機動戦艦ナデシコ
〜例えばこんな日〜




Cohabitation diary 〜1st day〜




「ルリちゃん、コレはここでいい?」

段ボール箱を抱えて外に停めてある軽トラと部屋を往復するカイト。

「ハイ。
 …あ、カイトさん、ソレはこっちに」

ルリはカイトに段ボール箱を置く場所を指定し、
自らは梱包された中身をテキパキと取り出していく。

「よっと…。
 荷物はこれで終わりだよ」

カイトが最後の段ボール箱を運び終え、ルリに声を掛ける。

「こっちも一段落着きました。
 ちょっと休憩しましょうか。
 お茶でも入れますね」

そう言ってルリはキッチンへと向かう。
カイトは部屋の真ん中に座り、辺りを見回す。
まだ部屋の中には家具はない。
冷蔵庫やタンスなどはもうすぐ手伝いに来るアキトとウリバタケが
来てから運ぶ事になっている。
ただちゃぶ台だけは最初に運び込んである。

(…ここが"僕の家"なんだよな…)

自然と頬が緩むカイト。

「…どうしたんです?
 一人でニヤニヤして」

ルリが怪訝な表情を浮かべてトレイを持ってきた。
トレイの上には二つのマグカップとクッキーの載ったお皿。
ルリはそれをちゃぶ台に置くとカイトの前に座る。

「ん?
 何だか嬉しくてさ。
 自分の部屋を持つの初めてだし」

「フフ、今まではずっと居候でしたもんね」

ルリはカイトの笑顔の理由に納得し、微笑んだ。
初めてナデシコに現れた時から今日までカイトは常に誰かの所に居候していた。
ナデシコと長屋ではアキトの部屋に。
拘留明けのミスマル家の屋敷。
そしてアキトのアパートと。
自分だけの居場所が持てた事がよほど嬉しいのだろう。
満面の笑みを浮かべるカイトをルリは微笑ましい気持ちで見ていた。
そしてふとルリも部屋を見回す。

「…私もそうかもしれませんね…」

ルリがポツリと呟いた。

「ん?
 どーしてさ?
 ナデシコにルリちゃんの部屋はあったじゃないか」

今度はカイトが怪訝な表情を浮かべる。

「…確かにナデシコに私の部屋はありましたが…」

ルリは言葉を一旦切り、カフェオレを口に含む。

「私が自分の意志で住む場所を選んだのは今回が初めてです」

そう言ってルリは再度部屋を見回す。
築10年程の1DKのアパート。
二人で暮らすには十分な広さである。
今日からカイトとルリはここで一緒に暮らす事になる。



カイトとルリは木星プラントから帰還してすぐ、
アキトのアパートを出る事をユリカとアキトに話した。
ユリカは嫌がったが、カイトとルリの想いを感じたアキトが彼女を説得してくれた。
アキトの説得に渋々だが納得したユリカは一つだけ条件を出した。

『アキトと私のアパートから歩いて10分以内のとこじゃなきゃダメ!』

自立したいとは思ってもカイトとルリにとってアキトとユリカは大切な家族である。
元々そう離れた場所に住もうとは思っていなかったのですぐに了承した。
そしてアキトと同じようにウリバタケに部屋を紹介して貰ったのだ。
カイトとルリがアキトのアパートを出る事に驚いていたウリバタケだったが

『こんなこともあろうかと!』

と用意していたこの部屋を紹介してくれたのだ。
何が『こんなこともあろうかと!』なのか。
その先見の明にカイトとルリが引きまくったのは言うまでもない。
ちなみに家具はプロスがナデシコや長屋で使っていた物を格安で横流ししてくれた。
他にも様々な人達の助けを得て、僅か二週間後の引越しとあいなったのだ。

「ここが私達の家なんですね…」

今日までの経緯を思い出し、感慨深げに呟くルリ。

「うん…」

カイトも部屋を見回し呟く。

「これからもたくさん想い出を作っていこうね…」

「ハイ…、これからもずっと一緒に…」

カイトとルリは微笑みを交わす。
そしてたわいないお喋りに興じるカイトとルリ。
まだ見ぬ"これから"の話は楽しかった。



『お〜い!
 カイト〜、ルリちゃ〜ん』

しばらくすると部屋のチャイムが鳴り、二人を呼ぶ声がする。

「あ、アキトさん達が来たみたいだね」

カイトが立ち上がり玄関に向かう。

「それじゃコレ、片付けてきますね」

ルリはトレイを持ってキッチンへ向かった。

「いらっしゃい、アキトさん、ウリバタケさん」

アキトとウリバタケを出迎えるカイト。

「よう、カイト!
 どーだ、ルリルリとの同棲生活の感想は!」

ウリバタケがカイトの肩をバシバシと叩く。

「痛い、痛いですよ!」

本気で痛がるカイト。
アキトにはウリバタケの目が笑っていないように見えた。

「感想ってまだ引越しの途中ですよ。
 それにまだ同棲じゃありません!」

カイトの言葉にニヤリと笑うウリバタケとアキト。

「「…"まだ"…?」」

「…な、何ですか…」

二人の表情に嫌な予感を覚えるカイト。

「"まだ"って事はこれからそうなる予定はあるって事だよな」

「くぅ〜、羨ましいヤツめ!」

「…(///)」

墓穴を掘って真っ赤になるカイト。

「…どうしたんですか?」

ルリがキッチンから顔を覗かせる。
そこでルリが見たものは顔を真っ赤にして固まってしまったカイトと
それを見て大笑いしているアキトとウリバタケだった。

(…一体何があったんでしょう…?)

困惑した表情を浮かべるルリ。

「や、ルリちゃん。
 引越し手伝いに来たよ」

アキトは笑ったままルリに挨拶する。

「わざわざスイマセン。
 …ところでカイトさんは何で固まってるんですか?」

ルリはペコリと頭を下げると固まっている同居人について尋ねた。

「それがよ、ルリルリとの同棲生活はどうだって聞いたら固まっちまいやがった。
 意外に初心だな、カイトは」

ウリバタケが横からルリの質問に答える。

「…ど、同棲…!?
 私とカイトさんがですか!?(///)」

その言葉を聞いた途端、ルリの顔も真っ赤になる。

(わ、わ、私とカ、カイトさんが…ど、同棲…!?
い、いえ…、私とカイトさんは言わば兄妹のようなもので…。
だからこれはあくまで同居であって…。
で、でも血縁の無い年頃の男女が同居するんですからやっぱり同棲…??)

パニックに陥ってしまうルリ。

「はぅ…(///)」

そしてルリもカイトの隣で仲良く固まってしまう。

「あー、ルリちゃんまで…」

ナデシコ時代からは想像もつかないルリの慌てっぷりに驚くアキト。

「…しっかしあの頃のルリルリからすりゃ男と同棲するなんて想像もできんよなぁ…」

しみじみと呟くウリバタケ。

『バカばっか』

かつてのルリの口癖を思い出す。
彼女は色恋沙汰に大騒ぎするクルーを横目にそう呟いていた。
あの頃のルリが今のルリを見ればどんな反応を見せるのだろうか。
アキトとウリバタケはルリの成長を嬉しく思うのだった。

「さて、とりあえずやる事はやろうか。
 ユリカとジュンも仕事が終わったら来るそうだしね」

アキトは固まっているカイトとルリを無理矢理復活させると引越しを再開した。



「よし、これで終わりっと…」

軽トラに載っていた最後の家具−洗濯機−を運び終え、カイトは額の汗を拭った。

「…何か俺の部屋よりモノが多いんじゃ…」

アキトは自分の部屋と見比べため息をついた。
元々一人暮しの予定だった部屋に居候が三人も、 しかも突然やってきたので仕方ないと言えば仕方ないのだが。

「ぐぉ〜っ、こ、腰が〜!!」

そしてウリバタケはタンスを運ぶ際に腰を痛めてダイニングで悶絶していた。

「お疲れ様です、カイトさん、アキトさん。
 お茶です」

引越し再開5分で戦力外となったウリバタケを
冷ややかな目で見ながらルリはお茶を出す。

「「ありがと、ルリちゃん♪」」

カイトとアキトはよく冷えた麦茶を一気に飲み干す。
ルリはそんな二人を優しい目で見つめている。
ウリバタケを見ていた目とはボストーク基地とバスラぐらいの温度差があったが。

「ル、ルリルリ〜、俺にも何か飲む物を…」

ウリバタケがルリに涙目で訴える。
無言でキッチンに消えるルリ。
蛇口を捻る音がする。

「…水です」

コップに入った"水道水"をウリバタケの目の前に置くルリ。

「…」

ウリバタケ絶句。
カイトとアキトもこれには苦笑いするしかなかった。



片付けの終わった部屋で談笑しているとアパートの前で車が止まる音がした。

『やっほ〜♪
 カイトく〜ん、ルリちゃ〜ん、遊びに来たよ〜!』

『ユリカ、遊びに来たんじゃなくて引越しの手伝いだってば…』

そしてインターホンが鳴ると同時に扉の向こうからそんな会話が聞こえてくる。
ユリカとジュンだった。
ルリが玄関に出ると軍服を来たままの二人がいた。
どうやら職場からそのまま来たらしい。
アパートの前には黒塗りの公用車が停められている。

「おっじゃましまーすっ!」

ユリカがズカズカとカイトとルリの部屋に上がる。

「おう、ユリカ…ってお前、仕事はどうした!?
 まだ3時過ぎだぞ!」

明らかにサボりである。
ユリカに続いて上がって来たジュンがアキトの言葉に縮こまる。
だがユリカはニコニコと笑っている。

「私達の家族が新しい生活を始めるんだよ!
 仕事なんかよりずっとずっと大事だよ♪」

「…だからって局次長会議をサボらなくても…」

ユリカの言葉にボソリと呟くジュン。

「だって退屈なんだもん」

あっさり言ってのけるユリカ。
ユリカの現在の役職は連合宇宙軍参謀本部作戦部第2課次長、階級は中佐である。
ちなみにジュンは彼女の副官であった。

「…はぁ、来月からどうなるんだろ…」

「来月からって何かあるのか?」

ジュンにアキトが尋ねる。

「実は来月1日付けで少佐に昇進するんだ」

「ほぅ、良かったじゃねえか。
 …けどあんまし嬉しそうじゃねえな?」

ジュンの表情を見たウリバタケは怪訝な表情を浮かべる。

「…そのせいでユリカの副官を外れなければいけないんです!」

目の幅涙を滝のように流すジュン。

「…ま、まあ、副官を外れたからってユリカに会えなくなる訳じゃないんだからさ…」

自らの婚約者に横恋慕する男を慰めるアキト。
だがその気遣いを打ち砕く者が一人。

「残念ですけど暫く会えないでしょうね。
 新任少佐は例外なく駆逐艦長に就任しますから」

ルリの冷静な言葉。
ようするにジュンは来月からは艦上勤務になるのだ。
当然ユリカと会える回数は激減する。

「…ぅぅ…ユリカ〜…」

ルリの言葉にがっくりとヒザを落とすジュン。

「ジュンさん、ユリカさんの面倒は任せてください。
 サボらせたりはしませんから」

「…え?」

そう言ってジュンの肩に優しく手を置いたのはカイトだった。

「…来月からはサボリは無しですよ、ユリカさん…いえ、ミスマル次長♪」

「…え?
 も、もしかして新任の副官て…」

ユリカの額に冷汗が浮かぶ。

「はい、僕です!」

ビシッと敬礼するカイト。

「な!?
 カイト、お前軍に入るのか!?」

その場にいたルリを除く全員が驚愕の表情を浮かべる。
ルリもカイトから軍に入ると聞かされた時は驚いた。
だがカイトの想いを聞かされ、ルリも納得していた。

「ええ、こうして家を持った訳ですし収入面でも自立しないと、と思いまして」

色々と考えた末にカイトは軍人になる道を選んだ。
自らの技能などを考えれば自然な選択ではあった。
それにカイトの身元引受人であるコウイチロウの勧めでもある。

「そういう訳ですんでサボリは許しませんよ、ユリカさん!」

ビシリとユリカを指差すカイト。

「ふみゅう…。
 アキト〜、カイト君が私の事いぢめるよぉ〜」

ユリカがアキトに泣き付く。

「…つかお前がサボるのが悪いんだろ…」

さすがのアキトも呆れた表情を浮かべている。

「アキトまでいぢめる〜」

「いぢめてねえっ!
 お前のサボり癖、カイトに矯正して貰えっ!!!」

「「「わははっ♪」」」

アキトをポカポカと叩くユリカ。
アキトも笑ってユリカを受け止めながら反論する。
カイト、ジュン、ウリバタケが楽しそうに笑う。
そんな彼等を見てルリは微笑む。
ほんの数年前までは夢想だにし得なかった光景。
それが目の前に広がっていた。
胸の奥が暖かな想いで満たされていく。

(…こういうのを幸せっていうんですね…)

ルリは心の中で呟く。
ふとユリカと目が合う。

「ルリちゃ〜ん、アキトとカイト君が私の事いぢめるのぉ〜…」

ユリカがルリに泣き付いてきた。

「サボらなければいいと思いますよ、ユリカさん」

ルリは柔らかな微笑みを浮かべたままユリカを突き放す。

「…ぅぅ〜…」

ユリカ轟沈。
目の幅涙を流しながらちゃぶ台にうずくまる。

「「「「「わははっ♪」」」」」

そしてカイト宅は再び笑い声に包まれた。
そこには暖かな"日常"があった。



そして夜。
カイト宅は更なる喧騒に包まれていた。

「わははっ、カイト、飲め飲めぇ〜!」

「…僕、未成年なんですけど…」

オレンジジュースが3分の1程入っていたグラスに並々と注がれる日本酒。
とんだチャンポンが出来上がってしまった。
原因たるウリバタケにグラスを押し付けようかとも思うが彼は既に移動していた。
今、彼は嬉々とした表情でアキトのビールに日本酒を注いでいる。

(はぁ、仕方ない…)

カイトはため息をつくと一気に中身を飲み干した。
そしてグラスを置き、部屋を見回す。
広いとはいえないカイト宅のリビングは人で埋め尽くされている。
引越し祝いでカイト宅に集まったナデシコクルー。
お祭り好きの彼等はそのまま宴会を始めてしまった。

(…いや、この手際の良さは初めから仕組んでたな…)

持ち込まれた酒、摘みの量からもこの宴会が最初から計画されていた事が分かる。
だが悪い気はしなかった。
素性の知れなかった自分を仲間として受け入れてくれ、共に騒いでくれる仲間。
この仲間と出会えた事が、そして家族が出来た事が嬉しかった。
ふと隣を見る。
そこには誰より大切に想う少女がいた。


「なによ〜、ルリ、アタシの酒が呑めないっての〜?」

「…ユキナさん、私は未成年です。
 …それに貴女も」

カイトの隣でオレンジジュースを啜っていたルリはユキナに絡まれていた。
いつの間にかしっかりと出来上がってしまっているユキナ。

「いーの!
 堅い事言わない!
 ホラホラ〜♪」

そう言ってルリのグラスにチューハイを注ぐユキナ。
もちろんルリのグラスにはオレンジジュースが残っていた。

「…」

無言でチャンポンのグラスを見つめるルリ。
顔を上げるとユキナの保護者であるミナトを捜す。
教師である彼女なら未成年の飲酒を咎めるはずだ。
だがルリの希望はあっさり潰えた。

「こ〜ら〜、ジュ〜ン?
 アタシの酒が呑めないっての〜?」

教師は軍人を酔い潰していた。

「…」

ガクガクとミナトに揺すぶられるジュン。
伸ばし始めた前髪が高速で揺れる。
だがジュンは青い顔をしたまま、ピクリとも動かない。
完全に意識を失っているようだ。
"ナデシコ唯一の常識人"も今やただの酔っ払いとなっていた。
"ナデシコ最後の良心"たるホウメイがいない今、
この混沌を収拾出来る人間は存在しない。
だが、ルリにはこの喧騒が心地よかった。
人形だと思っていた自分に仲間ができ、家族も出来た。
ふと隣を見る。
そこには誰より大切に想う青年がいた。


目が合うカイトとルリ。
互いにキョトンとした表情を浮かべてしまう。
が、それも一瞬の事。
カイトが表情を緩めるとルリも表情を緩める。
そっと寄り添い、ちゃぶ台の下で指を絡める。
ルリはカイトに身体を預け、囁いた。

「…カイトさん、私、幸せですよ」

「…うん、僕も幸せだ」

二人の視線の先には謡い狂うナデシコクルー。
涙が出る程に暖かい光景だった。

「あ〜、カイト君とルリちゃん、何だかいい雰囲気〜!」

頬をアルコールで染めたユリカ。

「そんな端っこにいないでこっち来いよ」

ユリカにしな垂れかかられ、それでもどこか嬉しそうなアキト。
カイトとルリの大切な家族。
願わくば未来永劫、彼等と共にあらん事を。
それがカイトとルリの願いだった。
だから彼等の傍へ行こう。
カイトとルリは席を立った。

「「はい、今行きます」」

そして宴の夜は更けてゆく。



「…ぅ〜、頭痛いよぉ〜」

朝陽の差し込む部屋で最初に目を醒ましたのはユリカだった。
夕方から始まった宴会は深夜にまで及ぶ事となった。
平日であった為、他の仲間は適当な時間に切り上げて帰っていった。
最後まで残っていたのはユリカ、アキトにウリバタケ。
ユリカが辺りを見回すとちゃぶ台の下に頭を突っ込んで寝ているアキト。
キッチンに倒れ込むように寝ているウリバタケ。
彼等の身体には毛布が掛けられている。
勿論ユリカにも。
そして部屋の隅にもう一つあった毛布。

「…カイト君かな?」

毛布の盛り上がり方を見て、くるまっている人物を予想する。
ユリカはにじりより、毛布の固まりを覗き込む。
そこにあった光景に思わず頬を緩めるユリカ。

「…フフ、幸せそう…」

ユリカはニコニコとその光景に見入っていた。


「…ぅぅ…、頭痛てぇ…」

続いてアキトが目を覚ます。
身体を起こすアキト。

「ぐぁ…!」

ちゃぶ台に思い切り頭をぶつけてしまった。
ひとしきりもがいた後、ちゃぶ台から這い出す。

「あ、アキト。
 起きたんだ」

「おう、ユリカ。
 …何してんだ、お前?」

ユリカは毛布を覗き込んだまま、ニコニコと笑っていた。

「アキトもおいでよ」

ユリカに誘われ、アキトも毛布を覗く。
その光景にアキトも目を奪われる。

「…なるほどな」

ユリカが見入っていたのも無理はない。
同じようにアキトもその光景に見入っていた。
ユリカの目は子を見る母のように優しい。
その時、ユリカがポツリと呟く。

「…私、幸せだよ。
 アキトがいて、カイト君がいて、ルリちゃんがいる…。
 私の大切な家族…」

「…ああ、俺も幸せだ」

アキトとユリカは静かに笑い合う。
願わくばこの幸せが未来永劫続かん事を。
それがアキトとユリカの願いだった。

「…もう少し、寝かしておいてやろう」

アキトとユリカの視線の先、その毛布の中では−。



カイトとルリがしっかり寄り添いながら静かな寝息をたてていた。
ふと寝言を漏らす二人。

「…ルリちゃん…大好き…だよ…」

「…カイトさん…大好き…です…」




  後書き


村:ども、村沖和夜です。
  『例えばこんな日』シリーズ第4弾『Cohabitation diary』をお送りしました!

ユ:どもども〜!
  テンカワ・ユリカですっ!
  このシリーズでもメイン・キャスターを担当する事になりました!
  よろしくねっ♪

村:ああ…、短編シリーズにも天使が…(感涙)

ユ:でもいいのかな?
  ルリちゃんが主役のお話なのに私が後書きに出たりしても…

村:僕は一向に構いませんが(即答)

ユ:あ…(何かに気付く)

村:どうしました?

ユ:ア、アハハ〜、作者さん、後ろ…

村:ハイ?(振り向く)

ル:どうも(冷)

村:…(滝汗)

ル:…さて、へっぽこ。

村:アイ・マム!(直立不動)

ル:何も言う事はありません…死ね(ガシャリ)

村:(ザシュッ!ザクッ!ザクッ!!)
  ウギャアッッッッッ!!

ユ:…うわぁ…、スプラッタ…(顔面蒼白)

ル:では仕上げです(ガシャン)

村:(ドゴォォォォォン!)
  グオォォォォォッ!!

ユ:…あ〜、作者さん消し炭になっちゃった…

ル:…いいお話だったので誉めてあげようと思ったらこのザマです。
  反省しなさい、へっぽこ作者。

ユ:(同棲のお話だったから喜んでたんだ…)

村:…ぅぅ…死にそう…

ユ:(…死んでないのが不思議だよ…)

ル:さて、ユリカさん

ユ:ハ、ハイッ!(怯)

ル:お話の解説しましょうか

ユ:…ホッ(安堵)

ル:…何ですか、その『ホッ』という安堵の溜め息は。

ユ:…!?
  アハハ〜、ヤダなあ、ルリちゃん…そんな溜め息なんかついてないよ〜(焦)

ル:…まあいいです。
  まず今回のタイトル『Cohabitation diary』ですが…

ユ:ひねりも何もなくそのまま『同棲日記』。

ル:手抜きを英語にしてごまかしたつもりか、コラ(消し炭を足蹴に)

村:…ぁぅ…

ユ:(…頑張れ、作者さん…)

ル:しかし『1st day』という事は連載になるんでしょうか?

ユ:…大丈夫なのかな?
  RWKもあるのに。

ル:その辺はどうなんです、へっぽこ?

村:そうですねぇ…

ユ:(…もう復活した…凄い生命力…)

村:『1st day』っていうのは単に引越し当日だからなんです。
  ただ、このネタで他にも色々と書くつもりですが。

ル:分かりました。
  このシリーズには期待してますよ、へっぽこ。

村:…え?

ユ:…意外な言葉だね…

ル:…『同棲』…いい響きです…(ウットリ)

ユ:…RWK本編はラピスちゃんがカイト君の部屋に住んでるからね…

村:見てて色々ストレスが溜まってるんでしょうね…

ル:…そこの二人、何か言いましたか?

村・ユ:…!!

ル:別にラピスが羨ましいとか思ってません!(///)

村:(分かり易いですな)

ユ:(ウン、分かり易いね)

ル:…クッ、お気楽ユリカさんとへっぽこ作者に馬鹿にされるとは、何か屈辱です…。
  こうなったらこの新兵器で…

ユ:さて、時間も無くなってきたし!(慌)

村:ここまでお付き合い下さった皆様、ありがとうございました!(慌)

村・ユ:RWK本編or他のお話でお会いしましょう!(逃走)

ル:何を勝手に締めてるんですか!?
  と言うか逃げるな!
  話はまだ終わってないですよ!!








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