戦争は”アッ”という結末をみせて終局した。

それはもう存在しない。

両勢力の最後の切り札、目的



結ばれようとしている木蓮と地球圏の和平

戦争は確かに終局した・・・・。



しかし・・・・

人々の心は・・・終局を迎えてはいるのだろうか?終局を受け入れられるのだろうか?

木蓮の攻撃に”殺された”人達。そして遺族

かつて地球圏に追い出され、”死を見る”ように生きてきた人達。そして、その子孫

恨み・・・憎しみ・・・

”憎しみ”を”憎しみ”で返す事は、ただ、新たな”憎しみ”を産む、無意味なものでしかない。

戦争の最中に言った”彼”の言葉。

でも

そんなものはただの綺麗ごと・・・・


きっと・・・きっと絶えることなんてない・・・



機動戦艦ナデシコ ANOTHER STORY
            
               ”DUAL WORLD”
            
     ACT・1    the starting point (起点) 



ナデシコのメインブリッジと共に遺跡ユニットが、外宇宙へと飛びたって行く・・・・・

それを、ナデシコに乗るすべてのクルーが肉眼、モニター等で見送る。彼等、彼女等それぞれが、色んな思いを胸にその光景を見届けていた。

戦争の”真っ只中”にあったともいえる、ナデシコであるからこそ、ナデシコクルーであるからこそ、色んな思いが宇宙のように広がって行くのだろう。

そんな頃、アオイ・ジュンはナデシコ内のクルー達の様子を見て回っていた。その表情は明らかに柔らかく、笑みさえ浮かべているかのようでもあった。

自分としては、少々不安を残すような答えではないか・・と思っていたのであるが、クルー達をみれば一目瞭然である。皆が表情には、何かすっきりとしたものが伺えた。

パシュッと、空気の抜けるような音と共にブリッジへのドアが開く。

「これが最良の答え・・だったのかな・・・」

ブリッジに入ると、、ジュンはそんなことを呟きながら、”それ”がとんでいった宇宙を見つめなおした。

「ア〜キ〜ト〜♪この後の〜プランなんだけど〜」

「プ・・・プランってなんだよ・・・」

飛び交う”いつもの”声に、ジュンは顔に縦線交じりに苦笑いする。

「ん〜〜、やっぱこれが、いつものナデシコよね。なんかシリアスモードで疲れちゃった」

軽くノビをしながらのハルカ・ミナト

「あ〜、私も早くいい人見つけるんだから!!」

意気込む、メグミ・レイナード

「はいはい!!皆さん!!ちゃんと仕事しましょうね!!艦長も馬鹿やってないで仕事しなさい!!」

パンパンと手を叩きながら、先生のように各人を促す。エリナの声にブリッジに集まっていたパイロット、ウリバタケ達(一部の整備士達)がブリッジを離れ格納庫へと戻っていく。

先の戦闘でエステバリスも損壊が著しい。そのため、彼等には、整備、調整という重大な任務が残っていた。

すっかり、人のいなくなったブリッジには相変わらずのユリカ達をよそに、いつもの空気が流れ始めた。

「ねえ、エリナさん?会長さんとプロスさん達の姿が見当たらないんだけど〜、どこいっちゃったの?」

「さあ・・・、また何か企んでいるんじゃないの?」

「企みの渦中には、必ずエリナさんがいるような気もしますが?」

「・・・・・ホシノ.ルリ。私を勘違いしてない・・・・・?」

鋭い、ルリの突っ込みに、少し口端をひくひくとさせながら答える。

「さあ、私、少女ですから・・・・」

さらっと、その場を流すルリ。きっと大物になるに違いない・・・・・

「でも〜、私達って、これからどうなっちゃうんですか?」

「・・・・まだ、なんとも言えないわね。まだ地球もドタバタしてるでしょうし・・・」

メグミの質問には解答のしようがなかった。

明るみに出た、木星蜥蜴の正体。少なからず、地球圏の人々への衝撃はまだ静まってはいないだろう。

そして、遺跡の解明の鍵を握っているナデシコ。

安直な答えは、”まずない”といえる。

”私をのけ者にして、何を企んでるんだか・・・・”







たわいもない話をまじえながらもおおよそ1時間ばかりがすぎた頃であろうか・・・

突如として艦内に警報が鳴り響く。

「ルリちゃん!!状況を報告して!!」

素早く艦長らしく(?)なるユリカ。

「バッタ、ジョロの大群と出くわしました、敵影はおよそ、数十機」

「なんで、こんな火星から離れた宙域に無人機がいるのよ!!」

エリナがルリに噛み付く。”あせり”がわかる。現状のナデシコを考えれば噛み付きたくもなる、という感じであろうか。

「ルリちゃん、パイロットに緊急出撃を!!アキト!!がんばってね!!」

「おう!!」

そのまま、ブリッジを駆けでるアキト。ユリカはその姿を見送りながらも、今は敵に集中する。

「おいおい、何事かい?なんか慌しいようだけど」

「敵です。アカツキさんもとっとと出撃してください」

「はいはい、相変わらずだねえ、ルリ君も」

軽い感じで答えるロン毛の男・アカツキ。各機のスクランブルがそろった・・・・




「おい!落ち目の会長サンよ〜。みんなにも伝えてはいるが、エステは85%くらいしか修理が出来ちゃいない。くれぐれも、無茶して、こわすんじゃね〜よ!!」

「はいはい。まあ、バッタやジョロにはそれだけ直ってれば、十分でしょう。んじゃ、アカツキ機でるよ。重力カタパルトまでの誘導お願いね」

いつもの軽い調子のアカツキ。青色の零G戦フレームのエステバリスがカタパルトまで誘導される。

『先に出ているテンカワ機に合流し敵機を殲滅してください』

『りょ〜かい。アカツキ機、でるよ』

カタパルトが加速しながら青い機体を宇宙に射出する。






エステバリスが全機ナデシコより出撃する。

パイロット達はバッタやジョロとは、数多くの戦闘をこなしている。

正直、彼等にとっては今更、ジョロ、バッタともに敵ではないともいえる。

しかし・・・・


『なんなんだよ!!こいつら!!』

バッタやジョロの大群に囲まれる紫色のエステ。

『おい!!テンカワ!!囲まれてるぞ!!』

助けにいこうとも、自分に襲いかかってくる無人機に手一杯の様子のリョ−コ。

『こいつらの動き、読めないよ〜』

ライフルがなかなか命中しないことに文句をとばすヒカル。

『あ〜あ、お風呂入るの忘れちゃった・・・苦戦(くせ〜)』

色んな意味でも洒落になっていないシャレを飛ばすイズミ。

『こりゃ〜、いよいよってかんじかな〜?』

のんきなアカツキ。

今までにない動きをするバッタやジョロの大群に大苦戦をする、エステバリス各機。



「ルリちゃん!!援護できないの?」

聞こえてくる苦戦の声に、わかっていても、メグニは言わずにはいわれなかった。

「今の、ナデシコには武装はありません。・・・・・すみません」

「別に、ルリルリが謝ることないのよ、メグちゃんもアキト君達を信じましょ」

『うわ〜〜〜〜!!』

「テンカワ機、脚部破損、戦闘続行は不可能です」

『おい!テンカワ!救援に行くからそれまでに落ちるんじゃないぞ!!』

リョーコの赤いエステバリスが救援に向かおうとするが、バッタの大群に阻まれ、四苦八苦している。リョ−コだけではなく、全機、テンカワ機の救援に向かおうとするも、大量に無人機に妨害されてしまう。

「アカツキ機前方にボソン反応。敵機の増援きます」

「そんなぁ・・・・」

「・・・・・・・・・」

モニターに現れる、新たな敵機。

少し絶望が入ったような声をあげるメグミ。そしてブリッジに戻ってきた、ゴートとプロスペクタ−も正直声がなかった。ナデシコクルー達に少々混乱が襲う。先ほどまでの”ほっ”とした空気が、突如、緊張、それも死を予感させる緊張に変わる。どんなに優秀なクルーであろうと、極変した心境に多少の混乱が生じる。

「・・・テンカワ機の後方に重力波を感知・・・・えっ?」

ルリが突然声をあげる。この声にブリッジにいる人間全員がルリに注目する。

「いえ・・・このエネルギー波長は重力波ではありません・・・・。これは・・・・・」

「どういうこと?ルリちゃん」

「・・・・ありえません」

「「「「は??」」」」

「このエネルギーの粒子は、宇宙には存在しません・・・・・。オモイカネが混乱してます。でも・・・どうやら敵機も混乱しているようです」

「どういう意味よ?詳しく教えて頂戴!!」

エリナの言葉を、聞くまでもなくルリが続ける

「粒子の速度が光速度を二乗でこえています。こんなことはありえません」

「あの〜〜・・・・それがどういうことか、わかりやすく説明してほしいな〜〜?」

「「「「「ハッ!!!」」」」」

ユリカの口にした言葉、ある単語に各人反応する




”説明”





『説明しましょう!!』

””””でた・・・・・””””
「「「説明おばさん!!!」」」

『・・・おばさんは余計よ・・・・・。それより、ホシノ・ルリ。データはきちんと採集しておいてね・・・。あらら・・・説明したいけど・・・・やっぱり後でね』

”説明大好きおばさんがあとでいいなんて・・・・”

こんなことに事に重大さを知る皆々様。

「異常空間からのエネルギーが最高値に達します・・・・・何か来ます」

誰が見てもわかるほど歪曲した宇宙空間より黒い影が映る。

『おい・・・ありゃ、なんなんだ。ウッ!!』

キー−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

突如ナデシコ、エステバリスのクルー及びパイロット達に高音の耳鳴りが襲う。一瞬ではあったが、苦悶の表情を各自浮かべる。

「なんで・・・・真空の宇宙から音波が襲うのよ・・・・・」

「音波・・・かどうかはわかりません。が・・・・異常空間より未確認機、一機出現しました」

ナデシコのモニタ−に映る、突如として現れた未確認機。

「敵かしら・・・・それとも・・・・」

「メグちゃん、あの未確認機に通信を送ってみて!!」

「はい『こちらナデシコ、応答をお願いします。こちらナデシコ・・・・』・・・だめです、旧式から色んな方式の通信を送ってはいるんですが、届いているのかすらもわかりません」

「エステバリス全機!!あの未確認機は無視しちゃってください。まずはアキトの救出を急いでください」

「ユリカ!!あの未確認機をほおっておいていいのかい?」

「あれは、多分味方です!!」

「「「「えっ??」」」」

「な・・・何を根拠にいってるのよ・・・?」

エリナが皆を代表するように聞くのだが・・・・・・

「カンです♪」

ぼ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ブリッジに鐘をつく音が流れたような気がした......

エリナにいたっては#を頭に3つほど浮かべている。

「・・・未確認機動きます」












未確認機には

『・・・ザ・・・こち・・・シコ・・・・・。ギ・・き・・・・』

ノイズ混じりの音声が響いていた・・・・・・・

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」














TO BE CONTINUDE


プロローグ、ACT1〜〜駄目な後書きです・・・〜

ども〜、稚拙な文章に最後までお付き合いいただきまして、誠にありがとうございます。PORINと申します。

色々と複雑そして、さらなる二次的という形で別な世界観も登場しますが、お付き合いよろしくお願いします。

また叱咤等をいただけますと、非常に有りがたいと思います。

でわでわ〜次回で~   (・д・)ゞ~~~








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