二人の思いは・・・・・ |
注意:この作品は〜オリジナルストーリー〜とは無関係ですのでよろしく・・・。
私は明日ある事を伝えようと決心しました。 突然、ナデシコに跳んできた、今では家族同然のあの人に・・・・。 この事を伝えようと決めたとき、正直、私は不安でした。 今、私は四人で暮らしています。元々この家の住人テンカワ・アキトさん。そのアキトさんとの結婚を許してもらえず家出してきたミスマル・ユリカさん。 私はユリカさんに連れられて居候させてもらってます。 そして、ある日突然、ナデシコに跳んできた16、7歳くらいの少年。拘留後、帰る場所のなかった彼はアキトさんにと一緒に暮らすこととなった、この家の住人テンカワ・カイトさん。 カイトさんはナデシコに跳んできたとき記憶喪失だったのでユリカさんがつけた名前です・・・・もと飼っていた犬の・・・・。 そして、姓はアキトさんが上げたものです。名前がないと困るだろうから記憶が戻るまででもいいし、戻ってからでも使っていいからと言って貰ったそうです。 私、ホシノ・ルリはカイトさん同様、帰る場所がないので色々やった結果ユリカさんに引き取られる事になりました。 12月24日 クリスマス・イヴ。 ついに、私はあの人に伝える日が来ました。好き・・・と。 何時言おうか迷いましたが毎日、晩御飯を食べた後いつも行くあの丘で言う事に決めました。今日と明日は屋台、お休みですからね。 「カイトさん。起きて下さい。朝ですよ」 「う・・・ん・・・」 朝。いつも通り、押入れで寝ているカイトさんを起こします。私たちの所為で押入れで寝る事になったんですから、これくらいはしないとと思って始めたのが切っ掛け。今では、朝の日課です。 「起きて下さ〜い。カイトさ〜ん」 「ん・・・ううん・・・・お早う、ルリちゃん・・・・」 そして、いつも通りニコッと微笑んで起きるカイトさん。 「お早うございます。カイトさん。顔、洗ってきてください」 「うん!」 いつもと変わらず元気良く押入れから出てきます。 「ほい、カイト」 いつもみたいにタオルを渡すアキトさん。 「ありがとうございます。アキトさん」 それを受け取るカイトさん。二人は髪型など似ているためまるで、兄弟みたいです。戸籍上、兄弟ですけどね。 「アキトー。お味噌汁、これ位でいいかな?」 「どれどれ、うん、丁度いい。うまくなったじゃないかユリカ」 「アキトが教えてくれてるんだから、当たり前だよ〜♪」 台所から聞えてくる二人の会話。新婚カップルみたいです。似たようなものですけど。 「ふう〜、サッパリした〜」 顔を洗いに行ったカイトさんが帰ってきました。 「改めて、お早う、ルリちゃん♪」 「はい、お早うございます、カイトさん」 また、これもいつもと同じ事。顔を洗いに行った後、カイトさんはまたあいさつをします。 「二人とも、朝ごはん出来たよ」 いつも通り朝ごはんを食べ終えた後、今日はアキトさんは雪谷食堂でお手伝い。ユリカさんは軍でお仕事。私とカイトさんは屋台のお手入れです。 「さて、今日の手入れは終わり!家に戻ってゆっくりしよう」 「はい」 二人はお仕事に行っているのでお昼は、私とカイトさんだけです。お昼ごはんには戻ってきますけどね。 家に戻っても、する事がありません。どうしようかな? しばらく家でお茶を啜っている時です。 「あ!しまった・・・今日、買うものあったんだ。ちょっと、行ってくるね」 「私も行ってもいいですか?」 いつもなら「いいよ」と言ってくれるんですが、今日は違いました。 「ゴメン、今日は一人で行きたいんだ。すぐ帰ってくるから!また、今度一緒に行こう!」 「え?あ・・・・」 あっという間にカイトさんは行ってしまいました。 ・・・・どうして?急に不安が押し寄せてきました。どうして?なんで?私はしばらく自問自答をくり返していました。 一時間ぐらいたった頃でしょうか?ユリカさんが帰ってきました。 「ただいまー!」 相変わらず元気のある声です。 「あれぇ?ルリちゃん一人?カイトくんは?」 「今日は速いですね、ユリカさん。カイトさんなら、買い物に行きましたよ」 「ルリちゃんを置いて?珍しいね」 珍しい・・・・そうかもしれない。いつも連れて行ってくれたのに・・今日に限って・・・・・どうして? 「あっ、そう言えば今日だっけ?」 「はい・・・・」 ユリカさんだけは知っている。今日、私がカイトさんに伝えたい事を・・・。 「大丈夫だよ。カイトくんだって同じだよ。きっと」 「・・・・怖いです・・・・もし、違っていたら・・・」 「それは、誰だって怖いんだよ、ルリちゃん?」 それから、カイトさんが帰ってきたのは30分後の事でした。 そして、ついに夜が来ました。 「ルリちゃん、またいつもの所にに行くんだけど一緒に行かない?」 「・・・・はい」 私の心の中は不安でいっぱいでした。 いつもの丘、町が良く見えるくらい結構高いところにあります。 最初、カイトさんに連れてこられた時はビックリしました。 人もここに来ると誰もいません。いつも、来るときはカイトさんと一緒で二人っきりでした。 ここでなら伝えられる・・・・二人だけの場所だから・・・・・・。 でも、今は不安で、言えるかどうか分かりません。 「やっぱり、ここに来ると落ち着くね」 「・・・そうですね・・・」 風が冷たい・・・・もう少し厚着して来るんだったな。 「・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・」 いつもならどちらからともなく喋り出します。でも、何故か今日だけはカイトさんも喋りません・・・・・怖い・・・・どうして喋ってくれないんですか、カイトさん? それに、今日はいつもより出る時間が遅かったです。何時行こうと誘ってくれるのか不安になりました。もしかして、今日は行かないんじゃないかとも思いました。 私から話そう・・・・自分から言わなきゃ・・・。 「ルリちゃん・・・」 私が話そうとしたとき急にカイトさんが口を開きました。 「・・・・はい・・・」 なんだろう?何を言うつもりなんだろう? 「僕ね、四人で一緒に生活してきて思ったことがあるんだ・・・」 「・・・・・・・」 「皆で一緒に屋台引いて・・・・皆で一緒にご飯食べて・・・・・・この2ヶ月短いけれど色んな事があったよね・・・」 「・・・・はい・・・」 「長屋でもたくさんのことがあった・・・」 「・・・・・はい・・・・」 「その全ての出来事に・・・・ルリちゃん・・・・君がいた・・・・・」 「え?・・・・」 「・・・・ルリちゃん・・・僕は・・・・・君が好きだ・・・・・。だから・・・・・付き合ってほしい・・・・」 「・・・カイト・・・さん・・・・」 「・・・・・どうかな・・・・・・?」 私と・・・・・同じ・・・・・彼も・・・・私が彼を想っていたように・・・・・彼も私の事を想っていてくれていた・・・・。嬉しい・・・・・・・!不思議と涙が溢れてくる・・・・。 「・・・私も・・・あなたの事が・・・・好きです・・・・」 そして、私は涙を零した。 「ルリちゃん・・・・」 そう言うとカイトさんは私のことを優しく抱き締めてくれた。 「・・・カイトさん・・・・私も・・・・今日・・・同じ事・・・言おうとしてたんですよ・・・」 「良かった・・・・・断られないか・・・怖かったんだ・・・・」 「一緒です・・・・私も・・・怖かったです・・・」 よかった・・・・一緒だったんだ・・・・。 「あ、時間・・・少し、過ぎちゃった」 「え?」 すると、カイトさんはポケットから何かを取り出しました。カイトさんの手にはリボンのついた手のひらサイズの小箱がありました。 「ハイ!ルリちゃん」 「え?私に・・・・ですか?」 「うん!」 どうして?今日、何かあったっけ?・・・・・・・・あ!今日は・・・・クリスマス・イヴ・・・・・・。 どうしよう・・・・今日の事でいっぱいでプレゼント・・・・・用意してない・・・・。 「どうしたの?」 「そ、その・・・私、今日のことでいっぱいでプレゼント・・・・用意してないんです・・・」 「仕方ないよ。それに買いに行く時間も無かったしね」 「でも、カイトさんは何時?」 「今日。お昼出掛けたでしょ?そのとき買いに行ったんだ」 カイトさんは、ちゃんと買いに行ったのに私は・・・・・何やってるんだろう?バカ・・・・。 「取り敢えず開けてみてよ。似合うと思うからさ」 「あ、はい」 リボンを解いて外装を外して蓋を開ける。中にはキレイなペンダントが入っていました。 「ルリちゃんと同じ名前の宝石が埋め込まれてるペンダントなんだ」 「あ、ありがとうございます・・・・・・!」 嬉しい・・・・今はもうそれしか出てこない・・・・・嬉しい・・・! 「あ、それとね、言い忘れてたんだけど・・・」 「はい?」 「今はもう、25日だよ・・・・」 「え?ん・・・・・」 振り向いた途端、カイトさんの顔が近くにあって・・・・キス・・・・されちゃいました・・・・。 ゆっくり目を閉じてカイトさんを感じました。 少しして顔を離すとカイトさんはこう言いました。 「メリークリスマス、ルリちゃん・・・・」 「メリークリスマス・・・・・カイトさん・・・」 そして、またゆっくり顔を近づけて・・・・・・・・。 繋がりました・・・・・。カイトさん・・・好きです・・・・・・・愛してます・・・・・。 あとがき えー初めて砂糖に挑戦しました。いかがでしたでしょうか? 書いてて思ったんですけど、難しいですねー。 最後の方は少し悩みました。どうやってこの展開まで持っていこうかなーとか、ホント難しいですねー。 ではこれからも精進したいと思いますのでよろしくお願いします。 〜オリジナルストーリー〜もよろしくお願いしま〜す。 誤字脱字感想メール待ってます。
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