サセボシティでの半年間の拘留生活が終わって晴れて自由の身になった私たち。
(実際はちょっとした監視も付いていますけど)
終わった今となっては長屋での生活が懐かしく思います。
でもこれからはナデシコのクルーはそれぞれ、別々の生活をしていく事になります。
私とカイトさんはとりあえずユリカさんの提案通り、ミスマル家で暮らす事になりました。
そのはずだったのですが・・・
ユリカさんの家にお世話になって数日。
ユリカさんと提督のいつもの喧嘩が原因で、ユリカさんの怒りゲージがレベルMAXを振り切ってしまったので私たちはミスマル家から家出。
結局テンカワさんの家に居候する事になりました。
(何か、ユリカさんの確信犯的な感じもしますけど・・・)
提督は滝のようなの涙を流していましたけど。
そんな提督を見てカイトさんは最後まで戸惑っていました。
でもユリカさんの行動についてはすでに諦めていたのかおとなしく付いていく事にしたようです。
(まあ、私は生活するのは何処でもかまいません・・・ただカイトさんといられれば)(ポッ)
で、当のテンカワさんには私たちを養っていく事なんて当然できません。
という訳で、ラーメン屋台を引く事になりました。屋台を手に入れるさいに、ウリバタケさんの家が家庭崩壊を起こしそうでしたけどその事はあえて触れないでおきましょう。
まあ、ウリバタケさんといっしょになったのが運の尽きということであきらめてください。
そんなこんなで私たちの屋台生活が始まります。
どうなる事やら・・・
機動戦艦ナデシコ
〜妖精の微笑み〜
エピソード5:屋台発進!!
夕焼けに染まった坂道を屋台を押して登っていく男女の姿が3つとチャルメラを吹く小さな女の子の姿が一つ。
先頭でアキトが屋台を引き、横でカイトが押し、後ろからユリカが押す。
そして、カイトの反対側でチャルメラを吹くルリ。
なぜか最後の音がずれている。
「しょうがありません・・・私、少女ですから・・・」
照れ隠しにそんな事を言うルリ。
坂を登りきってしばらく進んだところで屋台が止まる。
「ここら辺で良いだろう」
そう言ったアキトの言葉に答えるカイトとユリカ。
「やっと着きましたか」
「これから私たちのラーメン屋台が始まるんだね!」
少し疲れ気味のカイトだがユリカの元気一杯の声に気を取り直して言う。
「さあ、頑張ろうかルリちゃん!」
「はい、カイトさん」
笑顔で話しかけてくるカイトにルリも少し笑って答える。
そして皆で、通りに屋台を開く準備をする。
屋台のセッティングが終わってからアキトとカイトはラーメンの準備を、ユリカとルリは器などの準備を始めた。
先日のカイト特製ラーメンもメニューとして出す事になったのでラーメンを作るのは二人の仕事だ。ルリとユリカは主に水を運んだり、ラーメンを運んだりする仕事だ。
・・・・・・
・・・
屋台を開いて一時間後。
(ふう、お客さんが全然来ませんね・・・)
まあ、屋台を開いたところで、すぐにお客が来るという物でもないのでしょうが・・・。
私はそう考えながら当たりを見回しました。
・・・見事なほど人が居ません・・・
それからしばらくしてもう一度当たりを見回すと、誰かがこちらに向かって歩いてきました。
だんだんと確認できるほど近付いてくるその人影はヒカルさんでした。
わたしは屋台から離れてヒカルさんに近付きます。
「ヒカルさん」
「え!?」
いきなり声を掛けられて驚いています。
「お久しぶりです」
「あ〜、ルリルリ。どうしたのこんな所で?」
ちょっとびっくりしたみたいですけど声をかけたのが私だと分かって落ち着いたようです。
「テンカワさんのラーメン屋台のお手伝いです」
「ラーメン屋台?そうか、アキト君ラーメン屋台始めたんだ。ルリルリがここに居るって事はすぐ近くなの?」
「はい、案内しますよ」
「うん、お願い」
私は笑顔でそう言うヒカルさんを屋台に案内しました。
(これでようやく一人ですね・・・こんな事で大丈夫なんでしょうか?)
少し不安になってきました・・・。
「お客さん、こないわねえ」
屋台では・・・ユリカが初めて口に出した時。
「お客さんで〜す」
ルリが客を案内してきた。
「おじゃましま〜〜す」
暖簾をくぐって入ってくるヒカル。
「ヒカルちゃん!お客さんの第一号がヒカルちゃんなんて、なんかついてるなあ」
「皆、久しぶり。でもアキト君のラーメン屋台がこんなとこにあるなんてちょうどよかったよ。いまちょうどお腹空いてたんだあ」
ヒカルが笑いながらそう言う。
カイトがそのヒカルにすかさず注文を取る。
「ご注文は何にします?」
「注文といっても醤油ラーメンと味噌ラーメンしかありませんけど」
ルリが横から口を出す。ちょっと固まるカイト。
「ルリちゃん、そう言う事は言わないほうが良いと思うよ?」
「でも事実ですから」
確かに、今のこの屋台にはアキトの作る醤油ラーメンとカイトの作る味噌ラーメンの二つしかない。
「う〜んとね、じゃあアキト君の特製ラーメンをもらおうかな」
「アキト!醤油ラーメン一丁!」
「あいよ!」
律義にそんな言葉を交わすユリカとアキト。
ユリカが器をアキトに渡す、アキトが器にスープを入れてカイトに渡す、その器に麺を入れたカイトがそれをヒカルの前に出す。
「醤油ラーメンおまち!」
「水です」
カイトの横から水を出すルリ。
「うわ〜、なんか四人とも動きがなめらか〜」
四人の息の合った動きにヒカルが驚く。
「へへへ、それほどでも。ところでヒカルちゃんは今なにしてるの?」
「へへ〜ん・・・」
ユリカの言葉にヒカルは嬉しそうに原稿袋を見せた。
そして中から漫画の原稿を取り出す。漫画の内容は乙女チックな少女漫画だった。
「へー、ヒカルちゃん漫画家になったんだ」
アキトが感心した途端にヒカルがうな垂れた。なんかさっきまでの笑顔が嘘のようだ。
「はあ〜、まだ投稿して回ってる最中なの。今日も三つほど出版社を回ってその帰り」
「こんなに上手なのに・・・」
アキトが慰める。
「そうですよ。こんなに上手く書けてるのに・・・なんでだろ?」
カイトがアキトから受け取った原稿を見てそう言う。
「ほら、ルリちゃんも見てごらんよ」
カイトはルリに原稿を渡す。
「私には漫画はよく分かりませんが、とても奇麗に書けてると思いますけど」
「そうでしょう?私もそれには結構自信があるんだけどね」
皆の言葉にさっきより声に元気がでてくるヒカル。
「漫画家って大変なんだね、ルリちゃん」
「そうですね、私にはちょっと分かりませんけど」
「ははっ、ルリちゃんは漫画を読まないからね」
「カイトさんもいっしょじゃないですか。人の事は言えませんよ?」
「そういえばそうだね。はははっ」
「ふふふっ」
ルリとカイトは顔を合わせて笑い合っている。はたから見ていると中のいい恋人同士に見えなくもない。
その様子を見ていたヒカルが二人に声を掛ける。その顔がちょっとにやけている。
「ねえ、ルリちゃんにカイト君。今度私の漫画のモデルになってくれないかな?」
「えっ!モデルですか?」
「そう、今度書く話は義理の兄妹の恋愛物を書こうかなって思ってたんだあ。それでルリちゃんとカイト君ならそのイメージにぴったりだから」
「えっ、そ・・・そんな事をいきなり言われても・・・私・・・」
(わ、私とカイトさんが恋愛漫画のモデルだなんて・・・ちょっと嬉しいですけど・・・)(ポッ)
「そ、そうですよ。いきなりそんな事を言われても」
顔を赤くするルリとカイトを見ながら笑うヒカル達三人。
三人ともルリ達の事を微笑ましく見ている。
「ふふふ、さっきのは冗談だけど。二人ってけっこうお似合いかもね!」
「「ヒカルさん!」
声を合わせて言うルリとカイト。
何処となく二人の顔が赤い。
「ふふふ。じゃあ、ご馳走様でした。でも、いつかきっと少女漫画家としてデビューしてみせるわ」
そう言って笑顔になるヒカル。
「「頑張ってください」」
ルリとカイトがヒカルを励ます。
「「頑張ってねヒカルちゃん」」
アキトとユリカもそれに続く。
「ありがと、これからアシスタントの仕事があるの」
「これからですか?」
ヒカルの言葉にカイトが驚いた声をあげる。
「明日が締め切りなんですって。それじゃあね!ラーメンおいしかったわ。」
ヒカルは出されたラーメンを全部食べ終えて、屋台から出ていった。
「俺も頑張らなくちゃな」
ヒカルが自分の夢に向かって頑張っている姿を見てアキトが呟いた。
「大丈夫だよ。アキトなら絶対世界一・・・ううん、宇宙一のラーメン屋になれるよ!」
「ユリカ・・・ありがとな!」
「アキト・・・」
「ユリカ・・・」
周りをピンク色に染めていきながら手を握り合うアキトとユリカ。
「・・・また・・・だね」
「はい・・・」
二人の口から溜め息が漏れる。
「今日はお客さんが居ないから良いけど、お客さんの前でやられると・・・」
「かなりマズいですね・・・」
二人はあきれた顔をしつつ、アキトとユリカを横目にお客が来るのをじっと待っていた。
その後、ちらほらとお客は来たが思ったほどの売り上げにはならなかった。
「まあ、最初はこんなもんだよ」
アキトの言葉に少し不安になるルリとカイト。ユリカはもちろんアキトの事を信じていた。
こうしてラーメン屋台の初日が終わった。
共同生活が始まって一週間が過ぎたある夜のこと。
カイトは夜の散歩に出ていた。
しばらく黙って歩いていたがポケットからイツキの写真を取り出し、自分の記憶の事を考えるカイト。
この所バタバタしていたが、この写真の事は常に気にしていた。
写真を見るたびに気にすまいとしても頭から離れない。
最近ではこの写真を、そしてイツキを、疎ましく感じる事さえあった。
(僕の記憶がそんなに大切なことなんだろうか?もう、僕の新しい生活は始まってるんだ)
カイトはその写真を見ながら考える。
(ルリちゃん、アキトさん、ユリカさん。僕には大切な家族がここに居る。記憶が戻ってみんなと別れるくらいなら・・・このまま記憶が戻らないほうが・・・)
それは、いままでずっと考えていた事・・・でもその反面記憶を取り戻したいという心も少なからずある。
なによりも、体の奥から絶対に思い出さなければいけないという気持ちがあふれてくる。
何か大事な事を忘れているような・・・。
だがその日カイトは意を決して夜の町に写真を捨てた。
自分の迷いをなくすために・・・これからの自分の生活をゼロからスタートしていくために。
ところがその写真はすぐに戻ってきた。
数日後、アキトの部屋にカイトが戻るとその写真が畳の上に無造作に置かれていた。
写真には直接マジックで落書きがしてあり、”元気出せ”というコメントがついている。
(一体誰が・・・まさかルリちゃん?・・・そんなわけないか、ルリちゃんなら僕に直接渡すだろうし)
その疑問は大きかったが、日々の生活の中でカイトの頭からその疑問は次第に風化していった。
屋台を始めて十数日後、私たちは久しぶりに屋台を休んで、休みを取る事になりました。
ここのところずっと休みなして働いていたのでたまには休みも必要だろうというテンカワさんの案です。ユリカさんも大喜びでした。
その日は
「せっかくの休みなんだから皆で街に行きましょう!」
というユリカさんの提案で町に繰り出す事になりました。
私たちは部屋を出て町に向かいます。
「アキト〜!ね、腕組も〜〜!」
私とカイトさんの前を歩いていたユリカさんが、テンカワさんの手を組んでそう言います。
「おわっ!」
(ユリカさん、腕を組んでから言っても意味ないですよ)
「カイト達も居るんだから止めろって、それにデートじゃないんだぞ!」
顔を赤くしながらユリカさんの腕をはずそうとするテンカワさん。でもユリカさんは離しません。
「も〜アキトったら照れちゃって、かわいい!なら、ダブルデートにしましょう!ユリカはアキトと、ルリちゃんはカイト君と、ね!」
ユリカさんは後ろを歩いていた私とカイトさんのほうを笑顔で見ながらそう言ってきました。
「「えっ?」」
二人揃ってきょとんとしていると、今度はテンカワさんも私たちのほうをニヤリと笑いながら見ています。
「そうだな、それならガマンしてやるか」
「そうそう!」
二人が勝手に話を進めていきます。
(ちょっと待って下さい。二人とも・・・それはどういう意味ですか?)
私はいきなりの事で頭が混乱していましたが、二人の言っていることを理解すると必然的に顔が赤くなってきました。
「ふ、二人とも何を突然に!」
「そうです・・・私がカイトさんとデ・・・デートだなんて」(赤)
私とカイトさんがユリカさんに話し掛けます。
「だって、そうしないとアキトが私と腕組んでくれないんだからしょうがないじゃない」
「で・・・でも」
「それともカイト君はルリちゃんとデートするのが嫌なの?ルリちゃんの事が嫌いなの?」
ユリカさんがカイトさんの言葉を遮って言います。
「そ、そんなことありませんよ!ルリちゃんは僕の大事な家族なんですから、嫌いだなんてことありません!」
真剣な顔で答えるカイトさん。
そんなカイトさんの言葉に嬉しさ半分、寂しさ半分の私。
(大切な家族・・・ですか。それはそれで嬉しいですけど、やっぱりカイトさんにとって私はまだ家族以上ではないんですね。ちょっと複雑です・・・)
「なら問題ないじゃない!ルリちゃんだってたまにはカイト君とデートしたいよね?」
「えっ、その・・・私は別に・・・」
私は言葉を詰まらせます。
「ほらっ、ルリちゃんもしたいって言ってるんだし。ねっ!」
「そんな事は言ってないんじゃ・・・」
言葉を返そうとするカイトさんにテンカワさんが肩をたたいて言う。
「諦めろよ、カイト。ユリカにはかなわないって・・・」
テンカワさんの顔には笑顔が浮かんでいます。
(テンカワさん、面白がっていますね・・・)
テンカワさんの言葉を聞いて、カイトさんはもう一度ユリカさんの事を見たましたが諦めたのか小さく一言。
「わかりました・・・」
「よろしい!じゃあ、ほらっルリちゃん」
いきなりユリカさんが私をカイトさんのほうに押してきます。
「あの、ユリカさん何を?」
「なにって、ルリちゃんもカイト君と腕組まないと」
しれっとそう言うユリカさん。
「「えっ!」」
その言葉に二人して赤くなる私とカイトさん。
(い・・・いくらなんでもそこまでは)(赤)
「ユリカさん、何もそこまでしなくても・・・」
「駄目だよ、デートなんだからそれぐらいしないと!」
「う〜〜〜。じゃ、じゃあ手を繋ぐという事で勘弁して下さい」
「む〜〜、しょうがないなあ。じゃあ、二人とも手繋いで」
カイトさんの言葉にしぶしぶ納得してユリカさんが私たちにそう言います。
「はい・・・」
顔を赤くしながらも私の手を優しく握ってくれるカイトさん。
「あっ・・・」
カイトさんに手を握られて真っ赤になる私。手を握られただけどこんなにどきどきするなんて自分でも信じられません。
(カ・・・カイトさん)
カイトさんが照れた顔をして優しく私に笑いかけてきます。
(カイトさんの手・・・とても暖かいです)
私はその優しいぬくもりを手のひらに感じました。
ユリカさんとテンカワさんは私たちの姿に満足したのか腕を組んで前を歩いていきます。
その時のユリカさんの優しい顔を見て私は
(・・・・・・ユリカさん・・・ありがとうございます)
と心の中でユリカさんにお礼を言って、カイトさんと二人でユリカさん達の後を手を繋いで追いました。
(今日は朝から幸せですね!)
私は薄らと顔を赤くしながら、これからの一日に期待を膨らませます。
映画館
街に付いた私たちは、またまたユリカさんの提案で映画館に来ました。
”今日は、あの伝説のアニメ『ゲキ・ガンガー3』の映画をやってるんだよ”というユリカさんの言葉にテンカワさんを始めカイトさんまで嬉しそうにしています。
カイトさんもテンカワさんといっしょに住むようになって『ゲキ・ガンガー3』にはまってしまいました。
(なんで、男の人はそうなんでしょう)
私はちょっとあきれてしまいました。
私もこのアニメにはいろんな思い出があるので嫌いな訳じゃありません。ただちょっとだけ内容に付いていけないだけです。
途中で買ったジュースを片手に私たちは四人並んで席に座ります。
テンカワさん、ユリカさん、私、カイトさんの順番です。
映画が始まる前に入り口でもらったパンフレットを見てみます。
映画の内容はTV版ゲキ・ガンガーの総集編と幻の劇場版の二部構成だそうです。
テンカワさんいわく
「ファンにはたまらない」
だそうです。
映画が終わって
「う〜ん、終わった・・・なにしてんの、アキト?」
ユリカさんが伸びをしながら隣にいるテンカワさんに話し掛けます。
「余韻に浸ってるの」
テンカワさんは目を瞑ってジットしています。
「それじゃあ今のうちに」
ユリカさんが何やら封筒を配り出しました。いっしょに見に来ていた私とカイトさんにその封筒を渡します。
「何ですか、これ?」
私がユリカさんに聞くと。
「良い物だよ!」
と笑顔で答えます。
(良い物ですか・・・)
私は隣に居るカイトさんのほうを見ました。
・・・
カイトさんもテンカワさんと同じようにゲキ・ガンガーの余韻に浸っていました。
「ジャシン大帝か・・・、手強い相手だったな・・・」
その顔には満足感がありありと出ていました。
私はカイトさんの独り言を聞いて封筒の事を聞くのを諦めて、手に持っている封筒を開ける事にしました。
「・・・え?」
私は封筒の中身を見て目を丸くします。
「どうしたの、ルリちゃん?」
あっちの世界から帰ってきたカイトさんも私が封筒の中身を見て驚いたのを不思議に思ったのか、カイトさんも封筒を開けます。
「ええええええ!?」
思わず声を上げるカイトさん。
(声が大きいです、カイトさん)
私は頭の中でそう突っ込むと手に持っている封筒から出てきたカードを見ます。そこには相合傘マークで書かれたテンカワさんとユリカさんの横に”結婚パーティーのお知らせ”と書かれていました。
「そうなの。いよいよ・・・ほんと、いよいよね。皆、楽しみにね」
ユリカさんが幸せそうに言います。
(いよいよですか・・・ユリカさん、よかったですね)
私はようやく落ち着いて、ユリカさんの幸せそうな顔を見て嬉しくなりました。
(テンカワさんもユリカさんも私にとっては大切な家族ですから・・・嬉しいです)
「ルリちゃん!」
私の肩に手を置いてきたカイトさんの方を見ると、カイトさんも嬉しそうに笑っていました。
それからユリカさんの方を見て話しかけるカイトさん。
「よかったですね、ユリカさん。・・・・・・でも、提督が結婚の事をよく許してくれましたね?」
カイトさんの言葉に私はハッとします。
(そうです・・・あの提督がこんなに簡単にお二人の結婚を許すなんて変ですね?)
「ああ、お父様にはこれから話すの」
私たちの疑問に答えるようにあっさり答えるユリカさん。
「えっ・・・」
「提督にはまだ話してなかったんですか?」
私は固まっているカイトさんの代わりにユリカさんに聞きます。
「うん、言っても許してくれないだろうから。でもこれを見せればお父様もきっとアキトと私達の事を認めてくれるわ!」
(その自信は何処から来るんですか?)
テンカワさんもいつのまにかまじめな顔をしています。
「いつまでも、このままじゃいけないからな。やっぱりはっきりしないと・・・」
「アキトさん・・・。頑張って下さい、応援しますから!」
「ああ!」
カイトさんの励ましの言葉に大きく頷くテンカワさん。なんか二人して肩なんか組んで語り合ってます。
でもこのまま簡単にいくとは到底おもえません。
まあ、私もユリカさんには幸せになって欲しいですから応援しますけどね。
〜続く〜
後書き:
S:どうもS=DASHです。”エピソード5:屋台発進!!”をお送りしました。む〜、やっぱり話を書くのは大変ですね・・・今更ながら自分の文才の無さを痛感しています。でもこんな小説でも、読んで下さる人達が居るのなら根性出して頑張っていきますので見捨てずに読んで下さいね。
ルリ:なにを今更・・・(−−)
S:・・・ルリちゃん・・・なにか僕に恨みでもあるの?(−−;;
ルリ:いえ、そんな事ないですよ。
興味なさそうに言うルリ。
S:ぐぅ、ルリちゃんもチャルメラが上手く吹けないくせに・・・(ボソッ)
ルリ:Sさん・・・もうお別れなんて寂しいです・・・(^^メ
前回からパワーアップした新武器・G(グラビティ)釘バットを背中から取り出すルリ。
S:そ、その年でラーメン屋台のお手伝いなんてさすがルリちゃん、優しいですね!カイト君もルリちゃんがそばに居てくれて嬉しいだろうな!
慌てて言いつくろうS。
ルリ:そうでしょうか?(ポッ)
振りかぶっていたルリのG釘バットの動きが止まる。
S:そうですよ!ヒカルさんもルリちゃんとカイト君の二人はお似合いだって言ってるじゃないですか。(もうちょっと・・・)
ルリ:テンカワさんとユリカさんも応援してくれてるし、私も頑張らないといけませんね(^^)
G釘バットを背中にしまうルリ。
S:頑張って下さい!!(ホッ、何とか今回は無事に済みそうだ)
カイト:何を頑張るんだい?
ルリ:あ!カ、カイトさん!あ、あの・・・これからもこのお話を頑張っていこうと作者さんと話してたんです!(アセッ)
S:嘘ばっかり・・・(−−)(ボソッ)
つい、余計な事を言ってしまうS。
ルリ:ピクッ(Sさん・・・やっぱり今回もですね)
Sの背中を悪寒が走る。
S:ビクッ(い、嫌な予感が・・・)
カイト:うん、そうだね。この話を読んでくれてる人達のためにもいっしょに頑張ろうねルリちゃん!(ニコリ)
ルリ:は、はい!(^^)(ポッ)
ルリ・カイト:読者の皆さん、今回のSSも読んで下さってありがとうございました。感想や意見など、気付いた事がありましたらどんどんメールしてください。返事は作者にちゃんと書かせますので気軽に送ってください。それでは次のお話でまたお会いましょう。(ペコリ)
カイト:じゃあ僕はアキトさんの手伝いに行ってくるから。
ルリ:私も用事が済んだらすぐ行きますから。
カイト:うん。じゃ、また後でねルリちゃん。
ルリ:はい。
走り去っていくカイト、そしていつもの二人が残る。
ルリ:Sさん(^^)
S:あう・・・ルリちゃん落ち着いて!これには深い訳が!
ルリ:そんな事言われても分かりません。私、少女ですから。
今回二度目のG釘バットを振りかぶるルリ。
S:ちょっと、待っ(ガス)
いつものように頭から血を流しピクピクするS。
ルリ:さてと、早くカイトさんを手伝いに行きましょう。
Sの事を全然気にもせずに走り去るルリ。後に残るのは・・・
S:なんで僕がこんな目に・・・(TT)
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