The tenber wind

 

 

最近カイトさんに会っていません、カイトさんの部屋に行っても出てくれませんしお昼にお弁当も持ってくることもなくなりました、一体どうしたんでしょうか?

 

いつも会っていただけに急に居なくなるとなんだか寂しいです。

 

                           

 ホシノ ルリの日記より

No4     

 

今日のお昼は何にしましょうか、最近カイトさんが急に居なくなってからというものお弁当がないものですからまた食堂に逆戻りです。

 

 

「失礼ですが、ホシノ ルリさんですか?」

 

 

「ハイ?」

 

 

急に後ろから声をかけられました、この施設で私に声をかけてくるのはカイトさんぐらいなので少々間抜けな声を出してしまいましたが、まぁ気にせず声のほうを振り返ると、いかにも怪しげなおじさんが立っていました。

 

 

「誰ですか?」

 

 

「申し送れました私こういうものです」

 

 

そう言うとニコニコしながら名刺を差し出してくる。

 

 

プロスペクター・・・ネルガルの社員さんらしいですが・・・

 

 

「これ、本名ですか?」

 

 

「これはまぁペンネームみたいなものだと思っていただければ。」

 

 

本名名乗らないなんて怪しい人ですね

 

 

「それでネルガルの人が私に何か御用ですか?」

 

 

「ルリさん、戦艦に乗ってみませんか?」

 

 

「戦艦ですか?」

 

 

「そうです、ルリさんにはその戦艦のオペレーターとして乗艦していただきたい」

 

 

「何で私なんですか?軍の人とか、もっと大人の人が居るじゃありませんか」

 

 

「今回新造された戦艦にはスーパーAIが積み込まれておりまして、はい」

 

 

「それで私のIFSが必要ということですね。」

 

 

「そのとおりです、どうですか乗っていただけますか?」

 

 

そうですねこの施設に居ても正直楽しくもなんともありませんし・・・・・・・そんな時

通路の向こう側をカイトさんが歩いていくのが見えました

 

 

「すみません、ちょっと待っててもらえますか」

 

 

そう言うや否やさっきカイトさんの見えた方に走ります

 

 

「カイトさん!!」

 

 

「え、ルリちゃん?」

 

 

ほうけた顔でカイトさんが私のほうに振り返ります、目の下におっきなくまを作ってなんだかずいぶん眠そうです

 

 

「どうしたんだい?」

 

 

「最近どこに行ってたんですか?」

 

 

「どうしたのルリちゃん、そんな大きな声を出して」

 

 

いけません久しぶりに会ったからか少し興奮してしまいました

 

 

「すみません、大きな声を出して」

 

 

「別に謝らなくてもいいよ」

 

 

「それで、カイトさんは最近どこにいってたんですか?」

 

 

「あぁ、ちょっと徹夜で研究の最終追い込みをしてて、ごめんね何も言わないで」

 

 

「そうだったんですか、カイトさんお願いですからこれからは何も言わないで居なくなったりしないでください、急に居なくなったりすると、その、寂しいです。」

 

 

「本当にごめんね」

 

 

きっと私は泣きそうな顔をしていたんでしょう、カイトさんが私の頭をなでてくれます

 

 

「ところでルリちゃんあっちの人はどちら様?」

 

 

カイトさんに頭をなでられてすっかり気持ちよくなって忘れてました

 

 

「ネルガルのプロスペクタ−さんだそうです」

 

 

「それ本名?」

 

 

「ペンネームみたいなものらしいです。」

 

 

 

「それでそのプロスペクタ−さんがルリちゃんに何のようなんだって?」

 

 

「何でも新造戦艦のオペレーターをしてほしいそうです」

 

 

「ふーん、じゃあルリちゃんはその戦艦に乗るんだ」

 

 

「いえ、まだ乗るかは決めていません」

 

 

実際まだOKしてませんし

 

 

「じゃあルリちゃんは乗る気はあるの?」

 

 

どうなんでしょう、この施設には何の思い入れもありませんからいいんですが、カイトさんと離れるのがちょっと・・・寂しい・・・。

 

 

「すみません」

 

 

「「ハイ?」」

 

 

カイトさんと見事にハモる私

 

 

「失礼ですがルリさん、そちらの方はどなたでしょうか?」

 

 

「アイハラ カイトです、よろしく。」

 

 

私が紹介するよりも早くに自己紹介してしまうカイトさん

 

 

「いえいえ、こちらこそ」

 

 

そう言うと私のときと同じように名刺を出すプロスペクタ−さん

 

今、名刺を出すのが見えませんでしたよ、この人も謎ですね。

 

 

「それで、あなたはルリさんとはどのようなご関係で?」

 

 

「どうなんでしょうね、まぁ今のところお隣さんです。」

 

 

「そうですか、いきなりですがあなたのご職業のほうは?」

 

 

「色々です。」

 

 

答えにならない答えを即答するカイトさん、確かにそうなんですけどね

 

 

「フム、すいませんが舌を出していただけますか?」

 

 

「はぁ」

 

 

「では、あなたのお名前探しましょー」

 

 

そう言ってペンの先を舌につける

 

 

「いたっ!」

 

 

カイトさん本当に痛そう

 

 

「おや?登録されていませんね、どういうことでしょうか・・・・まぁそれはひとまずいいでしょう、ところでカイトさん、あなたも乗ってみませんか?」

 

 

「はひ?」

 

 

まだ少し痛そうに舌をさすっているカイトさん

 

 

「ですから、あなたもルリさんと一緒に戦艦に乗ってみませんか?」

 

 

「僕もですか?」

 

 

「そうです、見たところカイトさんはルリさんと仲がよろしいようで、そこでカイトさんにはルリさんの保護者と言うことで乗艦していただければ、ルリさんとしても少しは安心できるかと思いまして」

 

 

「ルリちゃんはそれでいいのかい?」

 

 

「私は・・・カイトさんに乗ってもらえれば安心です」

 

 

そうです、カイトさんがいっしょに乗ってくれればもうこの施設にとどまる必要性もなくなります

 

 

「ホントにいいのかい?戦艦だよ、もしかしたら死ぬかもしれないんだよ」

 

 

「きっとカイトさんが守ってくれます。」

 

 

「解った、それじゃあプロスペクターさん、僕とルリちゃんはその戦艦に乗ることにします。」

 

 

「そうですか、それではお給料のほうは・・・・」

 

 

そう言って今度は、変な形の計算機をどこからともなく出すプロスペクタ−さん

 

 

「このくらいでいかがでしょうか?」

 

 

そう言って出した額は、カイトさんはともかく、私みたいな少女に出す金額ではありません

 

 

「いいんですか?私みたいな少女にこんなに出しても」

 

 

「ええ、私どもは能力に見合った給料をお払いするだけですので」

 

 

「けど僕はただの保護者ですけど」

 

 

「これでも人を見る目はあるほうだと思いますので」

 

 

「そうですか・・・解りました」

 

 

「では納得いただいたところで、カイトさん達の乗艦は一週間後、こちらから迎にあがりますので、それまでに準備のほうお願い致します。」

 

 

「「ハイ」」

 

 

「それとこれから私のことはプロスとお呼び下さい、ではまた一週間後に」

 

 

そう言うとプロスさんは去っていきました、私達これから一体どうなるんでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

azuによる後書きのコーナー

 

 

第五話どうでしたでしょうか?面白いと思っていただければ幸いです。

 

まぁ見てもお分かりのように、かなり無理矢理テレビ版before終らせてしまいました、カイトたちはこれからナデシコに乗ってどのように変わっていくのか!

 

また次の話でお会いしましょう。

 




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