「わかりました、カザマ カイト出ます!」

重力波カタパルトから、カイトが出撃する。

「心配するな、おっさん、艦長の期待には答えるさ…、アマミヤ クウヤ出るぞ!」

ゴートに向かって一声掛けてから、クウヤの機体が出撃する。




「お、おっさん…」

「 まあまあ、抑えて下さい、とりあえず彼らの実力を見せて貰いましょう。
 それに、チューリップの移動中に現れたということは、もしかするかましれませんね〜」

プロスの眼鏡が、怪しく輝いた。

「では、ミスター?」

「しかたがありません、私は会長に報告してくるので、しばらくお願いします」

そういうと、プロスは足早に、
ブリッジの外に出て行った。











機動戦艦ナデシコ 〜Wayfarer of  Time
第0章 「刻の糸を律する者」 後編












「ど うやら、無事に着いたみたいだ ね。クウ ヤ?」

荒 れ狂う戦場に、ナデシコから二機の機体 が、出撃する。

「あぁ、 そうだなカイト…」

ふ と視線を落とせば、無数の赤い光が、こち らに向かってくる。

……新たな、贄を求めるように、赤い光が飛来する。



「け ど、ちょっと戻り過ぎたみたい だね」

赤 い光を撃墜しながら、カイトは困ったよう に言う。

迫りくる、赤いの群れをなぎ払い、クウヤは、囁くように告げた。

「――― 少しイメージがずれたようだ、さすがに時間を越える
 ジャンプの連続使用は体力的に無理があるな…」

「まぁ、 多少の無理はしかたない、状況だったしね」

彼 らと対峙していた、バッタはただの鉄 くずと化していた…







「なんだぁ、あい つ 等は!?」

フィールドが強化されたバッタを、何事も無かったのように撃破する機体 に、リョーコた ちは驚愕した



「うっそぉ!どうやってるの〜」

性格に問題はあるが、腕は一流で集められた彼女達である、自分より実力の ある者を見ることは、極稀にしかない。



「同一ポイントに対する連続射撃…、かなりできるわね」

イズミはバッタを迎撃しつつ、カイト達を分析する。



「移動するバッタを、ピンポイント射撃…しかも、連続でだなんてできる か、ちくしょう!」

「ナデシコから出てきたってことは、お仲間さんだよねぇ?でも誰が乗って るんだろう」


ヒカルが、当たり前の疑問を口にすると、急にモニターが開いた。



「テンカワ機孤立しています、至急援護を」

ナデシコから通信が入る、強化されたバッタと、謎の味方?に気を奪われ アキトが前に出すぎているのを見落としていたようだ。



「ハァハァ…、ハァハァ…」

「おい、テンカワ!応答しろ、おいバカぁ!戦況を報告し…」

「くっそー!」

バッタの放つミサイルがアキトのエステバリスに命中する、迫りくるバッタを撃墜しようとラピッドライフルを撃つが、

がむしゃらに撃った弾は、全てフィールドに弾かれてしい、反撃を受けてしまう。



「うわぁぁーーー!」

バッタの連続体当たりに、エステバリスが大きく揺らぐ。

「アキト君?もしもし、もしも〜し」

「テンカワ!?待っていろ、すぐに行く!」



「どうしたんだよ俺?」

「アキト、大丈夫?返事をしてぇ!」

「アキトくん!」

「おちつけぇー!」

「て、手が…動かない、うわぁ〜〜!」

「早く救援を!」



「向かってるよ!言われなくったて向かっているよぉ!!」

「うぉぉぉぉ、でりゃぁぁい!」

三機のエステバリスがバッタをなぎ払い、アキトの元へ急ぐ。



「もうあいつ等なんか、怖くなくなったハ…う あぁ!!」


一人孤立し、蘇ったトラウマを抑えきれないアキトは、エステバリスを上手 くコントロールできず、


動きの悪いエステバリスは彼等の格好の標的となっている様だ。



十数機のバッタがエステバリスの周囲を旋回しながら、次々と攻撃しようと ミサイルポッドを展開する。



その時2機のエステバリスが周囲のバッタを撃墜し、見たことも無い型のエステバリスが アキト機を確保する。

「あれぇ、おいしいとこ取られちゃったかな…?まあいい、ここは、危険 だ!引きたま え」

サウンドオンリーなのかどことなくキザたらっしい声だけが、エステバリスに届く。



だれだ、きさ まぁ!



「とにかく、ここは危険なんです、彼の事は僕等にまかせて早く!」

カイトのエステバリスから通信が入る。

「さすがに、この状態で戦うのは不利だ、彼の言うとうり、ここは引いたほ うが 良い」

クウヤがカイトの通信に割り込んでくる。



数条の黒い光が宇宙に奔る。黒き光の奔流は木星蜥蜴を飲み込んでいく…








ナデシコ ブ リッジ








「敵艦隊、2割がた消滅」

「うっそぉ〜?」

第二波感知」

「多連装のグラビティ・ブラスト!?」

「えぇ!それじゃあ…」

「…ナデシコ級2番艦【コスモス】と言うそうですよ」

いつの間に帰ってきたプロスペクターが、皆に話しかける。



「どういうことです?我々が地球を出てからまだ2ヶ月も…」

「いやぁ、私もさっきの報告のついでに聞いただけですから詳しくは、分か りませんが。
 私たちが火星をでてから8ヶ月は経っているようです」



「それは、いったい…」

「詳しくは後で来る人が、解説してくれると思います…ハァ」

「は、はぁ?」

プロスペクターにしては、歯切れの悪い回答に困惑するゴートだった。



「それと、艦長、ちょっとお話が…」

「はい?」

「本社がお話したいと」

「えぇ?」

「ですから、本社が艦長とお話したいともうしておりまして」

「社?」








同時刻 ナデ シコ 格納庫








ハン ガーに固定されたエステバリスから、リョーコたちが降りてくる



「ぬおぉぉ!、なんだなんだこのフレームは、新型かよ〜!顔が違う!ジェ ネレータもコンパクトぉ!おまけにお肌も スベスベ〜♪」

「一生やってろ!」

「しかし、新型なんて、いつ作ってたんだ?」

「あたしらのエステちゃんが最新バージョン だって、聞いていたのにズルイよね、プンプン」

ウリバタケが新型に頬擦りしていると、リョーコ達が歩いてきた。




「それは誤解さ」

「えぇ!?」

いきなり声を掛けられ、驚くリョーコ達。

「うわぁ〜♪」

コックピットから出てきた青年を見て、ヒカル が黄色い声をあげる。イズミの頬も少しばかし赤みを帯びているようだ。

「君たちが火星に消えてから8ヶ月…地球は新 たな力を得たという訳さ。」



「お前は、誰だ!」

「俺はアカツキ ナガレ。コスモスから来た男…」

そう言ったアカツキの歯がキラリと光る。




アカツキたちより、少し離れた場所……
エステバリスのコクピットからカイト達は彼らの様子を見ていた。




「この頃は、まだ落ち目じゃ無いんですね、ア カツキさ んは」

「笑っている暇は無いぞ?カイト」

「わかってる、けど…懐かしいんだよ、ナデシ コの雰囲気が」

カイトはまぶしいでも見るように、リョーコた ちを見ている。



「あまり、懐かしんでいる時間も無いぞ、今回は助けるんだろ?あいつ等 を」

「あぁ、そうだねクウヤ、その為に僕はここに来たんだ…」




二人の少年は遠くを見つめる、それはここでは無い、どこかを見つめる眼差 しだった……














あとがき/

―――――続きを書くのに問題が発生したので大幅修正しました。

…以上ってかこれ以上言い訳がおもいつかないっス!



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