機動戦艦ナデシコ
〜 Endless Story 第三章
あなたが歌う子守唄
〜
プロローグ
2202年9月21日
「ナデシコCを封印する・・・ですか?」
「そうだ・・・」
地球にある連合宇宙軍本部でコウイチロウは重い口を開いた。その場にいるルリもその場に流れる重い空気に流されそうになる・・・
「宇宙軍上層部と統合軍からナデシコCの運用の危険性の事を指摘されてね・・・」
その事を言われるとルリにも思い当たる節が有った・・・言わずと知れた高性能艦、それだけだったら問題は無いだろう。しかし搭載されたスーパーコンピューター『オモイカネ』と電子の妖精『ホシノ・ルリ』の力を使った絶対無敵のハッキング行為、一戦艦が持つにしてはあまりにも大きすぎる力なのだ。
「しかし、私達は現在・・・謎の戦艦と機動兵器の探索の任にあたっています、それはどうするおつもりですか?」
「君達をその任から解く・・・」
「クビ・・・ですか?」
その言葉にコウイチロウは鼻で笑うと、いかにも高そうな椅子の背もたれに寄りかかった。
「私としても優秀な人材を手放すつもりは無いよ・・・現在のクルーを引継ぎで別の任務にあたってもらう。」
「別の任務ですか?」
「その通りだ・・・君達にはこれから艦長候補生の育成に精を出してもらうつもりだ。」
「・・・しかし私達には船がありません。」
「大丈夫だよ・・・君達にピッタリの艦が空いててね。」
「もしかして・・・」
ルリの言葉にコウイチロウはしてやったりと微笑んだ。
「現在ネルガルの月ドッグにて今回のための改修を受けているナデシコBを訓練艦とし、君達に乗り込んでもらうことになった。」
「改修と言いましたが何処を?」
「あぁ、そのことだったら後で詳しい説明があるだろうが武装の貧弱さを補うためにミサイルを取り付けた。」
「はぁ・・・」
「なぁ〜に安心したまえ・・・君達の船に乗るのは優秀な人物でね、君達もそう苦労することはあるまい。」
「それでは一体誰が?」
「カガミ・コウヤという人物だ・・・」
それと同時にルリの前にウィンドウが開いた。
『カガミ・コウヤ』
『国籍・日本』
『年齢21歳』
「・・・・・・。」
見た感じルリはそれといった印象を受けなかった、黒い髪に黒い瞳、典型的な日本人・・・別にカッコ良くも悪くも無い、どこにでもいそうな普通の人物だった。
「地球連合大学も優秀な成績で卒業した逸材だ・・・できれば最高の環境を与えてあげたかったのでね。」
その言葉にルリは何故か引っ掛かった気がした。
「(う〜ん・・・ナデシコに乗るとしてはあまりにも普通の人ですね。)」
「・・・どうかしたかな?」
「いえ・・・別に・・・普通の人だなっと思いまして・・・」
「!!」
一瞬その言葉に反応したコウイチロウをルリは見逃さなかった。
「何か・・・あるんですか?」
「・・・別にたいしたことじゃない、その新人艦長が・・・
ゴニョゴニョ
・・・と言う事以外は・・・」
「えっ?」
それから半月後・・・ナデシコBは出航する事になる。
つづく
後書き
海苔で〜す♪
ついに三章始まりました・・・ミッション編です!!
カイト君も主人公降格・・・ということでこの章からの主人公は新人艦長さんです(^^)!!
命名は大恩あるRYOさん、ありがとうございま〜す!!それでは3章楽しんでもらえれば幸いです。
それではこの辺で・・・海苔でした♪
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