機動戦艦ナデシコ         〜オリジナルストーリー〜       第一話『旅立ち』後編



ーブンッー
リシアンサスとエステバリスのアイカメラが光る。

「敵の数は約二百です」
「「了解」」
承諾の声と共に二手に分かれる。

リシアンサス=カイトのいた研究所でカイト専用機として独自に開発された機動兵器でボディを覆う天使の様なウイングに肩に装備されているグラビティ・カノンが特徴。
動力は小型の改良型相転移エンジン。地上でも真空でも無尽蔵にエネルギーを取り出せる。ナデシコの相転移エンジンより遥かに優れているがブラックボックスとなっているため解析不能。さらに解析しようとすれば自爆プログラムが作動する。
武器は頭部バルカン グラビティ・カノン 巨大ブレード
イミディエットナイフ 腰に付いている固定型ラピッドマシンガン。
戦闘時にウイングが背中へと移動する。
また、幾つかの多彩な装備がある。

ディストーション・フィールドはエステバリスより若干弱い。
ちなみにカイト以外が乗ると処理落ちを起こし気絶する。


アキトは最初手間取っていたがルリの指示により保っている。
「へへ、俺って結構やれるじゃん・・・でも今更・・・」
何か思い出したように後悔をしているアキトにミサイルが降り注ぐ。
「っは!うあ、うわあぁぁぁ!」
「そうだ!アキトだアキト!ってアキト?アキト!」
次々とテンカワ機にミサイルが直撃していくように見えたがいつの間にかにリシアンサスが全てのミサイルを叩き切っていた。
「大丈夫ですかアキトさん?やられていませんね?」
「あ、ああ。おかげで助かったよ」
テンカワ機にもカイト機にも被弾は無かった様だ。
「アキト無事?よかった!それでこそ私の王子様だね!カイトくんもありがとう。アキトを守ってくれて♪」
いきなりユリカが王子様などと訳の分かんない事を言い出した。アキトはそこにユリカがいる事が信じられなかったようだ。
「ユ、ユリカ?!何でお前がそこに?」
「今それどころじゃないですよ!速く合流地点に向かいましょう」
「わ、わかった」
カイトが会話に割り込み中断。アキトに催促をする。
「ナデシコ合流地点に到着」
「分かりました。浮上してください」
「は〜い。ナデシコ浮上っと」
ナデシコが浮上を始めたのと同時にエステバリスとリシアンサスが合流地点に到着、海際で応戦している。
「二人とも海に向かって飛んで」
「飛んでって沈んじゃうだろ!」
「良いから飛んで!」
「くそ!こうなったらっ!」
エステバリスが飛んだ。でも陸戦フレームだから沈むはずだが・・・・。
「ナデシコ、海上に出ます」
ナイスタイミングと言うところでナデシコのブリッジの上にエステバリスが着地。
「敵残存兵器、グラビティ・ブラスト有効射程距離内に全て入ってます」
全て計算通り。
「目標。敵まとめて、ぜ〜んぶっ!」
見事に敵を全て破壊。死傷者も無くナデシコの初陣は大勝利で収めた。
「おお、素晴らしいですなあ」

「そんなバカな」

ブリッジから悲喜こもごもの歓声があがった。

空が、無数の爆発で埋めつくされ、天の川みたいに輝く。

「認めないわ、偶然よこんなの!」と喚いてるキノコの事なんか誰も気にしていない中パイロットの二人が帰ってきた。

「ただいま帰りました」

カイトが最初に入ってきて後ろからアキトがやってくる。

「お疲れ様でしたカイトさん、テンカワさん。いや、見事な囮っぷりでしたよ」

「アキトッ!!」

「どうなってんだよ、これ。おい、ユリカおまえは・・・・・」

「ありがとうアキト。また、私を助けてくれたのね」

「別にお前を助けたわけじゃ・・・・・って、そうじゃない。何で、おまえそんなとこにいるんだよ。これって、軍艦だろ」

「うん。ユリカは、このナデシコの艦長さんなのだ。エッヘン」

艦長が腰に手をあてて、いばったポーズ。何が偉いんだか知らないけど。

「アキトこそ、どうしてここに?そっか、愛の力でユリカのピンチが分かったのね」

「バッ、バカ。俺はただ、おまえに聞きたい事があってだな」

「私に聞きたいこと・・・・・そんな、聞かなくても分かってるくせに♡」

「ちがーうっ!」

まったく、うるさくてやかましいお二人。

「あっ、そういえば自己紹介がまだでしたね。僕はカザマ=カイト、13歳。今日からナデシコのパイロットです。よろしくお願いします。」

「私、操舵士のハルカ・ミナト。ここに来る前は社長秘書だったんだ。よろしくね、カイトくん」

と、ミナトさんはウインクを一つ。

「はじめまして、カイトくん。私、メグミ・レイナード。ナデシコの通信士。ここに来る前は声優やってたのよ。『メグたんとウサたん』とか『歌え!髭男爵』とか『魔女っこプリンセス ナチュラルライチ』とか見てなかったかな?

「すいません・・・・僕、アニメって見た事がないんです」

「あ、そうなの・・・・・ルリちゃんと同じなんだ」

がっかりした様子でメグミさんが言った。

「生まれた所は違いますけど、基本的に同じような事をしてたと思いますよ」

きっとそうだ研究所で勉強させられコンピューターとアクセスしてたと思う。僕だけは戦闘タイプとして特殊に戦闘訓練、専用機開発、設計をしていたけれど多分そんなところだ。

「あなたもマシンチャイルドなんですね」

(でも、マシンチャイルドとして完成したのは私だけといわれている・・・・・・じゃあ彼は?)

「うん・・・・でも目の色は赤いんだ。ほら」

みんなに見えるように髪を少し上げてみせる。

「ホントだ・・・・・赤い」

「どうして赤いんですか?普通は金色になるのに・・・・・」

(そう、マシンチャイルドなら金色のはず・・・・)

「僕は特殊だからね・・・・・・君がオモイカネをオペレートすると同じだよ・・・・・・僕はナデシコのパイロットになるために遺伝子改造されたからね」

「そうなんですか・・・・・・」

「でも赤い目って少しカッコいいわよね」

ミナトさんが今の話を聞いてフォローしてくれたのだろうか本音なんだろうか言う。

「ハハハ、ありがとうございます。じゃあ僕、ほかのところにも挨拶してきますね」

そういってカイトはブリッジから出て行った。その間にもアキトさん達が誰に何を言っているのか分からなかったが騒がしく話していた。

 

 

食堂か・・・・お世話になるから挨拶にいこう。

「おや、アンタもナデシコの乗員かい?」

「あ、はいカザマ=カイトです。よろしくお願いします」

中で白衣のような服に赤いスカーフを巻いた女の人が僕に話しかけてきた。

「よろしく。私はホウメイっていうんだ。ところでアンタ出身は?」

僕の事をマジマジ覗きこんでいたかと思うとホウメイさんがいきなり、聞いた。

「日本です」

「そうかじゃあ、嫌いなものは?」

「ナスです」

「じゃあアレルギーは?」

「ありません」

「宗教はどうだい?」

「なんにも属していません」

「そうかい、ありがとう」

「でもどうしてこんな事聞くんですか?」

不思議に思ったので聞いてみた。

「ああ、私はナデシコの料理長でね。なんでもクルー全員に出来うる限り食べたい料理を用意するっていうんでね」

ああ、それで聞いたのか。

「よかったら料理も教えてあげるよ。」

「本当ですか?実は和食と洋食は出来るんですけど中華が苦手なんです」

「いいよ、いつでもおいで。教えてあげるよ」

「ありがとうございます」

やったー!僕は思いっきり喜んで食堂を後にした。

 

 

 

疲れたな。

一日で、多くの人に会った。研究所とは大違いで、疲れたけど楽しかった。

女子大生のような艦長。

あきんど。

むっつり大男。

熱血ヒーローオタク。

社長秘書。

違法改造屋。

声優。

コック。

自称コックのパイロット。

女の子のオペレーター。

みんな優しそうで面白そうな人たちばかりだった。

でも・・・・・なぜかあの子のことが気になる・・・・・・金色の瞳・・・・・・瑠璃色の髪・・・・・白い肌・・・・・だけどなにか表情がぎこちない。

そんな事を考えながら僕は眠りに落ちた。

 

 

 

あとがき

カイト(以下K)「今回の話は凄かったですね・・・・」

拓也(以下T)「どうして?」

K「だってみんなと会う前に戦ってるしウリバタケさんは出てこないしみんなに完全に僕、紹介されてないし」

T「た、確かにそうだけど次回はちゃんと出るから」

K「ホントに大丈夫なんですか?」

T「うん・・・・多分」

K「先行き不安ですね・・・・」

T「まあ、しばらくはTVにそっていくから大丈夫でしょ途中アレンジが入るぐらいで・・・」

K「そうですか。じゃあ次回はもう決まってるんですよね?」

T「おう!」

T&K「次回『地球脱出』をみんなで読もう!」

ルリ「ばか(ぼそ)」

T&K「?!」

とゆうわけでお楽しみになさってください

 

 

キャラ設定

 

ミスマル=ユリカ

テンカワ=アキト

ホシノ=ルリ

アオイ=ジュン

ダイゴウジ=ガイ

ウリバタケ=セイヤ

プロスペクター

ゴート=ホーリー

ハルカ=ミナト

メグミ=レイナード

フクベ=ジン

ムネタケ=サダアキ

ホウメイ

みんなTV版と同じ。

改良型相転移エンジン

カイトのいた研究所で相転移エンジンを解析し改良を加えたエンジン。ネルガル傘下の研究所ではないのでナデシコには積まれていない。

 


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