機動戦艦ナデシコ
〜Return of the White Knight〜




第13話 運命を背負いし者達の詩(前編)





アトモ社・ボソンジャンプ実験ドーム


「ボソン・フェルミオン、変換始まっています」

「耐圧エステ、降下」

「フィールド拡大、光子、重力子、π中間子増大中」

エステバリスがチューリップの中へと入っていく。

『まもなくジャンプ・フィールドに接触!
 センサー、作動開始します』

降下する耐圧エステバリスが見えなくなる。
直後、モニターに映るパイロットが悲鳴を上げる。

『ヒッ!!
 な、何だこれは!
 何が起こっているんだ!?』

突如、膨張を始めるエステバリス。
コクピットから脱出しようともがくパイロット。
だがその身体は瞬く間に周囲に取り込まれてゆく。

『た、助けて!
 助けてく…』

命の危険があるのは知らされていた。
それを承知でパイロットは『地球のために』とこの実験に志願した。
その表情が恐怖に歪む。
パイロットの悲鳴が唐突に途切れる。
グシャリという破壊音が聞こえ、エステバリスの反応がモニターから消えた。

「クッ…、実験中止!
 フィールド解除!
 チューリップを閉じろ!」

リーダーとおぼしき女が叫ぶ。
チューリップの口が閉じられる。
それを確認し、女は手元のファイルに視線を落とした。

「これで16回連続の失敗か…、何が違うというのだ?
 我々とコイツ等と…」

女の持つフォルダにはアキトとカイトの写真が挟まれていた。



薄暗い会議室モニター越しに向き合う白衣の集団と一人の女。
和やかとは遥かに掛け離れた雰囲気で言葉が交わされる。

「生体ボソンジャンプ実験はいずれも失敗した…。
 彼等の例を除いては」

「ナデシコやクロッカスの例、さらに"M"レポートからボソンジャンプは
 テレポートとは異なる現象と考えられますわ。
 それに、Mは実際に私と会長の眼前でそれをやってのけています」

「その映像は我々も見せて貰った。
 だがその時、彼はCCは使用していなかったが…」

「しかし、彼のレポートにはボソンジャンプの鍵はCCにあると記されています」

「うむ…確かに」

「やはり、彼等のどちらかを分析しないではこれ以上やりようがないぞ、
 エリナ・ウォン?」

「その点ならご心配なく。
 まもなく"A"を連れて参りますわ」

「そうか…!」

科学者の目に怪しい光が灯る。

「それではチャンスを頂けますね?」



ナデシコ・ブリッジ


「昇進?」

自分のシートで雑誌を読んでいたカイトが
プロスに告げられた事をオウム返しに聞き返す。

「ええ、先程ヨコスカの司令部から連絡がありまして…」

そう言うとプロスはウインドウに辞令を表示する。

《ミカズチ=カザマ少尉、12/24・1000時をもって中尉任官を命ず》

「と、言う訳でして」

「はぁ…」

なぜかボーッとした返事を返すカイト。
軍での昇進には余り興味がなさげなカイト。
軍籍に身を置いているのはただ必要があるというだけで、
それ以上の意味も興味も"今"の軍にはなかった。

「…おめでとうございます、カイトさん」

カイトが軍に対して複雑な思いを抱いている事は察していたが、
ルリはとりあえず祝辞を述べる。

「ありがとう、ルリちゃん」

カイトは微笑んで優しくルリの頭を撫でる。
ルリは気持ちよさそうに目を閉じる。

「つきましては同日にヨコスカ司令部に出頭していただきたいと…」

「…え」

それを聞いたルリの表情が曇る。

「…別の日じゃダメですかね…?」

ダメ元でプロスにたずねるカイト。

「それは私より貴方の方がよくご存知では…?」

「…そーですね」

ガックリと肩を落とすカイトとルリ。

(…しかし、何故ルリさんまで…?)

プロスはそっとウインドウを手の平に開く。
そこに現れたのはヨコスカ寄港時のクルーの行動予定一覧。
カイトとルリは揃って同じ時間に外出届けを出している。

(ハハァ…、お二方はデートのご予定だったようで…)

プロスが二人に視線を戻すとカイトがルリに謝っている。

「ゴメンね…、ルリちゃん」

「…お仕事ですから仕方ないですよ…」

そう言いながらも残念そうなルリ。

「なら、ルリさんを連れていかれてはいかがですかな、カイトさん?」

「え?」

「任官でしたらお昼までには終わると思いますよ…?
 なんにせよ、せっかくのクリスマス・イブですからな…、
 存分に楽しんで来て下さいね!
 ハッハッハッ♪」

笑うプロスに対し、顔を赤くするカイトとルリであった。
カイトとルリがデートする事になったのは何故か。
それは昨日の出来事…




クリスマスを数日後に控え、ナデシコもクリスマス気分に盛り上がっていた。
軍に所属するナデシコではあったが、そこはナデシコ。
クルーも艦内の飾り付けに余念がなかった。
さすがにブリッジを大々的に飾り付ける訳にはいかないので
ツリーが置かれているくらいではあったが。
今は昼休みの真っ只中という事でブリッジにいるのは
ミナト、メグミ、ルリの3人だけだった。

「もうすぐクリスマスねぇ〜」

「ナデシコでもパーティーやるんですよね?
 ミナトさんはどうするんですか?」

「そうねぇ、特に予定はないけど…」

「えぇ!
 ミナトさんくらいの美人なら相手なんて幾らでも…」

クリスマスの話題で盛り上がるミナトとメグミを横目に見つつ、
ルリは仕事をこなしていた。
ちなみにラピスとカイトは昼食中である。

「ルリルリはどーするの?」

「…ハイ?」

突然、話を振られたルリ。
ミナトはニコニコとしたままルリを見つめている。

「カイト君とデートとかしないの?」

「えっ!(///)」

カイトとデート、と聞き、頬を真っ赤にするルリ。

「そ、そんな…デートなんて…その、私まだ少女ですし…(///)」

「そうなの?
 カイト君、イブに寄港するヨコスカの事を熱心に調べてたからてっきりルリちゃんを
 デートに誘うつもりなんだと思ってたんだけど」

メグミが首を傾げる。

(確かに、カイトさんの部屋に色々なタウン誌がありましたが…
そういう事なのでしょうか…?)

カイトの部屋を思い浮かべ、ルリは考える。

「フフッ、ルリルリからカイト君を誘ってみたら?
 『クリスマス・イブにデートして下さい』って♪」

「…あ、あの…そんな…はぅ(///)」

ルリはさらに真っ赤になって俯いてしまう。

「も〜、真っ赤になっちゃって♪
 ルリルリったら可愛いんだから〜♪」

「カイト君がルリちゃんのお誘いを断わる訳ないよ?」

ミナトとメグミが口々にはやし立てる。

(…私からデートに誘う…。
カイトさん…オーケーしてくれるでしょうか…?)

ルリはそんな思いを巡らせる。
だが、突然の警報がルリの思考を遮る。

「敵襲!?」

ミナトの言葉にハッとなるルリ。
すぐにコンソールに手を置き、オモイカネに接続する。

「メグミさん、パイロットに出撃要請を!
 艦長も呼んで下さい!」



ナデシコ・カイト私室


昼過ぎから始まった戦闘は夕方にはナデシコの勝利で幕を閉じた。
その夜、ルリはいつもの如くカイトの部屋へとやって来ていた。

「はい、ホットミルク」

「ありがとうございます」

カイトからマグカップを受け取り、息を吹き掛けて冷ます。
そして口をつける。
そこでようやく気付く。
この部屋のもう一人の主がいない事に。

「…そう言えばラピスはどうしたんですか?」

「ああ、ミナトさんの部屋にお泊り」

「お泊り…ですか」

ルリはカイトの部屋に行く前にすれ違ったミナトの笑みと言葉の意味を知る。


『頑張ってね、ルリルリ♪』


(こういう事だったんですね…ミナトさん)

感謝していいのかどうか複雑な気分になるルリ。

「でも良かったよ。
 ラピスは人見知りが激しいからナデシコに馴染めるかどうか心配だったんだけど…」

お茶受けの『ナデシコ銘菓エステバリス最中・0G戦』を齧りながら喜ぶカイト。
嬉しそうにラピスの話をするカイトに少しムッとしないでもなかったが、
ルリにとっても彼女は妹である。
ラピスがナデシコに馴染んでいる事はルリにしても嬉しい事ではある。
そしてルリも最中を齧る。

「そうですね。
 ナデシコの皆さんは『バカばっか』ですけど、いい人達ですから」

「ハハハ、確かにね。
 …ところで、ルリちゃん」

「ハイ」

「…クリスマス・イブって何か予定ある?」

「…!」

ルリはカイトの言葉にハッとなる。

(…こ、これって…もしかして…)

カイトも顔を赤らめ、頬を掻いている。

「良かったら、二人でお出かけしないかな…?」

「あ、あの…、それってデートのお誘いですか…?」

「えっ!?
 あ、えっと…そうなる…のかな?」

「…(///)」

真っ赤になって俯くルリ。
カイトからは俯いたルリの表情が見えず、困惑した表情を浮かべる。

「あの…、もしかして嫌だった…?」

カイトのその言葉にルリは慌てて顔を上げる。

「いえ!
 そんな…嫌とかじゃなくて…その…」

また俯いてしまうルリ。
顔を赤くしたままチラリとカイトを見上げるとポソポソと囁くように言葉を紡ぐ。

「…私も…カイトさんと…その…デート…したいです…(///)」

不安げだったカイトの顔がパッと輝く。

「ホントに!?
 良かった〜♪」

ニコニコしているカイトを見て、ルリも顔を綻ばせる。

(クス…、カイトさん、何だか可愛いですね…)

ルリの視線の先には何冊ものタウン誌を広げ、
デートコースに頭を悩ませるカイトがいた。

「ルリちゃんは行ってみたいところとかある?」

「そうですね…、私は…」

さりげなくカイトの隣へ移動し、一緒にタウン誌を覗き込む。
あれやこれやと話が弾む。
カイトにつられてルリもさらに顔を綻ばせる。

(…何だか楽しい…)

そうしてカイトとルリの夜は更けていった…



と言うような事があったのだった。
プロスが去った後、ルリがカイトにたずねる。

「でも、私がついていったら迷惑じゃないですか?」

任官というのは何をするのかよく分からないが
部外者の自分がついていっても大丈夫なのかと心配するルリ。

「大丈夫だと思うよ?
 紙の辞令と新しい階級章を貰って頑張ります、って言うだけだから」

「…そうなんですか?」

幾らなんでもそれはないだろう、と思うルリ。
とにかく自分には余り関係ない事ではあるし、
カイトとのデートもお流れにはならないようなので納得する事にしたルリであった。




深夜
ナデシコ・展望室



その夜、カイトは展望室に寝転がり、ホログラムの夜空を見上げていた。
外では深々と雪が降っている。
ただ、今夜は無性に星を眺めたかった。

(星の煌めきは人の想い…か…。
僕の想いもいつか星になれるのかな…、人ではない僕の想いでも…。
…それを知ったら…ルリちゃん、君はどうするのかな…?)

カイトは目を閉じて、自室で眠りについているであろう少女に想いを馳せる。
あの時と同じように受け入れてくれるだろうか。
それとも気味悪がるだろうか。
あの時の木星プラントでのルリの言葉が甦る。
自身が人工生命体である事を知り、ショックを受けたカイトにルリが囁いた言葉。


『…人工生命体だって何だって構いません。
 貴方が何者であってもカイトさんはカイトさんです。
 私は…貴方が、カイトさんが好きです』


それがどれほどの救いになった事か。
そしてもし、この時間で受け入れられる事がなくとも
ルリを守るという決意に変化はないだろう。
それにここにはラピスもいる。
彼女も今頃は夢の中にいるだろう。
ルリの不器用だが優しい想いとラピスの無垢な想いに支えられ、
今日まで戦ってこれた。
歴史は変わるのかはまだわからない。
それでもあの二人の為なら頑張ろう、そう思うカイトであった。
そして、カイトが思いを馳せるのはもう一人。
自らの半身として造り出されたもう一人の人工生命体−イツキ・カザマ。

(救えるものならば、彼女も助けたい…
でも、一体イツキは何処にいるんだ?)

カイトは目を開き、ウインドウを展開する。
そこには昨日付けで発行された軍の命令書。
角に『極秘』の朱印が押されている。
そこには、

《12/24、12:00
 ネルガル重工所属戦艦ナデシコを連合宇宙軍月方面艦隊に編入す。
 なお、現行クルーを徴発、一部を除いて引き続きクルーとして乗船させよ》

と書かれていた。
自分の昇進はこの編入に伴い、クルーが軍人として徴発される事と関係があるのだろう。
そしてナデシコの月方面艦隊編入は2週間前の月面基地の爆発事件と関係があるはずだ。
命令書の後にはクルーの階級のリストやらなんやらが添付されているが、
カイトはそれを開かずに新たなウインドウを開く。
そこに映し出されていたのはナデシコ級3番艦『カキツバタ』の建艦進捗状況。
もちろんこれにも『極秘』の文字がある。

(…これを見る限り、スキャパレリ・プロジェクトは完全にカキツバタに移行。
ナデシコは軍に捧げられたと言う事…。
ナデシコはこれからネルガルの思惑ではなく、軍の為に動く。
だからこそ…)

カイトはさらにウインドウを開く。
先程の命令書、添付されているファイルのとある1ページ。
ヨコスカ寄港時に行われるナデシコの人事異動。
コック兼パイロットとして登録されているアキトが下船し、
新たに軍のパイロットが配属される事になっている。

(ここまでは、僕の知っている歴史の通りなんだけど…)

歴史ならば、ここでイツキがナデシコに配属されるはず。
そしてジンタイプのボソン・ジャンプに巻き込まれたと見せて木連へ帰還する。
だが、新たに配属されるパイロットの名前はカイトの聞いた事のない人物だった。
顔写真が添付されていないのが不審といえば不審だが、経歴には特異な点はない。
教導部隊出身の優秀なパイロット。
それに比べれば自分のデータの方がよっぽど不審である。
カイトはもう一つウインドウを開く。
顔写真は白いバイザーをしているは、
ほとんどの項目が『unknown』で埋め尽くされている自分のデータ。
苦笑してカイトは自分のデータを表示したウインドウを消す。

(…もしかして…この歴史にはイツキは現れないのか…?)

軍のデータベースを検索しても"イツキ・カザマ"の名前は何処にもなかった。
"ミカズチ・カザマ"という名前を使ったのも、
それを見たイツキが接触してくるかもしれないと思ったからだったが、
それも一向にない。
今はイツキが地球に来ているのかどうかも分からなかった。
いや、存在しているのかどうかさえも。
溜め息をつくとカイトは開いていたウインドウを閉じてゆっくりと立ち上がる。

(…ま、考えてもしょうがないか…。
前と同じ流れをとっているからといって全てが同じになる訳じゃないみたいだし)

出入口へと歩いていくカイト。

(それに、僕のやるべき事が変わる訳でもない…)

展望室を出て、自室へと向かう。
そして歩きながらカイトはもう一度、人事異動のページにあった名前を思い返す。

(…しかし、いったい誰なんだ?
 "アサミ・ミドリヤマ"って…?)




ヨコスカ・連合宇宙軍ドッグ


白い船体を海に浮かべ、ドッグ入りするナデシコ。
カイトとルリはデッキに出て港を眺めていた。
カイトは軍服の上に軍の指定のコートを羽織っている。
ルリは水色のキュロットに白いセーターという恰好であったが、
今は少し大きめのコートとマフラーを着ていた。

「…デモ、凄いですね…」

二人の目線の先にある埠頭では集まった人々が
ナデシコに向けてシュプレヒコールをあげていた。

《ナデシコ入港断固阻止》 《帰れ!ナデシコ!》 《Go Home!》

旗や足れ幕も数えれば切りがない程である。

「嫌われたもんだね、僕らも。
 まあ、仕方ないか…」

カイトはルリに苦笑いして見せる。

「…そうですね」

軍のプロパガンダのおかげでナデシコが
連合軍最強の戦艦という事は衆知の事実となっていた。
連日激戦地回りを続けるナデシコに"ナデシコある所にトカゲあり"
といったイメージが定着するのも仕方のない事ではあった。

「カイトさん、ルリさん、迎えのヘリが来ましたよ。
 準備の方はよろしいですかな?」

二人を見送りに来ていたプロスが傍へやってくる。

「「はい」」

カイトとルリが同時に振り向き、同時に返事をする。

(…本当に仲のよろしい事で…)

ピタリと合ったカイトとルリの行動に心の中で呟くプロス。
それを横目にカイトとルリはヘリへと向かう。

「さ、つかまって」

「ハイ」

カイトがルリの手を取り、キャビンへとエスコートする。

「お二人ともお気をつけて。
 よいクリスマス・イブを!」

プロスの言葉にカイトは満面の笑みで、ルリは微笑みを浮かべて手を振る。
そしてヘリはナデシコを飛び立ち、ヨコスカの司令部を目指して飛んでいく。

(ルリさん…、よい顔で笑われるようになりましたな…)

プロスは微笑み、視線をずらす。

「さて、これからはお仕事ですな…」

カイトとルリの乗ったヘリと入れ替わりにやってきたヘリを見上げ、
プロスは溜め息をついた。




ナデシコ・ブリッジ


ブリッジに突然の招集命令で集められたクルー達。
招集をかけられなかったクルー達も突然外出許可が取り消され、
不満げな表情でブリッジを映すウインドウを見つめていた。
クルー達と向かい合う形でプロス、ムネタケ、
そして少将の階級章を付けた軍人とナデシコの赤い制服を来た女性が立っていた。
そして少将がおもむろに口を開く。

「…さて、軍艦のクルーがいつまでも民間人という訳にもいくまい。
 そこで…」

「少将、そこからはアタシが話しますわ。
 …ま、本来ならナデシコが軍の指揮下に入ったところで
 全員お払い箱ににするってのが道理だけど、
 特別にアタシがアンタ達を軍人に取り立てて貰えるように計らったって訳。
 感謝してよね?」

ムネタケがにんまりと笑ってクルーを見回す。

「…そんなの誰も頼んでない…」

ラピスがぼそりと呟く。

「あ!?
 何か言った!?」

「…キノコ、煩い…」

視線を向けられたラピスが迷惑げな表情を作ってみせる。

キィィィィィッ!
 この機械…ハッ!」

ラピスに"機械人形のくせに"と言おうとしたムネタケが固まる。
以前ルリを機械人形と呼んだ時、ムネタケはカイトの殺意をもろに浴びせられた。
ラピスもカイトが大切にしている少女である事はさすがにムネタケも知っている。

『その首、叩き落とすぞ…』

あの時の言葉が甦ってくる。
いくらカイトでも本当に殺しまではしないだろうが、
ムネタケにはその時の恐怖がしっかり刷り込まれていた。

(…アレをもう一度味わうのはゴメンだわ…)

ムネタケは慌ててラピスから視線を外し、クルーを再度見回す。

「で、アンタ達はどうするの?
 降りるなら止めないわよ」

ムネタケに続いて少将も口を開く。

「…本来なら有り得ない異例の事態だが、我々にも時間がないのだ。
 二週間前に月面基地で原因不明の爆発事件が起き、月方面艦隊に空白が生じている。
 ナデシコはその穴埋めに派遣される事になる」

その少将の言葉にプロスが続ける。

「誠に心苦しいのですが、先日のオモイカネ暴走で
 連合軍に与えた損害を計算致しますと、皆様にお給料どころか
 損害賠償を請求しなければなりませんで…。
 艦を降りても不愉快な監視がつくだけですし…。
 ここは一つ、曲げてご承知を…」

プロスの言葉にクルーは複雑な表情を浮かべる。
軍人になるのには抵抗があるが、四六時中監視されるよりはマシか…、
そんな表情である。

「…出港は三日後よ。
 それまでに決断なさい。
 …それからテンカワ・アキト」

「…はい、何すか?」

突然話を振られたアキトは怪訝な表情を浮かべる。

「アンタにはナデシコを降りて貰うわ」

「「「「「「え!?」」」」」

「いつまでも素人にパイロットを任せる訳にはいかないの。
 で、今回、優秀なパイロットを補充する事にしたのよ」

ムネタケの言葉を受けて、紫の長い髪をした女性が進み出る。

「アサミ・ミドリヤマ少尉です。
 よろしくお願いします」

丁寧な敬礼をしてみせるアサミ。

「彼女は第108教導部隊出身の優秀なパイロットなの。
 コック兼任の半端なアンタとは違ってね」

「教導108っていや、あの猛者揃いの…すげぇ奴がきたもんだな…」

軍に籍を置いていた事もあるリョーコが呟く。

「質問!
 …なんでアキトがナデシコを降りなきゃいけないんですか?」

ユリカがムネタケにたずねる。
だが、それに答えたのはムネタケではなく少将だった。

「こちらで調べた所、テニシアン島やナナフシ攻略時の単独行動など…、
 彼には軍人としての資質が欠けている。
 今後は民間人として銃後の守りに徹して貰いたい。
 …もちろん監視はつくがね」

「ここはアンタの居場所じゃないって事よ」

嬉しそうに笑うムネタケ。
だが、そんなムネタケを無視してアサミがアキトの元へ歩み寄る。

「お疲れ様でした、テンカワさん。
 こんな事になってしまって残念ですけど…
 私達が木星トカゲを打ち破った時には、きっと笑顔でお会いできると思います」

そう言って手を差し出すアサミ。
アキトは一瞬戸惑いの表情を浮かべるが、微笑んでアサミの手を握り返す。
複雑な思いを内包した笑顔ではあったが。

「貴方の料理、食べてみたかったです」

そうアキトに囁くと、アサミは最初に立っていた場所へと戻っていった。




ヘリ・キャビン内


「軍に編入ですか…」

ヘリのキャビンではカイトがルリにブリッジで
行われていたのと同じ内容の話をしていた。

「そ。
 で、ルリちゃんはどうする?」

「残ります」

ルリはカイトの問い掛けに即答する。
予想していたとはいえ、即答したルリに驚きつつカイトは尋ねる。

「いいの?
 ルリちゃんも軍人扱いになるんだよ?」

「…私には帰る場所はナデシコしかありません。
 それに…」

「…それに…?」

ルリは頬を染めて俯く。

「…私はカイトさんと離れたくありません」

「…あ…(///)」

ルリの囁くような言葉に今度はカイトの頬が赤くなる。

「…えと…、ありがとう…で、いいのかな?」

「私に聞かないで下さい…(///)」

真っ赤になった顔を見合わせる二人。
カイトとルリの間に沈黙が訪れる。
やがて、カイトがふっと表情を緩める。
それを見たルリも表情を緩め、微笑みあう。

「これからもよろしくね、ルリちゃん」

「ハイ、よろしくお願いします、カイトさん♪」

そして、パイロットのアナウンスがキャビンに響く。

『カザマ少尉、まもなくヨコスカ基地に到着します』

「了解しました。
 送迎、感謝します」

カイトはパイロットに礼をいうと、
荷物の中から白いマントとバイザーを取り出し、身につける。

「…白騎士さん、ですか…?」

「軍の公式の場ではこの恰好で通してるからね。
 入隊した時には"ナデシコのカイト"ってばれちゃまずい事情もあったし」

ルリは防衛ライン突破の時を思い出す。
確かにカイトはあの時、デルフィニウム部隊の指揮官と名乗りあっていた。
それにカイトが軍に入った時はナデシコが行方不明になっていた。
無用な詮索を避ける為だったのだとルリは納得する。

「でしたら、私もミカズチさんと呼んだ方がいいですね」

「ここにいる間はそうしてくれると助かるよ。
 …じゃ、行こうか」

いつの間にか着陸していたヘリからカイトとルリが降り立つ。
そこには中将の階級章をつけた軍人が部下を引き連れ、立っていた。

(…え?
この人…)

中将が少尉を出迎えるなど普通は有り得ない事だが、
さすがにルリもそこまでは気付かなかった。
というよりも中将の外見にすっかり目を奪われていた。

「ミカズチ・カザマ少尉、参りました!」

そんなルリの様子には気付かず、カイトがビシリと敬礼してみせる。

「うむ…、ご苦労。  ついてきたまえ、カザマ少尉」

「はっ!」

中将は敬礼を返し、きびすをかえす。
その後を追って歩き出したカイトを慌ててルリが追い掛けていく。

「ま、待って下さい…ミカズチさん」

(…この人、キノコさんそっくり…)




ナデシコ・通路


「アキト、待って!」

「ユリカ…?」

下船を命じられ、荷物を纏めたアキト。
自転車を押しながらハッチへと向かっていた。
そこを追い掛けてきたユリカに呼び止められたのだ。

「ハァハァ…。
 アキト、ホントにナデシコ降りちゃうの!?」

「…ああ」

「そんな…。
 イヤだよ、アキトがいなくなっちゃうなんて。
 もう一回、提督とお話しよう?
 きちんとお話すれば提督だってきっと分かってくれるよ」

ユリカがアキトの上着の裾を掴み、引き止めようとする。
だが、アキトはそんなユリカに黙って首を振る。

「…俺は軍人には向いてないよ。
 命令だから何でもする…、
 もしかしたら勝つ為に仲間を見捨てろって言われるかもしれない…。
 俺にはそんな事、出来ないよ」

「私だって!
 …アキトがナデシコを降りるなら私も降りる!」

ユリカの大きな瞳に涙を浮かべて叫ぶ。

「バカ!
 お前はナデシコに必要なんだよ!
 ユリカじゃなきゃ、カイトやルリちゃんの帰る場所を守ってやれないだろ。
 …それに、ナデシコがナデシコである為にも、さ」

優しくユリカを諭すアキト。

「でもでも、アキトの言ってる事はカイト君も一緒だよ!
 カイト君も軍人さんだけど、仲間を見捨てたりしないよ!
 カイト君はよくてアキトがダメだなんておかしいよ」

「…カイトと俺は違うよ…。
 俺は仲間を、ナデシコを守りたいって言ってても、いつもカイト達に迷惑かけてる…」

「…アキト…」

「ごめんな、ユリカ。
 俺のナデシコでの旅はここまでだ」

「…イヤ…イヤだよ…。
 アキトとお別れなんてイヤだよぉ…」

ぽろぽろと涙を零すユリカ。
だがアキトはユリカにかけてやるべき言葉を持っていなかった。

「…じゃ、な…」

きびすを返し、歩み去っていくアキト。
そしてユリカもまた、小さくなっていくアキトの背中をただ見送る事しかできなかった。

「…アキトの…バカ…」




連合軍ヨコスカ基地・司令執務室


「カザマ君、元気そうだネ。
 まさか彼女連れで来るとは思わなかったヨ」

「僕も中将が自らお迎えに来られるとは思いませんでしたよ」

ハッハッハッと笑いあうカイトと中将。
ルリはそんな二人を見て困惑した表情を浮かべていた。

(…何だか居辛いです…)

そんなルリに気がついたのか、中将が声をかける。

「で、こちらのお嬢ちゃんがカザマ君の言っていた『電子の妖精』さんだネ?」

「あ…、始めまして。
 ナデシコのオペレーターのホシノ・ルリです」

(カイトさんも中将さんも私の事、『電子の妖精』って…。
どういう意味だろう?)

ルリが慌てて自己紹介をすると、中将はニッコリと笑う。

「ワシはムネタケ・ヨシサダ。
 もう気付いているとは思うがナデシコで提督をやっとるサダアキはワシの息子じゃヨ」

(…やっぱり…)

ルリは予想通りの答えが返ってきたので、驚く事はなかった。
だが、親子とはいえ全く違うその雰囲気に戸惑ってもいた。
そんなルリの様子を察したカイトが助け船を出す。

「軍に入って転戦してた時の話はしたよね?
 その時、僕の所属していた艦隊の提督がヨシサダ中将だったんだ」

「同じ釜の飯を食った仲、というヤツじゃナ。
 …が、思い出話をするには今は時間がなイ。
 いずれゆっくりと、ナ」

「はい」

「…さて、辞令はと…」

デスクの引き出しを開くヨシサダ。

「うヌ?」

おもむろに立ち上がる。
そして書類棚をひっくり返し、部屋のあちこちを探し回る。

「…カイトさん、ヨシサダ中将、どうされたんでしょうか?」

「…ひょっとして、僕の辞令を失くしたとか…」

「まさか、そんな…」

そして屋根裏まで覗いた後、困惑した顔がカイトとルリに向けられる。

「…どこにしまったっケ?」

そしてカイトとルリに尋ねるヨシサダ。

「「…知りませんよ」」

ガックリと肩を落として脱力するカイトとルリであった。




ヨコスカ・市街地


ナデシコを降りたアキトはとぼとぼとヨコスカの街を歩いていた。

「…これからどうしよう…」

地球にやってきてからはずっとサセボで暮らしていたアキト。
ヨコスカは始めてで、知り合いもいる訳でもなかった。

「…とりあえず、サセボに行くか。
 ここよりは知ってる街だしな…」

退職金のような物をプロスから受け取っていたのでサセボまでの旅費はある。
"ような"というのはアキトの下船は突然の事であったので
退職の手続きが全く出来ていなかったのだ。
解雇という形にならなかったのはプロスの情でもあろう。
その為、当面の生活費という事で渡されたのが
アキトが今、ボンヤリと眺めているカードであった。

「…行こう。
 考えてても仕方ないしな…」

そう呟くとアキトは駅に向かい歩き始める。

「…アキ…君」

「…?」

アキトは名前を呼ばれたような気がして、歩みを止めて顔を上げる。
しかし、ヨコスカに知り合いはいない。
自分の名前が呼ばれるはずもない。
そう思いなおすとアキトはまた俯いて歩き出す。

「そこで自転車押してるテンカワ・アキト君」

今度こそ確実に自分の名前、
それも状況の説明付きで呼ばれ、キョロキョロと辺りを見回すアキト。

「こっちよ」

そこにはネルガルのロゴの入った車の運転席で微笑むエリナがいた。
エリナはいつもの白い制服ではなく、赤いスーツを着ている。

「…何か用スか?」

なんとなく胡散臭い感じのするエリナの笑みを警戒するアキト。
自然と言葉に棘が混じる。

「いきなりご挨拶ね…。
 まあ、いいわ。
 貴方、これからどうするの?
 どこか行く当てはあるの?」

「…」

エリナの問いに答えてよいものか迷うアキト。

「答えたくないなら、それでもいいわ。
 でも、急いでどこかに行くって事はないんでしょ?
 話くらいは聞いてくれるわよね?」

エリナの言葉の言外に滲む強制を感じたアキトは黙って頷く。

「実はね、私の仕事を手伝ってほしいのよ。
 ネルガル会長秘書としての、ね」

「…ネルガルの?」

「そう。
 とても大切な仕事なの。
 それも貴方にしか出来ない仕事なのよ」

「俺にしか…?」

"自分にしか出来ない"

不要だと言われてナデシコから降りたアキトにとって
その言葉は余りにも甘美なものだった。

「で、どう?
 やってみない?」

アキトの表情に表れた心の動揺を見て取ったエリナが畳み掛ける。

「…行きます」

「ありがとう!
 じゃ、乗って!」

エリナが車のドアを開き、アキトを招き入れる。
アキトを乗せたエリナの車はヨコスカ市内で一際目立つピラミッド型の建物
−アトモ社へと向かい走り去った。




ヨコスカ市内


「…大変でしたね、さっきは」

「そだね…」

アキトがエリナの車に乗った頃、
通り一本隔てた繁華街の入り口をカイトとルリは並んで歩いていた。
カイトはマントとバイザーを鞄に仕舞い、
軍服に指定のコートという出で立ちに戻っていた。
襟には真新しい中尉の階級章が光っている。

「…ヨシサダ中将は優秀だけどお茶目な人だからなぁ…」

カイトがぼやく。
ルリも黙って頷く。
それは1時間程前、
カイトに辞令を渡そうとしたヨシサダが"辞令がない"と騒ぎ始めた時に遡る。


最初は部屋を捜すヨシサダを見ていたカイトとルリだったが、すぐに捜索に加わる。
『極秘』や『軍機』と朱印の押された書類が部屋に撒き散らされる。
それでも辞令は見つからない。
やがて控え室にいたヨシサダの副官と秘書官も加わり、執務室の大捜索が行われた。
しかし、探せども探せども辞令は見つからない。
その時、ルリが何かに気付き、カイトに尋ねる。

「カイトさん、辞令はヨシサダ中将が書くんですか?」

「いや、確か人事局が書くんだったと思うけど?」

ルリの質問の真意が見えないが、とにかく質問に答えるカイト。

「ヨシサダ中将が人事局から受け取りを忘れている、という事はありませんか?」

「ルリちゃん、いくらなんでもそれは…」

"ないよ"とカイトが言いかけた時、ヨシサダが声を上げる。

「…あ」

ご丁寧に額に冷や汗を張り付け、乾いた笑みを浮かべている。

「…少し忘れ物をしていたみたいだネ、すぐに戻るから待っててくれたまエ」

ハッハッハッと笑いながら執務室を出ていくヨシサダ。
パタンという音と共に重厚な扉が閉まる。
その音がやけに軽く聞こえたのはカイトだけではなかっただろう。

「…まさか、とは思いましたが…」

ルリがポツリと呟く。

「…アハハ…」

カイトは苦笑いするしかなかった。
5分後、戻ってきたヨシサダの手にはしっかりと辞令が握り締められていた。



「でも、あのキノコさんと親子だとはとても思えません」

ルリの声にカイトの思考が現実へと引き戻される。
辛辣な響きが混じるルリの言葉にカイトは苦笑いする。

「…提督もそれなりに優秀な人なんだけどね…。
 連合大学を出た時の成績も悪くはないし。
 偉大な父親を持つとその子供は、特に息子は苦労するってヤツだよ」

「…そうでしょうか?」

ルリは今一つ納得がいかない、といった表情を浮かべている。
ルリの目にヨシサダはかなりの人物と映ったようだ。
カイトが信頼する相手だから、というのも理由の一つではあったが。

「そうじゃなきゃ准将までは出世できないよ。
 …もし、ゴマスリと責任転嫁、それにコネだけでそこまでのし上がったとしたら、
 それはそれで凄い才能だよ」

カイトがおどけた口調をしてみせる。

「…最も、ヨシサダ中将は息子だからって理由で
 引っ張り上げるような真似はしない人だしね」

「それはそうですね」

その口調が面白かったのか、はたまたカイトの言葉に納得したのか、
ルリはフッと表情を緩める。

「さて、この話はこれぐらいにして、僕達もクリスマス・イブを楽しもう?」

「ハイ♪」

カイトが手を伸ばし、ルリの手を取る。

「…はぐれるといけないからね…」

ルリは差し出されたカイトの手をギュッと握る。

「…ハイ…(///)」

そしてカイトとルリはクリスマスに浮ついた街のざわめきの中へと姿を消す。
その直後、アキトを乗せたエリナの車が先程まで二人のいた場所を通り過ぎる。
カイト達が少し遅ければ、アキト達が少し早ければ。
エリナに連れられていくアキトを見たカイトはこの後に起こる出来事を予見できたろう。
だが、運命の女神はカイトに微笑まなかった。
そしてヨコスカの街に黄昏れ時が迫る。



  中編に続く



  後書き


村:ども、村沖和夜です。
  RWK第13話『運命を背負いし者達の詩』(前編)をお送りしました!
  いや、RWKもとうとう折り返し地点にやって参りました。

ル:どうも、ホシノ・ルリです。
  …飽きっぽい彼方がここまで書き続けるとは…。
  正直、意外でした。

村:…最初に言ったじゃないですか、絶対に完結させるって。
  信用してなかったんですか?

ル:ハイ(きっぱり)

村:…(絶句)

ル:で、お話の内容ですが…
  アサミ・ミドリヤマ?
  ”彼女”じゃないんですか?

村:どうでしょう?
  まあ、皆様の予想通りだとは思いますが。

ル:まあ、それはどうでもいいです。
  誰が出てこようともカイトさんは私のモノですから。

村:…傍若無人ぶりに拍車がかかってますね…。

ル:…何か言いましたか?

村:…いえ、別に…

ル:それとヨシサダ中将がかなりお早い登場ですね。
  なにやら空白の八ヶ月でカイトさんと関係があるようですが…

村:ヨシサダ中将は今後もちょくちょく出てくる事になりますな。
  使いやすいポジションのキャラなんで。

ル:後は私とカイトさんのクリスマスデートですね♪
  …フフ、映画を見て…素敵なレストランで食事をして…その後はホテルに…
  カイトさん、今夜はキめてしまいますよ…

村:…女の子のセリフじゃないですね…

ル:…ウフフ(///)…ジュル…(///)…♪

村:…色情狂…(ボソリ)

ル:誰が色情狂かッ!?

村:(ドゴォォォォォンッ!!
  ギャアッッッッッ!!
  ホントの事を言っただけなのに〜!!

ル:まだ言うかッ!!!

村:(ズガァァァァァンッ!!!
  …(プスプス)…ぅぅ…(バタリ)

ル:…ふう、危うく私のイメージが崩れるところでした。
  ”清純で可憐”な私をつかまえて”色情狂”とは何事ですか。
  カイトさんも私に”純白の愛”を捧げているんですよ!

村:…

ル:な、何ですか?
  その「何か言いたいけど我慢しよう。吹っ飛ばされたくないから」みたいな目は!?

村:…いや、そこまで解説しなくても。
  つか、よく目からそれだけ読み取れますね。

ル:恋する乙女に不可能はありません!

村:(それを無視して)
  さて、時間もなくなって参りましたので…

ル:無視すんな、コラ(頭に銃口を突き付ける)

村:…(滝汗)
  ルリさん、次回予告お願いします…

ル:私にやって欲しいんですか?
  仕方ありませんね(にっこり)

村:(…次回からキャスター変更しよう…)

ル:次回のRWKは第13話「運命を背負いし者達の詩」中編!

  『私には貴方を襲う苦しみや悲しみから貴方を守ってあげる事は出来ませんけど…、
   貴方と一緒に苦しむ事くらいなら私にも出来ます…』

   をお送りします!!

村:ここまでお付き合い下さった皆様に感謝しつつ…

ル:中編でお会いしましょう!!















ル:…ところで…次回のキャスターも私ですよね?

村:…(ギクリ)…

ル:ほほう…そうですか(にっこり)
  また彼方には”教育”が必要ですね(さらににっこり)

村:…(ガタガタ)
  お、お慈悲を…(ズルズル)


 キャスター変更なるか!? 後書きも次回へ続く





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