バカップル 〜スキー旅行へ(前編)〜

 

「うわ〜〜〜♪」

バスを降りたルリが最初に発した言葉は驚きの声だった。

「すご〜い、真っ白〜」

ルリの眼前に広がる真っ白な風景。

それは純白の雪に彩られた冬の雪山だった。

ルリとカイトの二人はお互いの休暇を一緒に日にして、とある雪山へスキー旅行に来たのだった。

「見てください、カイトさん。すごくきれいです」

うっとりとしながらその景色を眺めているルリ。

太陽の光が雪に反射して光輝く様子を背景に佇むそんなルリを見ながら

(ルリちゃんだってすごくきれいだよ)

などと考えながら見つめているカイト。

「カイトさん、早く行きましょう♪」

きゅっきゅっと雪を鳴らしながら小走りに進むルリ。

「あ、ルリちゃん。走ると危ないよ」

「ふふ、大丈夫ですよ」

そういいながらカイトの方を振り向こうとしたとき

「きゃっ」

急に雪で見えなかった深いところに足をとられて倒れてしまうルリ。

「ルリちゃん!」

カイトは声を上げて急いでルリの元へと駆け寄った。

「ルリちゃん、大丈夫!?」

顔から倒れたルリに心配そうに声をかけるカイト。

その声を聞いてゆっくりと顔を上げるルリ。

「は、はい。大丈夫です。雪がクッション代わりになりましたから」

カイトを安心させるように笑顔を返すルリ。高く降り積もった雪のおかげでどこにも怪我はしなかった様だ。

そんなルリを見ながらカイトは少しつらそうな顔をしてルリに話しかける。

「ごめんね、ルリちゃん。僕がそばにいれば君が転ぶ前に抱きとめてあげることができたのに」

カイトはルリを助けることができなかったことに責任を感じていた。

「カイトさん・・・」

ルリはそんなカイトの気持ちがとてもうれしかった。自分のことを大事にしてくれている気持ちがすごく伝わってきたから。

「そんなに悲しそうな顔をしないでください、カイトさんのせいじゃないんですから」

「でも」

「元はと言えば私がカイトさんの言葉を聞かないで急に走ったりしたからこんなことになったんです。ごめんなさい、カイトさん」

「そ、そんな。ルリちゃんが謝ることじゃないよ」

ルリの言葉に頭を振るカイト。

「それより、本当に大丈夫?」

「はい、ちょっと顔が冷たくなっちゃいましたけど、こうすれば・・・」

そう言ってカイトの両手を手に取り自らの頬にそれを当てる。

「カイトさんの手・・・とってもあったかいです」

手を当てたままカイトに微笑みかけるルリ。その頬がうっすらと赤いのは寒さのためだけではないだろう。

「ルリちゃん・・・。それじゃあルリちゃんの寒さが癒えるまでもう少しだけこうしてようか」

カイトがゆっくりとルリのおでこに自分のおでこをくっつけながらそう言う。

「はい♪」

ルリもうれしそうにカイトの言葉に頷いたのだった。

・・・・・・・・・

・・・・

ちなみに二人のいる場所はホテルの目の前だったりする。

そんな中ただでさえ容姿の整った二人が目立たないわけがなかった。

当然、その場にいたほかのスキー客はいきなり始まったそんな二人のラブシーンを見て固まっていたのは言うまでもなかった。

 

 

そんな様子のホテルの横に新しいバスがゆっくりと止まった。

「ふ〜、ようやく到着か〜」

「バスの中で寝ると体が痛くなるのが困るわ」

止まったバスの中から二人の女性が降りてきた。

「ん〜」

腰まで伸びた黒髪を首の後ろで結んでいる女性が大きく伸びをする。

「も〜、自分の荷物ぐらい自分で持ってよね」

二人分の荷物を引きずりながらもう一人のショートヘアーの金髪の女性が声をかける。

「あ〜、ごめんごめん」

そういいながら自分の荷物を受け取るロングヘアーの女性。

「あら?あの人だかりは何かしら?」

ショートヘアーの女性がホテルの前の人だかりを見て首をひねる。

「さあ?それよりも早くチェックインを済ませましょ」

「でも、なんか気にならない?」

「いいわよ、そんなの」

ぶっきらぼうに答えながらホテルへと足を進めるロングヘアーの女性。

「も〜、まだ彼氏と別れたこと気にしてるの?」

「別に〜〜」

どこかふてくされた顔で答えるロングヘアーの女性。

「ほら、やっぱり気にしてるじゃない・・・」

「む〜、元はといえばあんたのせいなんだからね。あんな変な薬を作ったせいで彼が精神不安定になって私たちの仲がだめになったんだから」

「何よ〜最初に”艦長と大尉をラブラブにしよう”って言って、あの計画を思いついたのはあなたじゃない」

ショートヘアーの女性が言い返す。

お互いににらみ合っていた二人だが不意に体から力が抜けたのか肩を落として小声で話し出す。

「もうやめましょう、あの事を思い出すのは・・・」

「そうね・・・」

心底暗い顔をしながらお互いにうなずきあう二人だった。

 

二人が何を思い出したかは前回の”バカップル〜誕生〜”を参照のこと。

そして彼女たちこそルリとカイトをバカップルの道へと導いた張本人であった。

ロングヘアーの女性は計画の発案者である女性仕官Aこと”ネコサワ・ハルナ少尉”

ショートヘアーの女性は愛情増幅薬の製作者である女性仕官Bこと”イヌヅカ・マユミ少尉”

二人は前回の事件から逃げるように休暇を取ってスキー旅行に来たのだった。

 

「と、とにかくせっかく奮発してスキー旅行に来たんだからこの機会に新しい恋人を見つけるのよ!」

そう高らかに宣言しながら勢い歩き始めるハルナ。

「はいはい、がんばってくださいね」

ふうっとため息をつきながら答えるマユミ。

「さ、いくわよマユミ!」

「あ、待ってよ、ハルナ!」

一人でさっさと行ってしまうハルナをマユミは早足で追いかけたのだった。

だが彼女たちはまだ知らなかった自分たちの行動が更なる恐怖へ足を踏み込んだことに。

 

 

「さ〜、今日は思いっきり滑るわよ〜〜!」

スキーウェアに着替えたハルナが意気揚々とゲレンデに向けて歩き出す。

「あ、ごめんハルナ。財布、ロッカーに忘れてきたみたい」

ポケットを探っていたマユミがハルナに声をかける。

「え〜、もう何やってんのよ〜」

勢いをそがれたハルナがマユミに向き直る。

「ちょっと、取ってくるから待ってて」

そう言って来た道を引き返すマユミだった。

「まったく〜、マユミもしょうがないな〜」

あきれた顔をしながらも言われたとおりマユミを待つハルナ。

「ふ〜、それにしてもあんまりいい男がいないな〜」

周りを見回しながらつぶやくハルナ。

「たまにいい男を見つけてもそういうのに限って女連れだもん。あ〜あ、私も彼氏ほし〜な〜」

「ね〜、彼女。一人で暇してんなら、俺たちと遊ばね〜?」

ため息を付きながら佇むハルナに二人連れの男が声をかけた。

見るからに軽薄で、どこか人を見下した感じの二人組み。

顔はそんなに悪くないが明らかに”ヤバめ”な印象を受けたハルナは相手にしないことにした。

「ごめんなさい、私友達を待ってるとこだから」

そう言って顔を背けるハルナ。

「そんなこと言わないでさ〜、一緒にあそぼーぜ」

「そうそう、その友達も一緒にさ。いいことしよ〜ぜ」

下品な言いまわしでハルナの腕を掴んでくる二人組み。

「ちょ!いやだって言ってるでしょ!」

いきなりつかまれた腕を振り解こうと力を込めるがやはり女の力では男の力にはかなわない。

「へへへ」

(も〜、なんで誰も助けてくれないのよ!こういう女性のピンチのときこそかっよくてやさしい男が助けてくれるもんでしょ!)

そう思っていた矢先、ハルナの耳に二人組みに話しかける声が聞こえた。

「女性に暴力を振るうのは関心しないな」

 

 

ハルナが怪しい二人組みに絡まれる少し前。

スキーウェアに着替えたルリとカイトはゲレンデに向かっていた。

「あ!」

ふとルリが声を上げる。

「どうしたのルリちゃん?」

「すみませんカイトさん、ロッカーにお財布を忘れてきちゃいました」

申し訳なさそうな顔でカイトに話しかけるルリ。

「じゃあ、僕は待ってるから取っておいでよ」

カイトは笑顔でルリにそう促す。

「はい、すぐにとってきますね」

ルリもカイトに笑顔を向けながらロッカーへと戻っていった。

「さて・・・と、ルリちゃんが来るまで少し時間があるかな」

カイトは待っている間の暇つぶしに自販機でコーヒーを買おうとした。

ちょうどそのとき。

「ちょ!いやだって言ってるでしょ!」

女性の嫌がる声がカイトの耳に入ってきた。

声の方に目を向けると、そこには二人の男に腕をつかまれている女性の姿があった。

この角度からは女性の顔までは見えないが嫌がっているのは明らかだった。

「ふ〜、やっぱりどんなとこにもああいう奴等はいるもんなんだな」

カイトはそう呟きながら周りの注目を集め始めている三人のところへ足を向けた。

だんだんと女性の姿がはっきりとしてくる。

(あれ?あの子は確かナデシコのブリッジクルーの)

その顔が普段ナデシコで見たことのある顔なのに少なからず驚いたカイト。

(っと、今はそんなこと考えてるときじゃないな)

すぐに考えをとめると二人組みの男の一人の肩に手を置いて話しかける。

「女性に暴力を振るうのは関心しないな」

いきなりの乱入者の言葉に二人組みの動きが一瞬止まる。

その隙を見逃さないようにハルナは男の腕を振り解きとっさに新たに現れた男の背中に隠れる。

「あ!」

「なに逃げてんだ、てめ!」

獲物を逃した二人組みがもう一度ハルナに手を伸ばそうとしたがその間に体を挟んで阻止するカイト。

「だいじょうぶ?」

そう言って後ろに隠れているハルナに声をかけるカイト。

「あ、はい。ありがとうござ・・・」

お礼を言おうとしたハルナだったが目の前にいる男の顔を見て言葉が止まる。

「カ、カザマ大尉!」

顔中に驚きを表してカイトを見つめるハルナだった。

「お〜、無視してんじゃね〜ぞ、オラ!」

二人が勝手に話を進めているのに我慢できずに二人組みの男の一人、茶髪の男が声を上げる。

「かんけーねえやつはすっこんでろ!」

そしてもう一人の長髪の男がカイトに向かってガンを飛ばす。

「関係なくはないんだけどね」

カイトはそんな二人の言葉にあきれた顔を返す。

「うるせ〜、痛い目にあいたくなけりゃさっさとうせろ!」

「僕の知り合いなんでね、このままほうっておくわけには行かないんだ。君たちの方こそあきらめてくれないか?」

なおもすごんでくる長髪の男の顔を見ながらカイトが穏やかに言う。

「それにそんなやり方じゃあ女性を誘うことなんかできないよ」

「な、何だと〜〜〜!」

「ざ、ざけんじゃね〜〜〜!」

馬鹿にしたようなその顔とセリフに業を煮やした二人の男は顔を真っ赤にしながらカイトに向かって殴りかかった。

「やれやれ、やっぱり言ってもわかってくれないか」

そういった瞬間、カイトの瞳に鋭さが宿った。

二人の男は一応は喧嘩の場数をこなしているのか二人同時でなくワンテンポ遅らせて攻撃に出た。

長髪の男の攻撃に対応したカイトに隙が生まれたところを茶髪の男が攻撃をするつもりのようだ。

だがそんな思惑など関係ないように勝負は一瞬にして終わった。

「ふ〜」

ハルナが気が付いたときには、軽く息をはいたカイトの前に二人の男が倒れていた。

長髪の男の右ストレートに対して相手の腕を絡め取ったカイトはそのまま体を引き寄せ茶髪の男の攻撃の盾としてして使い、茶髪の攻撃を顔面に受けた長髪の男が崩れ落ちるのと同時にカイトは茶髪の男の後ろに回り込み相手の首の後ろに肘を叩き込んだのだ。

その一瞬の出来事に当たりはシンと静まった。

「あ〜、いたいた。ハルナ!」

そんな静まった空気を壊すようにマユミがハルナの元へと近づいてきた。

「あ、マユミ」

一瞬止まっていたハルナもマユミの姿にほっと一息ついて話しかける。

「ごめんね、待った?」

「ん〜、そんなことはないんだけどね」

苦笑しながら答えるハルナ。チラッと地面に倒れている二人の男を見る。

「あれ?なにしてんのこの人たち?」

なぜ二人の男が倒れているのか理由を知らないマユミが尋ねる。

「まあ、いろいろあったのよ」

「はあ?」

「もう大丈夫だよね」

首をかしげるマユミとハルナに向かって声をかけるカイト。

「あ、どうもありがとうございました!」

カイトの言葉を聞いてあわてて御礼を言うハルナ。

「それじゃあ、人を待ってる途中だからこれで失礼するね」

そう言ってカイトは二人から離れその場を後にした。

「やっぱり、カザマ大尉も来てたんだ」

カイトがいることを知っていたかのように答えるマユミ。

「え、マユミ。カザマ大尉がいること知ってたの?」

カイトの後姿をポ〜っと見ていたハルナがびっくりして聞く。

「いや〜、実はさっきロッカーのところで艦長とあったから」

「艦長も・・・来てるの?」

その言葉にいやな予感が頭の中を駆け巡った。

「まあ、旅行中はなるべくお二人に会わないようにしないとね・・・」

「そ、そうね・・・」

カイトに助けてもらえた時はすごくうれしかったハルナだったが、ルリとカイトのイチャイチャぶりを見せ付けられるのはたまらないようだ。

二人は少し暗い顔をしながら今度こそスキーをするべくゲレンデへと向かったのだった。

 

 

「え〜と、ルリちゃんはスキーをするのは初めてだよね?」

「はい」

ちょっとしたハプニングはあったもののルリとカイトは当初の予定通りスキーを開始した。

「それじゃあまずはまっすぐ滑ることと、止まることを覚えようか?」

カイトはやさしく微笑むとルリに話しかけた。

「は、はい。がんばります」

ほんの少し緊張した顔で言うルリ。

「そんなに緊張しなくてもいいよ。スキーは恐る恐るやるほうが危ないから、それと転ぶときは横に倒れるんだよ」

「は、はい」

とは言ったもののルリもはじめてやるスキーにどうしても身構えてしまう。

「がんばろう、ルリちゃん」

そんなルリの様子がかわいくてカイトはいっそうやさしく微笑むのだった。

その後二人は傾斜がなだらかでほかの人の邪魔にならない場所で練習を開始した。

「そう。重心は後ろじゃなくて前にくるように。止まるときは足をハの字にして踏ん張るように!」

「は、はい!」

練習を開始して1時間。

飲み込みの早いルリはボーゲンをマスターし曲がることもできるようになり、一人である程度滑れるようになったのだった。

「はい、ストップ!」

カイトの言葉を聞いてルリがその場に止まる。

「ふ〜。どうですかカイトさん?」

ルリが息をついてカイトに尋ねる。

「すごいよルリちゃん!これだけすべれれば十分だよ!」

多少興奮気味に答えるカイト。

「あ、ありがとうございます。でも私が滑れるようになったのもみんなカイトさんのおかげです」

ポッと頬を赤くしながらカイトに話しかけるルリ。

「そんなことないよ、全部ルリちゃんの実力だよ」

ルリのそんな顔を見てカイトも顔を赤くする。

「それに、なんていうか一生懸命なルリちゃんの姿・・・すごくきれいだったよ」

ルリの瞳を見つめながらカイトがささやく。

「え・・・そ、そんな。うれしいです・・・」

ルリもカイトの瞳を見つめながら恥ずかしそうに答える。

「カイトさんも、一生懸命教えてくれてる姿がとってもかっこよかったですよ」

「はは、そうかな?ルリちゃんのためだったら僕はいつでも一生懸命だよ」

お互いに顔を赤くしながら言葉を交わすルリとカイト。

ゆっくりとお互いの体が近づいていく。

「ルリちゃん・・・」

「カイトさん・・・」

そして二人はお互いの手を握りながら見詰め合った。

そして二人の距離はゼロへと近づいていきお互いの気持ちを確かめ合うように唇を重ねるのだった。

・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・

ちなみに、やっぱり周りにはルリのカイトのことを見て固まっている人たちがいる。

中には、

「ねえねえ、パパ。あのおねえちゃんたち何してるの?」

と無邪気に問いかけてくる子供に、

「お、お前も大きくなったらわかるからな」

などとあわてて上ずった声をしながら子供に言い聞かせている親の姿もあった。

だが当然のようにルリとカイトの目には周りの様子など映ってはいなかった。

たっぷりとお互いの気持ちを確かめ合った30分後、練習を終えたルリとカイトは初心者コースに行くためにリフト場へと向かった。

「あ、あのカイトさん。リフトはどうやって乗ればいいんですか?」

初めてのリフトにこわごわとたずねるルリ。

「大丈夫だよ、ルリちゃん。そんなに難しいものじゃないから」

「で、でも・・・」

遠くで見るよりも早いスピードで動くリフトを見て驚くルリ。

「いい?僕が合図したら普通に椅子に座る感じで腰を下ろすんだよ」

「は、はい」

カイトの言葉に答えながらリフトが来るのをじっと待つルリ。

「・・・座って!」

カイトの合図でルリは思い切ってその場で腰を下ろす。

トンという衝撃とともに座ることができたルリを乗せてリフトは緩やかに登っていった。

「乗れました!」

登っていくリフトからあたりを見回したルリがうれしそうにカイトに話しかける。

「こういうのも気持ちいいでしょ?」

「はい」

カイトの言葉にうれしそうに返すルリ。そのときガクンとリフトがゆれた。

「きゃ!」

それに驚いたルリがとっさにカイトの腕に抱きついた。

「び、びっくりしました」

「大丈夫だよ。心配だったらそのまま僕の腕につかまってればいいから」

カイトがやさしく微笑むのを見てルリは顔を赤くしながらも「はい」と小さく答えてカイトの方に体を預けた。

カイトは腕に感じるルリの温もりに心を傾けながら、近づいてくる終点を見ながらもう少しこのままでいたいなと思っていた。

「さ、もうすぐだよ。降りるときはすべるときと同じようにして、リフトが折り返し地点に来る前にリフトの進む力を借りて離れるんだよ」

「は、はい」

乗るのが初めてなら、降りるのも初めてなルリ。

やっぱり緊張しながらカイトの言葉にうなずく。

「今のルリちゃんなら大丈夫。それでも不安だったら前の人の様子をよく見ててごらん」

「は、はい」

前の人がきれいに降りているのを見てルリは頭の中で思い浮かべる。

「さ、降りるよ」

カイトが隣のルリに優しく声をかける。

「はい!」

少し大きな声で返事をするルリを見ながらカイトは腰を上げる。

・・・・・・

・・・

「できたね」

隣にいるルリに話しかけるカイト。

「はい!」

ルリもその言葉に笑顔で答える。

何とか無事に初のリフト体験を終えたルリだった。

その後は、初心者コースを見下ろしながらやっぱり怖がっているルリをカイトが励ましながら滑った。

ただ、何度か滑るうちにルリもスキーの楽しさを覚え日が暮れるまで二人仲良く滑ったのだった。

 

 

あたりも暗くなり始めたころハルナとマユミはホテルの最上階にあるレストランで食事を取っていた。

「ふ〜、なかなかいいレストランね〜」

運ばれてくる料理の味に満足げな顔をしながら向かい側に座るマユミに話しかけるハルナ。

「でしょう?パンフレットの紹介文でもここは人気のお店だって書いてあったから」

マユミもうれしそうな顔で料理をパク付いている。

「艦長や大尉とはあれ以来会うこともなかったし、心配することもなかったわね」

「まあ、同じところにスキーに来てるからってそう何度もあうこともないわよ」

ほっとした顔でお互いにうなずきあう。

「でも、お二人がここに来てるってことを知ったときは本当にびっくりしたわ」

「確かに・・・。あの事件以来、仕事以外でなるべくお二人の前には顔を出さないようにしてたからね」

あんな事件を起こしたことへの責任は感じていたもののルリたちの姿がなるべく目に入らないようにしてきた二人だった。

「薬の効果は一向に消える気配はないし・・・」

「これからもあの調子が続くと思うと・・・」

「「・・・ハア」

向かい合ってため息をつく二人。

「あ〜、もう。せっかく旅行に来てるんだし。ここにいる間は暗い話は止めましょ!」

無理に笑顔を浮かべながらマユミに話しかけるハルナ。

「そ、そうね。もっと前向きに生きなくちゃいけないわよね!」

同じく無理に笑顔を浮かべながらうなずくマユミ。

「そうそう、旅行だってまだ始まったばかりなんだからさ」

「ええ、これからよ」

その後ようやく自然な笑顔になることができた二人は、話を弾ませながら料理を口にするのだった。

「あ、そうだ!」

突然何かを思いついたように声を上げるマユミ。

「ん、どうしたの?」

「へへ〜、じ・つ・は、いいものを持ってきたんだ〜♪」

ムフフと不気味な笑みを浮かべながら横においていたバッグを手に取る。

「な、なによ。不気味な顔しちゃって・・・」

ほんのちょっぴり引いてるハルナ。

「不気味とは何よ、不気味とは。まあ、いいわよそんなことは」

ちょっと抗議しつつも、気にせずにバッグの中を探る。

「じゃっじゃ〜〜〜ん!」

自分で効果音を口にしながら小さな小瓶をハルナの前に出すマユミ。

「何それ?」

?マークを頭に浮かべるハルナ。

目の前の小さなビンの中には白い粉末が入っていた。

「ふっふっふ、聞いて驚いちゃってね」

「はいはい、驚いちゃってあげるから。で、何なの?」

もったいぶった言い方をするマユミをせかすハルナ。

「これこそ、全世界の女性が夢にまで見た「肌若返りの薬」よ!」

胸を張りながら高らかに答えるマユミ。

「はあ?若返りの薬?」

そんなマユミにあきれた顔をして答えるハルナ。

「違うわよ。”肌”若返りの薬よ!」

肌の部分を強調するマユミ。

「って、どう違うのよ」

「肌年齢ってよくあるじゃない」

「ん〜あるけど」

「この薬はその肌年齢を若くする効果があるのよ!」

再度胸を張って答えるマユミ。

「なんかすごいピンポイントな効果ね・・・」

「信じないって言うの!」

胡散臭そうに言うハルナに声を荒げるマユミ。

その声に反応した周りの人がいっせいに二人の方を見る。

「わ、わかったわよ。信じるから落ち着いて」

ハルナはあわててマユミを落ち着けるように言った。

「で、そんなものどこで手に入れたのよ」

仕方なく話をあわせるように言うハルナ。

「もちろん作ったに決まってるじゃない」

当然でしょといった顔で答えるマユミ。

「作ったって、どうやって・・・・・・は、まさか!」

なんとなくわかってきたのか、さらにいやそうな顔をする。

「こないだも話したと思うけど、私の持ってる魔術書”超黒魔術大全集”に作り方が載ってたのよ」

(あ〜、やっぱりあの本か・・・)

マユミの言葉に心の中で重いため息をつくハルナ。

「大丈夫なんでしょうね〜」

ジト目でマユミを見るハルナ。

「決まってるじゃない」

「でも、あの本には前例があるからな〜」

前回の事件を思い出しながらそういうハルナ。

「う・・・あ、あの時は使い方がまずかったのよ。その証拠にあんたと彼氏の仲もちゃんと元通りになったでしょ」

「でも結局は別かれることになったし〜」

「あう・・・」

だんだんと声が小さくなってくるマユミ。

「そ、そりゃあ私の薬のせいであんなことになったのは悪かったと思ってるわよ・・・。だからハルナの喜んでくれるようなものを送りたいって思ったからこの薬を・・・」

ぼそぼそと呟くように言うマユミ。

「マユミ・・・。ごめん、ちょっと意地悪く言い過ぎたね」

マユミが自分のことを思って作ってくれたことがわかって、言い過ぎたことを謝るハルナ。

「ううん、いいの。でも材料が少なくてそんなに量は多くないけど」

ビンの中に入っている粉末は小さじで3杯ぐらいの量しかなかった。

「量なんて関係ないよ、マユミがせっかく作って来てくれたんだもん」

笑顔を浮かべてその小瓶を受け取ろうと手を伸ばすハルナ。

「この薬を飲むときは五回くらいに分けて飲んでね。あと、絶対に水以外で薄めて飲まないでね。もしそれ以外、たとえばコーヒーとかお茶なんかで薄めて飲んだら何が起こるかわからないから」

真剣な顔で忠告してくるマユミに「わかったわ」と答えながらうなずくハルナだった。

「でも・・・この入れ物はどうにかならなかったの?」

ハルナが手に持っていう小瓶には”甘さ控えめ!真砂糖!”と書かれていた。

「なははは、ちょうどいい大きさの入れ物がなくて」

笑って言い訳をするマユミ。

「まあ、いいけどね。それよりマユミはこの薬使ってみたの?」

「ん〜実は、ハルナの分を作った後に自分の分を作ろうとしたんだけど。そのときに手が滑ってページの上にコーヒーをこぼしちゃったのよ」

そのときのことを思い出してため息をつくマユミ。

「で、結局そのページは字が滲んじゃって読めなくなっちゃったからもう作れなくて」

「そうなんだ、ごめんね私だけが使うことになっちゃって」

「いいのいいの!ハルナが喜んでくれたらそれでいいの」

照れ笑いを浮かべながらあわててそう言うマユミ。

「ありがとう、大事に使うね」

マユミの言葉にうれしそうな顔で答えるハルナであった。

その後、食事を食べ終わった二人が席を立とうとしたとき。

「あれ、君たちは」

二人に話しかける声が聞こえた。

「え?」

振り返った二人が目にしたのは腕を組みながら立っていたルリとカイトの姿だった。

まさかこんなところでルリとカイトにばったりと出会ってしまうとは思わなかった二人は冷静でいることができなかった。

「たしかネコサワ少尉とイヌヅカ少尉だよね。こんばんわ」

カイトが笑顔で話しかける。

「こんばんわ。お二人とも食事ですか?」

ルリもカイトに続いて挨拶をする。

そんな、挨拶をしてくるルリとカイトを見ながら慌てふためくハルナとマユミ。

「か、艦長!大尉!」

「お二人ともどうしてここに?!」

「どうしてって、食事に来たんだけど」

二人の様子に笑顔で答えるカイト。

その顔を見て顔を赤らめるハルナとマユミ。

「お二人はもう食べ終わったみたいですね」

ルリも笑顔でたずねてくる。

「は、はい。大変おいしくいただきました」

「きっとお二方にも満足していただけると思います」

もう自分でも何を言っているのかわからなくなっている二人だった。

「そうなんだ、それは楽しみだな〜。ね、ルリちゃん」

その言葉を聴いたカイト隣に寄り添っているルリに微笑む。

「そうですね、カイトさん」

ルリもカイトに向かって微笑んで答える。

そんな二人の甘〜い空気を感じて急いで帰りじたくをするハルナたち。

「そ、それでは私たちはお先に失礼します」

「おつかれさまです」

そして、逃げるようにその場を後にするのだった。

「どうしたんだろ、二人とも何か様子が変だったような?」

首をひねって考えるカイト。

「お二人とも遊び疲れていたんじゃないですか?」

ルリが今までハルナたちが座っていたテーブルに座る。

「そうかもしれないね、彼女たちにとっても久しぶりの休みだったみたいだしね」

カイトもルリの向かい側の席につく。

それからは、もうハルナたちのことは気にせずに食事を楽しむことにしたのだった。

 

 

「ふ〜、本当においしかったね」

「そうですね」

ハルナたちと同じように満足した顔で料理を食べ終えたルリとカイト。

「たまにはこういうところで食事っていうのもいいもんだね」

ルリの顔を見ながらそう言うカイト。

「はい。でも・・・」

カイトの言葉に答えるルリ。

「でも、何?」

「やっぱりカイトさんの作ってくれた食事を二人だけで食べるのが一番うれしいです」

ポッと顔を赤くしながら答えるルリ。

「ルリちゃん・・・」

カイトはルリの言葉にうれしそうな顔をすると、そっとテーブルの上に乗っているルリの手をやさしく握った。

「あ、カイトさん」

少し驚いた顔をしてカイトの顔を見つめるルリ。

「そう言ってくれて、僕もすごくうれしいよ」

カイトも少し顔を赤くしながら答える。

「僕の料理をうれしそうに食べてくれるルリちゃんの顔はとっても可愛いから、僕もルリちゃんがおいしいって言ってくれるように心を込めてつくろうって思えるんだ」

「そ、そんな。カイトさんが私のために作ってくれたものなら私にとってはどんな高級料理よりもおいしいです」

「そう言ってくれるだけで僕は大満足だよ」

やさしい笑顔を浮かべて答えるカイト。

「でも、カイトさんに作ってもらうばかりで申し訳なくて・・・。私もカイトさんに料理を作って上げられるほど料理が上手だったらよかったのに・・・」

少し悲しそうな顔をするルリ。

いつも自分のために料理を作ってくれるカイトのために、自分も料理を作って上げたいと思って練習をしてみたがどうしてもうまくいかないことを気にしているのだ。

「ルリちゃん」

カイトはそんなルリの気持ちが握った手のひらから伝わってくるような感じがした。

「それじゃあ僕もルリちゃんの料理を食べさせてもらおうかな」

少し明るい声でルリに話しかけるカイト。

「え?」

その言葉の意味がわからずカイトのことを見つめるルリ。

カイトは腰を浮かせてルリの方へ体を動かす。

「いただきま〜す♪」

そう言ってテーブル越しにルリの唇に自分の唇を重ねる。

「ん!」

いきなりのカイトのキスに一瞬目を丸くするも、すぐにポーっとした顔でそれを受け止める二人。

「ん・・・」

「んむ・・・」

長い長いキスを続ける二人にはもうお互いのことしか頭になかった。

・・・・・・

・・・

普段ならこんな二人の姿が見られるところでは周りの人間がすさまじいほどの影響を受けるのだが、なぜかレストランの中にはお客が一人もいなかった。

時間はまだ食事時といっていいほどなのだが誰一人として座っていないテーブルがこうも見事に並んでいるといっそ不気味な感じがする。

それというのも、ルリとカイトの食事風景を見せられたレストランの客はこぞってソレから逃げるようにテーブルを後にしたのだった。

新しく来た客も、テーブルに着く前にルリとカイトの食事風景を見た瞬間回れ右をして出口へと向かった行った。

そのおかげで、稼ぎ時であるはずの時間帯にもかかわらずレストランの中にはルリとカイト以外の客が見られなくなったのだ。

ある意味、普通の人間としては当然の反応かもしれない。

なぜなら、料理を一口食べるたびに

「カイトさん、あ〜ん♪」

とか

「ん〜、ルリちゃんに食べさせてもらえばどんな料理も何倍もおいしくなるよ」

とか

「私も、カイトさんに食べさせてもらえてすごく幸せです(ポッ)」

とか

「ルリちゃん、ほっぺたにソースが付いてるよ。今とってあげるからね・・・ペロッ」

とかを、食べ終わるまで延々とやられた日にはたまったもんじゃないだろう。

とまあ、客の精神状態は守られたがレストランのスタッフはもちろん逃げ出すことはできない。

延々とルリとカイトの食事風景を見せ付けられたせいで大半の者は逃げるように厨房へと非難していた。

それでも、声だけは耳の中に入ってくるので精神へのダメージは避けようがなかった。

結局今もまだ厨房ではルリとカイトが一刻も早く出て行ってくれるのを切に願っているスタッフたちの姿があった。

そうとも知らずに、すでに5分以上キスを続けているルリとカイトだった。

・・・・・・

・・・

お互いの唇がゆっくりと離れていって。

「カ、カイトさん、急にどうしたんですか?」

唇に指を当てて頬を赤くしながらカイトに訪ねるルリ。

「ルリちゃんが僕にご馳走したいって言ってたからさ」

同じく顔を赤くしながら答えるカイト。

「だからってどうして・・・キス・・・なんですか?」

「だって、僕にとってはルリちゃんの唇が一番のご馳走だからね」

「も・・・もう・・・カイトさんったら」

まんざらでもない顔でいるルリをカイトはやさしく微笑みながら見つめていた。

その後7分ほど見詰め合っていた二人は食後のコーヒーを頼むことにした。

「すいませ〜ん、コーヒー2つお願いします」

「は、はい、ただいまお持ちします!」

カイトの声にあわてて対応する男性ウェイターの一人。

どこかヨロヨロしながらコーヒーを運ぶ男性ウェイター。

「ありがとうございます」

無意識のうちに男性を虜にする微笑を浮かべるルリ。

「い、いえ。どうぞごゆっくり」

心とは裏腹にそう答える男性ウェイター。まさにウェイターの鏡だ。

ルリの笑顔に頬を赤くしながら帰っていく男性スタッフだったが、厨房にたどり着いた彼は

「なぜ、あんな美しい人があんなことを〜〜〜〜!!」

と泣き叫んていた。

「えーと、砂糖は・・・」

ルリがテーブルの上に置いてあるであろう砂糖を探す。

「ルリちゃん、これ」

カイトは調味料が置いてあるコーナーのそばにあった小瓶を手にとってルリに渡した。

「ありがとうございます」

ルリはカイトにお礼を言うと小瓶を受け取った。

「え〜と、”甘さ控えめ!真砂糖!”・・・ってなんかすごく庶民的な砂糖ですね?」

ビンのラベルに書いてある文字を読むルリ。

「ん〜、たしかにそうだね。でも量が少ないってことは結構みんな使ってるってことじゃないかな」

まさかそのビンの中身が”肌若返りの薬”であるなどとは思いもしない二人だった。

「でも、砂糖は砂糖なんだしあんまり気にしなくてもいいんじゃないかな」

「それもそうですね」

ルリはそういいながらビンのふたを開けるとスプーンで粉末を掬うとコーヒーの中に入れてかき混ぜた。

「ん〜、あんまり甘くないです」

一口飲んで思ったよりも苦かったのか、不満げに言うルリ。

「そうなの?」

「はい。カイトさんも入れてみたらどうですか?」

「う〜ん、あんまり甘くないんなら入れてみてもいいかな」

そう言うと、カイトも小瓶の粉末をコーヒーの中に入れた。

「確かに、そんなに甘くないね」

一口飲んだカイトがルリに話しかける。

「でも、たまにはこういうコーヒーもいいと思うよ」

「それもそうですね」

二人はお互いに小さく笑うと、残りのコーヒーを飲み干したのだった。

その後コーヒーを飲み終えたルリとカイトはレジで会計を済ませるとレストランを後にした。

余談だがルリとカイトがレストランを出た後にスタッフが泣いて喜んだの言うまでもない。

 

 

雪山での静かな夜が過ぎて次の日の朝。

「「はぁ・・・」」

すがすがしい朝に似つかわしくないため息をついている二人組みの女性がいた。

「ごめんね、マユミ。私がちゃんと持っておかなかったから」

ハルナが隣に座っているマユミに謝っている。

その手には空になった”甘さ控えめ!真砂糖!”のラベルが付いている小瓶が握られていた。

「ううん、ハルナのせいじゃないよ。私があんなところで渡さないで部屋に戻って渡せばよかったのよ」

マユミも暗い顔でハルナに話しかける。

二人がなぜ落ち込んでいるかというと。

今日の朝になってマユミにもらった”肌若返りの薬”を試してみようと思ったハルナだったのだが、どこを探しても小瓶が見つからなかった。

あわてたハルナはマユミとともに昨日、レストランでのことを思い出してあわてて小瓶を探しに行ったのだった。

だが、時すでに遅く見つけ出すことができたのは空になっていた小瓶だけだった。

「「はぁ・・・」」

もう一度ため息を付く二人。

「なくなっちゃったものはしょうがないよ」

元気付けるようにハルナに話しかけるマユミ。

「・・・それもそうね」

マユミの言葉に少しだけ元気を取りもどすハルナ。

「でも、いったい誰が使ったんだろ」

「まあ、あれが”肌若返りの薬”だってことは知らないから、ただの砂糖と思って使ったんだろうけど」

「面倒なことになってないといいけどね」

「まあ、でも。勝手に使ったほうも悪いんだから、私たちが気にしなくてもいいわよ」

投げやりに答えるマユミ。

「確かにそうね」

二人とも無責任に話をまとめる。

「というわけで、気を取り直して旅行二日目を楽しみましょ!」

「さんせ〜!」

二人は完全に元気を取り戻すと意気揚々と部屋を出て朝食を食べに向かうのだった。

そして一階にある食堂に向かう途中二人は背中から声をかけられた。

「あ、ネコサワ少尉にイヌヅカ少尉。おはようございます」

女の子の声が聞こえる。

二人はその声に気が付いて後ろを振り返る。

「二人とも、おはよう。昨日はよく眠れた?」

今度は男の子の声。

「「へ?」」

そして、声の方を向いて素っ頓狂な声を上げる二人。

 

そこには・・・

 

12,3才くらいの金色の瞳をしたかわいらしい少女と・・・

 

少女よりも少し年上でどこか大人びた感じのする少年が立っていた・・・

 

 

 

〜続く〜


 

どうも皆さんお久しぶりです、S=DASHです。(^^)

今回のSS、楽しんでいただけたでしょうか?

この作品は以前に書いた短編”バカップル〜誕生〜”の続編になっています。

そちらを最初に読んでくだされば面白みが増すと思います。

まあ今回も、勢いだけで書いた上に前編と書いてあるとおり、この話は続きます。

次の後編まで待っていて下さるとうれしいです。(^^;

 

それでは次のSSでお会いしましょう(^^)


[戻る][SS小ネタBBS]

※S=DASH さんに感想を書こう! メールはこちら[n.s-dash-e@k4.dion.ne.jp]! SS小ネタ掲示板はこちら

<感想アンケートにご協力をお願いします>  [今までの結果]

■読後の印象は?(必須)
気に入った! まぁまぁ面白い ふつう いまいち もっと精進してください

■ご意見・ご感想を一言お願いします(任意:無記入でも送信できます)
ハンドル ひとこと