The tenber wind     

 

 

 

 

 

 

 

なんと!ルリちゃんが僕に料理を教えてほしいと言ってきた、ルリちゃんにどういう心境の変化があったか解らないが、料理を覚えることは良いことだと思う、今から何を教えてあげようかとても楽しみだ。

 

                             

 

 アイハラ カイトの日記

 

No3 

 

 

コンコン

 

 

「ハイハ−イ、どなたですかー?」

 

 

「ルリです、約束どおり来ました。」

 

 

「今出るからちょっと待ってね。」

 

 

シュ (ドアの開く音、以降この音を使用)

 

 

「いらっしゃい。」

 

 

「ハイ、来ました。」

 

 

僕の目の前には、でかでかと熊さんプリントが施してあるエプロンを着たルリちゃんが立っていた。

 

 

「良かった。」

 

 

似合ってる、こう、なんと言うか、エプロンがすでにルリちゃんの一部となっているような、似合っていると言うか、むしろはまっていると言うか・・・・・・。

 

 

「何が良かったんですか?」

 

 

「いや、買ってきた本人としてはルリちゃんに似合って良かったなと」

 

 

「そうですか?自分では良くわからないんですが」

 

 

「似合ってるよルリちゃん、ホント買ってきてよかったよ」

 

 

そう、実はこのエプロンはルリちゃんが料理を習いたいと言ってきた後に、僕が外まで買いに行ってきた物なのだ。

 

 

「ところでカイトさん、そろそろ始めませんか?」

 

 

「そうだね、そうしようか。」

 

・・・キッチンへ・・・

 

 

「ねぇ、ルリちゃんは何か作りたいものはあるのかい?」

 

 

「いえ、今までカイトさんのお弁当以外は主にジャンクフードしか食べてませんでしたからよくわかりません、ですから何か簡単なのから教えてください。」

 

 

「簡単な料理ね、じゃあ和・洋・中でどれがいい?」

 

 

「そうですね、特に何でもいいんですがカイトさんは何が好きですか?」

 

 

「僕?僕は洋食かな」

 

 

「では洋食でお願いします。」

 

 

「僕の好みなんかでいいの?」

 

 

「ハイ、問題ありません」

 

 

「分かった、えーと洋食で簡単な料理は・・・」

 

 

ホットケーキでいいかな?確か元が残ってると思うし、何せルリちゃん初めてだからな、なじむことから始めないと。

 

 

「ルリちゃん、ホットケーキ好き?」

 

 

「ハイ、結構好きです」

 

 

じゃホットケーキでいっか、ルリちゃんも好きだって言ってるしね。

 

 

「じゃあ、まずホットケーキを作ろう」

 

 

「私はそれでいいです」

 

 

「まぁ料理って言っても特にこれといって難しい事するわけじゃないし、気楽にいこう。」

 

 

「ハイ」

 

 

「それじゃあ、道具を用意をするから待ってて」

 

 

「私も手伝います」

 

 

「ルリちゃんどこに何があるか分からないだろうからまた今度ね。」

 

 

「ですが」

 

 

「いいから、いいから」

 

 

「・・・・・わかりました」

 

 

「じゃあちょっと待っててねー」

 

 

えーと、ホットケーキの元でいいかな小麦粉とか使うより何かと楽だからな、じゃあ後は卵に牛乳に、隠し味に蜂蜜少々、シロップはカイト特製シロップ〜。

 

ついつい鼻歌気味になってしまう、やっぱり料理は準備だけでも楽しい

 

 

「さぁ用意できたし、作ろうか」

 

 

「はい」

 

 

「では、まずボールにホットケーキの元適量にー牛乳150ccを入たら卵を入れて混ぜるだけ、ではここまでやってみよう。」

 

 

「はい」

 

サー

           トクトク

 

パカッ

           チャカチャカ

 

「後は焼くだけなんだけど火を使うから気をつけてね」

 

 

「まずフライパンを暖めて、油を少々全体に薄くかかる程度にかける、後はボールの中身を入れて焼こう。」

 

 

「はい、分かりました」

 

 

そう言ってフライパンを手にかけるルリちゃん、初めての割にはてきぱきしてて筋がいいかも、まぁ混ぜて焼くだけだから詳しくは分からないけどね。

 

と考えてる間に

 

 

「できました」

 

 

「えっとどれどれ・・・ウン、ちゃんと火は通ってる様だし上出来かな」

 

 

と言いつつルリちゃんの頭をナデナデ

 

 

「あ、あの、カイトさんまだ料理中ですので」

 

 

「ゴメンゴメン危なかったね、僕もすぐ作るからルリちゃん先に食べてていいよ」

 

 

「いえ、あの、カイトさんはこれを食べててください、いつもお弁当もらってるお返しにはならないかもしれませんが」

 

 

ちょっとうつむき加減でルリちゃんがホットケーキの乗ったお皿を僕に差し出してくる、

なるほど急に料理をしたいという言ったのはこのためだったのか

 

「いいのかい?」

 

 

「どうぞ、食べちゃってください。」

 

 

「それじゃあいただくよ」

 

 

シロップをかけて、ナイフで切ったら・・・モグモグ・・・

 

 

「どうですか?」

 

 

上目遣いでルリちゃんが聞いてくる

 

 

「勿論美味しいよ」

 

 

ニコッ

 

 

「・・・・・・」ポッ

 

 

またルリちゃんがうつむいてしまった、いつも思うんだが僕が微笑むと何でルリちゃんは俯くんだ?

 

まぁそれはいいとしてもこの状況を打破しなければ、なんか無駄に空気が重いぞ

 

 

「けどルリちゃんは筋がいいね」

 

 

「え?」

 

 

急に話題を振られてやや困惑気味のルリちゃん

 

 

「僕には妹みたいなのが居るんだけど、昔そいつに料理教えたらまったくできなくてさ、どんなに教えても絶対なんか違うものができるんだよね、なんかあれはもうすでに兵器と化してたよ。」

 

 

「そうなんですか?」

 

 

いつもの調子で聞いてくるルリちゃん、これで少しは場の雰囲気が変わったかな?

 

 

「うん、あれはすごかった、うちの親父が親ばかでさ娘の作ったものだから美味しいとか言って全部食べちゃって、その後腹を壊して入院しちゃったよ。」

 

 

「カイトさん、その妹みたいな人ってカイトさんの妹じゃあないんですか?」

 

 

「え?ああ、実際は僕の義姉なんだけど、どうも幼くって姉に見えないんだよね。」

 

 

「義姉ですか?」

 

 

「そ、義姉、僕の実際の姉じゃあないよ、まぁその話はこの位にしてホットケーキどんどん焼こう」

 

 

「はい。」

 

 

・・・・・・・・・・料理終了。

 

 

「それじゃあお休み。」

 

 

「はい、また今度他の料理も教えてくださいね。」

 

 

「勿論」

 

 

「では、お休みなさい。」

 

 

そうしてルリちゃんは部屋に入っていく

 

 

さて、僕も寝るかな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

kazuによる後書きのコーナー

 

 

ルリちゃんが料理をしたー!!!

今回はそれだけのために書きました、カイトのために料理をするルリちゃん・・・・・感無量!!




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