Premier amour 火星。遺跡をめぐる攻防のさなか、私は撃墜された。 コクピットをはずれたのは幸運でもあり不運でもある。 機体の飛行能力は一瞬で奪われた。ならばあとは墜ちるしかない。 どう立て直すかではなく、どう墜ちるかだ。機体の損傷はそれほどひどい。 半ば無意識に始めた姿勢制御の手をふと止める。 もういい。そう思った。 もうすべてを失った。失ってしまった。 機体を落下するに任せる。数秒後には火星の大地に迎えられ、砕け、そしてひとつとなる。 火星の大地に。 この機体とともに。 それでいい。それで十分じゃないか。 ああ……走馬灯というものが始まったようだ。 浮かんできたのは家族でも戦友でもなく、『あのヒト』だった。 月面の訓練学校。そう、そこで私達は出会い、そして別れた。 まだほんの数ヶ月前のことなのに、とても懐かしい。 そしてとても…… 愛おしい。
「………」 廊下を早足で歩く一人の少女。 年のころは十代後半に入ったところか。まだ、十分に少女の範疇に入る。 だが、彼女の全身から感じられる、張り詰めたような雰囲気のせいか、幼さは感じない。 彼女の年代であるなら、どこか初々しさをおぼえるはずの軍の制服も、彼女は当然のように着こなし、いささかのぎこちなさも感じさせない。 唯一、長めの髪を束ねた白いリボンだけが、彼女がまだ年若い少女だということを思い出させていた。 彼女の名はアリカ。ちなみに下の名前だ。 「………フン」 辿り着いた一枚のドア。そのネームプレートを値踏みするように見上げる。 この訓練学校に来て三ヶ月。 一週間後に迫った統合軍との交流試合に、歴代屈指といわれた粒ぞろいの同期を差し置き、訓練生代表として選ばれた栄誉の煩わしさには一向に慣れない。 年来の苛立ちにそれが加わり、数々の問題行動。見事今月に入って三人目の教官を勝ち取るに至った。 今度の教官は宇宙軍でも指折りのエースだという。 どれほどのものか。ノックをする前に少し考えてみる。 歴戦の勇にふさわしい豪傑肌の男か。ならば机の上に足を投げ出しているか。 逆に神経質なまでに潔癖な男かもしれない。慎重さとは臆病さと時に同意語なのだ。ならば最低限のものしかない机に落ち着かなさげにいるか。 だが、案外普通の男かもしれない。ただ少しばかり運がいいだけの。ならば何の印象もない机に何の印象もなくいるか。 だが、と考えを振り払う。 どんな男だろうと関係ない。私が欲しいのはその男の技量だけだ。盗むべき点は盗み、それ以外はすべて切り捨てる。そう、教えを受けるのではない、盗む、いや『奪う』のだ。 さて、とノックをする。 「………」 返事がない。数度ノックを繰り返した後ドアノブをひねると、何の問題もなく扉は開く。 「………?」 そこは秘書室のようだ、手前の机で若い男が眠りこけている。 「………ふぅ」 奥の扉の向こうが教官の部屋のようだ。どうすべきか多少考えたが、ここを素通りしたら、あとでこの男が、教官に居眠りを咎められることになろう。 関係ないとも思ったが、男の善良そうな顔が何故か自分を引き止めた。 「んん!!」 のどを鳴らしてみる。起きない。 「……!!」 指先で机を叩く。起きない。 「……」 机の上に何故かある超合金ゲキガンガーを手に取る。投げつけてやろうかとも思ったが、さすがにやりすぎか。 などと考えていると指先にカチリとした感触が。 「あ」 いわゆる『ロケットパ〜ンチ』の発射スイッチに触れたようだ。男の顔目がけてパンチが放たれる。 「んあ!!」 さすがに今度は起きた。男はあわてたように廻りを見回す。 パンチがうまい具合に跳ね返ってきた。すかさずキャッチし、素早くゲキガンガーと元の場所に戻す。完璧だ。 幸い、男も自分が何をされたのか、わかっていないようだ。 あらためて男を観察する。年はアリカとそう変わるまい。新任の少尉といったところか。 「あ、あれ?」 ようやくこちらに気づいた。すかさず自分の姓名を名乗る(その行為は自分に少なからぬ苦痛を与えた)。 「教官にお会いしたいのだが」 見下ろすように言う。こちらはただの候補生。階級なら向こうが上だが関係ない。こういうのは気合だ。 「あ……ああ、はいはい」 弾かれた様に奥のドアに走る。この瞬間に力関係は決まったようなものだ。 『少尉』はノックもせずに扉を開ける。せっかくの心遣いが台無しだ。 「どうぞ入って」 ため息をつきつつ後につづく。 「?」 教官の席。いるのは、今度はぬいぐるみのゲキガンガー。まさかそれが教官だというのではあるまい。 「………」 視線を少し上げる。椅子にはフライトジャケットがかかっている。こちらのほうがまだ多少教官っぽいが、いや、そもそもそういう問題ではないだろ。 どうなっている? と『少尉』のほうを睨みつける。 「はいはい」 しかし『少尉』は素早くジャケットを羽織ると、椅子に深々と腰掛ける。 「どうも、僕が君の教官です」 「は?」 力関係はまた逆転されたようだ。 そして、予想はすべてハズレた。 宇宙軍指折りのエースは、秘書の机で居眠りをしていた。 なんだこいつは? とにかくそれが第一印象だった。 「ああ、秘書様が愛想をつか……いや、急に長期の休暇いや、急用で。それで、代わりに……いや、僕宛より彼女宛の電話のほうが遥かに多いんで、こっちの席にいたら、その、なんか……座り心地が……」 「別に聞いていない」 「そ、そうですか」 「………」 食い入るように顔を睨みつける。 「いや、そんな食い殺すような眼で……」 「そこまではしてない!」 苛立たしい。ああ苛立たしい。苛立たしい。それにつけてもこの苛立たしさよ。 第一、なんだかこっちが一本取られたようではないか。 「え〜コホン。では自己紹介も済んだわけだし……」 「………」 「加えて、君の交流戦への時間もあまりないことだし………」 「………」 「授業を始めても……よろしいでしょうか?」 「(……コク)」 「え〜と、それじゃあ………」 「で、教官は私に何を教えられるのだ」 「え?」 「いっておくが、私の各科目の成績はすべてトップだ。そこいらの教官風情に教わることなどない」 「え〜とそれじゃあねぇ……」 うろたえている。どうやらそこいらの教官のようだ。 「………」 ふん、とまた値踏みするようにみる。さて、どう出る。 「まず、味噌汁のダシのとり方を………」 「………」 どうやらジョークのようだ。 「こちらの緊張を解こうとする配慮か。私にその様なものは無用だが……まあ、気を使ってくれたことには礼を言おう」 「……いや……その……まあ……はい」 理由はわからないが、なにか寂しそうな顔だ。 「それじゃあ、実技でもやってみようか?」 「うむ」 こちらの同意を待って、机の上の端末をたたき出す『教官』。 完全にこっちの顔色を窺っている。いったい普段どんな環境で生活しているんだ。 「……あちゃ〜、この時間はシミュレーター室は一杯かぁ〜」 「では、どうする?」 「せっかくだから、実機訓練でもやってみようか?」 「え? いや、しかし……」 実際にエステバリスに搭乗しての模擬戦闘訓練。たしかに訓練としてはもっとも実戦に近く、こちらとしても望むべきものだが、そうそう行えるものでもない。自分もこちらの基地に来てから、できたのはほんの数度だ。 「え〜と、もしもし、校長ですか……ええ、僕です。実はお願いが……」 こちらの思考にも気づかず、さっさと電話を始める『教官』。ていうか、相手はいきなり校長か。 「ええ、実機訓練をさせていただきたく……ええ、できたら一週間ぶっつづけで。……はい、それはわかっているんですがなんとか………難しい? ………はい」 当たり前だ。自分が校長の立場なら、まさに『おととい来きやがれ』だ。だいたいこういうときにはもっと根回しを………。 「難しい? 他の教官方への言い訳が。ええ……機嫌取りのために食事を? 教官のお姉さま方(笑)に? でも、僕はあんまりそういう店って知らないし……僕の手料理じゃだめですか? ………全然OK? むしろ参加人数倍増? よくわかりませんが。…………ええ、はい」 ガチャ。 「OKだって」 「………ああ」 この『教官』は要領が良いのか悪いのかわからない。 なんだこいつは? それが第二印象だった。 基地の格納庫。居並ぶ機動兵器の一群。 その中で一際目を引く一機のエステバリスを見上げる。 「…………ほお」 白一色に塗られたボディ。 そして、左肩のエンブレムマーク。 軍の広報誌や、教本でもしばしば見かける機体だ。『中身』はあれだが、機体にはなんだか威風のようなものを感じる。 「これがあの『閃……」 「いや………」 背後からの声に振り返る。『中身』が同じように機体を見上げている。 「これは二代目。先代は海に沈んでしまってね」 「……そうか。教官はよく無事だったな」 「ん? うん。まあ……ね」 何かしんみりした様な雰囲気だ。 「じゃあ、行こうか」 訓練機の方へ歩き出す『教官』。その背を追って歩き始めた。だが、ふと立ち止まり、機体のほうを振り返る。 何故か、後ろ髪を引かれるような気分だった。 月面に飛び出す二機のエステバリス。 無機質ともいえる世界に、その姿はよく馴染むようだ。 『規定の訓練は終了しているんだったね?』 コクピットに『教官』のウィンドウが広がる。 「ああ」 『じゃあ、いきなり模擬戦闘といってしまおうか。君の技量をまずは見せてくれ』 「……ふん」 その言葉をそっくり返そう。 これまでの担当教官との模擬戦闘。 一度目の戦闘で相手の技量を見抜き、二度目までには相手のクセまでわかった。 三度目の戦闘では相手と互角に戦い、そして四度目からは、どんな相手も自分と戦うのを嫌がった。 「技量を見るのはこちらのほうだ!!」 「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ」 荒い息。それが自分のものだと気づくのに少し時間がかかった。 時間を確認する。 「…………」 まだ30分とたっていない。だが、何時間にも感じる。 何もできなかった。 思考すら、いや、瞬きすらしていなかったかもしれない。 圧倒的で一方的で絶対的なまでの敗北。 自分のカウントが正確なら、この短時間で実に十三回死んだことになる。 信じられない。 だが、くっと顔をあげる。 体中からプライドを掻き集める。 いいだろう。この『教官』から学んでやる。 いま一時はこの男に膝を屈し、そしていつかは………。 『……うん、いいね』 「?」 『教官』の声が思考を中断させる。 『君の腕は十分だ』 「……な?」 その声は先程まで自分を蹂躙しつくした相手とは思えない程、穏やかだった。 『僕が教えることは、なにもないよ』 「………」 なんだこいつは? それが第三印象だった。 月面にあるこの基地。 人工的に作られた昼が終わり、真実の夜が訪れる。 人影のなくなったグランドを、ひとりアリカは走る。 先程以上に荒い息。だが、彼女は走り続ける。 なぜだ。 『教官』は私を負かしたのだ。打ち負かしたのだ。それも一方的にだ。 ならば、私は未熟だということだ。『教官』に及ばないということだ。 だったら、なぜ『教官』は私を突き放すのだ。なぜ自分がいる高みに私を導いてくれない。 「…………」 いつしか、冷たい雨がその身を打ち据えていた。 雨、作られた世界に降る、偽りの雨。 冷えていく身体。 まただ。 また奪われる。 また何かが身体の中に入り込み、自分の一番奥の、暖かいものを奪っていく。 「偽者の分際で!! 私の中に入るな!! 私の大切なものを持っていくな!!!」 自分のその声に突き動かされ、さらに走り続ける。もはや疾走といっていい。 「………ぅ」 自分の顔を伝っていくのは、雨か涙か。 遠くなった意識が、記憶を呼ぶ。 心の底、封じ込めたはずの記憶を。 兄。 歳の離れた兄がいた。 早くに父を亡くした自分には、兄であり、父親代わりでもあった。 憧れていた。 誰よりも強く。優しかった。 大好きだった。 自分など及びもしないほど優秀だった兄。 周囲の期待をいつも受け、そしていつもそれに応えていた。 軍に入った兄。順調にエリートコースを歩んでいた。 いつも兄のまわりには人が集まっていた。 でも、どんなに人に慕われても、兄は自分を一番可愛がってくれた。 兄は自分のヒーローだった。 自分が軍を目指したのも、兄の背を追ってだった。 いつか、その背に追いつき、そして肩を並べたかった。 でも、それはもう叶わない。 『火星の後継者』 突如、少なくとも自分にとってはそう思えた彼らの決起。 兄はその中枢の一人として、その反乱に身を投じた。 なぜ。 だれよりも正義感の強かった兄。 でも、その正義はいまの世界を守るために注がれるのだと思っていた。 ただ呆然とニュース映像の兄を見つめ続ける自分。 でもそれ以上に。 なぜ自分に、たった一人の妹であるはずの自分に、何も話してくれなかったのか。 その思いが心を乱し続けた。 そして鎮圧。 兄のそれまでの栄光は、瞬く間に消えうせた。 反逆者の身内。 残された自分達には、その事実だけが残った。 それまで、兄を誉めそやし、兄にすがって生きていた親戚連中は手のひらを返し、あるものは姓まで変えた。 皆、兄が好きだと思っていたのに。 兄の周りに集まっていたのは、兄を慕ってのことだと思っていたのに。 そう信じて心を許していた自分の、包み隠さぬ言動は、残らず、保身だけを考えた彼らの密告の対象となった。 スケープゴートとなった自分と母には、容赦のない、そして執拗な取調べが待っていた。 もともと身体の弱かった母は、心まで病み、そして………。 そして自分ひとりが残された。 「………」 雨の冷たさが、心を今に呼び戻す。だが、それも一瞬のこと、今度は闇の中へと突き落とそうとする。 支える力を失う。 だが、地面が身体を捉える前に、暖かい何かが抱きとめてくれた。 暖かい。そして、とても懐かしい。 「……お兄……ちゃん」 長らく口にすることのなかったその言葉。 その甘い響きは、意識を深いやすらぎの中に沈めていった。 「……うん、いや、はい」 「…………ん……」 遠くで誰かの声がする。 覚醒した意識が、まぶたを押し上げる。 壁、いや、これは天井か。 どこかの部屋……いや、基地の宿舎のようだが、しかし……。 畳。座布団。ふすま。 「(……なんで和室?)」 「……うん。それはわかって……うん、いや、はい、それは…そうです、おっしゃるとおり」 また声。顔をそちらにねじる。 ふすまの隙間から、背中が見える。 「(……教官?)」 誰かと通信しているようだ、というより一方的に怒られているようだ。 「……ええ、はい。せっかくの時間をとってくれたのには……いや、で、でも別に僕が頼んだんじゃなくって……ル──ゃんが……い、いえ、何でもありません」 『教官』の肩越しにモニターが見える。 相手は女のようだが、そう思って顔を動かすと、長い銀色の髪が少し見えた。 「うん。教え子がね、ちょっと……大変な状態で」 どうやら、自分のせいで二人の約束をキャンセルさせてしまったようだ。 ていうか彼女がいたのか。 「え? うん女の子だよ。え? かわいいかって? そりゃかわいいさ(教え子はみんな)。え? 好きかって? そりゃ好きさ(教え子として)。え? 泊めるのかって? ああ、そうなるかもね(看病のために)」 って、なんだこの会話は……。 「え? 女の敵? け、ケダモノ? 顔も見たくない!? あ、ちょっと待って、ル……」 『教官』を無視し、一方的に切られる通信。 「……ああ」 ウィンドウの消えたあたりに手を差し出したまま、うなだれている。 背中に無数の縦線が見えるが多分演出効果だ。 「……あ、あの」 「……」 声をかけると、のそのそとこちらを振り返る。ワカメのような涙が顔に張り付いているのも、きっと演出効果だ。 「……ああ、起きたんだ」 「………教官、私が言うのもなんだが」 「……?」 「あんたバカだ」 「………ぅぅ」 なんか言われ慣れてるようなリアクションだった。 「ん?」 と自分の服装に気がついた。 妙にごわつくと思ったら、男物のパジャマを着ている。 「………」 たしか自分は、気を失う前、トレーニングウェアを着ていたはず。 「………!! わくぁwかじょあふぁおfじゃ!!!?」 「………ど、どこのヒト?」 まるでキーボードを適当に叩いて変換したような悲鳴をあげてしまった。ボケ担当のはずの『教官』が思わずツッコンでしまったあたり、相当なアレだったのだろう。 「わ、私の服は!?」 身体の前の方を押さえながら詰問する。 「え、ああ、濡れてたんで、体も冷えてて、それでお風呂に入れて……」 「な、なにを涼しい顔で!! み、見たのか!? 触ったのか!!?」 「え、いや、普通に着替えさせただけだよ……て、聞いてます?」 「まさぐったのか!!? じゅ、蹂躙したのかぁあああ!!!」 結局、同僚の教官(♀)に頼んだのだと誤解が解けるまでの自分の言動は……あまり思い出したくない。 「?」 『教官』の背後にウィンドウが浮かんでいる。 少女がいた。自分と同年代だろう。 シルエットからすると、先程まで『教官』と話していた相手のようだ。 美少女だった。『絶世の』を頭につけても、あまり言い過ぎでないかもしれない。 ちょっとだけ、あくまでちょっとだが負けたかもしれない。 「………」 だがその少女は怒っていた。怒り狂う一歩手前だった。察するにいまの会話を聞いていたらしい。 ちょいちょいと『教官』にわかるように指を指す。 振り返った『教官』は、「ひっ」と短い悲鳴をあげて固まってしまった。 全身に大粒の汗が浮かんでいるが、断固演出効果だ。 そういえばこの少女、どこかで見たことがある。確か、軍の広報誌だったか。 ああ、『教官』たちと一緒に写っていた、あの……なんといったか、確か二つ名というか愛称があった。 「『磁界の帝王』?」 ワリと正解に近いはずのフレーズをいった瞬間、ウィンドウ越しに凄絶なバトルの第二幕が上がった。 一方的に罵られるのをバトルと呼んでよいのかは、まだ若いのでよくわからない。 ようやく静まった部屋。再び布団に横になる。 髪に手をやってみる。リボンが無くなっていた。 雨に流されたのか。 兄がくれた、あのリボンは。 ふと覚えた寂しさが、自分に口を開かせた。 「教官」 「ん?」 呼びかけに顔を上げる『教官』。 つきっきりで看病をするのかと思えば、隣の部屋からこちらをじっと見ているだけだ。 「私、何か言っていなかったか?」 気を失う前に思い出していたのは『兄』のこと。気になった。 「……いや、別になにも」 眼を逸らして答える『教官』。百戦錬磨のパイロットのはずなのに、こういう不器用な様はどうだ。 「言っていたような気がする。聞こえていたのなら忘れて欲しい」 「言っていなかったし、聞こえていないけど、まあ、君がそういうなら忘れるよ」 「………なんで訊かないんだ?」 「……質問の意味がわからないよ」 「なんで、こっちの部屋に入ってこない?」 「……そっちは客間だから」 「なんで……」 「質問ばっかりだね」 確かに。 自分は寡黙なほうだと思っていた。今夜はいったいどうしたのだろうか。 「いいだろう? 弱みの見せついでだ。明日からはまた毅然としたアリカに戻るんだ。今日のうちにしか訊けないこともある」 ふっ、と苦笑する『教官』。駄々っ子の相手でもしているような顔だ。だが不思議と不快感はなかった。 「わかったよ、で?」 「なんでなんだ? 私は今日思い知らされた。私のパイロットとしての腕は教官に遠く及ばない。なのになぜ十分だなどと言ったんだ? どうして私に……教官の技術を教えてくれない?」 「…………」 長い沈黙だった。言い終わると同時に天井にやった視線。それを『教官』に戻そうとしたとき。 「本当に十分だと思ったんだ」 「うそだ!!」 「うそじゃない!!」 思わず跳ね起きようとした身体は、その声に押さえつけられた。 「君はこのままいけば『腕の良いパイロット』になれる。一番生存率の高い、ね」 「………?」 「だけど、もし僕の戦い方を教えれば、君は『エースパイロット』になってしまうかもしれない」 「そうだ! 私は『エース』になりたいんだ! そして栄誉を……」 「『エース』って何だと思う?」 「優秀だということだ! たったひとりで戦局を左右する! 瞬く間に十機の敵を打ち倒す!」 「そして十一機目は自分さ」 「!!」 「その技量の高さから、常に危険の矢面に立たされる。いや、立つことを期待されつづける存在」 「それでいいじゃないか! 勇敢であることこそ『エース』の証だ!」 「勇敢であるか……。勇気を出すこと自体は大したことじゃないさ。でも、勇気を出し続けることの辛さを君は知っているのかい?」 「……それは」 「出し続けなければ、一瞬でその栄誉を失い、そして臆病者の烙印を押される。一度は勇気を出したはずなのにね」 「………ならば出し続けるさ!」 「その道はさらに困難だよ。出し続けた勇気の結果、運よく生き延びればまた次の危険が待ってる。で、運が悪ければ……。でも、それでも誰も一向に構わない。すぐ次の者がそのポジションに着くだけさ。代わりなんかいくらでもいるんだ。そしてそのとき送られる戒名。何だと思う? そう、『エース』だ」 「…………う」 打ちのめされるような思いだった。 そんな、そんなものなのか。 そんなものに私はなろうとしていたのか。 暗くなった視界に、一本の線が見えた。 『教官』と自分の間に横たわる、一本の線。 その線の向こうからこちらを見つめる『教官』。その眼がこの線を越えるなと言っていた。 「…………でも……それでも!」 身体が震えていた。 だが、奮い起こす。 震え続ける足に力を込める。 そして踏み出す。 見えぬ線をその足が越えていった。 「…………」 座ったまま、こちらを見上げる『教官』。 その顔は悲しげに、だが微笑んでいた。 「ああ、そうだ……これ」 教官が右手を差し出す。 「洗濯しておいたよ」 白いリボンがそこにあった。 翌朝、教官の部屋へ向かう。 気まずい。 なんとも入りにくい。 手にメロンを持っている理由は、自分でもよくわからない。 ノック。 やはり返事がない。 ドアを開けると、案の定、秘書席で居眠りをしている。 まあ、自分の看病疲れなのだろう。今日は責めないでおくか。 しかし、なんとも罪のなさげな寝顔だ。 昨日の『教官』とはいろいろな意味で別人のようだ。 まったく、なんだこいつは? それが第四…… ん? 私はいま、笑ったのか? その日より『教官』の指導が始まった。 『教官』の指導方針は、まさに『習うより慣れろ』だった。 日の半分を使って、ひたすら実戦さながらの戦闘訓練。 「!!」 目の前に迫るのは例の白のエステバリス。昨日の訓練機の時とは違う。いや、昨日の『教官』も凄かったが、今日はそれ以上に…… 「ぐぁ!!」 今日の名誉の戦死の第一回目ということか。 昼食を挟んで午後からは、机上での戦術論、というより午前の戦闘の反省会。 驚いたことに、『教官』は午前中の戦闘をシミュレーターで正確に再現して見せた。 「………く!」 翌日はまたも実機での訓練。 これで死んだのは何度目か。 これだけ二階級特進を重ねたら、あっという間に軍のトップに立ってしまうじゃないか。 『どうやって死んだのか。どうして死んだのか。どうすれば死なないのか』 それを脳で認識しつつ身体で覚えろというのが、詰まるところの『教官』の言いたいことらしい。 だが、あと何回死ねばそれを自分に覚えこませることができるんだ。 「……!!」 その感覚は唐突だった。 自分に向けられた『敵』からの殺意。それが無数の『刃』の形をとって自分を取り囲んでいるのが『見え』た。 「………くぁ!」 すくみあがった。体中の神経が一斉に内奥を貫いたような感覚。 「……!!!」 呼吸すら忘れていた身体に、そのことを思い出させたのは、皮肉にもその恐怖の根源に撃墜されたときだった。 『どうやら見えたみたいだね』 『教官』の声がした。 いまさらのように、身体から汗が噴き出し始める。 「……これは……」 救いを求める子羊のような心境で、『教官』のウィンドウを見上げる。 なんだ。いまのはなんだ。 『……それは僕からは言えない』 こちらの疑問を見透かしたような、そしてどこか突き放したような声。 『その答えは君自身で見つけなければいけないんだ。そして……』 「そし……て?」 『これから身に着けなければならない。その恐怖に立ち向かう勇気を』 勇気。 そうなのか。 戦うということは、こんなに恐ろしいことだったのか。 勇気を出すという行為は、こんなに辛いことだったのか。 数日が過ぎた。 訓練は連日続いている。 感覚の正体はわからない。 『教官』も何も教えてはくれない。 『教官』にもアレが見えているんだろうか。 『教官』にはアレがなんなのかわかっているのだろうか。 『教官』はアレに打ち勝つ術を持っているのだろうか。 私には……。 さらに数日。 明日は訓練終了の日。 迫る『敵』。 見える『刃』。 まだかわせる。 『刃』の数が増える。 これもまだ大丈夫だ。 来た。ここだ。 「うあぁぁあ!!」 無数の『刃』。それが全身に突きつけられる。 回避不能だ。 立ちすくめば全身に突き刺さる。 突っ込もうとすれば、やはり全身に突き刺さる。 どうしたらいい。 どうしたらいい!! 逃げるしかないのか。背を向けて。無様に。何もかも投げ捨てて。 逃げる? 身体がのけぞろうとしたとき、リボンの端が自分の頬を打った。 兄が私を叱咤したように思えた。 ああ、そうか。 その瞬間に、答えがわかった。 馬鹿なくらい単純で、理不尽なくらい明確な答えが。 「はああああ!!!」 無数の『刃』。無視した。残らず全部。 迫ってくる。 『刃』が。 で、それがどうしたんだ。 全身に突き刺さる。 『刃』が。 だから、それがどうしたんだ。 ライフルを乱射する。 そう言えば、まともに攻撃をしたのはこれが初めてじゃないか。 他人事のような思考が浮かんだ。 いや、そうか。 そうだよ。そっちのほうがよほど重要じゃないか。 「……ん」 気を失っていたのか。 モニターに『教官』の機体が見える。こちらを抱きかかえるようにしている。 基地への帰路なのか。 『気がついたかい?』 「……ああ」 まだ覚醒しきらない頭でもその程度の受け答えはできる。 「教官」 『ん? なんだい?』 「最後の勝負……」 どちらが……と言いかけて、口をつぐんだ。 どうでもいい。そう思った。 知りたくない。そうとすら思った。 「シンジョウ・アリカ候補生。これより統合軍との交流試合に、訓練生代表として向かいます」 「うん。がんばっておいで」 訓練はすべて終了した。 出発するシャトルの前での、『教官』とのやり取り。晴れ晴れとした気分だった。 「……もう少し毅然とした言葉はないのか」 でも、それとこれとは別だ。 「え……いや」 困ったように頭をかく『教官』。 「はなむけの言葉くらい、くれてもいいだろう?」 「いや、でも、あげたじゃないか、あれ」 背後を指差す『教官』。その先には、シャトルのカーゴに搬入される、『教官』の元愛機がいる。 「私はいわば教官の弟子なんだ。それくらいもらう権利はあるだろう?」 いい機体だが左肩のマーキングは気に入らない。モチーフは悪くないから自分用にアレンジしたものにしようか。 「教えられることはすべて教えてあげたし……むしろあげっぱなしだよ」 「……ほら」 ちょっと不服そうな『教官』に紙包みを差し出す。こういうのは出す時が難しいが、まあ、悪くはないタイミングなはずだ。 「?」 「……ただの照明インテリアだ。あの違う意味で殺風景な部屋にでも置いてくれればいい」 怪獣と戦闘ロボットだらけなのだから、むしろ殺伐としているとも言える。 「あ、ああ。ありが……とう」 「……イヤか、こういうの?」 戸惑うような表情につられ、ついこんなことを訊いてしまった。 「いや、プレゼントなんて、ずいぶん久しぶりでね。それで……ひらたく言えば感動してたというか……」 「あげすぎたかな」 ふと、似つかわしくない考えが浮かんできた。 「え?」 「もうひとつだけ欲しいものがある」 「な、なに?」 「本当は、もっと……もっといろいろ欲しいんだけど……でも」 「………」 戸惑うような『教官』の視線。 バカめ。私はあの『刃』を潜り抜けたのだ。そのくらいで……。 「ん………」 そっと『教官』に顔を寄せ、そして唇を重ねた。 「………」 「………」 そっと離れる。目の前の顔は子供のようにうろたえていた。 「……でも……私はこれだけでいい」 それだけを言うと、逃げるように走り始めた。 シャトルのタラップを駆け上がる。 入り口で振り返って、『教官』の顔をもう一度だけ見る。 言葉は何も出てこずに、ただ手だけを全力で振った。 ようやく我に返ったような『教官』。 何か返さねばと思ったのだろうが、『教官』の出したのはなんとVサインだった。 「ふ……」 「ふふっ」 それでも、笑顔を交し合えたのは、上々だったはずだ。 それだけ確認するとシャトルに駆け込んだ。 これでやっと一本とったことになるのかな。 愉快なはずのその思いは、胸の中で針となって暴れた。 Unicorns だが、愉快だったのはそこまでだった。 交流戦での戦績。 輝くトロフィー。 讃える人々の声。 みな虚ろに響いた。 『教官』に会えて変わった筈だった。変われた筈だった。 でも違った。『私』は『私』のままだった。 反逆者の妹。ただ、それだけがすべての『私』。 ただ、あそこには『教官』がいて、『教官』が『私』を丸ごと受け入れてくれていただけだったんだ。 そう、ただ『教官』がいただけだったあの場所。 あの場所。 帰りたい。 戻りたい。 あの日々に。 あの愛おしい日々に。 それだけを願った。 異動の辞令が出た。 『訓練学校での再訓練を命ず』。 交流戦での戦績を考えれば左遷でしかないが、それでもよかった。 戻れる。 また『教官』に会える。 逢える!! たとえ少しの期間でも、いや、いっそ『教官』の秘書にでもなって、そうすればずっと……もともとの秘書がいようとそんなのどうとでも、とにかく全力で頼んで、『彼女』がいたって、そんなのだって、とにかく、逢えれば………。 浮ついた気分を鎮めてくれたのは、空っぽになった『教官』の部屋だった。 「………」 立ちすくんだ。 どこへ行ってしまった。 『教官』。 手当たり次第に訊いて回ったが、だれも気まずそうに顔を背けるばかりだ。 やっとのことで、顔見知りの訓練生から聞きだした。 「身体を壊したって話だ。もともとの持病だったみたいで……重病だって……もう、長くないみたいだ………」 必死で探した。『教官』の行き先を。 自分の持っているツテのすべてを使って追った。『教官』を。 だが、何も見つけられなかった。 行き先どころか、『教官』がここにいたという痕跡すら。 かつて『教官』の部屋であったはずの場所。 初めて『教官』に会ったその場所で、私のなにかが切れてしまった。 床にしゃがみこんで両手で顔を覆う。 帰ってきたのに。 戻ってきたのに。 逢いに来たのに。 またなくしてしまったのか。 なくして……しまった……のか。 「こんにちは」 「………」 女性の声だった。 涙を急いで拭い振り向く。 二十代前半くらいの女性。ブラウンの長い髪が印象的だった。 「はじめまして」 柔和な微笑み。 「あなたは?」 それだけなんと言えた。声は涙で濁っていた。 「『スカウト』ってとこかしら」 「…………?」 「お兄様の御意志……継いでみませんか?」 「……!」 その衝撃は隠すことができなかった。 こちらのその反応を確かめると、その女性はまた微笑み、そして言った。 「新たなる秩序のために……ね?」 火星の……後継者。 気がつくと、戦場にいた。 新たなる指導者の下、再び決起した火星の後継者。 自分はそれに機動兵器のパイロットとして参加した。 候補生ではあったが、もともと素養もあったし、何よりあの『教官』の一番弟子なのだ。歴戦の勇士ぞろいの部隊だったが、彼らに肩を並べるのにさほどの時間は要らなかった。 なにより反逆者の妹である自分を、むしろ英雄のように迎えてくれる場は、もうここしかなかった。 でも違う。 私は私なんだ。 反逆者の妹でも英雄の妹でもない。 私はアリカなんだ。 ただそれだけ。それだけを知って欲しいだけなのに。 それをわかってくれたのは、多分貴方だけだったんだな。 愛機の装甲を軽く叩いてみる。 『教官』から受け継いだ白いエステバリス。 これだけは手放すことができなかった。敵側の機体を使うことへの危険と風当たりはあったが、それらはすべて自らの技量でねじ伏せた。 すべてを失った。その残滓はこの機体とリボンだけなのだ。 肩のマーキング。雌のユニコーンがこちらを見ていた。 火星に迫る敵。一度は優勢にことを運んだ火星の後継者だが、次第に地球側の物量に圧倒されていった。 そしてその中心にいるのはあのナデシコだった。 残る拠点はここ火星のみ。 防衛の先陣として出撃を命じられる。 それでも皆の士気は落ちない。 『この一戦に何を賭けるのか、それは各人の判断に任せたい。だが、ただひとつ顧みてみて欲しいのは、諸君がいまここにいる理由だ。今日という日に、ここで我らが戦うそのことによって何が変わり、そして変わらぬのか……』 南雲義政の声が火星全土に響いていた。 合流したときに一度会い、軽く言葉を交わしただけだった。だが、彼の眼が印象に残っていた。 堂々たる威風と、カリスマ。だがその下から、一瞬見せた、あの眼。 自分と同じ眼をしていた。彼もそれを感じ取ったから、自分にそれを見せたのだろうか。 火星への降下を始めた地球側。 統合軍と宇宙軍の混成部隊だけに統制は悪そうだが、数だけはいる。 乱戦となった。 足止め部隊である自分達にすべきことは、最期の一兵まで戦うこと。 全身に突き刺さる殺意の『刃』。 それに耐えつつ、敵の群れに突き進む。 味方の姿は徐々に見えなくなっていた。 自分が最後の一機なのか。 どこ行った。みんな、みんなどこに行ってしまった。 「くっ!」 視界の真ん中を、白い船体が通っていく。 「ナデシコ!!」 またしてもあの艦か。 「くあああ!!!」 突っ込む。せめて一太刀浴びせねば。 私は、私は『エース』だ。 『教官』が手塩にかけて育てた『エース』なんだ。 ブリッジ。照準に入った。 「!!」 突然現れる金色の機体。武器と装甲の塊のようなシルエット。確かこいつは、『キブクレ』の通称で呼ばれている、ナデシコの…… 「ちぃ!!」 敵のほうが強い。直感的に悟った。 またも感じる無数の『刃』、それを無視し両腕のライフルを突き出す。 勝てぬなら刺し違える。 だが、敵の方が早かった。 「……う」 走馬灯が終わってしまった。 一瞬だが気を失っていたのか。 火星の大地が迫る。 もういいんだ。 兄も、名誉も、『教官』も、かりそめだったとはいえ仲間も、そして『教官』にもらったこの機体も壊してしまった。 眼を閉じる。こんな自分を迎えてくれるというのなら、もう、冷たく硬い大地でもいい。 背中に軽い衝撃。 「は?」 思わず眼を開けた。何かが自分を捕まえ、機体を持ち直そうとしている。 「………やめてくれ!! 私は、私はもう………いやだぁ!!!」 絶叫した。悲鳴だった。 『だめだ!!!』 「!!」 激突寸前だった機体がわずかに持ち直す。 大地と機体の何処かを抉りつつ、だが、二つの機体は止まらない。 「ぅぁああああ!!!!」 機体の両腕を動かし、大地をつかませる。機体の腕が残っているか自信はないが、何もしないよりはましだ。 衝撃。 とっさに体を丸める。 「………ぅ」 顔を上げた。目の前に命の恩人の機体がいた。 「………?」 『キブクレ』だった。先程まで自分と戦い、そして撃墜した敵がなぜ……。 右腕がぎこちなく動き、そっと指を二本立てる Vサイン。 「…………『教官』?」 金色の機体が上昇を始める。 「『教官』!!!」 思わず立ち上がり、手を伸ばした。 「………ぁ」 飛び去る機体。ゆっくりと遠ざかり、そして見えなくなる。 開閉ハッチ。だが作動しない。 強制排除。軽い火薬の爆発がハッチを吹き飛ばす。 機体の上に立ち上がる。ヘルメットをはずした髪を火星の風が弄ぶ。 静かだった。戦闘は終了したようだ。 「…………教官」 生きていた。 また逢えた。 「………ふふ」 涙と、そして笑いがこみ上げてきた。 「……あはははははは!!! ははははははっ!!!」 リボンを外し、火星の大気に放つ。 風に流れていくそれは、一本の白い線だった。 失ってはいなかったんだ。なら、その残滓などいらない。 私はいま笑えている。心から。 笑ってるよ、『教官』。 また逢えたね、『教官』。 また逢えるよね? 『教官』!! あとがき(矢車さんすご〜い) どうも異界です。やさぐれサイコーです。どうせ俺なんてです。好きなテレビ番組の話です。どうもすみません。地べた大好きです。というわけで3rdです。本編と外伝が同数というのもどうよです。一度やってみたかった視点変えものです。すなわち本編知らないと多分意味不明です。重ねてすみません。 キャラ設定 ・アリカ 本編主人公兼視点キャラ。異界のオリキャラにしては珍しく女の子・活躍・まともに生存です。いわゆるクールビューティーですが、少々天然さん。劇場版某キャラの妹さんという設定です。 ・『教官』 ゴホゴホ……ノーコメントで。 ・『校長』 その問いはどうでもいい。 ・『スカウト』 いつまで起きているんです! MISSION編 プロローグができました。脳内で。いや、改変もの苦手なんですよ書いたことないけど。本編丸写しはしますまいとか、原型意外はすべて変えねば書く意味がありますまいとか、変なこだわりが邪魔をしておりまして……まったく、ねぇ。 |
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