



「どうして教えてくれなかったんですか?生きてるって……」

「教える必要がなかった」



「君の知っているテンカワ・アキトは死んだ」

「それ、カッコつけてます!」



「『復讐』……昔のあなたには一番似つかわしくない言葉だったわね」

「昔は昔、今は今だ」



「あなたは誰?私はルリ、これはお友達のオモイカネ。あなたは……」

「私はアキトの目、アキトの耳、アキトの手、アキトの足、アキトの、アキトの……」



「よくぞここまで……。人の執念、見せてもらった」

「勝負だ!」



「わたし、ずっと夢見てた……。アキト……アキトは、どこ?」



「だってあの人は……。あの人は大切な人だから!」



「!!」

目を開くと昨日と同じままの景色。ホテルの一室。白い天井が見える。もう朝だ。
心に生まれたわずかな動揺を感じ取ったのだろう、ラピスが心配そうにこちらを覗き込んでいる。
それには構わず、ただ天井を見上げながら僕は一言だけ発した。

「『ザ・プリンス・オブ・ダークネス』、か……」





第5話「『恋』する少年少女たち」





2201年8月19日 トウキョウ ヒカルのマンション




カイトとほぼ同時刻。ルリも夢を見ていた。ナデシコ時代の夢を。

「ホシノ・ルリ、オペレーター。11歳です」

ミナトがいた。
メグミがいた。
ジュンがいた。
ゴートがいた。
プロスがいた。
エリナがいた。
ユキナがいた。
イネスがいた。
ヒカルがいた。
イズミがいた。
リョーコがいた。
ホウメイがいた。
アカツキがいた。
ウリバタケがいた。
ホウメイガールズがいた。

アキトがいた。
ユリカがいた。

ナデシコのみんながいた。

そして最後のナデシコクルーである―――。

「よろしくね、ルリ……ちゃん」

カイトがいた。



いつもアキトの側にいるユリカ。
歌って踊れるホウメイガールズ。
本当の姉妹のように仲の良いミナトとユキナ。
新しい料理に挑戦しては試食させていたホウメイ。
何か新発明を作っては爆発させていたウリバタケ。
ヒカルがリョーコをからかい、イズミが笑いどころの無いギャグでおとす。



クロッカスを自爆させるフクベ提督。
銃声と共に格納庫に倒れるガイ。
畳に血を滲ませる九十九。
エクスバリスごと爆発するムネタケ。
敬礼する新入り、イツキ・カザマ。
イツキの服装が軍服から木連のパイロットスーツへと変わる。
再び響く銃声。
地に伏したのは銃を向けた彼女本人だった。



彼が口を開く。

「ごめん……僕はもうナデシコには戻れない」

「私にキス、してください」

重なる二人の影。
頬を伝う一筋の涙。

唇が離れた時が永遠の別れなのだと、心のどこかで他人事のように感じていた。



遺体の無い葬式。
一度目はカイト。
二度目はアキトとユリカ。
三度目はイネス。
空の棺を見送っていた。
不思議と涙はこぼれなかった。



錫杖の音

動力を停止していく木星プラント

錫杖の音

目の前で爆発するシャトル

錫杖の音

イネスの新聞記事『生存は絶望的』

錫杖の音

彫像のように遺跡に取りこまれているアキトにユリカ、イネスとカイト

錫杖の音

黒い鎧に身を包んだカイト

錫杖の音

錫杖が突き刺さり砕け散るブラックサレナ

「うわぁぁぁぁぁぁ!」

カイトの悲鳴



「!?」

飛び起きるとそこはヒカルの仕事部屋。
朝日がまぶしいが昨日からの徹夜作業で三人は動かない。
ルリはゆっくりと溜息を吐いた。
ヒカルがもぞもぞと動きつつ寝言をあげる。

「……私の出番これだけぇ?」

……だからこれだけですってば。



オオイソシティ 国道134号線




渋滞に捕まった男たちの軽口をかわして白鳥ユキナは走っていた。
そりゃもう全速力で走っていた。
吉報を大切な人に一番初めに伝えたいから。

「ただいまー!」

勢いよく引き戸を開け、そのまま茶の間へなだれ込む。

「やったよーミナトさん!ジュニアメンバー大・抜・擢!!……て、あれ?」

力強いVサインと共にふすまを開けると、そこにいるべき筈の同居人の姿は無かった。



時刻は約1時間前にさかのぼる。
表札に『遥』と書かれた家に一台の自動車が停まっている。
無言のままトランクに荷物を押し込むミナト。

「準備できたわ、行きましょカイト君」

相変わらずの不機嫌な声。必要最低限の言葉以外は話すつもりは無いらしい。

「その前にユキナちゃんに書置きでも残しておいた方が良くありません?」

「書置き?」

「彼女のことだから夏休みのこの時期、ミナトさんが数日間家を空けるとなると不信がるでしょうし」

「数日間も家を空けるつもりは無いけど……そうね、確かに」

白鳥ユキナという少女の行動力の高さはイヤというほど知っている。
クギを刺しておく事に越したことは無いだろう。

「僕としてもあの娘を巻き込むのは本意ではありませんし」

「わかったわ。ちょっとまっててね」

再び家の中に消えて行くミナトの後姿を見ながらカイトはにこにこと悪意の無い笑みを浮かべていた。
彼はどこまでも確信犯であった。



《伝言メッセージ再生中》

『ゴメーン、急用なの。ちょっと出掛けてくるね。じゃ』

「投げキッス……あやしい、なんか怪しいよね?」

こうして吹き込んだ人間の思惑とは正反対に、吹き込ませた人間の思惑どおりに彼女は行動することになる。
ミナトの考えは甘かった、彼女は『あの』白鳥ユキナなのだ。
思いこみだけで兄を誘惑した悪女を暗殺するべくたった一人で戦争中の敵艦に潜入した少女なのだから。
この程度のクギではむしろ打たなかった方が懸命だったかも知れない。

『ゴメーン、急用なの。ちょっと出掛けてくるね。じゃ』

茶の間に投げキッスの音が白々しく響いた。



連合宇宙軍 オフィス




わざわざウインドウで風鈴を表示して涼しげな音を響かせる室内。
4人の男性がのんきにスイカを食べている。これでも会議中だ。
意地汚く皮の部分をすするムネタケが口を開いた。

「いやはや、今回の騒ぎで統合軍も連合内部もガタガタですな」

すでに二切れ目を手にとっているアキヤマが答えた。

「ま、当然でしょう。で、敵の動きはどうなっております?」

ジュンが真面目な顔で答えるもやはり手にはスイカを持っている。

「『火星の後継者』は火星極冠遺跡を占拠。草壁の主張に同調する者が続々と集結中。その数、統合軍の三割にも達しています」

「連合の非主流派の国々も支持の動きがあります。アキヤマ君の情報道理ですな」

「宇宙軍からは同調しようにも人がいないからねぇ」

「よかったですな」

ムネタケがジュンの言葉を継ぎ、コウイチロウがしめた。

「よくありません!むこうは反逆者ですよ、なんでそんなにみんな心優しいんですか!?」

「この手のテロは何かカッコよく見えるからなぁ。単純明快で」

ジュンのもっともな怒りもアキヤマの不謹慎極まりない発言でまぜっかえされた。

『アオイ中佐、外線です』

『ハアーイ。ジュンちゃん、お元気ぃ?』

秘書からの通信と共にユキナウインドゥが開かれる。

「な、何でまわしたんだ!?」

『ごく親しい方からの至急の用、ということでしたので』

「う」

しれっとした秘書の対応に言葉が詰まるジュン。

『ねえ、ミナトさんそっち行ってるよね』

「え?さあ……」

とても効果が有るとは思えなかったが一応ごまかしてみる。

『とぼけてもムダムダ!!』

やっぱり無駄だった。
ちなみに荒れる空気を察した他の三人は早々に席を離れ傍観を決め込んでいる。

『ネルガルだか宇宙軍だか知らないけど何かたくらんでるでしょ。図星よね、そーよ図星。隠してるでしょ!』

もはや彼女の口調は質問ではなく尋問だ。

「そ、そんなこと軍の機密だよ」

『あー!やっぱり隠してた!』

「!!」

しまった、という顔のジュン。まがりなりにも軍人が女子高生に恫喝されて口を滑らしてどうするよ。

『ねーお願い教えて!アオイさんだけが頼りなの』

……こんなときだけ『ジュンちゃん』から『アオイさん』か、とか思ったりしたがもちろん彼にはそんなことを口に出す根性なぞ無い。

『教えてくれたらデートでも何でもしてあげちゃう。わがままも言いません!あなたのユキナになりますから!』

「ば、バカ。何言ってんだよもう」

ユキナは上目遣に拝み倒す。
彼女の手八丁口八丁なのはわかりきっているのだがそれでも動揺してしまうジュン。
ああ、情けない……。
すでに宇宙軍首脳陣の議題は火星の後継者からジュンの身辺問題に移っている。

「アオイ君もそれなりにデキるヤツなんですがいわゆる『いい人』過ぎて……」

「わかります。ええ、わかります」

「女子高生に手玉に取られてはいけませんなぁ」

これ見よがしにヒソヒソ話。ちなみにアキヤマのスイカは三切れ目である。

「コラー!そこ、うるさーい!」

「夏の空 ジュンにも遅い 春の風。……字余り」



トウキョウ 日々平穏店内




「これで20人目。歴戦の勇者また一人脱落、と」

話の内容に反してハーリーの声は極めて明るい。
ウリバタケの召集を断念した一行はホウメイの店で昼食をとっていた。

「ハーリーしつこいぞ、お前」

「だって……」

「だってなんだよ?」

「そんなに昔の仲間が必要なんですか?」

「必要」

「!!」

ラーメンをすすりつつ、漢字二文字で即答されて思わず絶句するハーリー。
しかし、彼はなおも食い下がる。

「べ、別にいいじゃないですがボク達だけでも」

「おいおい、人をダシにするなよ。『ボクがいれば』だろう?」

「ななな、何言ってるんですか!」

サブロウタにツッコまれ真っ赤になるハーリー。怒り半分照れ半分といったところか。

「パイロットの補充はよしとしましょう。でも操船はボクだって出来るし、戦闘指揮はサブロウタさんだっているんだし、ボク達は連合宇宙軍の最強チームなんですよ!」

自分の言葉でさらにヒートアップするハーリー。どうでもいいが、冷めるぞ火星丼。

「リタイアした人達だって今の生活があります。何が何でも懐かしのオールスター勢揃いする意味があるんですか!」

「ハーリーいい加減しろ!」

軍人にあるまじき口調で詰め寄る彼をいさめるサブ。普段ちゃらんぽらんに見えても元木連軍人らしく、彼は非常に礼節を重んじるタイプである。
ルリはハーリーを意に介さずスープをすすっている。醤油ダシにちぢれた麺。いわゆる『喜多方』と分類されるタイプのオーソドックスなラーメンだ。

「ねえ、艦長。答えてくださいよ!ボクはそんなに頼りないですか?艦長!!」

「……ホウメイさん、替え玉」

精一杯真剣に問い詰めたにも関わらず、丼を見つめたルリの答えがこのボケである。
純真な少年へのダメージは押して知るべし。

「うわぁぁぁぁぁーん!」

替え玉は博多ラーメンだろ!……と思ったかどうかは知らないがハーリーはショックのあまり一目散に店を駆け出していた。すぐに人波にのまれ見えなくなる。

「ハーリー!オイ、金払えよおーい!……痛くねぇのかなアイツ」

心配するところが違うだろサブロウタ。

「いいのかい?」

事の推移を見守っていたホウメイが初めて口を開いた。

「私たちだけでは敵には勝てない。それはあの子だってわかっているハズです」

普通に討伐隊を組んで真正面からぶつかるならいざ知らず、今回の作戦内容はナデシコC単体による奇襲戦法である。数秒から数分で勝負がつくであろう今度の戦闘は文字通りの電撃作戦となる。
操舵士、通信士、機動兵器のパイロット……すべてはルリとハーリーが少しでもシステム掌握に専念する為であり、勝率を1%でも引き上げる為である。
だからこそ、ルリはかつての仲間であり優秀な人材である旧ナデシコクルーを集めているのだ。
彼女とて好き好んで今更彼らを戦闘に借り出したくはなかった。

「わかっていても割り切れないものだってあるよ」

ホウメイの言葉にハッとするルリ。そう、自分にもかつてあった。
書き換えられそうになったオモイカネや、戦争を強制的に終わらせる為に遺跡を破壊しようとしたユリカを止めた事。すべては『あの忘れえぬ日々』の為に。

「そう、人間だから。あの子はヤキモチ妬いてるね。昔のあんたの仲間に、昔のナデシコってヤツにさ……」

優しく諭すホウメイ。

「ヤキモチか……。どこから探すかねぇ」

頼れる兄貴、タカスギ・サブロウタはルリを見守りながらつぶやいた。



商店街の入り口に一組の男女が立っている。ミナトとカイトだ。

「それじゃ、この通りを真っ直ぐ行けば日々平穏ってお店がありますんで」

「送ってくれてありがと。……約束、守りなさいよ」

それだけ言うとミナトは歩き出した。うーん、まだ怒ってるようだ。

「ふう、これでミナトさんとユキナちゃんは参加と」

彼女の背中を見送りながらメモ帳の二人の名前が書いてある部分に大きく丸をつける。

「さて、次は誰を当たるか……。ラピス、次行くぞ!」

しかし、一緒に降車したはずの少女の姿は何処にもなかった。

「……あれ?」



「艦長のばか、バカ、馬鹿……」

駆け出した時の勢いは何処へやら、失意の少年マキビ・ハリはとぼとぼと商店街を歩いていた。
盗んだバイクで走り出す15の夜ならぬ、11の昼下がりである。

「バカはいいけど結局宿舎には戻らなきゃいけないし、どーいうカオして二人に会えばいいんだろ……」

おーい、あんまり下向いて歩いてると人と……

「きゃ!」

「うわ!」

ぶつかるぞ……て、遅かったか。
ちょうど同じような体格の人間と正面衝突したため、二人とも弾かれて尻もちをついてしまった。

「イタタ……。ゴ、ゴメンなさ……」

腰をさすりつつ慌てて謝るも絶句するハーリー。彼の視界に移った人物は美少女だった。
金の瞳に銀の髪、年齢は自分と同じぐらいだろうか。憧れの人物、ホシノ・ルリの相似形のような外見の少女は彼のストライクゾーン直撃であった。

「……痛い」

彼女の視線がこちらに非難がましく向けられている。
実際は彼女もキョロキョロしながら歩いていたから同罪なのだがこういう場合、男が悪い。
ハーリーぐらいの年頃でもだ。

「だだ、大丈夫ですか!?」

先程までとは別人のような素早い動きで少女に駆け寄る。
近くで見るとますます艦長にそっくりである。まるっきり自分と同い年の頃の彼女をタイムスリップさせたみたいだ。

「ん、問題ない」

ぶつけた個所を確認した後、少女はそれだけ言ってゆくっりと立ちあがった。
そのままハーリーの顔を覗き込む。

「なななな、なんですか?」

自分の顔が真っ赤になるのを自覚しつつうわずった声をあげるハーリー。

「……あなた、泣いてるの?」

「な、何をおっしゃるウサギさん。ボクだって軍人のはしくれ、泣いてなんか……」

同年代の、しかも女の子に泣いていることを指摘され慌てて否定しようとすると、ちょうど彼の言葉を遮って一人の男性がこちらに声をかける。

「おーい!こんなところにいたのか。また襲われたかと思って心配したぞ」

「ゴメンなさい、ミカズチ。こういった街並みは珍しくて」

「まあ、確かにエリナさんはこういった所には連れてこないだろうけどさ」

そこまで言ってカイトはラピスの横にいる少年に気づいた。

「ゴメンね、君。この娘がなんか迷惑かけた?」

背中にラピスの視線が刺さるがこの際置いておこう。

「い、いえ。別に何も」

「君、ひょっとして泣いてる?」

「!!」

泣いているのを堪えている時、そのことを人に指摘されるとどうなるか。
さっきは同年代の少女ということもありプライドで平気そうに振舞ったのだが、今度は限界だった。
ハーリーはうつむき、肩を震わせている。

「うう……」

「鵜?」

感情が徐々に高ぶってきて。

「うわぁぁぁぁぁーん!!」

天を仰いで大泣きしてしまった。

「え?え?え?」

ハーリーの変化についていけず気まずそうに周囲を見まわすカイト。

「……バカ」

いつのまにか少し離れた所に立っているラピスが的確にツッコんだ。



三人は近所の公園に来ていた。カイトは屋台で何か買っていて、ラピスとハーリーは近くのベンチに座っている。

「はい、どうぞ」

タコ焼きの入ったパックを差し出すカイト。

「いえ、ボクは……」

結構です。と言おうとした瞬間、マンガのようなタイミングでハーリーのお腹が大きく鳴った。

そういえば日々平穏で火星丼を食いっぱぐれたままだ。

「あ……」

「ははは、僕のオゴリだから気にしないでいいよ」

「ミカズチ、私のは?」

「はいはい、ちゃんと買ってあるよ」

呆れた口調で紙袋を手渡す。ラピスは嬉しそうにタイヤキを取り出して食べ始めた。
カイトは二人の間に腰掛けながらハーリーに話しかける。

「落ち着いた?」

「はあ、もう大丈夫です。スミマセンでした、見ず知らずの方にホントにもう」

「何があったんだい?なんか悩み事ならお節介なお兄さんに話してみるのもいいかなと思うんだけど」

また何か思い出したのか『うう』と、涙ぐむハーリー。

「あーあー!いいから、言いたくなかったら言わなくても!」

慌てて話題を変えようとするカイト。

「いえ、聞いてください。実は……」

ハーリーは話した。細かい事情は軍機に触れるので大まかな話だったが。
事件の起こりから、最近の艦長は常に何かに悩んでいること。
ある事情から艦長の仲間を召集すること。
自分は何の役にも立たないという不安。
現在の仲間よりも過去の人間の方が大切なのか。
カイトは優しく微笑んだまま聞いていた。

「……と、いうワケなんですよ」

ラピスが三個目のタイヤキを食べ終えたとき、ようやく彼の話が終わった。

「うーん、色々悩める年頃なんだねぇ」

「ミカズチ」

「ん?」

カイトが何か言おうとした時、ラピスが話を遮った。

「ノドが渇いた」

「はいはい、買ってきますよ」

そう言って席を立つ。
残される二人。沈黙が辺りを支配した。ラピスは紙袋から今川焼きを取り出している。

「……どうしてその人に素直に言えないの?自分を必要として欲しいって」

ラピスが口を開いた。

「なななな」

「菜?七?」

「何を言い出すんですか、あなたは!」

図星をつかれ声を荒げるハーリー、ラピスは気にも止めない。

「違うの?」

「……普通の方にはわかりませんよ、軍人のボクの気持ちなんて」

ハーリーは知らない。目の前の少女が過酷な運命の元に生まれ、また自分よりも数段上の難度のオペレーションをこなしていることを。

「そうね、私にはあなたを理解することはできない」

ラピスは気を悪くした風でもなく言葉を続ける。

「でも、自らの居場所は自分で勝ち取らなくてはいけない。望まれたからいるのではなく、まして望まれないから去るのでもなく」

彼女は自分でも不思議なくらい苛立っていた。
今ある立場を当然の物と甘受し、何も成長しようとしない少年に。

「……自分の居場所?」

オウム返しに尋ねるハーリー。
今までそんなことを考えたことなど無かった。
人工受精児の遺伝子操作体として生を授かり、高度な教育を受け、今は戦艦に乗っている。
自分の生い立ちが不幸だとは思っていないが全て誰かに言われてしてきたことだ。

「そう、居場所。自らが自らの意志で望む、自分自身であり続ける為の場所」

自分はミカズチのことを一番理解しているという自負がある。『ルリ』などよりも。
だからこそ彼の心が一人の女性に縛られていることも痛いほどわかっている。
それでもラピスは彼と共に戦うことを決して止めはしない。
彼が好きなのだから。共にいられるのならばいかなる苦痛もいとわない程に。

「自分の……居場所」

隣に座っている少女の言葉を反芻する。
そうだ、自分にもそれがある。戦艦に乗ってできた、大切な家族が。

「ほい、お待たせ」

目の前に火星ソーダが出される。カイトだ。

「あ、どうも……」

二人の間に流れる微妙な空気を察したカイトは尋ねる。

「ん?何かあったの」

「別に」

緑茶を受け取りながらラピスはそれだけ言って新しい今川焼きを食べ始めた。

「ああ、それでね、さっきの話の続きだけど……」

「いえ、ボクはもう大丈夫です」

「え?」

呆気に取られるカイト。しかし、目の前の少年の目は先程とは打って変わって力強い。立派な男の目だ。

「……そっか、じゃあお兄さんから悩める少年にひとつプレゼントだ」

右手首についている髪留めのゴムをひとつ手渡す。

「なんです、コレ?」

「僕にとって幸運の女神のお守り。他人に渡したぐらいで御利益が無くなるぐらいケチな女神様じゃないと思うから」

「はあ……?」

「よし、僕らもそろそろ行こう」

ラピスも無言で立ちあがる。

「あの、ありがとうございました!」

「ハハ、何にもしてないよ」

ラピスの方にも向き直る。

「あなたもありがとうございます」

「……最後にひとつ。必要とされる為にはまず自分の力を示さなきゃ」

同じ位の年頃の少女がやけに大人びて見えた。まるで自分の憧れの『あの人』と同じように。

「はい!頑張ります!」

彼女の頬が赤く染まっていたのは夕日のせいだけだったのだろうか。
そのまま公園の奥に消えて行く二人組。ふと、彼等の名前も知らない事に気づいた。

「あの!お二人のお名前は……て、いないや」

振り返ると二人の姿は何処にもなかった。ゆっくりとベンチに座りなおすと入り口に新たな人影がふたつ。

「ハーリー君、帰ろう」

「勘定ワリカンだぞー!」

そこには大切な今の家族がいた。

「ごめんなさい、私は……」

「大丈夫です艦長。色々、申し訳ありませんでした」

彼は力強く頷いた。

「?」

顔を見合わせるルリとサブロウタ。
サブロウタは彼の持っている物に気がついた。

「それ何だ?」

女の子がするような髪留めのゴムだ。

「ああ、コレはさっき変わったお兄さんから」

「変わったお兄さん?なんか怪しい人か?」

「怪しいですけど悪い人じゃないです。幸運の女神のお守りだって貰ったんですけど」

ハイ、と二人に見せる。
ルリはそれに見覚えがあった。間違い無くそれはナデシコ時代に自分が使っていた物。

「その人の名前は!?」

普段見せたことのない慌てた表情で詰め寄るルリ。
戸惑いながらも答える。

「さ、さあ。聞き忘れてしまって。でも彼の連れている女の子が『ミカズチ』って呼んでましたね」

「ミカズチ……」

「艦長、どうしました?」

心配そうに尋ねるサブロウタ。

「……いえ、なんでもありません。帰りましょう、二人とも」

ルリはギリギリのところで自分を押し殺した。



トウキョウ 日暮里辺り




「うーい、ついつい調子にのっちまった」

ふらふらと千鳥足で歩いて行くウリバタケ。
『町内会の寄り合い』と称した飲み会で真っ昼間から派手に飲んでしまった。
さすがに赤い顔のまま家に帰るわけにもいかないので酔い覚ましのため散歩していたのだ。
夕日に彩られた路地を歩いていくと目の前の十字路に一人の男が立っている。
白いマントに身を包み、バイザーのようなサングラスをした青年。

「なんだ、新手のコスプレイヤーか?」

「お久し振りです、ウリバタケさん」

「……死人の幻覚が見える程飲んじゃいねえつもりなんだがよ」

彼の酔いは一発で吹き飛んだ。
カイトは懐から一枚のチケットを取り出す。

「今日の月行き最終便のチケットです。あっちに止めてある車で空港まで送らせますから受け取ってもらえませんか?」

「おいおい、酔っ払いをコレ以上混乱させるなよ」

「詳しい事情は月についたらエリナさんにでも聞いてください」

ウリバタケはニヤニヤと笑うのを止め真剣な顔になる。

「最近話題の『火星の後継者』ってヤツがらみだな?」

「ええ、そうです」

「プロスの旦那に話聞かされた時は半信半疑だったんだがよ。目の前に幽霊が出てきちゃ信じねぇワケにはいかねえなあ」

「ルリちゃんが昼間に会いに行ったんですが、身重の奥さんを見て言い出せなかったんでしょう」

ウリバタケは照れ臭そうに頬をかいた。

「なんだかんだいって三人目だ。それよりも、またまたナデシコに乗れってんだろ?」

「どうも僕が誘いにくると毎回タイミングが悪いようですが。……でも無理にとは言いませんよ?」

ウリバタケは俯いて考えているようだった。が、すぐに不気味な笑いを上げ始める。

「くくく。カイト、お前さん2年前も似たようなこと言ってやがったな」

顔を上げると不敵な笑みが浮かんでいる。

「ガキなんてなぁ放っておいたって勝手に生まれてくらあ!」

カイトが彼の言葉を繋ぐ。

「新型戦艦ナデシコC艦で!」

「ルリルリが艦長となれば!」

『男として行くに決まってんだろうが!』

最後に二人の声が重なった。

「つーわけで決まりだな!」

そう言ってカイトからチケットを受け取った。

「ついでにコッチもどうぞ」

ディスクを差し出す。

「コイツは?」

「先々週、新聞で話題になった幽霊ロボットの仕様書とその他もろもろのデータです」

「あー!ジュンがえらく叩かれたヤツ……ってお前がアレに乗ってんのかよ!」

「ええ、月についたらナデシコCへオモイカネの移植準備とあの機体をそこに記されているデータどおりにセッティングしてください」

「わかったよ、そうと決まれば善は急げ!早速行くぞ、いざ月へ!」

多分、新型メカがいじれるのが嬉しくてしょうがないんだろうが彼にはもうひとつしなくてはならない事がある。

「……そのまえに、ちゃんと奥さんに了解とってきてくださいね」

「おうおう!まかせとけって!」

力強く言い切るウリバタケ。

この後、ウリバタケ家では無制限一本勝負の『家族会議』がバリトゥードゥ・ルールで開催されたらしいが、それはまた、別のお話。



トウキョウ 都内某所




都心から少し外れた所にある、2LDKのマンション。
そこに一通の手紙を手に一人の女が立っていた。
目深に被った帽子と大きなサングラスで本人曰く『変装』している。以外とバレないものだ。

「ここ……だよね」

彼女は万感の思いでマンションを見上げた。



事の起こりは数日前にさかのぼる。

「じゃ、メグちゃん。今日もお疲れさま」

「ハーイ、お疲れさまでーす。また、来週」

メグミ・レイナードはそう言ってマネージャーの車を降り、自分のマンションに入っていった。
ポストから数日分溜まった郵便物と新聞を取りだし、自分の部屋に入る。
テーブルに新聞を放り、ベッドに倒れこみながらのろのろと右手に握られた郵便物を確認する。

「ダイレクトメール、チラシ、ダイレクトメール、パンフレット……ん?」

一通の手紙が目に止まった。色気の無い茶封筒に『メグミ・レイナード様』と今時珍しく手書きされている。差出人の名前は無い。
時々、あるのだ。
熱狂的なファンが自分の住所を調べ上げて直接手紙やプレゼントを送ってくる輩が。
大抵ろくでもない物が入っているので中身も確かめずマネージャーに処分させるのだが、その封筒は一枚の手紙しか入ってないようだ。

「うーん……いいや、開けちゃおっと」

メグミはたっぷり十分間悩んでから封筒を開けた。

「えーと、なになに?『突然のお手紙、失礼いたします。仕事の依頼をしたいと思い、手紙を送らせて頂いた次第です。つきましては下記の住所にて……』って、これって!」

彼女にはその住所を知っていた。間違いない、芸能界に復帰して間もない頃の自宅の住所だ。
イタズラにしては手が込みすぎている。何より、手紙の筆跡に見覚えがあった。
ほんの一ヶ月弱しか一緒にいなかった臨時のマネージャーの文字。
テーブルに放り投げられた新聞の一面には軒並み『火星の後継者』の文字が躍る。
どのみちこの事件のせいで大幅な番組改変が起こり、来週以降のスケジュールが全て空白になってしまったのだ。

「どうせヒマだしね」

イタズラにしてもここまでやるほどの人物なら正体を確かめるだけの価値はある。



そう考えた彼女はここに来た。
手紙に記されている日時は今日、8月19日午後9時。住所も間違いなくこの部屋番号だ。
表札には何も書かれていない、今は空家なのだろう。
メグミは大きく深呼吸してからドアノブに手をかける。カギは掛かっていない。
キィ……とわずかに金属のこすれる音を立ててドアが開いた。
家具が何も置かれていない上にホコリっぽい空気。2年間、この部屋に主が居なかった事を知らせた。
メグミは馴れた動きで電気を付ける。
リビングに一人の男性が立っていた。白いマントにサングラスの男。

「カイト君!」

「お久しぶりです、メグミさん」

メグミが駆け寄り、首に抱きつく。感動の再会である。

「あれから、みんなやルリちゃんがどんな思いですごしたと思ってるの!それに、それに私だって……」

「メグちゃん……」

涙声の彼女を落ち着かせるため頭をなでようとしたその時!

「ちぇい!」

両腕でカイトの頭を固定しそのままミゾオチに膝を連打。ムエタイで言う『首相撲』というやつだ。

「ちぇい!ちぇい!ちぇい!ちぇい!ちぇい!」

右、左、右、左、右、と左右の膝がカイトを襲う。

「ちょ、まって……、メグ、メグミさ……」

「うりゃあー!」

カイトの言葉を皆まで聞かず体重を掛けて頭を下げさせる。そのまま飛び膝蹴りが彼の顔面に炸裂した。
仰向けに倒れこむカイト。小刻みに痙攣しているが、多分まだ生きているだろう。
止めを刺すべく近寄る。

「何か言い残すことは?」

その声はぞっとするぐらい冷たかった。

「……2年前より強暴になってるとは思わなかった」

無言で右腕を振り上げる。最後の一撃だ。

「まってまって、メグミさん!」

「うわー懐かしい!」

「この部屋ホコリっぽーい」

「きゃ、死んでるの?」

「エリちゃん、まだ生きてるってば」

次々と後ろから黄色い声がかけられる。振り返るとそこには……。

「ホウメイガールズのみんな!」

『メグミさん、おはようございまーす!』

綺麗に5人全員の声がハモった挨拶。芸能人だから彼女たちの挨拶は夜でも『おはようございます』だ。

「うわー、仕事以外で会うのは久しぶりだねぇ」

「ご無沙汰してます、メグミさん」

リーダー格のテラサキ・サユリが代表して答える。

「どうしてここに?」

「多分メグミさんと同じです。私達にも直接手紙がきて、指定された通りに来たら……」

「フィニッシュブローを放つメグミさんと記憶喪失さんの死体があったというわけ」

タナカ・ハルミの説明をウエムラ・エリが補足する。

「エリちゃん、だからまだ死んでないって……」

「おーい、記憶喪失さーん。生きてますかー?」

サトウ・ミカコとミズハラ・ジュンコがカイトの頭を抱き上げながらツッコんだ。

「……やあ、メグミさんにホウメイガールズのみんな。あんな怪しい手紙にも関わらずよく来たね」

ゴキゴキと首を鳴らしながらカイトが起き上がる。

「まま、取り敢えず座って座って」

総勢7人、一同車座になって床に座り込む。

「で、わざわざこんな趣味の悪い呼び出し方をした理由を教えてくれる?」

メグミの刺すような視線が注がれる。

ミナトといい、メグミといい、怒らせてばっかりだな……などと思いつつ口を開く。

「今日はみんなにお仕事のオファーを持ってきました!」

「おふぁー?」

面食らった6人の声が部屋に響いた。



トウキョウ 日々平穏




店の前には『本日閉店』の札が立て掛けられている。
店内では自分の持ってきたおみやげを肴にミナトとホウメイが静かに飲んでいた。

「何に乾杯なのかねぇ?」

「久しぶりの再会と、カイト君の生還に」

「ハッハッハッ」

「フフフ」

豪快に笑うホウメイと静かに微笑むミナト。少しだけ真剣な表情になって尋ねる。

「あんたも乗るのかい?ナデシコCにさ」

「そうだね、カイト君から連絡もらった時はルリルリの様子だけ見て帰っちゃおうかと思ってたけど……。あの子見てたら、そうも言ってらんない」

「かなり無理してる。艦長としての責任、任務の遂行、敵は強い。おまけにカイトのやつは敵か味方かわかったもんじゃない」

「こういう時にあの子にもそばにいてくれる男の子がいればね……」

そう、ユリカの傍らにアキトが居たように。残念ながら今のハーリーにそれを要求するのは酷だろう。

「艦長、か……」

ミナトのつぶやきに応えるようにグラスの中の氷がカラン、と音をたてた。



ルリ達3人はミナトを出迎えた後、軍宿舎に帰るべく電車に乗ろうとしていた。
駅のベンチに座って電車を待っている。連日の疲れが溜まっているのだろうサブロウタやハーリーは寝てしまっている。
ルリはここ数日の出来事を考えていた。

生きていたカイト。
未だ眠りつづけるアキト。
遺跡に取り込まれたユリカ。
2年ぶりに再会したナデシコクルー。

一ヶ月前からは想像できないぐらい劇的な変化が身の回りに起こっている。

「かんちょお……」

左肩に寄りかかったハーリーの寝言が聞こえ思わず微笑むルリ。

『1番線を急行電車が通過いたします、白線の内側に……』

男性のアナウンスがホームに響く。数秒遅れで反対側のホームに、今度は女性のアナウンスが聞こえる。

『2番線に各駅停車がまいります。白線の内側に下がって……』

アナウンスに反応して顔を上げると反対側のホームには……。
純白のマントに身を包み、大きなサングラスで顔を隠した青年の姿。
相手もこちらに気づいたようだ。真正面からルリを見据えると……。


笑った。


唇の端を吊り上げた自嘲めいた笑い。2年前は決してしなかった笑い方。

「!!」

次の瞬間、二人の間を急行電車が通過する。警笛と風を切る音が駅全体に響く。

(早く……早く……早く……早く……早く……早く!……早く!……早く!……はやく!)

彼女にとって急行の通過時間は永遠と思えるぐらい長かった。
電車が通りぬけた後、反対側のホームには誰も居なかった。



ルリは目の前の線路が自分とカイトとの無限の隔たりのように思えた。



――――彼はもう、自分の手の届かないところへ行ってしまったのだと――――










おまけ・対談式あとがき第5弾


作 者「はい、第5話「『恋』する少年少女たち」をお送りいたしました!それでは引き続き……」

ユキナ「あとがきを始めまーす!司会進行は私、白鳥ユキナちゃん。アシスタントは作者でーす」

作 者「逆だろ!」

ユキナ「なんで美少女女子高生、ユキナちゃんの出番がこれだけしかないのぉ?」

作 者「だからカイトと絡まない限り劇場版と変わらないんだから書きようがないでしょうが」

ユキナ「ぶー、ぶー!差別だ!横暴だ!職権乱用だ!このロリコン!」

作 者「ロリコンとは人聞きの悪い。根拠はなんだ?」

ユキナ「だって本編では一回しか台詞のないラピスとかいう小娘に出番を割き過ぎだよ!」

作 者「そうだなぁ、確かにそこはキャラ配置を見誤ったよなぁ」

ユキナ「まあ、ルリの奴がメインヒロインから脱落したのはせめてもの救いよね〜」

《この空間に不正なアカウントで侵入されようとしてます》

ユキナ「な、何?」

作 者「ああ、最近このコーナーのレギュラー化してる人です。お気になさらず」

《ホシノ・ルリ様の入室は禁止されています》

作 者「やっぱセキュリティーって大事だよねぇ」

ユキナ「うんうん」

《ホシノ・ルリ様からメールが届きました》

ユキナ「なんて書いてるの?」

作 者「なになに、『《文章が長すぎる為、メールの表示に失敗しました》』だって」

ユキナ「とりあえず、相当怒ってることは伝わったわ……。完全にヒロインの座を奪われたもんね」

作 者「やたら大人びてるラピスですが理由は作者の筆力不足ではなく本作品における設定からです、あしからず」

ユキナ「嘘臭いわね〜」

作 者「ほっとけ!そうそう、ととさん。心配されていましたがちゃんとメグ姉出てきましたよ、安心してください」

ユキナ「性格がより凶悪になってるんですけど……」

作 者「ゲーム版に準拠してますからね。シナリオ4から考えればあのぐらいしかねないでしょ、彼女」

ユキナ「ま、否定はしないわ。それじゃ、次回予告!」

作 者「ついに、ストーリー全体の半分までやってきましたThe prince of irregular!」

ユキナ「果たしてホシノ・ルリはヒロインの座を取り戻せるのか!?」

作 者「それともラピスが真ヒロインとして君臨するのか!?」

ユキナ「話のラストを本当に考えているのか作者!?」

作 者「次回、第6話「『眠れる』遺跡の白雪姫」を気長にお待ちください」

ユキナ「またね〜!」



ユキナ「……で、ホントのところユキナちゃんがヒロインになる可能性は?」

作 者「それは無い。安心しろ」

ユキナ「げし!」



続くんだろうな、きっと



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