機動戦艦ナデシコ
〜Return of the White Knight〜





第5話 ルリのナデシコな日々


ナデシコがサセボを出航したのがちょうど一ヶ月前。
そしてサツキミドリから火星に向けて
出発してから2週間が経ちました。
サツキミドリから火星まではおよそ二ヶ月かかります。
ナデシコは四分の1の所までやってきました。
現在の時刻は朝の11時…でもブリッジには
私を含めて3人しかクルーがいません。
その3人というのが、まず一人目、艦長。

「…zzz…アキト〜♪」

「…バカ」

…コンソールに突っ伏して爆睡中です。
口元からはヨダレまで垂らしてます。
この姿だけ見てると連合大学を首席で卒業したエリートには見えません。
でも、ここぞという時の判断力、決断力はサスガです。
人物観察も的確で、カイトさんの戦闘能力をたった一度見ただけで
正確に把握していましたし、第4次防衛ラインの戦術はその最たるモノです。
普段、テンカワさんを追い掛けてる時は『バカ』だけど、
艦長として指揮を取る凛とした姿はちょっと…カッコいいなと思います。
そして二人目、通信士のメグミさん。

「〜♪〜♪」

雑誌をパラパラとめくりながらポテチを摘んでます。
ま、通信士ってお仕事は通信する相手がいて成り立つモノ。
その相手がいない今、メグミさんの主なお仕事は艦内放送ぐらいですから。
ちなみにミナトさんは朝寝坊の真っ最中。
ナデシコ自体オートコントロールで航行中ですから
操舵士のミナトさんはメグミさん以上にお仕事がない状態。
プロスさんとゴートさんは自室でたまったお仕事を片付けてます。

「いやはや…、これがサラリーマンの辛い所でして…」

「うむ…」

とは言ってましたけど。
フクベ提督の部屋に将棋盤を持って入る映像、ちゃんと撮ってあります。

《バッチリです♪》

ありがと、オモイカネ。
そして、副長のアオイさんは今日は非番。
皆がブリッジに来なくなり始めた頃は怒ってたけど、
数の暴力に押し切られたというか、慣れてしまったというか…、
何も言わなくなっちゃいました。
ま、一番の決め手はクルーの勤務態度について艦長に意見した時の一言。

「まあ、いいんじゃないかな?」

副長のまともな意見を艦長はこの一言で一蹴しちゃいました。

《ルリさん、敵襲です》

オモイカネが敵襲を告げてきます。
攻撃の種類と規模は?

《遠距離からのレーザー射撃。
フィールドで弾けます》

そ、じゃ警報いらない。

《了解しました》

オモイカネが答えてから約2分後、
フィールドがレーザーを弾くのがブリッジからも見えました。
爆睡中の艦長はともかく、
このやり取りを聞いていたはずのメグミさんも涼しい顔。
これにはきちんとした理由があります。
それは、サツキミドリを出航して三日目。
この日、火星に向かいはじめてから最初の敵襲がありました。


「敵襲、3分後にきます」

ナデシコのセンサーがこちらに向かってくるレーザーをキャッチしました。
私の報告にブリッジが色めき立ちます。

「パイロットの皆さんは出撃準備!
ルリちゃん、フィールド全開!
グラビティブラスト、チャージ!」

艦長の指示が飛び、一気にナデシコが慌ただしくなります。
リョーコさん達パイロットも次々とシューターに消えて行きます。
と、まあ結構真剣にやってたんです。
やっぱり敵地に向かうっていう緊張感は
ナデシコクルーといえども持ち合わせていたようで。
でも…

「必要ありません」

「そう、分かった!
…ってルリちゃん?」

艦長がズッコケてます。
他の皆さんも一様に動きを止めて私の方を見てます。
あ、カイトさんは私を見て笑ってますね。
私の言葉の意味をきちんと理解してくれたみたいです。

「パイロットの出撃もグラビティブラストのチャージも必要ありません。
ディストーション・フィールドで弾けます」

「そうなの?」

「はい、問題ありません」

私の言葉に皆、戸惑ってしまってます。

「まあ、この攻撃はただの牽制でしょうし」

口を開いたのはカイトさん。
今度は皆の視線が一斉にカイトさんに集中します。

「とりあえず、ナデシコの様子を見てるんでしょう。
たった一隻でやってくるのはどんな艦かって。
トカゲが制宙権を確保している火星の周辺宙域までは
今みたいな牽制攻撃に終始すると思いますよ…
って所かな、ルリちゃん?」

「ハイ」


この時は皆さん半信半疑といった様子でしたが、
日を重ねてもカイトさんの推測通り、敵の攻撃が変化しませんでした。
まあ、自分の推測があたった事で、
ナデシコにだらけた雰囲気が蔓延する事になったのは
カイトさんも予想外だったようですが。

『ま、これがナデシコクルーだからね』

カイトさんはそう言って笑ってました。

「ちわー、ナデシコ食堂でーす、出前お持ちしましたー!」

回想に浸っていた私を現実に呼び戻すのは、
ブリッジに響いたテンカワさんの声。

「アキトっ!」

その声を聞いた瞬間、爆睡していたはずの艦長が跳び起きます。
さっきまで寝ていたとは思えないテンションの高さです。

「アキトっ!私に会いに来てくれたのねっ!」

「ユリカ、俺は出前で…」

「いいの、言わなくても私、アキトの気持ち分かってる♪
アキトは私の事が好き!
だって…」

艦長、どこか別の世界に旅立ってしまいました。

「…。メグミちゃん、火星丼、お待ち…」

「あ、ありがとうございます…」

テンカワさんは艦長を無視して出前のお仕事に戻る事にしたみたいです。
メグミさんも"タハハ…"といった感じでオーダー品を受け取ります。

「はい、ルリちゃん、チキンライスお待ち」

「どうもです」

私も昼食を受け取ります。
施設にいた頃からジャンクフード漬けだった私ですが、
ナデシコに来てから…正しくはカイトさんと出会ってからですが、
いわゆる"普通の食事"を摂るようになりました。
それはこんな出来事がきっかけでした。


防衛ライン突破の少し後、私とカイトさんの夜勤が重なった日の事です。
クルーの中でオモイカネとIFSでお話し出来るのは
私とカイトさんだけなので、夜勤は別になる事がほとんどなのですが、
ミナトさんが体調を崩した為、
カイトさんがピンチヒッターをかってでたのです。
そして深夜3時過ぎ…事件が起きました。

クゥ…

静かなブリッジに響いたお腹の鳴る音。
その時、私は顔から火が吹き出すのを感じました。

…は、恥ずかしいです…(///)

幾ら夕食を摂り損ねたとはいえ、こんな事になるなんて…!
作業していたカイトさんは、私のお腹の音に
反応してコンソールから顔を上げます。
そしてキョトンとした表情を浮かべた後、私を見てニッコリ笑います。

「ルリちゃん、お腹減っちゃった?
ちょっと休憩にしようか?」

「…ハイ…」

俯いて真っ赤になったまま、私は小さく返事をします。

「…何か夜食、買ってきます…」

その場の雰囲気に耐えきれず、
私は自販機コーナーへ走り出そうとしましたが、
カイトさんが私を呼び止めます。

「ルリちゃん、ちょっと待って。
…お弁当用意してあるからさ、コレ食べない?」

そう言ってカイトさんは足下においてあったバッグから
お弁当を取り出してみせます。

「…いただきます…」

ブリッジから逃げ出す事を阻まれた私は
お弁当箱を受け取り、シートに戻ります。

「僕もお腹減ってたんだ♪
ルリちゃんがあんまり真剣に作業してたからなかなか言い出せなくて…」

そう言いながらハンカチを解くカイトさん。
私もそれに習い、ハンカチを解きます。

「「いただきます♪」」

手を合わせてから、フタに手を掛けます。
実はこの時、私は少し躊躇していました。
普通の食事ってあんまり好きじゃないんだけど…。
それでもカイトさんの好意を無下にする訳にもいかず、フタを開けます。
お弁当の中身はオーソドックスなものばかり。
タマゴ焼き、タコさんウインナー、ヒジキの煮付けに鮭の切り身…
ご飯がチキンライスになっているのがちょっと変わってます。
私は恐る恐る箸をつけ、口に運びます。
カイトさんは私がそうする間にもパクパクとご飯をほうばってます。

「…美味しい」

思わず声が出てしまいました。
私が普通の食事が嫌いになったのは
施設で出されていた味気ない食事が原因。
その食事を思い出すのがイヤで避けてたけど…。
でもカイトさんのお弁当は…何だろう?
口では上手く説明できないけど暖かい感じがする…。
私の"美味しい"という声に反応してカイトさんがニッコリ笑います。

「良かった、気に入ってもらえたみたいだね♪」

「ハイ、とっても美味しいです」

そこで私はある事に気がつきます。
"気に入って貰えて良かった"とカイトさんは言いました。
これはひょっとして…

「カイトさん、もしかしてこのお弁当、カイトさんの手作りですか?」

「ご明答♪
材料提供ナデシコ食堂、料理指導ホウメイさん、アキトさんの
カイト特製弁当です♪」

カイトさんが笑顔で答えます。
それから私とカイトさんはお互い無言でお弁当をつつきます。
暫くすると、私はすっかりお弁当を平らげていました。

「ごちそうさまでした」

「お粗末様でした」

手を合わせた私にカイトさんがペコリと頭を下げます。
用意がいい事にカイトさんは同じバッグの中からティーセット…
もとい急須と湯飲みを取り出してます。
あ、最中も出てきましたね。

…『ナデシコ銘菓エステバリス最中・陸戦』…。

カイトさん、こんなもの、どこで手に入れたんですか?
『陸戦』って事は空戦や0G戦もあったりするんでしょうか?
…謎です。
とりあえず、出所不明の最中(結構美味しかったです)をお茶受けに、
入れて貰った緑茶を飲みながらまったりしていると
カイトさんが話し掛けてきます。

「ね、ルリちゃん。今度一緒に食堂行こうよ。
ホウメイさんやアキトさんの料理、僕のよりずっと美味しいからさ」

「…?
どうしたんです、突然?」

言葉の意味が分からず、聞き返した私にカイトさんが
ちょっとだけ表情を曇らせて話し出します。

「ルリちゃんさ、いつもジャンクフードばかり食べてるじゃない?
それじゃなんだかなー、って思ってさ。
…ああ、ジャンクフードがダメだって言ってるんじゃないよ?
…ええと、何て言ったらいいのかな…?
暖かさ、というか何と言うか…」

カイトさんは私にどうしたら上手く伝わるのか
一生懸命に言葉を探してくれています。
何となく私にはカイトさんの伝えたい事がわかるような気がします。
以前の私なら…いえ、30分前のカイトさんのお弁当を食べる前の私なら
分からなかったでしょう。
このお弁当はカイトさんが私の事を思って作ってくれたから
こんなにも美味しく思えたんだと。
誰かが心を込めて作ってくれた料理はこんなに美味しいんだと分かったから。
だから私はこう答えます。

「ハイ、ご一緒します」

そうして私はその日から食堂で食事を摂るようになりました。

…でも、不思議な事があります。
ホウメイさんの料理もテンカワさんの料理も美味しいのですが、
私にはカイトさんのお弁当の方がどうしても美味しく思えてしまうのです。
その事をカイトさんにたずねてみると、

『僕のお弁当は特別な調味料を使ったからね、ルリちゃん専用の♪』

と言って笑ってました。
私専用の調味料?
そんなのあるのかな?


チキンライスを前にそんな事を考えていたら、
テンカワさんが話し掛けてきます。

「ルリちゃん、カイトは?」

「リョーコさん達にシミュレーターに連れて行かれてますが」

「うん、それは知ってる。
昼メシはブリッジで食べるって言ってたから持ってきたんだけどな…
どこ行ったんだろ?」

「調べましょうか?」

「あ、頼めるかな?」

オモイカネ、カイトさんの現在位置は?

《検索中》

・・・・・・・・

《検索終了!》

「出ました。
シミュレータールームを出たところで
ウリバタケさんに捕まったみたいです。
今、格納庫にいます」

「そっか、ありがとうルリちゃん。
格納庫に行ってみるよ」

「ハイ」

テンカワさんは『ナデシコ食堂』と書かれたオカモチを持って
ブリッジを出て行きます。
無事にカイトさんにご飯が届いてくれるといいんだけど。
チキンライスをパクつきながらそんな事を考えます。
だらけた空気が漂う中でも例外的に忙しい人もいます。
クルーの胃袋を預かる料理長のホウメイさんや
テンカワさん達生活班のスタッフがそうです。
でも断トツで忙しいのが実はカイトさん。
人当たりの良い性格と大抵の事をこなしてしまえる器用さから
あちこちヒッパリダコになってます。
カイトさんも呼び出しがかかるとつい応じてしまい、
毎日ナデシコを走り回ってます。
ウリバタケさんと何やら怪しげな発明をしていたかと思えば、
フクベ提督の肩を揉んでいたり、医務室で書類整理してた、
なんて事もありました。
でも、一番多いのはシミュレーターでリョーコさん達を鍛えている事。
…あ、これはカイトさんの本業でしたね。
とまあ、カイトさんは毎日忙しい日々を送ってます。
…午後からは散歩がてらカイトさんを探してみるのも
面白いかもしれませんね…。
午後の予定が決まったところで私の食事も終わりました。

「ごちそうさまでした」

手を合わせて軽く頭を下げます。
シートから立ち上がり、食器を持ってブリッジを出ます。
出がけにメグミさんに声を掛けます。

「メグミさん、食器返してきます。
そのまま散歩してくるんで何かあったら呼んで下さい」

「はーい、いってらっしゃーい♪」

メグミさんがこっちを向き手を振ります。
軽く会釈を返して今度こそブリッジを出ます。

「…あれ、アキトは?
アキトー、どこ行ったのー!?」

あ、艦長がこっちの世界に帰ってきたみたいです。
…日に日に別の世界へ行ってる時間が長くなりますね…
三日連続新記録達成です。

「はぇぇぇぇぇっ!!
私のラーメンのびてるぅ〜!!
…何でぇ!?」

「…バカ」

艦長の泣き叫ぶ声に見送られ、私は食堂に向かって歩き出しました。


食堂に向かう途中、ヤマダさんが向こうからやってきます。
会釈だけして通り過ぎるつもりでしたが
ヤマダさんは立ち止まり、声を掛けてきます。

「おう!ルリ坊じゃねえか!」

「ヤマ…ダイゴウジさん」

ヤマダ、と言いかけた時、ヤマダさんがもの凄い形相で私を睨んでいるのに気付きました。
私は慌てて"魂の名前"に言い直します。
途端にヤマダさんは満面に爽やか、と言えなくもない…笑顔を浮かべます。
余談ですが、クルーのほとんどがヤマダさんの事を
"魂の名前"で呼ぶようになってます。
理由はさっきのアレ…
この人、ホントに"ヤマダジロウ"って呼ばれても反応しません。
呼ぼうものなら誰彼構わず睨み付けます。
でも、11歳の少女を睨むのはどうかと思います…、
なんて常識的な感覚をナデシコクルーに求める方が無駄です。
気を取り直して私はヤマダさんにたずねます。

「それで何か御用でしょうか?」

立ち止まらせたからには何か用事があるはずです。

「お、おお…それなんだが…メグミ、ブリッジか?」

"メグミ、ブリッジか?"の部分だけ何故か小声です。

「はい、私がブリッジから出た時はそうでした」

「そうか、サンキュー、ルリ坊♪」

そういうとヤマダさんはブリッジの方へ歩いていきます。
その足取りは何だか弾んでいるように見えました。
そういえば、メグミさん、自然に"ガイさん"と呼んでましたね…。
最近二人でいる事も多いみたいだし…。

オモイカネ…。

《はい、ルリさん》

ヤマダさんがブリッジに入ったら録画よろしく。

《了解しました》

オモイカネに指示を終えた私は再び食堂を目指します。


食堂の返却口に行くとシンクで食器を洗うサユリさんがいました。
サユリさんはこのナデシコ食堂でウエイトレスをしている人達―
通称ホウメイ・ガールズのまとめ役みたいな人です。

「食器、返しに来ました」

「あ、ルリちゃん、いつもありがとね♪
わざわざ返しに来て貰っちゃって」

「いえ、別にそれほどでも」

ナデシコ食堂は艦内ならどこでも出前可能、
おまけに食器も回収してくれるという親切な食堂です。
私の場合ですと、ブリッジのドアの外においておけば
回収して貰えるんですが、私はこうして食器を食堂の返却口まで
持ってくるようにしています。
カイトさんがそうしているので私も真似をしているんですが、
そのお陰で昼食の時間の後の洗い物を一手に引き受けている
サユリさんとよくお喋りするようになりました。
サユリさんは、サツキミドリでカイトさんに頼まれて
私のリボンを買ってきて貰ったという事もあり、
ブリッジクルー以外では私が一番お喋りしている人です。

「ルリちゃん、今日のチキンライス、どうだった?
私が作ったんだけど?」

「ハイ、美味しかったです。
でも、もう少し薄味のほうが好きです」

「あ、そうだった?
分かったわ、次はもう少し薄味にしてみるね」

「ハイ」

ナデシコ食堂に限っては、こういった味付けの注文は贅沢ではありません。
クルー個々人の好みに合わせて注文品一点一点に
個別にレシピが作成され、蓄積されています。
だから、こうして味付けの注文をして欲しいというのがナデシコ食堂です。
…戦艦でこうした食堂があるのってよく考えたら凄い贅沢ですね。
シェフの手作りの料理が味わえる戦艦も前代未聞でしょうし、
まして個人の好みに合わせた味付けまでリクエストできるなんて。


以前、私はホウメイさんに
"何故、戦艦でここまでするのか"と聞いた事があります。
その時、ホウメイさんは少し悲しげな、遠い目をしてこう答えてくれました。

『…戦艦だからなおさらだよ』

と。
そして、その大きな手で私の頭を優しく撫でてくれました。
カイトさんのものとは違うけど、暖かい優しい手…。
この時、私はホウメイさんの言葉の意味が分からず、
後でカイトさんにその事を話しました。
私の話を聞いて、カイトさんは悲しげな顔になります。

『戦艦だからなおさら、か…。
ルリちゃん、ナデシコにいるとあまり実感ないけど僕達は今、戦争してる。
縁起でもない話だけど、死ぬとしたら
最後の食事はここで摂る事になるよね?
やっぱり、その時には故郷の料理…
家族の思い出のある味の料理が食べたいと思うんじゃないかな?
ホウメイさんはずっと軍の戦艦でコックをやってた人だから、
それを叶えてあげられずに悔しい思いを
した事があるのかもしれないね…』

カイトさんの答えを聞いた時、私はショックを受けました。
知らなかったとはいえ、
ホウメイさんの大切な想いを踏み躙ったかもしれない、と。
私はすぐにホウメイさんの所に謝りに行きました。
突然厨房に現れ、何度も頭を下げる私に
ホウメイさんはビックリしていました。
理由を説明すると、ホウメイさんは大声で笑い出し、
また私の頭を撫でてくれました。

『アッハッハッ!
私がそんな料理を作らなくて済むよう、
ルリ坊もしっかりナデシコを守っておくれよ!』

『…ハイ』

そして、ホウメイさんがポツリと呟いた一言。

『…アンタは優しい子だね…。
ありがとよ…』

その瞳はとても優しくて、何か光るモノが見えました。

『…ところでさ、カイトのヤツに手料理食わせてやる気にはなったかい?』

『…え?』

『前に言ったろう?
ルリ坊に好きな人が出来たときには手料理くらい教えてやるってさ』

『…今度、お願いします…』

その後、ホウメイさんをはじめ、
ホウメイ・ガールズの皆さんにさんざんカイトさんとの事を
からかわれてしまいましたが。


「…ルリちゃん、そういえばアキトさん、どこ行ったか知らない?」

またもや回想に耽っていた私の意識をサユリさんの声が現実に引き戻します。
いけません、
今日は何だか自分の世界によく飛んでいってしまう日です。
…艦長がうつったのかな…それはちょっとイヤ…

「カイトさんを探して格納庫に行きました」

内心の動揺を押し隠して私は答えます。

「あちゃ、カイト君か。
これは暫く戻ってきそうにないわね…」

サユリさんが溜め息を吐きます。

「あの、カイトさんだと、どうして戻ってこないんですか?」

「…え、あ、うん。
ほら、カイト君てさ、あちこち引っ張りまわされてるじゃない?
それで、出前の注文受けるんだけど…
注文した場所に居た事がないのよねえ…」

納得です。

「ではテンカワさんを見かけたら食堂に戻るよう伝えておきます」

「そうしてくれると助かるわ♪
じゃルリちゃんお願いね?」

「ハイ」


サユリさんに頭を下げて食堂を出ます。
私は食堂を出て、オモイカネにアクセス…
しようとしましたが止めます。
散歩を兼ねるのですし、自分の足で探してみましょう。
さて、カイトさんはどこにいるのでしょうか?
現在、時刻は午後1時。
今までのパターンですと格納庫でエステを弄っているか、
シミュレーターで訓練しているかのどちらかの可能性が高いですね…。
昼食前にも格納庫にいたのでそのまま居着いているかもしれないです。
そう判断した私は格納庫へと足を向けます。
格納庫はお昼の後、しかも最近は出撃もないので
まったりとした空気が流れてます。
入り口に立っていた私にウリバタケさんが気付いて声を掛けて来ます。

「いようっ、ルリルリ!
どうした、格納庫に来るなんて珍しいじゃないか?」

確かにそうかもしれませんね、
ブリッジクルーは出撃したパイロットの出迎え以外では
格納庫へ来る事は滅多にないですから。

「ははぁ…カイトのヤツならいねえぞ?」

ウリバタケさんがニヤリと笑います。
…ど、どうして分かったんでしょうか?
焦る私にウリバタケさんは笑って続けます。

「飯はここで食ってたんだけどな、
食い終わったらテンカワと二人でどっか行ったよ」

「そうですか…ありがとうございました」


ウリバタケさんに頭を下げて次の場所へ向かいます。
次はシミュレータールーム。
カイトさんの出現率が一番高い場所です。

「あれえ、ルリルリ?
どうしたの、こんな所で?」

ヒカルさんが私を見つけて声を掛けてきます。

「カイトさんを探してるんですが…」

「カイト君?
さっきまでアキト君と対戦してたけど、どっか行っちゃったよ?」

ここも空振りです。
ホントにあちこち移動する人ですね、カイトさんは。
探すこちらの身にもなって欲しいものです。
その時、シミュレーターからテンカワさんとリョーコさんが出て来ます。

「…やっぱリョーコちゃん強いよなあ」

「あったり前だろ!
俺たちゃ、これが本職なんだぞ!
コック兼任のお前に負けてどうすんだよ!」

口調は乱暴ですがリョーコさんは楽しそうな笑顔を浮かべてます。

「カイトに鍛えて貰って、結構やれると思ったんだけどなあ」

「でも、アキト君、十分強いと思うよ。
軍のパイロットの平均より上は言ってると思うよ?
ね、リョーコ?」

「ああ、軍でもそこそこ通じるんじゃねえか?」

ヒカルさんの問いかけにリョーコさんも真顔で答えます。

「テンカワさん」

とりあえず、サユリさんから頼まれた用事は済ませそうなので
私はテンカワさんに声を掛けます。

「あれ、ルリちゃん?
どうしたの?」

「サユリさんが探してました」

「え…?
あっ!
オカモチ戻すの忘れてた!」

それだけでテンカワさんには伝わったみたいです。
ベンチの上に置かれたオカモチを持って
テンカワさんが慌てて出て行きます。

「やれやれ、アイツも忙しいヤツだな」

リョーコさんがテンカワさんが走り去る姿を見送りながら呟きます。
そこで私がいる事に気づき、声を掛けてきます。

「お、ルリじゃねえか。
お前もシミュレーターやりにきたのか?」

「違います」
リョーコさん、オペレーターにシミュレーターは必要ありません。

「ルリルリ、カイト君探してるんだって。
最後に話したのリョーコでしょ?
何かいってなかった?」

「いや、特に何も言ってなかったな」

「そうですか…。
分かりました、他を探してみます」

「すまねえな。
ま、見かけたら伝えておくよ」

「ハイ、ありがとうございます」

そういって私はシミュレータールームを後にします。


その後もあちこち探したのですが一向にカイトさんは見つかりません。
どこいったんでしょう…?

《ルリさん》

あ、オモイカネ。
珍しいですね、自分から出てくるなんて。

《カイトさんは展望室にいらっしゃいます》

展望室…ですか?
カイトさんはそんなところで何を?

《寝てます》

え…?
寝てる…?

《展望室で休憩されていて、そのまま寝てしまわれました。
お疲れのようでしたので、ロックして休んでいただきました》

そう…、オモイカネ、私が行くまでロックしておいてくれる?

《はい、ルリさん》

オモイカネの返事を確認すると私は展望室に向けて走り出しました。

展望室に入るとその真ん中でカイトさんが横になってます。
オモイカネ、扉にロック。

《はい》

「…スー…スー…」

カイトさんは静かな寝息を立てて寝ています。
寝顔を見るのは二回目ですが、
前回のように不安で一杯という事はありません。
私はカイトさんの隣に腰を降ろし、
その穏やかな寝顔をジッと見つめます。
眉の下まで伸ばした黒髪に、そこそこ整った顔立ち、
今は閉じられている瞼の下には吸い込まれそうな漆黒の瞳…
その笑顔はとても暖かいのに、
笑顔の裏側には冷たい氷のような顔も隠されている。
どちらがホンモノ?
その答えはまだ分かりません。
でも…、この穏やかな寝顔がその答えのような気がします。

『私達には想像もできない悲しみを背負った人』

ミナトさんはカイトさんの事をそう言いました。
私もそう思います。
それでも、私たちを見る目は穏やかで優しくて…
誰よりも強くて悲しい人…。
私は、そっとカイトさんの前髪に指を絡ませます。
カイトさんが私の髪を撫でる時にする事を真似します。
あ…柔らかい…

「…ん…」

僅かにカイトさんが身じろぎしますが、目を覚ます気配はありません。
余程深い眠りに落ちているのでしょう。
無理もありません、朝から晩まで毎日走り回っていれば…。

「カイトさん、貴方の見る夢が優しき夢であらん事を…」

そして私はカイトさんが眠りから覚めるのを待ちます。
ここは戦艦の中、風など吹くはずがありません。
でも…、
その時、私は展望室に吹く優しい風を確かに感じていました。


こんな感じでナデシコの日々は過ぎていきます。
艦長が現代の戦艦の艦長の在り方に疑問を持ち、
瞑想ルームにお篭りしてしまったり、
別の世界へ行ってしまう時間を一週間連続で更新してしまったり…。
そして火星まであと少しと迫ったある日、事件は起きました。


私はその時、展望室に居ました。
展望室からは赤い大地と青い海が入り混じった火星が見えます。
"火星は赤の星"というのは今は昔。
前世紀半ばから行われ始めたナノマシン散布によるテラフォーミングの結果、
火星には海ができ、大気組成も地球と変わらなくなりました。
私の隣ではカイトさんが火星を眺めています。

「火星…全ての始まりの場所…今度こそ…」

…?
カイトさんが何かを呟いたようですが、よく聞こえませんでした。
隣に立つカイトさんをそっと見上げますが、
その表情から何かを読み取る事はできません。

「カイトさん、今何か言いましたか?」

私の質問にカイトさんは一瞬"しまった!"という顔をしましたが、
すぐに笑顔になります。

「…思ったより赤くないんだな、って」

「…その冗談、余り面白くないです。
それとも…本気ですか?」

「冗談だよ。
火星は赤い、なんてのは昔の話だからね」

ごまかそうとしているのが見え見えですが、
カイトさんの笑顔が"今は聞かないでくれ"といっているように見えたので、
それ以上は突っ込む事はしませんでした。

「でも、ホントに火星に生き残ってる人なんているんでしょうか?」

「いるさ」

私のふとした疑問に即答したカイトさん。
その瞳には強い意志の光が見て取れます。
私が口を開こうとしたその時、突然ウインドウが開きます。

我々は、ネルガルの悪辣さに、断固抗議するぞぉ〜!!

頭に鉢巻きを巻いた整備班の人達がメガホン持って叫んでます。
背後には何やら飾り付けられたエステや
『断固反対』や『要求貫徹』と書かれた垂れ幕が見えます。

「ストライキ…でしょうか?」

「そんな高尚なものじゃないと思うな…多分」

映像の意味が分からず困惑する私と何故か苦笑いのカイトさん。

『カイトさん、ルリさん、ご覧になられていますかな?』

「プロスさん」

突然の事にボケッとウインドウを見つめていた私達の前に
プロスさんのウインドウが開きます。

「この騒ぎはなんなんです?
ストライキですか?」

『…いえ、反乱、だそうです』

カイトさんの質問にプロスさんから意外な言葉が返ってきます。

「…クーデターですか?」

『いいえ、それが服務規定の改善が要求でして。
首謀者はウリバタケ・セイヤ。
スバル・リョーコ、アマノ・ヒカル、マキ・イズミがそれに同調。
他に整備班や生活班にも同調者が広がりつつあります』

「結構広がってますね…要求、飲んじゃうわけにはいかないんですか?」

『なかなか難しい所なのですよ、ルリさん。
今後、改善要求をされる度に反乱を起こされては敵いませんからな…』

プロスさんが弱ったという顔をしてます。

「分かりました。
で、僕等はどうすれば?」

『現在ブリッジでウリバタケさん達がミナトさん、メグミさんを人質にして
話合いを要求されております。
こちらからは艦長、副長、テンカワさんが説得に向かっておられます。
私もこれからブリッジに向かいますので、そちらに来て下さいますか?』

「あの、質問です」

『なんですかな、ルリさん?』

「カイトさんは分かるんですが私まで、ですか?」

カイトさんは話し上手ですし、交渉役には適任です。
太平洋では連合軍の提督を手玉にとってみせましたし。
それに、もしもの時は武力鎮圧にも使えます。
私はどちらにしろお邪魔虫になるだけです。

『ルリさん、時に契約書は全てお読みになりましたか?』

「はあ、まあ…全部読みましたが」

…?
反乱とどういった関係があるんでしょう?

『なら万事問題ありません。
…ブリッジに急いで頂けますか?』

「分かりました」

そう言うとプロスさんはウインドウを閉じます。

「カイトさん、どういう事でしょう?」

「…行ってみれば分かるんじゃないかな…?」

「それもそうですね。
じゃ、行きましょう」

そうして私達はブリッジに向かって走り出します。
ブリッジに着くとプロスさんとゴートさんが待っていました。
中からはウリバタケさんの怒鳴り声が聞こえてきます。

「…なんなんですか、これは…?」

中から聞こえてくる会話に私は少し頭が痛くなってしまいました。
大の大人が揃いも揃って反乱かと思えば…何が楽しいんでしょうか?

「む…、ナデシコには艦内恋愛禁止という項目がある。
その改善要求だ」

ゴートさんが私の疑問に答えてくれますが、
そんなの聞いていたら分かります。
でも独身の人はいいとして、ウリバタケさんは妻子持ちだったような…
問題ないんでしょうか?

『こんなんだったら、
帰って女房の尻に敷かれてた方がマシだぁぁぁぁぁっ!』

問題ないみたいです。
社会的には色々と問題ありそうですが。
そして中はさらにヒートアップしていきます。
ウリバタケさんの一人芝居(合いの手:アマノ・ヒカルさん)が始まりました。

「ルリちゃん」

中の様子に聞き入っていた私にカイトさんが小声で話し掛けてきます。

「ハイ?」

「中に入ったらフィールド、全開にしておいてくれる?
後、グラビティブラストもチャージして」

「…?」

唐突なカイトさんのお願いです。

「いや、今クルーの大半がこっちに集中しててナデシコは無防備でしょ?
ここに本格的な敵襲があるとマズいからね…万一の備え」

「そういう事でしたら…。
分かりました、やっておきます」

そんな会話をカイトさんと交わしているとまたしてもウリバタケさんの怒声。

『おてて繋いでって、ここはナデシコ保育園かよ!』

「そのエスカレートが困るんですなぁ」

ウリバタケさんの言葉に待ってましたというように
プロスさんが割ってはいります。

「出たな、ネルガル!」

ウリバタケさんの叫びもどこ吹く風、プロスさんはヒョウヒョウと続けます。

「男女関係がエスカレートすれば結婚、出産と何かと出費が嵩みますよね…。
それこそナデシコは保育園ではないのですから」

「うるせー、俺達はそんな事は聞いてなかった!」

「契約書には明記してありますが?」

「こんな小せえ字で書くな!
だいたい今時、契約書なんざ全部読むヤツがいるか!」

「あ、僕読みました」

「私もです」

カイトさんが手を上げて発言したので私もそれにならいます。

「「「「「「…」」」」」」

ブリッジを静寂が包み込みます。
なるほど、プロスさんが私達を呼んだのはこういう事だったんですね、
納得です。

「くぅぅぅぅぅっ、カイト!
貴様、ルリルリとラブラブ出来なくなってもいいというのか!?」

え…!
私とラブラブ!?
私と…カイトさんが…!?
私は顔が急速にほてるのを感じます。
カイトさん、なんと答えるんでしょうか…。
チラリとカイトさんを見るとカイトさんも赤くなってます。

「…えと、僕は…」

「カイトさんは契約時にこの条項を破棄なさってます。
従ってカイトさんとその相手に限り、艦内恋愛は認めます」

カイトさんを遮るプロスさんの言葉。
その言葉に全員の視線が私とカイトさんに注がれます。
…何だか恥ずかしいです…。
これって皆さん、私とカイトさんを"そういう関係"と思っている、
という事なのでしょうか…?

「あら、ルリルリ、良かったわね〜♪」

ミ、ミナトさん…。

「ほぇ…ルリちゃんいいなー…」

か、艦長まで…。
心情的には反乱側だったんですね…

「…私…少女ですから…良く分かりません…」

赤くなった顔を見られないように俯きます。

「と、とにかく!
この条項を改正しろ!
…さもなくば!」

ビシリ、と手に持った獲物を
プロスさんに向かって突き付けるウリバタケさん。
…あれって、スパナ?

「こちらも見てください!」

同じように獲物をウリバタケさん達に突き付けるプロスさん。
…こっちは契約書?

…スパナ対契約書…。

どうやって勝負するのかちょっと気になります。
睨み合いの火花が爆発しそうになったその時、
不意にナデシコが大きく揺れます。

「きゃ」

突然の衝撃に立っていた皆さんがよろめきます。
私もよろめき、転びそうになったのですが…転びませんでした。
いつの間にか私の隣に来ていたカイトさんが
私を抱き留めてくれていました。

「大丈夫?」

「…は、ハイ」

ニッコリ笑うカイトさんを直視できません。
さっきの"私とラブラブ"という事を意識してしまい…。

「アイタタタタタ…、ルリちゃん、今のなに?」

ユリカさんがお尻を摩りながら私に報告を求めます。
私はその言葉に我に返るとコンソールを覗き込みます。

「敵襲です。
…この規模は迎撃が必要です」

「皆さん!
言いたい事はまだまだあると思いますが、後回しです!
今は迎撃に集中して下さい!」

さっきまで指をくわえて私を見ていた時と同一人物とは思えない程、
しっかりした顔の艦長。
その言葉に全員が迅速に動き出します。
ナデシコにとって初めての火星宙域での、
そして本格的な戦闘が幕を開けました。


 続く・・・


 後書き

 ども、村沖和夜です。
 RWK第5話『ルリのナデシコな日々』いかがだったでしょうか?
 今回はホシノ・ルリサーガ三部作の第1弾という事で、
 ルリルリ一人称に挑戦してみました。
 ついでに背景と文字色も。
 でも、ちょっと書き難かったですね・・・。
 一人称でお話を書くの、実は初めてだったんです。
 結構楽しかったんですが、己の筆力不足を痛感する事になりました。
 次回からは元の書き方に戻します。
 短編などでまた改めて挑戦する事にしたいと思います。
 で、今回の後書きは私一人でお送りします。
 座談会を楽しみにしていてくれた方(・・・いるのかな?いたらいいな・・・)、
 第6話ではやりますので、そちらにご期待下さい(誰か期待してて・・・)。
 さて、今日はカイト君のプロフィール、若しくは経歴について。
 B3Yや劇場版に至るまでの間、何をしていたのか、
 という事を書いてみたいと思います。

 まず、サセボ勾留が解けた後、「うずもれた『恋のあかし』」ルリルートに。
 大晦日にエリナの持ってきた話がジャンプ実験ではなく、
 新造戦艦ナデシコBへのスカウトだった。
 そこから、「思いでは『刻の彼方に』」へ移行、ルリENDに至る。
 プラントには残らず、ルリと一緒にナデシコへ帰ってきます。
 これをきっかけにして、アキトのアパートをルリと一緒に出る事に。
 アキト宅の近所の安アパートにて二人で新生活を始めます。
 (注:この時点の二人はまだ、兄妹以上恋人未満!)
 アキトとユリカのシャトル事故の後、
 正式に軍に編入される事になったナデシコBと共に二人で宇宙軍入隊。
 階級はルリはご存知の通り艦長で少佐、カイトは副長兼パイロットで中尉。
 カイトは一時期ナデシコを離れ、アキトと行動を共にしていた事もあります。
 その時にカイトの補充要員としてナデシコB配属されたのが、
 タカスギ・サブロウタ大尉とマキビ・ハリ少尉ということになります。
 カイトは火星の後継者事変の数週間前にナデシコBに戻りますが、
 サブロウタが居るのでカイトの職分は副長補佐に。
 そして、火星の後継者事変が勃発、その後・・・

 と、いうのがRWKのカイト君です。
 この設定だけでも、新しいお話作れそうですね(笑)
 そのうち、何か書いてみるかもしれません。
 後、カイト君の年齢設定ですが、ナデシコ初登場時は18歳、
 RWK開始時は16歳という事になってます。
 本編で全く年齢に触れてなかったので、ここで明らかにしておきます。
 それでは、ここまでお付き合い下さった皆様に感謝しつつ・・・、
 RWK第6話でお会いしましょう!
 最後にタイトルをどーぞ・・・

  第6話:火星に希望はあるか

  「どうして…、どうして…!僕は…守る為に…その為に…帰って来たのに…!」






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