機動戦艦ナデシコ
〜Return of the White Knight〜





第4話 合流!パイロット三人娘(後編)


サツキミドリ・第3制御室

第3制御室ではカイトが苦戦していた。
駐機場からナデシコへ戻る途中に気付いたこの場所。
抜かれればメイン動力炉までブチ抜きのシャフトを持つ部屋。
近くの武器庫から持ち出せるだけの武器弾薬を持ち出し、
カイトは一人篭城戦を挑んでいた。
ユリカなら、ナデシコクルーなら誰かが
必ず気付いてくれると信じて孤独な戦いを続けていた。
次から次へと湧き出るバッタを撃ち倒しながら
カイトにはサツキミドリ2号爆発事件の真相が見えてきていた。

(黒幕はやはりクリムゾンか…
あの時、ナデシコが掃討したバッタは爆発に
たまたま巻き込まれなかっただけのヤツ等だったんだな…)

敵の狙いが動力炉という事に駐留部隊も
気付いているのは先程無線傍受で知った。
だが、コミュニケは気付かないうちに壊してしまって
ナデシコとは連絡がとれない状態だった。

(…っ!
…そろそろ持たないか…)

弾薬が底を尽き始めてきた。
もちろんカイトは白兵戦になろうとも
ナデシコ帰還を全く諦めてはいなかったが。
その時、カイトの隠れていた物陰の横の壁に亀裂が走る。

(マジ…ですか!?
今、横からも出てこられたら…!)

カイトは壁が崩れるタイミングに合わせ横へ跳び、銃を構える。

「…エステ…!?
アキトさん!?」

『カイト!無事か!?』

壁を突き破って現れたのはピンク色のエステバリス、アキトだった。

『お〜い、俺様もいるぜぇ!!』

「ガイさん!」

『まったく、心配ばっか掛けてんじゃねえよ!
ルリ坊なんか泣きそうになってたぜ、
お前が一人で戦ってるって聞いた時にはよ!』

「…」

『そうだよ、カイト!
帰ったらルリちゃんにちゃんと謝っとけよ!』

「…了解です…」

(ルリちゃん、怒ると怖いからなあ…)

前時間軸でナデシコBに乗っていた頃、
命令無視して戦場に飛び出したカイトを待っていたのは
ウリバタケ謹製、全自動万能モップ・エステバリス仕様だった。
一人でナデシコBの外殻装甲を磨きあげ、
それが終わるまでルリが口を聞いてくれないという罰を頂戴したのだ。

(あれは堪えたよな…)

朝から晩まで延々と装甲を磨き続けた一週間。

(ま、部屋に戻ると必ず湯気を立てたままの
コーヒーがあったのが救いだったけど)

ありし日の思い出を甦らせながらカイトは思わず微笑む。
そんな感傷も響く銃声とアキトの声に流されていく。

「カイト、怪我も治ったばかりなんだ。
あまり無茶しないでくれよ」

「はい…すいません」

そう言って頭を下げるカイト。

『ま、ここへ来る途中に軍の無線で聞いたんだけど
バッタの侵攻も勢いなくなってきたって話だからさ、
もうちょっとで終わるよ…っ!
カイトっ!下がれっ!』

視界の隅にバッタを捉らえたアキト機が
前へ出てラピッドライフルを撃つ。
アキト機が放った弾丸がバッタに吸い込まれ、爆発する。

『お〜い、こっちは片付いたぜ!
どうやらコロニー内のバッタもほとんど制圧されたみたいだぜ!』

ヤマダのエステバリスが戻ってくる。

『さて!
じゃあナデシコに戻ろうか!』

アキトの言葉にヤマダとカイトが頷く。
ヤマダ機が先頭を走り、
アキト機がその手の平にカイトを乗せてナデシコへ向かう。


ナデシコ格納庫

カイト達がナデシコに戻るとクルー全員が出迎えに出てきていた。
「あ、アキトっ♪お帰りっ!」
「どわっ!?
ユ、ユリカ!
だから抱き付くなって言ってるだろ!?」
アキト出撃後にはもはや恒例行事となりつつあるユリカの抱擁。
ヤマダとカイトは顔を見合わせて苦笑いをする。

「ヤマダさん、カイトさん、お疲れ様でした」

「おう!プロスの旦那!」

ヤマダはプロスに軽く手を上げるがカイトの表情は暗い。

「…スイマセンでした。
勝手な行動をとってしまって」

「いえいえ、貴方の行動がなければ
今頃コロニーは木っ端微塵でしたからな…、ただ…」

「…?」

「何故お分かりになったのです?
コロニーにバッタがいると?」

「……今は、まだ…」

「…そうですか、分かりました。
いずれ、お話しいただけますかな?」

「…ええ、いつか必ず…」

カイトの言葉を聞き、微笑むプロス。

「さて、そろそろ新しいパイロットの方々が合流される頃ですな…
受入れの準備をしなければ…」

立ち去るプロスをヤマダは、呆気にとられて見送る。

「なんだぁ?プロスの旦那。
カイト、何の話をしてたんだ、一体よ?」

「…色々です」

「そうかよ…」

笑うカイトに釈然としないものを感じるが、
深く追求しない事にしたヤマダ。

(ま、いつか話すって言ってんだ…そん時でいいわな…。
お…?)

視界の隅にこちらに向かって歩いてくるルリを見つける。
ややまなじりを吊り上げているようにも見える。

「…じゃ、後でな」

何か起こりそうだと予感したヤマダがカイトの傍から離れる。

「ガイさん…?
どーしたんだろ?」

「…カイトさん」

「…!」

背中越しに掛けられたルリの声。
いつもより冷たく感じるその声に恐る恐る振り返るカイト。

「…」

ジッと自分を見つめるルリと目が合う。

(これは…怒ってるよね、やっぱり…)

「カイトさん…無茶しすぎです…」

ルリがボソリと呟く。

「ごめん…」

「ごめん、じゃないです!
まだ安静にしてなきゃダメじゃなかったんですか!?
それなのに一人で飛び出して!
何を考えてるんですか!?」

「はい…ごめんなさい…」

ルリの前で小さくなるカイト。

(ナデシコのエースも愛しのお姫様の前じゃ形無しだねぇ…)

カイトとルリのやり取りを見ていたウリバタケが心の中で呟く。
その後ろでは整備班員がニヤついている。

(カイトのヤツ、もう尻に敷かれてるっすね)

(あんなルリルリも新鮮でいいなぁ)

ルリに責められオロオロするしかないカイトに
助け船が現れたのはたっぷり10分経ってからの事だった。

「ルリちゃん、そのくらいにしてあげよ?」

「艦長…?」

「ほら、カイトもそんなにしょげるなよ」

「アキトさん…」

いつの間にか、二人の傍にやって来ていたアキトとユリカ。

「ルリちゃん、カイト君が無事に帰って来たから
 照れちゃってるんだよ♪」

「…」

満面の笑顔のユリカに真っ赤になって俯くルリ。
アキトも微笑みを浮かべてその様子を見守る。

「ルリちゃん、ホントに心配かけてごめんね」

「…はい」

カイトはルリの頭を優しく撫でる。
ルリは相変わらず俯いたままだったがその顔には僅かに微笑みが浮かぶ。

「班長!
 新しいパイロットと機体が着きました!」

整備班員の声が格納庫に響き、全員がそちらに注目する。
ハッチから0G戦フレームに慣装したエステバリスが入ってくる。
赤、水色、オレンジの3機がそれぞれ一機づつ
0G戦フレームを牽引している。

「オーライ、オーライ!」

誘導の声に従い、ピタリとそれぞれの
駐機スペースに入る3機のエステバリス。
その動きは正確そのものである。

「さすがだね」

「そんなにすごいんですか?」

カイトの呟きにルリがたずねる。

「え、うん。
 動作がすごく正確で無駄がない。
 良く訓練してる証拠だよ」

ルリの疑問に答えつつ、カイトはその3機から視線を外さない。

(リョーコさん、ヒカルさん、イズミさん…)

カイトの脳裏に懐かしい日々がよぎる。
ナデシコ長屋でリョーコとはほぼ毎日、
シミュレーターで腕を競い合った。
締切り前のヒカルにアキトと二人で、
時にはユリカやルリも一緒に拉致されて原稿を手伝った。
イズミには漫談ライブを延々聞かされた。
もう会えないと思っていた人に会う度、
カイトの心に暖かい想いが満たされる。

「カイトさん、パイロットの方々が降りてくるみたいです。
 行かなくていいんですか?」

感傷に浸るカイトにルリが声を掛ける。

「…え?
 ああ、そうだね、行こうか」

「ハイ」

二人は並んで歩き出す。
新しいパイロットを囲み、整備班が歓声を上げている方へ向かって。

「は〜い、1番!
 アマノ・ヒカル、18歳!
 好きなモノはピザのはしっこの固くなったところ、で〜す!
 皆さん、よろしくぅ〜♪」

「「「「「うぉぉぉぉぉっ!」」」」」

整備班からお叫びが上がる。

「班長!女の子っすよ!女の子!」

「しかも可愛い〜!」

「テンカワといい、カイトといい、
パイロットのヤツラがおいしい想いばっかしてやがったからなあ…」

「あのヤマダですら最近メグミちゃんと…」

口々に叫ぶ整備班員。
中には涙を流している者までいる。

「…バカばっか…」

その様子を見たルリがボソリと呟く。

「ハハハ…」

乾いた笑いを浮かべるカイト。
ヒカルは整備班に囲まれながらゲキガンガー3のテーマを熱唱している。

「レッツ・ゴー、パッション♪
…次、リョーコだよ!」

歌詞の合間にリョーコを促す。

「ああ、俺か!?
…俺はスバル・リョーコ。
歳は18。
特技は射撃と居合い。
以上」

「え〜、それだけ〜?
リョーコ、ダメだよ、持ち歌一曲くらい披露しないと!
宇宙の常識だよ?」

リョーコの素っ気ない自己紹介に不満げなヒカルが絡む。

「どんな常識だっ!
いいんだよ、自己紹介なんだからこれくらいで」

「「「「「うぉぉぉぉぉっ!この娘も可愛いっ!!」」」」」

再び整備班のお叫び。

「この気の強いところがまた良いっ!」

「班長、ついに俺達の時代が来ましたね!」

「ウウッ、この日をどれだけ夢見た事か…」

再び涙する整備班。

「あの〜、3人目の方はどちらに?」

着任するパイロットは3人と聞いていたが二人しかいない。
プロスがリョーコにたずねる。

「ああ?
イズミならちゃんとここに…え?」

リョーコが自分の右隣を振り返る。
そして目にしたものに絶句する。

(なあ、あれって…)

(そうだな、あれだよな…)

(そうそう、あれだ…)

誰しもが突然の展開に固まる中、一人の少女が口を開く。

「新しいパイロットさんは…"ツールボックス"さん、ですか…?」

「「「「「「…」」」」」」

誰もが"そんなハズあるか!"と心の中で突っ込む。
…が、目の前の光景に口に出せないでいる。
何とも言えない空気が格納庫を支配する中、コミュニケの着信音が響く。

「…あ、俺か」

リョーコがコミュニケを操作する。

『…リョーコ…、私よ…』

「イズミ?!
てめー、どこで何してやがる!」

『どこって、ちゃんと格納庫にいるわ…』

「はあ?」

そのやり取りに合わせ、ツールボックスがガタガタと揺れる。
全員の目線がツールボックスに集中する。

『…リョーコ…お願い…開けて…ちょっと苦しい…』

「当たり前だ、バカ!」

リョーコがツールボックスに駆け寄り、ボックスを開錠する。
バカン!という音と共に開いたボックスから
パイロットスーツを纏った髪の長い女性が伸びをしながら姿を現す。

「ハァ〜、空気が美味しい〜!」

「イズミ…おめー、なんでそんなとこ入ってんだ?
さっきまで普通にいたっていうのによ?」

ツールボックスに乗っかったままのイズミにリョーコがたずねる。

「自己紹介よ」

「「「「「は?」」」」」

リョーコだけでなくその場にいた全員の目が点になる。

「ヒカルも言ってたでしょ?
自己紹介なんだから特技の一つも披露しないと。
宇宙の常識よ?」

「あああああっ、テメーもヒカルの同類かぁ!!」

叫ぶが早いかリョーコはツールボックスを再び閉じようとする。
もちろんイズミごと。
それに必死で抵抗するイズミ。

「あああああ〜、しめないで〜、サバじゃないんだから…」

その時、風など吹かないはずの格納庫に零下の風が吹き荒れる。
そして、リョーコがぐったりと脱力する。
同じくクルー一同からも力が抜ける。

「…カイトさん、私、何だか寒いです」

「…そうだね…、僕も寒いよ、ルリちゃん…」

ぐったりしたクルーを尻目に、自分のシャレに受けたのか
一人笑い続けるイズミの声だけが格納庫に響いていた。
脱力からいち早く復活したリョーコが話題を変えようと口を開く。

「あー、ところでよ…」

辺りを見回しながら話し出す。

「『白の希望』はどこにいるんだ?」

「はぇ?『白の希望』?」

リョーコの口にした耳慣れない言葉を聞き返すユリカ。

「あー、そうそう!
 私、サイン貰おうと思ってたんだ!」

リョーコの言葉にヒカルが同調する。

「リョーコさん、ヒカルさん、何です?
 その『白の希望』とやらは?」

プロスが二人にたずねる。

「あ?
 ナデシコにいるんじゃねーのか?」

「…はあ」

「今ね、ネルガルの企業CMでやってるんだけど、
 真っ白のエステがバッタの大群をバタバタ落とすの!
 もー、ホントにカッコいいのよー♪」

ヒカルが目をうっとりさせる。

「…始めは合成だと思ったんだけど。
 あんな常識はずれの機動が出来る訳がないとね…。
 でも、ネルガルに問い合わせたらナデシコに実在しているパイロットの
 戦闘記録をそのまま使っているという事なんでね…」

イズミがヒカルの後を継いで説明する。

「で、名前を聞いてみりゃ『白の希望』だって言うからね…。
 今や地球のヒーローだよ、あのパイロットは」

「なるほどー」

ユリカは仕切りに感心して頷いている。

「で、俺達はナデシコに乗ったらソイツと会えると思ってたんでな…。
 艦長、すまねーが呼び出して貰えねーか?
 ソイツをよ」

(白いエステに常識はずれの戦闘技術…ミスター?)

(彼の事でしょうな…確かにプロパガンダ映像としてはもってこいですな…)

「そのパイロットさんでしたらここにいますよ?」

ルリがカイトを指差す。

「ほえ?
 ルリちゃん、『白の希望』ってカイト君の事なの?」

「恐らくそうだと思います。
 ナデシコのパイロットでパーソナルカラーが
 白なのはカイトさんだけですから」

「そっか!
 凄いね、カイト君!
 カイト君、ヒーローなんだって♪
 そうだよね、ナデシコで真っ白のエステはカイト君だけだもんね!
 ユリカったらお馬鹿さん、エヘッ♪」

ルリの言葉で事情を理解したユリカが満面の笑みを浮かべ、
カイトにそれを向ける。

「…艦長…バカ…?」

ルリの呟き。

「はあ…」

いきなり話の中心に持って来られたカイトは?マークを頭に浮かべ、
曖昧な返事を返す。

「こ、こいつかよ…」

「ウソ…」

「胃が悪くなる…胃に、害…意外…」

さすがに『白の希望』が自分達より年下だとは
思っていなかった三人が言葉を失う。

「カイトです。
 ヒーローって柄じゃないですけどナデシコの白いエステは僕です」

固まったままの3人にとりあえずカイトが自己紹介する。

「…とりあえず…やるっきゃねーか…?」

「そうだね、リョーコ…」

リョーコの問い掛けにヒカルが賛同する。
イズミも言葉を発さないものの異存はないようだ。

「カイト!」

「はい?」

「「「勝負!!」」」

「…え?え?」

言葉の意味を理解する間もなく3人に引き摺られていくカイト。
後に残されたクルーは呆然とする。

「何だったの、今の…?」

ミナトの呟きに答えるものは誰一人としていなかった。
「…とりあえず艦長、パイロットも機材も届いたようですし、
 出航しましょうか…?」

「…あ、はい!
 それじゃ皆さん、出航しましょー」

ユリカの掛け声とともにクルーが持ち場へ散っていく。


ナデシコ・トレーニングルーム

サツキミドリを出航してから暫く、
プロスはトレーニングルームの前を通り掛かった。

「…おや?」

「ハアッ!ヤアッ!セイッ!」

中から気合いとともにサンドバックを打つ音が聞こえる。

(どなたが訓練されているのでしょう?)

完全に興味本位であったが、
サンドバックを打つ音が思いのほか優れていたので中を覗く。
しかし、その音には僅かだが迷いが感じられた。
中で一心不乱にサンドバックを打っていたのは
グリーンの髪をした女性、リョーコだった。

(はて…リョーコさんはカイトさん達とシミュレーターへ行かれたのでは?)

カイトが新参パイロット三人娘に拉致されるように
シミュレーターへ行ってから2時間も経っていない。

「誰だっ!
…ってプロスさんかよ」

プロスの気配に気付いたリョーコが鋭い視線を向けるが
見知った顔と知って表情を和らげる。

「ああ、これは失礼しました。
良い音を響かせておられたのでつい…」

「へへっ、そっか…。
ありがとよ」

良い音と誉められたリョーコが笑顔になる。

「そういえばシミュレーターの方はもう終わられたのですか?」

プロスのその言葉に笑顔だったリョーコの顔が曇る。

「…終わったよ」

「…?
…どうかなさいましたか?」

リョーコの様子を不思議に思ったプロスがたずねる。

「…カイトの野郎…。
ありゃあ、化け物だ…」

「…」

よく見るとリョーコの肩が小刻みに震えている。

「…俺達3人はネルガルでも最強のテストパイロットだった。
連合軍の教導部隊に勝った事だってある…」

無論プロスもその事は知っている。
だからこそ彼女達をナデシコにスカウトしたのだ。

「…でも、俺達はアイツに一発掠らせる事すら出来なかった…!
それどころか3対1のハンデ戦でも俺達は2分と持たなかった…!
アイツはナイフ一本装備してただけなのに…!」

リョーコが膝から崩れ落ち、床を激しく叩き付ける。
自分が地球圏で最強だ、とは思ってはいなかったが
それに近い位置にいるとは思っていた。
しかし、自分より年下の少年に圧倒的なまでのレベルの差を見せ付けられた。
自分が人に唯一誇れると思っていた事で子供扱いされた事が
彼女のプライドを傷つけていた。

「…ちくしょう…ちくしょう…!!」

「リョーコさん…」

確かにカイトの操縦技術、戦闘センスが
ずば抜けたレベルにある事はプロスも承知していた。

(…まさか、これほどとは…)

改めてカイトの強さに驚くプロス。

「…どんな訓練したらあんなレベルまでいけるんだよ…。
 …プロスさん、教えてくれ…。
 カイトは…、カイトは一体何者なんだ…?」

俯いたままリョーコがプロスに問い掛ける。

「カイトさんが何者なのか…私もそれは知りません。
 地球出航の日、突然ナデシコに現れ、
 それからはナデシコの為に戦ってくれている…
 そして彼に命を救われた方は大勢います。
 貴女もその一人ですよ、リョーコさん」

「俺も…?」

「サツキミドリで最初にバッタを発見し、
 第3制御室を守り抜いたのはカイトさんです」

「なっ…!?
 …そうか…カイトのヤツが…」

リョーコ達もサツキミドリ内での戦闘に参加していた。
戦闘が終わった後で、メイン動力炉に直結しているシャフトを
守った人間がいたという話しは聞いていた。
生身でバッタに立ち向かうなんて芸当はとても自分にはできないと思い、
リョーコは顔も名も知らぬ命知らずに感謝した。

(ソイツが…カイトだってのかよ…
 まだ…ガキのクセに…なんて野郎だ)

呆然とした表情を浮かべるリョーコにプロスが続ける。

「カイトさんは何か大切なモノを守る為に
 ナデシコに乗ったとおっしゃっています。
 自分の力はその為に必要な力なのだ、とも」

「大切なモノを…守る…?
 その為に…必要な力…」

プロスの言葉を繰り返すリョーコ。

「はい。
 カイトさんはとてもお優しい方です。
 恐らく、戦う事も本当はお嫌いなのでしょう…。
 ただ戦うのではなく、何かを守る為に戦う、
 そう言った方はお強いものです」

「…」

(…何かを守る為に…戦う…。
 俺だって…そうだ)

今及ばないならこれから追い付けばいい、追い越せばいい。
目標となる少年は未だ背中も見えぬ程遠いが。
リョーコの瞳に意志が宿るのを見たプロスは満足そうに頷く。

「おお、これはいけません。
 つい長話をしてしまいました。
 トレーニングのお邪魔をしてしまいましたな」

プロスはコミュニケの時計を見て大袈裟に驚いて見せる。

「いいよ、それぐらい。
 …プロスさん、ありがとな…」

リョーコは照れ臭そうに後ろを向くとプロスに礼を言う。

「いえいえ…、では」

そう言ってプロスは一礼し、トレーニングルームを出ていく。
プロスが暫く歩いた所で再びリョーコの気合いが聞こえてくる。

「ハアッ!ヤアッ!セイッ!」

(迷いが消えてサンドバックを打つ音も格段に良くなりましたね…
 これからが期待できそうですな)

プロスは一人、心の中で呟く。

(…それにしても…カイトさん…貴方は…不思議な方ですな…。
 今のリョーコさん然り、そしてテンカワさんといい、ルリさんといい…
 貴方と関わる方達は皆強くなろうとなさる…)

プロスはその優しげな笑顔を思い浮かべ、微笑みを漏らしその場を去った。


ナデシコ・カイト私室

照明を落とし、暗いオレンジの室内燈の明かりの中で
カイトは物思いに耽っていた。

(『白の希望』か…)

リョーコ達から聞いた言葉。
自分が今、地球では英雄扱いされているらしい。

(フフッ、とんだ勘違いだ…。
 僕は地球の為になんか戦ってはいないのにな…)

自嘲気味の笑いを漏らすカイト。
白の希望−その言葉を聞いて思い出す、
前時間軸で与えられた二つ名、"絶望の白"。
静かに目を閉じるカイト。


ルリが自らの腕の中で息を引き取った後、
カイトは復讐の修羅となった。
ナデシコBを落とし、ルリの命を奪った艦隊を壊滅させて仇を討った後、
カイトは火星の後継者の残党狩りを行った。
アキトの残したユーチャリスに乗り、宇宙をさ迷い、
残党を見つける度に全滅させていった。
そこに命の一欠けらも残さぬように。
やがて混乱の収まり始めた新地球連合と統合軍は
己が身中に火星の後継者を飼っていた事で失墜した信頼回復の為、
スケープゴートを探し始めた。
その時、目をつけられたのが
今はほとんどのクルーがいなくなってしまったナデシコだった。
カイトはその理由を知るに至り愕然とした。

『ナデシコが先の大戦末期に遺跡をボソンジャンプさせて
 連合の管理外に飛ばしてしまった事が
 今回の事件のそもそもの原因である。
 もし速やかに遺跡を連合に渡し、その管理下に委ねておれば、
 火星の後継者というテロ組織は現れなかったと予測される。
 また必然的にテンカワ・アキトという希代のテロリストを生む事もなく、
 多くの民間人が犠牲になる事もなかったであろう』

この声明が新地球連合事務総長、統合軍総司令の連名で発表された時、
カイトは目の前が真っ暗になるのを感じた。

(コレハ、一体何ナンダ?)

自分達が政治の道具に利用しようとし、実は利用されていた。
それを隠す為に彼の居場所を、家族を汚すのか?

(何故、なでしこガソノ責メヲ背負ワナケレバナラナイ?)

記憶を失ったカイトに取ってナデシコは唯一の帰るべき場所であり、
クルーは彼の家族だった。

(彼等ハ遺跡ガ再ビ争イヲ引キ起コサヌヨウニシタカッタダケデハナカッタノカ?)

ナデシコの皆が戦争の道具にならない事を願い、
飛ばした遺跡を勝手に回収し、利用したのは政治ではなかったか。

(ソノセイデアキトハ"黒い王子"ニナッタトイウノカ?
 アノ苦シミは自業自得ダトイウノカ?)

カイトの心に再び炎が燻る。
復讐の黒い炎ではなく、帰る場所を、家族を、
そしてカイトの数少ないが煌めくような"思い出"を
踏み躙った者達のへの憎悪の紅い炎が。

(許サナイ…絶対ニ許サナイ…)

カイトは火星のコロニーへユーチャリスを向ける。
先の大戦が終結し、再び入植の始まった火星。
カイトにとって、それはナデシコクルーの血の上に建てられた
悪趣味なモニュメントのように思えた。

(…全部…無クナッテシマエ…)

コロニーの近くで、ユーチャリスから純白のエステバリスが飛び立つ。
その両手に抱え切れない程の絶望を捧げ持ち、赤い星に"それ"を振り撒く為に…


カイトは閉じていた目をゆっくりと開く。
目に写るのは破壊の限りを尽くされ、
生命の痕跡すら残されていない廃墟のコロニーではなく、
この一ヶ月足らずの間に見慣れたナデシコの自室の光景だった。

(…そして、ユーチャリスと白いエステバリスは
 火星にあった四つのコロニー、ヒザゴプランの残された
 ターミナルコロニー六つの全てを完全破壊…。
 どの現場からも生存者は一人として見つからず、
 犠牲者は百万単位の規模と推測される。
 救難信号を出した脱出ポッドや
 非武装の民間シャトルですらも容赦なく落とされた。
 新地球連合並びに統合軍はこの事態を重く見て
 第一、第二艦隊を派遣するが壊滅、
 目標をその船体色、機体色から"絶望の白"と命名、
 最優先破壊目標と設定し、指揮下にある艦隊を全力投入する…)

カイトは他人事のように思い浮かべていた回想を打ち切り、溜息をつく。

「…復讐者になったアキトさんを止めようとしていた僕が、
 結局アキトさん以上の復讐者になってしまった…皮肉だな…」

誰もいない空間に向かって呟き、再び回想に浸ろうとするカイト。
しかし、ドアをノックする音と呼び掛ける声が意識を現実に引き戻す。

『カイトさん、ルリです。
 …いらっしゃいますか?』

どこか遠慮がちに響くルリの声。

「開いてるよ」

カイトの返事を聞いたルリが部屋に入ってくる。

「や、ルリちゃん、いらっしゃい…って、え?」

カイトはいつものように微笑みを浮かべルリを出迎える。
しかしルリの恰好を見て目を丸くする。

「ルリちゃん、その服どーしたの?」

ルリはいつも着ているナデシコの制服ではなく、
淡い水色のワンピースを纏っていた。
銀の髪と金の瞳がより一層引き立ち、
少女らしい可愛いらしさの中に、どこか大人びた雰囲気を漂わせたルリの姿。
その姿を見たカイトの鼓動が高鳴る。

「今日、ミナトさんとメグミさんに付き合って貰って買って来ました…。
 あの…似合ってますか…?」

「…」

カイトは何も答えず、ただルリを見つめる。

「あの…カイトさん?」

黙ってしまったカイトにルリが不安げに呼び掛ける。

「あ、ゴメン、ゴメン。
 …うん、良く似合ってる♪
 可愛いよ、ルリちゃん」

「…あ、ありがとうございます…」

カイトの言葉を聞き、ルリは顔を真っ赤にして綻ばせる。

「…あ、そうだ」

何かを思いついたようにカイトがベッド脇のサイドテーブルにおいていた紙袋を手に取る。

「ルリちゃん、ここに座って?」

「…?」

カイトに手招きされ、素直に近くに行くと椅子に座わらされる。

「ちょっとゴメンね…」

ルリの背後に回ったカイトが謝ると髪を纏めていたゴムを取られる。

「!?」

突然髪を解かれたルリは驚き、振り向こうとするが
カイトにやんわり押し止められる。

「ちょっとジッとしててね…」

そう言うとカイトはルリの髪を再び纏め始める。
始めは不安だったが予想外に手際良く髪を
纏めていくカイトにルリは安心する。
そして同時にある疑念がルリの中に芽生える。

「カイトさん、随分慣れてるんですね…。
 誰かにしてあげた事あるんですか?」

少しキツメの口調で問い掛けるルリ。

「…ん?今が初めてだよ」
(前時間軸で二人で暮らしてた頃は毎晩僕が纏めさせて貰ってたからね…)

心の中で本心を呟き、ルリの質問に答える。
ルリの髪をたくさん触りたいという理由で始めた事だったが
毎日の訓練の結果、ルリ本人が纏めた時と大差ないように仕上げる事が
出来るようになっていたカイトだった。

「よし、完成♪」

カイトがルリの頭をポンと叩く。

「…?」

振り向き、?マークを浮かべるルリにカイトが鏡を差し出す。
鏡を覗き込んだルリはカイトが髪を纏め直した理由にすぐに気付く。

「…水色のリボン…」

ルリの髪を纏めていたのは普段使っている
赤いプラスチックのボールの付いた髪止めではなく、
ワンピースと同じ色のリボンで纏められていた。

「うん、やっぱりこっちの方が合うな」

満足げに頷くカイト。
だがルリはある事に気付く。

「でもカイトさん、こんなリボンいつの間に?」

"僕の私物だよ"という答えが真顔で返ってきそうだと思うルリ。

「サユリさんに頼んでね…サツキミドリで買ってきて貰ったんだ。
 せっかく寄港するんだから何かルリちゃんにプレゼントしようと思って」

"でも似合って良かった"と笑うカイトを見て、ルリも微笑む。

「で、ルリちゃん、何か飲むかい?」

「ハイ」

「ホットミルクでいい?」

「お願いします」

ルリの返事を確認するとカイトはキッチンへと向かう。
その後ろ姿を見送るルリの顔は冴えない。
ルリはカイトが英雄と呼ばれるのを嫌がる事は知っている。
そしてその事を絶対に他人の前では言わないであろう事も。

(この人は何故いつも笑っていられるのだろう?)

鼻歌まじりに飲み物を作るカイトを見てルリは思う。
カイトは常に自分の身を危険に晒してナデシコを守っていた。
そして必ず笑って帰ってきた。
それでも、その笑顔はどこか悲しそうに見えた。
別次元の強さを持ちながら、その力を忌避しているカイト。

"でも、それでも戦い続けるのは何故?"

カイトの背中にルリは無言で問い掛けるが答は返ってこない。
ジッと見つめるルリの視線に気付いたカイトが振り向く。
カイトはルリと目が合うとニッコリと微笑む。
カイトが笑うとルリは顔を赤くして慌てて俯く。
しかしカイトは俯くまでルリが浮かべていた表情をしっかりと捉らえていた。

(今日の事、心配して来てくれたんだな、ルリちゃん…)

視線をキッチンに戻し、今の自分がルリを
慰めてやれる術を持たない事を歯噛みする。
全てを話してしまえばどんなに楽になれるだろう。
だが、それは歴史を変えるという重荷をルリにも背負わせる事になる。
未来を知っている−
それはこの世界の中で自分が異邦人であるという
絶対の孤独感を味わう事に他ならない。

(この痛みを背負うのは僕だけでいい…)

ともすれば吹き出しそうな激情を笑顔で包み隠し、
出来上がった飲み物を持ち、ルリの待つテーブルに戻る。

「お待たせ、ルリちゃん。
 熱いから気をつけて」

「ハイ、ありがとうございます」

互いに飲み物に口を付ける。

「ね、ミナトさん達とどんな所へ行ったの?」

「あ、ハイ、今日は…」

カイトはルリに今日の買い物の事をたずねる。
ルリは初めての買い物の感想やミナトとメグミに
着替え人形にされた事を説明する。
互いに今日の戦いや『白の希望』には触れないように注意を払いながら。

「…そう言えば、私、不思議に思った事があるんです」

「どんな事?」

ルリはカイトにミナト達が買い物をしている様子がないのに
荷物が増えていた話をする。
その話を聞いたカイトは頬を引きつらせる。

「ま、まあ女の人の買い物は良く分からないな…僕、男だし」

カイトの脳裏にルリの機嫌を損ね、
ご機嫌を取ろうと荷物持ちを申し出た時の記憶が甦る。

(…あの時のルリちゃんも、いつの間にか荷物が増えていってたもんなぁ…
 買ってきたもののなかに漬物石とか鉄アレイがあったのにはビックリしたけど。
 …あれ、ちゃんと使ったのかなあ…?)

「そうですか…、カイトさんにも分からない事ってあるんですね」

ルリが意外だ、というような表情をする。

「…ルリちゃんも後2、3年もしたら
 分かるようになるんじゃないかな、きっと…」
(なんてったって実体験だからね、僕の…)

カイトは乾いた笑顔を浮かべる。

「そういうものでしょうか?」

「そういうものだよ…」

とりあえず納得した様子のルリ。
不意に沈黙が訪れ、カイトが時計に目をやる。
時刻は既に深夜に差し掛かっている。

「…もういい時間だね。
 今日はこれくらいにしておこう?」

そう言ってカイトはルリを促し、席を立つ。

「ハイ」

ルリもそれに習う。
そしてカイトが隣のルリの部屋まで送る。

「それじゃ、おやすみ、ルリちゃん」

「ハイ、おやすみなさい、カイトさん」

「…」

「…」

普段ならどちらともなく振り向き、部屋に戻るが
今日に限って互いにその気配がない。

「…ルリちゃん、今日はありがとね…」

先に口を開いたのはカイトだった。

「僕の事、心配して来てくれたんでしょ?
 凄く嬉しかった…」

「…別に…それほどでも…」

ニッコリと笑うカイトを直視出来ず、俯くルリ。
優しくルリの頭を撫でるカイト。

(今はこのコが傍にいてくれた…その事に感謝を)
「じゃ、今度こそホントにおやすみ♪」

「ハイ…おやすみなさい」

そう言い残し、ルリは部屋のドアを閉じる。
ドアの前に立っていたカイトはルリの足音が遠ざかる事を
確認してからドアにそっと額を当てる。

「…ルリちゃん、今日はホントにありがとう…
 …大好きだよ…」

今すぐにも伝えたいこの想い、されど未だ時は至らず。
カイトの想いを込めた呟きは夜のしじまに秘やかに流れ去っていった…


 続く・・・


 後書き

村:ども、村沖和夜です。

ル:どうも、ホシノ・ルリです。
  …何ですか?
  この『白の希望』なんてベタベタのベタすぎる二つ名は?

村:あはは…、やっぱベタですかねえ?
  ネルガルがプロパガンダに付けた二つ名ですから、ベタを狙ってみたんですが。
  営利企業なんでシンプルなものになるんではないかなー、と。
  後、『白の絶望』と対にしたかった、というわけです。

ル:プロローグの後のお話ですか。
  …それにしても無茶苦茶やってますね、カイトさん。
  まあ、それだけ私に対する愛が深かった、という事ですね♪

村:…自分が書いてていうのも何ですが、はた迷惑な愛ですね。

ル:(ギロリ)…何か文句でもありますか?

村:(ガタガタ)…ご、ございません。

ル:でも、このシーンは初期プロットとは違ってますね。

村:そうですね。
  最初は独白ではなく、ユーチャリスVS統合軍艦隊、
  火星のコロニー襲撃を描写してたんですが、
  それだけでお話1本分ぐらいの量になっちゃったものですから。
  しかも、虐殺の描写ばっかり…。
  仮に、映像化したらそういう意味で18禁指定間違い無しの。
  読んでて気持ちのいいものでもないので、
  カイトの独白に纏めるという形にしました。
  自分ではこの方が雰囲気が出るかな、とも思ったので。
  …まあ、読んでみたいという人が多ければ公開する事も考えますが。

ル:フムフム…(没ネタを読んでいる)
  …これでもまだ第0話には繋がってませんが?

村:RWKのプロローグ自体が劇場版アフターのお話の中の1部分ですから。
  もし、公開することになればそれらを全部纏めて、という事になりますね。

ル:それは、私が主役のお話ですね!?

村:そうなりますな。
  …ただ、中盤でああなりますが。

ル:実は私が生きていた、という形にして今すぐに公開しなさい。
  そして、最後はカイトさんとラブラブに…クスクス…

村:…貴女が生きていたらRWKが意味なくなっちゃうじゃないですか…。
  拙作でも楽しみにしてくれている方がいらっしゃるので
  尻切れトンボで終わらせる訳には参りません。

ル:…チッ。
  確かに読者の皆様は大切にしなければなりませんね…。
  今すぐの公開は諦めます。
  でも、それでは私の気が収まりません。
  (ガシャン!

村:そ、その手にあるのは…まさか!

ル:そうです。
  これも、カイトさん専用…

村:わー!わー!わー!!
  前編と同じ事を後編でもしないで下さい!

ル:クス…いいじゃありませんか、別に。
  …死ね!この腐れ外道!!(ドゴォォォォォン!!!

村:よくないです!って…グハッ…!!(バタリ)
  …いいのか、こんなの続けてやっても…(ピクピク)

ル:さて、腐れ外道も始末しましたし…。
  ここまでお付き合い下さった皆様、
  ホントにありがとうございます♪
  では、次回は皆様お待ちかね!
  ホシノ・ルリサーガ3部作第1弾です。
  RWK第5話『ルリのナデシコな日々』でお会いしましょう!
  それから、プロローグにタイトルをつけてやるぞ!という方が
  いらっしゃいましたらコメントに是非書き込んでやって下さいね。
  ホントに採用させていただきますので。
  では、タイトルをどーぞ…

   第5話:ルリのナデシコな日々

    「カイトさん、貴方の見る夢が優しき夢であらん事を…」

村:…また僕のセリフを…(ドゴォォォォォン!!!
  …オチまで一緒かい…(バタリ)






[戻る][SS小ネタBBS]

※村沖 和夜さんに感想を書こう!
メールはこちら[kazuya-muraoki.0106@hotmail.co.jp]! SS小ネタ掲示板はこちら


<感想アンケートにご協力をお願いします>  [今までの結果]

■読後の印象は?(必須)
気に入った! まぁまぁ面白い ふつう いまいち もっと精進してください

■ご意見・ご感想を一言お願いします(任意:無記入でも送信できます)
ハンドル ひとこと