機動戦艦ナデシコ

〜 Endless  Story  第二章  狂気という名の仮面 〜







この前君の手を握った時・・・


僕は素直にこう思ったんだ・・・


なんて暖かいのだろうと・・・


初めて君の手を握った時


僕は正直冷たく感じた・・・


なんで君の手を暖かく感じたんだろう・・・


君が人として成長したからかな?


それとも・・・


それとも僕の手が冷たくなったのかな?



ねぇ・・・君は、どっちだと思う?






第四話 カイトの裏切り




「ふぁ〜ぁ・・・おはよう、オモイカネ・・・」

『おはようございます。艦長』

あくびをしながら目を擦ったカイトは気だるそうにシートに腰を下ろした。目覚めの良いはずのカイトが最近いつもこんな調子なのである、そしてその事について思い当たる節がオモイカネにはあった。

『また・・・あの子の訓練に付き合っていたんですか?』

「うん・・・元気が良すぎて困るよ・・・」

カイトは目をシパシパさせながら少し嬉しそうにそう語った。二人の会話通り、現在リンはユーチャリスで訓練漬けの毎日を送っていた・・・このことについて話は少し遡る・・・







「ねぇ、お兄ちゃん!」

「んっ!なんだい?」

そう、あれは一週間ほど前だっただろうか・・・いつも通り食事を終え、食事の片付けをしていたカイトはリンのその言葉に振り返った。

「あのね・・・」

「んっ?」

リンは何か言い難そうに俯きながら手を前でモジモジさせ、ゆっくり口を開いた。突然の出来事にカイトもただ黙ってリンの言葉を待つしかない。

「あの・・・私、お兄ちゃんの力になりたい・・・」

パリンッ!!

その言葉にカイトが手に持っていた皿が音を立てて床に落ちた。

「・・・へっ?」

「だから・・・力になりたい、お兄ちゃんの・・・」

カイトはその言葉に頭を掻くと、特に表情を変えず・・・むしろ無表情にこう返した。

「また急になんで・・・?」

「だって・・・お兄ちゃんとこの船に乗って、いつも危険なのはお兄ちゃん・・・私は何も出来ず、ただココにいるだけ・・・だから・・・」

「・・・じゃあリンは何ができるんだい?」

その言葉に一瞬顔を上げたリンは、また俯いてしまった。

「確かに、私には格闘技とかロボットの操縦とかはできないけど・・・この船を操る事なら出来る!!」

「(・・・少しは自分の力を自覚し始めたようだね。)」

カイトは大きく溜息を吐いた・・・この時カイトの頭には様々な思考が巡っている・・・リンの戦闘利用の価値、力のコントロール、そしてクサナギとリンの関係・・・カイトには以前クサナギが言った言葉がどうしても頭から離れなかったのだ。



「・・・じゃあ名前の由来も知らないだろ?・・・rin・・・俺がruinと言う単語を文字ってつけたんだ・・・」

「じゃ、じゃあ・・・」

「ruin・・・意味は・・・破滅・・・」




「(意味は・・・破滅か・・・奴はこの力のことを言っていたのか?でも・・・何かが引っかかるんだよなぁ〜、何かが・・・)」

思わずカイトはリンの瞳を見つめた、その瞳は少し恐怖に濁っている。それもそのはず、普段は優しいカイトだったが戦いの関与に関しては厳しかったからだ。それもリンを思うからなのだが、やはりリンはカイトに嫌われはしないかと不安でしょうがなかった。

「じゃあリンはその力は自分でコントロールできるの?」

「ううん・・・まだできない、だからちゃんと使えるようになったら、きっとお兄ちゃんの力に・・・」

「(コントロールできる力とできない力か・・・う〜ん、もしあの子が・・・されたりしたら・・・)」

ある一つの考えが浮かんだ時カイトの背筋に悪寒が走った・・・ジワリッと浮き出た脂汗がカイトの頬を伝う。

「・・・・・・。」

「・・・わかった。」

「エッ!!」

カイトの呟くような言葉にリンは驚きながら顔を上げた。リンもここまで簡単に認めてもらえるとは正直思っていなかったからだ。

「・・・ではこれから特訓でもしますか?」

「う、うんっ!!」

ウインクをしながらそう言うカイトにリンも嬉しそうに頷いた。しかしリンは同時に奇妙な違和感も感じていた。白々しいというか何と言うか、ざらついたものがカイトの中に有る気がしたのだ。

「でもね一つだけ約束しよう・・・」

「?」

「君がこれから学ぶのは『戦うための力』・・・戦いというのは人を傷つけるためのものじゃない・・・自分を磨くために人は戦う、まぁ一部に勘違いしてる人がいるけどね・・・だから忘れないで♪君が今から学ぶのは『戦うための力』であると同時に『己を磨き、何かを達成するための力』だということを・・・決して人を傷つけるためにある力ではないのだと・・・」

「わかった。」

少し悲しそうに語るカイトの雰囲気に押され、リンは少し落ち込みながら返事を返した。

「じゃあハイ!!」

その言葉を聞いたカイトはニッコリ笑うと屈み、リンの前に小指を差し出した。

「なに?」

「指きり!!・・・知らない?」

「知らない・・・」

「・・・こうやって小指を立てて・・・」

カイトはリンの手を握るとさっきまで自分がしていたように小指を立たせると、自分の小指に絡ませた。

「ゆ〜びき〜りげ〜んま♪嘘ついたら針千本の〜ます♪ゆびきった!!」

「なにこれ?」

「う〜ん、おまじないみたいなもんさ!だからさっき言った事忘れないでね!わかったって言ったんだから嘘ついたら針千本飲ましちゃうぞ〜〜♪」

カイトは笑っていた・・・思わずリンもつられて笑ってしまう。

「うん・・・わかった。針千本も飲んだら喉が痛そうだもんね!」

「ハハッ・・・そうだね♪僕も飲みたくないな〜」

こうしてカイトとリンの奇妙な師弟関係が完成したのだ。






『訓練の進み具合は?』

「順調を通り越して・・・いやはや凄いね!砂漠に一杯の水を落とすように直ぐに吸収しちゃうよ。」

『天性なのでしょうね?』

「さぁ・・・でも如何に才能があろうと努力しないと結果には結びつかないものだと僕は思う、そしてあの子はその努力を惜しまずにやっている。」

『嬉しそうですね?』

「そ、そうかい?」

『ハイ、とても・・・あの子はまだ?』

「部屋で寝てるよ!最近の疲れがドッと出たのかな?」

『そうかもしれませんね。』

「そうだ・・・ボソンジャンプの準備しておいてくれる?忘れるところだったよ・・・」

『了解しました。』

「・・・・・・でも、さっき君が言ったとおり嬉しいのかもしれないな」

『・・・・・・。』

「君にリンとの出会いを話したっけ?」

『いえ、初耳です。』

「じゃあちょっと昔話でも聞いてみるかい?準備が整うまでの間・・・」

『もしよろしければ・・・私のデータには『火星の後継者の研究所より奪取』としかありませんので・・・』

「・・・そう、あれはまだ僕がナデシコを降りて、ようやくボソンジャンプのコントロールに慣れてきた、そんな時だったんだ・・・」






(あの日のことは昨日のことのように思い出す・・・そうあの場所がリンとの初めての出会い・・・そしてクサナギとの再会の場所だったんだ・・・)

(ある日、ネルガルのシークレットサービスが新たな敵研究所の場所を発見した。)



「・・・という事なんだ・・・悪いけど一人で行ってもらえないかな?」

「まぁいいですよ。データを見る限り大きな研究所のようには見えませんし・・・」

「それに君も一人の方が逃げやすいだろ?」

「えぇ・・・それは確かに」

「じゃあ早速お願いできるかな?」

「はい・・・」



(そう言って僕はアカツキさんに頼まれ、研究所に進入することになった。)

(場所は・・・どこだったかな?山奥のような気がしたけど、ゴメン忘れちゃった)

(それで・・・僕は其処に入ったんだけど、意外に警備が薄くて最深部まで結構簡単に行けたんだよね〜・・・)



「(一体なんの研究所なんだココは・・・ボソンジャンプの研究施設とは違うようだし・・・)」

そう思いつつもカイトは目の前にある扉に近づくと、先ほどココの警備の者から奪ったカードキーを差し込んで扉を開けた。

「こ・・・これは・・・」

辺りの状況確認も忘れてカイトは目の前にある『モノ』に目を奪われた・・・円柱のケースの中に緑色に発光する液体、そして幾つものコードに繋がれながら『ソレ』は有った。

「!!」

平静に戻ったカイトは辺りを見回した・・・幸いに誰もいない、カイトは恐る恐るその『モノ』に近づいていった。

「女の子・・・?」

カイトは直ぐ傍までくると、そのケースにゆっくりと触れた。目の前にはコードに繋がれた少女が緑色の液体の中で幻想的に漂っている。

「・・・・・・。」

カイトは辺りの計器類を見回した・・・どうやら生きてはいるようだ、それは一定のリズムで刻む一つの計器が物語っている。

「この子は一体?って助けなきゃ・・・」

頭の中にある様々な疑問を押さえつけながらカイトはこの少女を解放するために様々な計器類を操作してみた。

「(・・・わ、わからん・・・コレかな?・・・いやいやコッチだ・・・多分)」



プシュ――――ッ・・・



カイトはそのドアの開く音に過敏に反応すると振り返ると同時に銃を構えた。焦る気持ちを抑えながらも冷静にドアに照準を合わせている。

「誰だ・・・?」

気配は感じる・・・しかし霞む様なその気配にカイトはこの時恐怖を感じていた。

「誰だ?・・・か・・・会った早々銃を向けてくる人間こそ誰だ!って感じだけどな・・・」

扉の近くはライトが切れているのか闇に包まれている。そのためカイトにはその声から男ということしか判断できなかった。

「(なんだ脳裏に語りかけてくるようなこの声は?)」

「さてさてイマイチここからじゃ遠くて見えないな・・・一体どんな顔をしているんだ?侵入者君・・・」

男はそう言って闇から姿を現した・・・黒一色に身を包み、黒髪・・・しかし姿が見えてなお、カイトにはその気配は霞んでいた。

「!!・・・なんだ生きてたのか・・・ところでどうしたんだ、その黒い瞳は?」

男は少し驚いた顔をしたが、すぐに元の無表情に戻った。

「(何を言っているんだこの人は・・・)どういうことですか?」

そう思いながらもカイトの脳裏に激しい痛みが襲っていた・・・

「・・・!!・・・あぁ〜分かった!・・・ククッ・・・記憶喪失のA級ジャンパー、噂に聞いていたのはオマエのことか・・・」

男は一人納得するとニヤリと笑った・・・その笑みを見た瞬間カイトに戦慄が走った。

「(この人は知っているのか?僕の記憶を・・・)」

「・・・・・・。」

カイトは男の瞳を見た瞬間、恐怖に怯えた・・・こちらは銃を構え、向こうは無防備、圧倒的優勢な立場にいるにも関わらずカイトの背中は汗でびっしょりと濡れていた。

「(赤い瞳・・・・・・クソッ、頭が痛む・・・)」

カイトは動揺していた・・・そして一つの確信が芽生える・・・

「(逃げなければやられる・・・どうする・・・)」

「逃げるかい?」

「!!」

「まぁ懸命な判断だ・・・」

「・・・えぇ、そうですよ・・・あなたは怖そうですからね・・・早々に退散させてもらいます・・・が!!」

ダンッ!!

カイトは構えていた拳銃を少女に向けて放った。もちろん外すべきところは外している・・・そして少女を包むケースは音を立てて崩れ去った。

「この子は・・・貰っていきます・・・」

カイトは男に銃を向けながら慎重な足取りで少女の近くに歩み寄った・・・そして担ぎ上げるとコードを剥がしていく。

「・・・・・・それでは失礼」

「・・・・・・残念、こんなことなら銃を持ってくるべきだった・・・」

余裕たっぷりに笑う男を尻目にカイトは既に光に包まれていた。

「(この人は危険だ・・・)」

「・・・しょうがない、しかし覚えておいてくれ俺の名はクサナギ・・・その子をヨロシク・・・」

カイトが最後に見たクサナギと名乗る男はどこまでも冷たく赤い瞳でカイトを凝視していた・・・



(そして僕は無事にネルガル本社に帰ったと・・・あの子が目覚める半年前の話さ・・・)






『そうですか・・・そんなことがあったんですか?』

「そう・・・実はさぁ〜あの子が半年間も目が覚めなかったのって、僕が無理やり連れてきたのが原因かなぁ〜・・・なんて?」

『きっとそうですよ!』

「ゲッ!・・・やっぱり・・・」

『いいんじゃないですか?ちゃんと目が覚めたんですから・・・』

「・・・そう、だから僕は嬉しいんだ・・・形はともかくあの子は人の事を思いやれる心を持って育ってくれている。あの時のように誰かの人形なんかじゃ決してなく・・・」

カイトはそう言って優しく笑った。






その頃カイトとリンの部屋では・・・

「う〜〜ん・・・ムニャムニャ・・・」

少女は一人夢の中に居た・・・






「ココは何処・・・なんでこんなに暗くて・・・冷たいの・・・」



「お前の名前はリン・・・そうリンだ・・・」



「そうこの声はもう一人のお兄ちゃん・・・コッチまで悲しくなるくらい悲しい声で・・・」



「リン・・・俺を恨んでくれ・・・俺の『誓い』のためにオマエを犠牲にしようというのだから・・・」



「そう、このお兄ちゃんはいつも泣いていた・・・でも『誓い』ってなんだろう?」



「許せとは毛頭言うつもりは無い・・・だから俺を恨んでくれ・・・」



「そうだ・・・これはいつも私が見る夢・・・」



「まるでこの子の『お兄ちゃん』みたいね・・・」

「そ、そうですか・・・?」

「顔が緩んでるわよ!」




「いつも『お兄ちゃん』はそう言って私の手を握ってくれた・・・嬉しかった、初めて感じた暖かさだった・・・」



「君はなんて名前なのかな?どんな夢を見ているんだろうね・・・」



「そう言って髪を撫でてくれた・・・そうこの人は本当の私のお兄ちゃんなんだ・・・そう思った。」



「私には二人のお兄ちゃんが居る・・・一人はいつも悲しい声のお兄ちゃん、そしてもう一人は笑顔のとっても似合うお兄ちゃん・・・それに・・・それに・・・」






少女はまだ深い眠りの中にいた・・・






『準備が出来ました』

「わかった、目的地は火星・・・・・・・」

カイトの顔には既に余裕の二文字は無かった、これから向かう場所が自分にとってどれほど重い場所かわかっているのだ。

そしてカイトの顔に遺跡の模様が浮かび上がってくる・・・それと共にカイトの座るIFSシートの回りが光り始めてきた・・・

「・・・ジャンプ!!」

そしてユーチャリスは跳んだのだ・・・運命に導かれるまま再会の地、火星へと・・・






「艦長・・・それにしてもカイトの奴、最近全く音沙汰無しですね?」

「えぇ・・・(やっぱりリンちゃんのせい?)」

「こう何にも無いと探しようが無いですからね?」

「そうですね・・・それにあの人のおかげで火星の後継者の残党も残り少ないそうですし・・・」

この二人の会話通り謎の戦艦探索の任は完全に行き詰まってた。今までかなり有った目撃情報はリンがカイトの元に行くのと同時に激減、稀に目撃される事があってもナデシコが向かった時にはその姿は消えているのだ。

「折角宇宙に出ても何だか手持ち無沙汰だな?ハーリー・・・」

「・・・・・・。」

「ハ〜リ〜♪」

「・・・・・・。」

「マキビ・ハリ少尉!!」

「ハ、ハイ!!」

サブロウタの声に驚いたハーリーは思わずその場に立ち上がって敬礼した。そしてようやく現状を把握すると少し恥ずかしそうに席についた。

「オマエ最近おかしいぞ?何かあったのか?」

「え、あの・・・なんにも無いですよ。」

「・・・本当か?」

「何言ってるんですか?僕はホラッ!この通りいつも通りですよ!!ハハッ・・・仕事!仕事♪」

「わかったよ・・・その代わりミスったら殴るぞ・・・」

「大丈夫ですってサブロウタさん・・・」

その言葉を聞くとサブロウタは思いっきり背もたれに寄りかかった。

「・・・・・・。」

そしてその様子を横目でチラリと見たハーリーは胸元から一枚の写真を取り出した。

「・・・はぁ〜〜」

年を感じさせるような重みのある溜息を吐くとハーリーはジッとその写真を眺めていた。しかしそんなハーリーの行動をニヤリッと悪魔的な笑みを浮かべながら見つめる男が一人・・・

「な〜に見てるんだハーリー?」

ハーリーの持っていた写真は突然上から伸びてきた手によって呆気なく強奪されていった。

「!!」

「ほう・・・これはあの時の祭りの時の奴かぁ〜・・・」

「バッ・・・か、返してくださいサブロウタさん!!」

「そういえばみんなで一枚写真を撮ったな・・・誰が持ってるのかと思ったら、オマエが持ってたのか?」

「わ、悪いですか?もういいでしょ?早く返してくださいよ!!」

「おぉ〜リンちゃんもラピスちゃんも可愛く写ってるなぁ〜♪」

その言葉を聞いた時ハーリーの顔が火を灯したかのように赤くなった。ついに自分で墓穴を掘っている始末である。

「もういいでしょ!!」

ハーリーは強引にサブロウタから写真を奪い取ると大切そうに胸元にしまった。

「・・・そういうことね♪」

「・・・ど、どういうことですか?」

サブロウタは横目でハーリーを見るとまたもや怪しい笑みを浮かべた。

「恋する少年は辛いなぁ〜〜?」

その言葉はハーリーの耳まで赤くしていく・・・

「なんでそんな事サブロウタさんに言われないといけないんですか?」

「いや別に・・・ただ自分の事もできないようじゃ女の子にはモテないぞハーリー?」

「そんなことサブロウタさんに言われなくても分かってますよ!!」

ハーリーは半ば怒ったように自分の仕事に戻っていった。

「(なんだろうな・・・嫌な予感がするんだよな・・・気を抜いちゃいけないそんな気が・・・クソッ!ムシャクシャする・・・)」

サブロウタの思いをよそにナデシコCの艦内は至って平和だった。






「『オモイカネ』君には悪いけどボソンジャンプする前のデータから火星を離れるまでのデータ悪いけど消して貰えるかな?」

『・・・それは『命令』ですか?』

「・・・うん、残念だけど・・・ここからの事は誰にとっても良いことじゃないから・・・」

『わかりました。しかしこのエリア一帯をスキャンにて見ましたが何もありませんよ?ただの荒野が広がるだけです・・・』

「それがね・・・あるのさ・・・この下に開かれたパンドラの箱が・・・」

『・・・・・・。』

「それと今から僕は出かけるけど、リンをブリッジに入れないでくれ・・・」

『何故ですか?』

「僕が今言う命令を君に実行してもらうためさ!」

『いったいどんな?』

「もし今から僕が戻ってくるまでの間に少しでも可笑しなことがあったら急いでこの地域を離脱してもらいたい。」

『その場合、艦長は?』

「僕なら大丈夫!A級ジャンパーだし!!」

『・・・了解しました。』

「よし!それじゃあちょっと行ってくるよ。多分大丈夫だと思うけどね!!」

カイトはニッコリと笑うとIFSシートの上から姿を消した・・・






カイトは火星の赤い大地に降り立った・・・回りを見渡しても何も無い、ただの岩場と荒野が広がるだけ、そしてカイトの上空には確かにユーチャリスの姿があった。

「(どこだったっけ・・・)」

そうは思うもののカイトの記憶は正確にその場所を覚えていた。その足は確実に目的の場所に近づいていく・・・

「んっ!!」

10分ほど歩いただろうか、もう少しで目的の場所だと言うのにカイトは歩みを止め、ある一点を見つめていた。

「あれは?」

少し遠いが確かにカイトの目線の先には何かがあった・・・鉄骨で十字が作られていて、少し山になっている地面に突き刺さっている。遠目ではそれくらいのことを理解するのが限界だった。

「・・・・・・。」

しかしカイトは一見誰もが見逃しそうなこのモノに少し駆け足で近づいていった。段々と近くに行くに連れてカイトの胸を何かが絞めつけた。

「(胸が痛む・・・)」

ようやくその前まで辿り着いたカイトは一瞬で全てを悟った。一体何が自分の胸を締め付けるのかも・・・

「クサナギ・・・おまえが作ったのか、せめてもの罪滅ぼしに・・・この墓を・・・」

そう、その言葉通りだった・・・十字の鉄骨に山になった地面、墓以外の何物でもない。それは鉄骨に彫られたこの文からも安易に想像できた。

『せめて安らかな眠りを・・・』

そう書かれていた、カイトが知るクサナギの字である。

「(そうか・・・みんなココに眠っているのか・・・僕を、いや僕たちを作った人達がココに・・・そして恐らくあの人も・・・)」

この時カイトの中に込み上げてくるものがあった。それを抑えるようにカイトはゆっくりと天を仰いだ・・・

澄み切った青い空、そのあまりの広さに思わずカイトは空のように自分を・・・そして自分達を包み込んでくれたあの人を思い出していた。



「大丈夫、大丈夫・・・いつかきっとみんなに普通の生活をさせてあげる!その時は一緒に暮らそうね♪」



「(カエデさん・・・どうやら僕たちには戦う事しか許されていないそうです・・・)」

一粒の涙がカイトの頬を伝った・・・昔の事を思い出すと泣きたくなる、カイトはそう思った・・・それほどまでにあの時代はカイトにとってあまりにも長く濃厚な日々だったのだ。

それから10分後・・・

「ココだ・・・」

墓からそう遠くない場所でカイトはそう言って大きな岩の前で足を止めた。何処からどう見てもただの岩ある、現にカイトが触っても岩以外の何物でもない。

「(確かこの辺に・・・あった!!)」

その岩を何かを探すように触っているとカイトは一つの出っ張りに手を置いた。

ビィィ―――ッ・・・

明らかに何かが作動している音が聞こえる。

ガチャ・・・

次は何かが外れるような音・・・まるで鍵が開いたような、そんな音・・・しかし辺りにはなんの変化も見られなかった。

「・・・・・・。」

その音を聞いたカイトは納得すると臆する様子も無く、今まで触っていた岩の中に吸い込まれるように入っていった。

「(えっと確か・・・地下3階っと・・・)」

岩の中は明らかに作られたものだった、少し広めの隠されたエレベーターそれが先ほどまでの岩の正体だったのだ。

もちろんカイトもそんな事は先刻承知である、当たり前のように目の前のボタンを押した。

『B3階』

其処は火星の赤い大地の下に確かにあった・・・カイトの言うとおり開かれたパンドラの箱が・・・しかし果たしてココに『希望』はあるのだろうか。

「(・・・また戻ってきたな・・・この場所に・・・)」

カイトは慣れた足取りで地下に広がる研究所らしきこの場所を歩いていた。

何故こんな所にこんな場所が?もしこの場に第三者が居たら間違いなくこう尋ねたであろう。しかしカイトの周囲には人はおろか生き物の気配すらしなかった。

そして見たところココはかなり大規模な研究施設らしい、カイトの記憶では戦艦一隻もしくはそれ以上の大きさがあった気がする。

「(・・・全部綺麗に片付いている・・・それにこの明かり・・・動力源は死んでないのか。)」

誰も居ないこの場所で機械はただ淡々と動き続けている。それが不思議と自分と似ているような気がした・・・そしてそんな事を思ったカイトは自分が少し嫌になった。

「(ココで『あんな事』が起きなければ僕はこんな気持ちで歩いていなかったんだろうな・・・)」

この場所に居る・・・それだけでカイトには『あの時』を思い出すには充分だった。






「何がどうなっているんだ?」

そう、あの時のミカヅチは辺りの光景が信じられなかった。

「タナカ・・・サトウ・・・」

自分の知る白衣を着た人物が血を流し目の前で冷たくなって倒れている・・・一瞬動揺したがミカヅチは直ぐに銃を構えると慎重に動き出した。

「(この場所がどっかの敵対組織にバレたか?)」

ミカヅチは冷静だった、知り合いが死んだといっても所詮ミカヅチにはどうでもいい事なのだ。

「(クサナギは・・・カエデさんは無事か?)」

しかしこの二人は違う・・・ミカヅチにとってこの二人は唯一心が許せる人だった。

「(・・・胸騒ぎがする。)」

ミカヅチにも焦る気持ちが有った・・・しかしその実、頭の中は恐ろしいほど冷めていた・・・歩けば歩くほど死体を目の当たりにするが気にする様子も無い。

「(おかしい・・・結構時間が経つのに犯人らしき奴の形跡が無い、相当の手練か?)」

さまざな思考を巡らせながらミカヅチは最上部にある格納庫に足を踏み入れた。

「(機動兵器を奪取して逃亡の可能性もあるな・・・)」

ミカヅチは慎重な足取りで格納庫を探っていた・・・しかし誰も居ない。あるのは数十機の機動兵器だけ、エステバリスやジンタイプ・・・ココには現存する機動兵器全てがあるといっても過言ではなかった。

「(ここじゃないのか・・・)」

カチャ・・・

冷たく固いモノが頭の後ろに押さえつけられた瞬間だった。

「(!!・・・気配を消してココまで、やはりかなりの者だな・・・)」

ミカヅチは不敵な笑みを浮かべた、圧倒的劣勢の状況にあってもミカヅチは動揺しない。

ギリッ・・・

引き金を引き絞る音が微かにミカヅチの耳に入ってきた・・・そしてその音に全神経を集中させる。

ダンッ!!

神技・・・恐らくこのような事を言うのだろう、ミカヅチは発砲と同時に身を捻り半回転して弾丸を回避・・・手に持っていた銃を相手に向けた。

もちろん相手も馬鹿ではない急いでもう一度ミカヅチに照準を合わせる・・・一瞬の間にこれだけこの事が行われたのだ、常人では目で追うことすら不可能だろう。そして互いに銃を向かい合わせている二人はまさに一瞬即発の状況だった。

「・・・ク、クサナギ!!」

ミカヅチが銃を向けた先に居たのは、全身を返り血に染めたクサナギその人だった・・・思わずミカヅチも動揺してしまう。

「・・・おまえのその血、おまえが・・・おまえがやったのか?」

「・・・・・・あぁ。」

声を震わせながらミカヅチは問いただした・・・しかしクサナギは対照的にシラッと答える。

「「・・・・・・。」」

「何故?」

「何をカッカしてるんだ?・・・所詮あんな奴ら死んだって構わないだろ。」

「そんな事は問題じゃない・・・」

「ならいいだろ?」

「何故こんな事をしたのかと聞いているんだ!」

そう言うミカヅチだったが未だに信じられなかった。本当はこれは夢なんじゃないかとさえ思えてくる。

「俺は俺に素直に生きる・・・ただそれだけだ!」

「そのために皆を・・・いや、そんなことはどうでもいい・・・カエデさんはどうしたんだ?」

「・・・死んだよ。俺が殺したんだ・・・」

ミカヅチの頭に血が昇るのは一瞬だった・・・しかしその一瞬の隙をクサナギも見逃しはしない。凄まじい速さで回り蹴りを放つとミカヅチの持っていた拳銃は大きな孤を描きながらミカヅチの後方に落ちた。

「チッ!」

不甲斐ない自分を後悔しながら、ミカヅチはクサナギの持つ銃を掴んだ、もちろん力でねじ伏せるように自分から照準を外す。

「本当に・・・殺したのか?」

「あぁ・・・ホラ、証拠!」

クサナギはポケットに手を入れると、四角いカードみたいな物を地面に投げた・・・

「・・・・・・!!」

地面に落ちた物はココの研究者が胸に付けている名札であった・・・そこには『タチバナ・カエデ』と書かれ、銃弾が通ったのか回りが少し焦げた穴があいている。

「・・・オ、オマエ・・・」

「・・・・・・。」

ミカヅチは手に持っていた拳銃を一瞬で分解した・・・この男にとってそんな事、それこそ朝飯前なのだ。音を立てながらバラバラに分解された拳銃が落ちた・・・

「・・・素直に生きるか・・・なら俺もそれを見習うよ・・・オマエを殺す。」

「やっぱりなオマエならそうすると思ったよ・・・でも!!」

クサナギは上段蹴りをミカヅチに放った、もちろんミカヅチも難なく防いでみせる・・・しかしミカヅチが体勢を少し崩した瞬間、クサナギは近くにあったエステバリスに乗り込んだ・・・それを見たミカヅチも後を追うように別のエステバリスに乗り込んでいく。

「ククッ、ミカヅチ・・・・・・勝負だ!」

天井が開くと同時に二機は外に出て行った・・・その後、ミカヅチはこの戦いで命を落とす、奇しくもナデシコが遺跡の演算ユニット手に入れた日と同じ日である。







カイトはあの時の不甲斐なさを惜しむように首を振ると、何かを懐かしむように辺りを見渡しながらカイトはある一室に入っていった。

入った部屋にはロッカーが幾つも並んでいる。どうやら更衣室、もしくはそれに類似する部屋なんだろう、その部屋を進むカイトの足取りは確かだった。

『B−12』

そう名札の張られたロッカーの前に立ち止まるとカイトはそのドアを開けた・・・

「・・・・・・。」

カイトは少し寂しそうな笑みを浮かべた・・・そしてポケットに入れておいた袋を広げると、そのロッカーのなかにある物を手当たり次第に放り込んでいく。

そしてロッカーの一番奥に埃まみれの写真が一枚・・・

「フッ・・・」

口元に微かな笑みを浮かべながらカイトは写真を手に取った・・・幼き日の自分、そしてその自分と喧嘩をしている同い年くらいの少年、そしてそれを楽しそうに見つめる少女・・・そしてそんな3人を暖かく見つめる女性が写っている。

懐かしそうに眺めたカイトはその写真を胸元にしまおうとした。しかしその時、カイトは写真から違和感を感じたのだ。

「あれっ・・・リンに似てる・・・」

カイトは再度写真を見つめた・・・肌の色や髪の長さに多少差があるが写真に写る少女は明らかにリンに似ていた。

「どういうことだ・・・何故リンとレイが・・・」

事の事実を明らかにするためにカイトは急ぎ早にエレベーターに乗り込んだ・・・

『B6階』

その階には一つのモノしかない・・・オモイカネ級のスーパーコンピューターである。そしてカイトは早足でコンピューターの前まで行くと椅子に腰を下ろした。

「・・・・・・ない・・・ない!・・・ない!!」

的確に操作をするカイトだったがカイトの探す情報は其処には無かった。

「レイの情報が全て消されている・・・それに『あの日』の監視カメラの映像も・・・」

色んな可能性を考えてみるが、カイトはその中の一つの可能性を確信した。

「はぁ〜クサナギだろうな・・・・・・でも、アレなら」

重みのある溜息を吐くと同時にカイトは一番重要な事を思い出した、リンと『レイ』という名の人物の関係に一瞬取り乱したが、ある情報を手に入れること・・・それがカイトがココに来た本当の目的である。そしてそのためにカイトは再度コンピューターを操った。

『リヴァイアサン計画について』

「(違うこれじゃない・・・でもこんなの始めて見たな・・・まぁいいや次!)」

『生体兵器の研究データ』

「これでもない・・・」

『A.Bフィールドの形成方法』

「有った!!・・・よしコレをユーチャリスに送ってと・・・」

『・・・送信中・・・送信中・・・データ送信完了』

「さて・・・あとは来客を待つか・・・・・・」

そう言って何かを待つようにカイトが腕を組んだ瞬間だった・・・

「よっ!」

「・・・クサナギか・・・意外に早かったな?」

ゆっくりとカイトは椅子から立ち上がると振り返った・・・場所がココだからだろうか不思議とカイトは冷静にクサナギと向き合っている。

「ボソンジャンプは便利だからな・・・ところで今日は俺に銃を向けないのか?」

「ここでおまえと殺し合いをするつもりは無いよ・・・」

「その言葉を聞いて安心したよ・・・ようやくオマエとゆっくり話が出来る」

「よく言う・・・オマエが裏切った『あの時』何も言わずに僕を殺そうとしたのは誰だったかな?」

カイトは不敵に微笑んだ・・・

「あの時にはあの時の理由が有る・・・そして今では今の理由がな・・・」

「で話と言うのは?」

「オマエに真実を・・・」

「真実?」

「全ての真相・・・あの人の死、そしてオマエも薄々感じているだろうレイとリンに密接な関係がある事を・・・」

「・・・・・・。」

「知りたいようだな、ツクヨミの事もついでに教えてやろうか?」

「・・・・・・。」

「無言はイエスと取るぞ?」

「それでいい・・・」

「ならば語ろう・・・楽しく陽気な昔話を・・・」






「ま、負けた・・・」

ナデシコCの内部にあるシュミレータールームでアヤが溜息と共に肩を落とした。

「まだまだ、オマエには負けねぇよ!!」

そう言ってリョーコは勝ち誇ったようにアヤに微笑んだ。

「36戦36敗・・・トホホ・・・」

「アヤ・・・ショックだろうが、おまえは短所も無いが特別に秀でたものも無い!バランスが良すぎるんだよ・・・動きを読まれやすい」

「(ウッ!!・・・さすがリョーコさん痛いところを突いてくる)」

「オマエは上手いよ・・・エステの操縦!でもな、それが強さにもう一歩の所で届いてないんだ」

「じゃあ一体どうすれば?」

「さぁな?・・・自分で考えな!」

「えっ!?マ、マジですか?」

「大マジ!!」

「はぁ〜〜大変ですね・・・強くなるのって・・・」

諦めにも似た溜息を吐くと・・・アヤはさらに深く肩を落とした。






「・・・それを僕に信じろと?」

「信じる信じないはミカヅチ・・・オマエの勝手だ。」

「しかしレイは・・・オマエの恋人だったレイは作戦中に死んだんじゃないのか?」

「作戦中に死亡?・・・違うよ、何度も言わせないでくれミカヅチ。アイツは実験のために殺されたんだよ!!」

普段あまりにも感情を表に出さないクサナギだったがこの時だけは違っていた。歯を食いしばり明らかにその顔には怒気に満ちている。

「・・・オマエ、まだレイの事を忘れていないのか・・・」

「ふざけるなよ・・・俺は忘れない、そして憎む・・・己の力の無さを、実験のためにレイを殺した研究者の奴らをな・・・」

「・・・ようやくわかったよ・・・オマエがあの時裏切った理由が・・・」

「フッ・・・だからどうした?」

「別に・・・ただずっと頭の中で引っかかっててね・・・」

「・・・ところでリンは元気か?」

「あぁ・・・」

「それは良かった。」

カイトの言葉にクサナギは優しく微笑んだ・・・その笑みはカイトに一瞬の動揺を与える。

「(その笑み・・・昔と変わらないな。)」

「どうした?」

「なんでもない・・・まぁ〜これで納得したよ!レイの謎の実験・・・リンの正体・・・そしてツクヨミ、全ての元凶であるあの男がどうなったのか。」

「信じていいのかな?俺の言葉を・・・」

「あぁ・・・オマエがどんな奴かぐらい知ってるよ!!」

「フッ!オマエも変わらず甘ちゃんのようだな・・・」

「ところでオマエは僕に何を望んでいる?ここまで話をしたんだ・・・何か目的があってのことだろ?」

「察しがいいのも変わってないらしい・・・俺はじれったいのがあまり好きじゃなくてね、単刀直入に言おう。」

「・・・・・・。」

「仲間になれ・・・」

「「・・・・・・。」」

しばしの静寂が二人を襲っていた。

「クサナギ・・・一つ教えてくれ、お前はあの時の『誓い』今でも覚えているか?」

そのカイトの言葉にクサナギは微笑んだ・・・






それから一週間後・・・






ナデシコ艦内は今までからは想像もつかないほどの重い空気が包み込んでいた。

「・・・・・・。」

「・・・・・・・。」

ルリやサブロウタ・・・みんながみんな口を噤んでいた。

その全ての理由は三日前に変更された作戦内容にある。




『君たちに作戦内容の変更を言い渡す・・・謎の戦艦の捕獲・・・から謎の戦艦の破壊に・・・』




何でも謎の戦艦が統合軍と宇宙軍の艦を沈めたと言うのだ。それもかなりの数を・・・そしてその存在を危険視する声が高まり作戦変更に至ったらしい。

俄かには信じられない事だったが軍人であるルリたちには断る事は出来なかった。

そして運命は激しく交錯し始めるのだ・・・今この時から・・・

「艦長!!前方にボソン反応を確認!!」

「!!」

「質量測定・・・戦艦クラス・・・!!・・・グラビティブラスト来ます!!」

「フィールド展開!!(一体何が起こって・・・)」

あまりにも突然の出来事にルリの頬を汗が伝った・・・そしてルリたちの前に謎の戦艦ユーチャリスが姿を現したのである。

「(な、なんで・・・あれにはカイトさんがいるはずなのに・・・)」

ただルリは現在の状況に絶望した。






「人は僕の行動と狂気と呼ぶだろう・・・」



「しかしそれでもいい・・・アイツが仮面をかぶるように僕もかぶろう・・・」



「狂気という名の仮面を・・・」



「今宵ナデシコを落とす・・・全てはあの日の『誓い』のために・・・」



「ルリちゃん・・・僕を恨んでくれ・・・」




つづく



後書き

つ、疲れた・・・

それ以上にルリちゃんの出番が少ない・・・\(。。;;)反省



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