永遠の時の中で




NADESIKO AFTER STORY
            
   永遠の時の中で

     第三章 TWIN WAY


   

 一面、純白の世界
 何もかも、考えるのがバカに思えてくる
 何も考えたくない
 何もしたくない
 生きていたって仕方が無い









 
 「何故・・・・・見ず知らずの私を助けたんだ?」
   
  生きて居たってしょうがないのに

 『私の目の前で死なせたくなかったんです。
  言ってみれば、私の我侭ですね』

 「我侭?」

 『はい。
  あ、あなたのお名前はなんて言うんですか?』

 「・・・名前?」

 答えたくない・・・・・答えればこの娘にも災いがくるか   もしれない・・・

 「名は無い」

 『そうですか。
  じゃあ私がつけてあげます。
  そうですねぇ〜〜〜・・・【〜〜〜】なんてどうです』

 「・・・・・」
 
 『あっ、ごめんなさい。
  気にいらなかったら別の・・・」

 「それでいい」

 どうでもいいことなのだから。

 『え?」

 「おまえはなんと言う名前なんだ?」

 『え?あっ、私は【あやめ】と申します』

   



 ???

 「ふ〜、やっと着きましたな」

 「本当にこんな所にいるのか?」

 「はい。
  何でも、ここで引き取った子供達のお世話を手伝っているそうですよ」

 「しかし・・・まだいたとはな・・・」

 「皆さんが知ったら怒るでしょうね」

 「仕方あるまい。
  この戦に勝つためには彼女の力が必要だ」

 「でしょうな。
  さて、・・・ごめんください」



*火星の市街地

 「お腹減ったな」

 「そうだね。
  どこかで食べていこうか?」

 「みんなが心配しないか?」
   
 「大丈夫、大丈夫!
  ラピちゃんもお腹空いたよね」

 「うん」

 「決定!じゃあイコイコ」

 俺とラピスとユリカは買い物の帰りだった。
 え?戦争中なのに何で買い物なんかできるんだ?
 それはね・・・説明おば・・・コホンッ、お姐さんが来るから勘弁して。

 『それはね、ここが宇宙軍のエリアだからよ』

 ハッ!何時の間に!?

 「アキト〜、どうしたの?」

 「い、いやなんでも無い」
 (深くは考えまい)

 「あ、ここにしようよ」

 「海斗亭か・・・」

 思い出すなぁ・・・
 ルリちゃんの話だと木星のプラントで・・・。
 ・・・・・何だか、今にもひょっこり出てきそうだな。

 「パパどうしたの?」

 ラピスが心配そうに服の袖を引っ張る。

 「いや、何でも無いよ。
  早く入ろう」

 そうして中に入ると威勢の良い声が聞こえてくる。

 「いらっしゃ・・・い!」

 ん?どうしたんだ?
 俺、何かやったか?

 「どうしたんですか?」

 「い、いやなんでも無いですじょ」

 そうやって俺達に背中を向ける謎の料理人。
 怪しい・・・

 「私はねぇ、ん〜〜〜と、天ぷら定食」

 「お魚定食」

 ちょっとは気にしろよ・・・
   
 「気にしたってしょうがない・・・
  塩ラーメンね(昔から料理人の腕を見るにはやっぱ塩だよな)」

 「は、はい、しょ、少々お待ちください」

 顔をお盆で隠しながら後ろ向きで調理場に行くウエイトレス。
 ・・・怪しい。



厨房
   
 「ど、どうするの?」

 「どうするって言われても」

 「何でよりにもよってここに来るのかしらぁ」

 「と、とにかく、顔は見られないように」

 「どうやって?」

 「・・・根性で」                         
 「・・・・・」
 
 「・・・・・」    

 「・・・・・」

 「ファイトーーー!」
  
 「いっぱーーーつ!!」 



 15分後、やっと料理が来た。
 その間、怪しげな声が聞こえてきたが・・・気にするのは止めよう。
 そお、たとえ片手でお盆3つ持ち、もう片方で顔を隠そうとも!!
   
 「わぁ〜〜〜、おいしそう〜〜〜♪」

 「いただきます」

 相変わらずマイペースだな、二人とも。
 さて、俺も食べるかな。
 まずはスープから・・・・・綺麗だ、透き通っている。

 ゴクッ

 ・・・カッ!!(目が見開く音)

 「うまい!!!」

 びくっ!
 「ア、アキト?」       
   
 「この味!この香り!そしてこの爽快感!!
  たまらない!!食べずにいられない!!!」
 
  ズッ、ズズッ、ズ〜〜〜〜〜!

 「「・・・・・(汗)」」

 ゴクッ、ゴクッ・・・、トン

 「・・・・・」

 「「・・・・」」

ダダダッ!!!バンッ!!!(アキトが突如厨房に駆け出す音)

 「ご主人!俺を弟子にしてくれ!!!」

 「アキト・・・(汗)」

 「パパ・・・(汗)」

 「たのむ!」

 「そ、そんなこと言われても・・・(汗)」

 背を向きながら戸惑う料理人とウエイトレス。

 「ちゃんと俺を見てくれ!」

 アキトが回り込む・・・が、それをかわす二人。

 「何故見てくれない!」

 再度回り込むアキト
 かわす二人
 しかし諦めないアキト
 それでもかわす二人

 「ハァ、ハァ、仕方が無い」

 静かに精神統一するアキト

 「木連式柔が奥義〜、超級覇王ユリカ弾!!!」

 「ひょえ〜〜〜〜!!」(飛んで行くユリカ)

 ガンッ!!(クリティカルヒット5000のダメージ)

 「ぐぇあっ!!!」

 「ちょっと何するのよ!」(怒)

 「え?」

 「あ・・・・・」

 「エエーーーーーーー!!」

 「な、な、なぁ〜」

 アキトは驚きのあまり次の声が出てこなかった。(ユリカは気絶中)
 何故ならば目の前に居る二人はアキトが知っている人物・・・
 と言うか、死んだはずの人物だったからだ。
 その人物とはかつて一緒に暮らしたこともあるカイトとボソン ジャンプに巻きこまれて死んだはずのイツキだった。(ちなみ にカイトも気絶中そして俺も気絶した)
   
 ばたんQ〜
   



 ある一室の中、プロスとゴートは何やら目の前の女性と話して いた。

 「・・・・・と言う訳で協力してくださいませんか?」

 「・・・・・ずるい人ですね。
  どうせ断ったって関係無いのでしょう?」

 「すみませんね。
  こちらも切羽詰っているもんで」

 「・・・・・」

 この沈黙は長いものになると思われたが、意外にも目の前の女 性からすぐさま返答が帰ってきた。

 「・・・・・協力してもいいですが条件があります」

 「はい、なんでしょうか?」

 「――――――――――――。」

 「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜?」

 「―――・・・〜〜〜〜〜〜〜〜〜。」

 「・・・・・いいでしょう」

 話がまとまったその時、ふすまのとが開いた。

 「おや?誰か来たようですな」

 プロスが言ったそこには男とも女とも受け取れる者が立ってい た。
 緑にも見える深い黒色の長め髪、スラリとした170後半の身長、そして漆黒の瞳。

 「・・・・・千影さん」

 「話は聞いたよ。
  ・・・・・行くのかい?」
       
 「はい」

 「どうしても?」

 「はい」

 「なぜ?」

 「私はあなたに助けてもらいました。
  忠実に従うだけだった私=マリオネットの糸を断ち切り、歩  んでいく素晴らしさを与えてくれました。
  だから私は、あなたとあなたの子に等しい子供達を守りたい。
  ・・・・・失いたくないの」
    
 彼女の言った言葉はとても深い決意が感じられた。
 彼女の涙に濡れた瞳を見て、
 プロスとゴートは彼女と千影を気遣うようにそっと部屋から出ていった。

 「君は・・・マリオネットなんかじゃないよ。
  ・・・・・ほら、君の瞳からこんなにも涙が出ているよ」

 瞳から出ている涙を指ですくい、彼女に問い掛ける。

 「人形からは涙は出ないよ?」

 その瞬間、溜まっていた物を全て吐き出すように彼女は泣いた。
  
 「大丈夫。
  少なくてもここに居る子達もそう思っているはずだよ
  お前のおもうがままに生きなさい。
  お前は人形なんかじゃないんだからね、【狭霧】」 ・







 「では、早速行きましょうか。
  狭霧さん」
 
 「はい。
  ・・・・・必ず生きて帰ってきます、千影さん」

 「ああ、待っているよ」




・ 


 「・・・・・よいのか?あんなことを言って」

 プロスペクター達が帰ってから背後から突如現われた男の言葉 に冷静に答える。

 「いいんだよ。これで・・・・・」

 「わからんな。
  お前の考えていることは」

 「私は道を示したに過ぎない。  
  後は狭霧が歩むかどうか」(そして、これからも・・・)
 
 「結果、お前と戦うことになってもか?」

 「・・・・・お前に理想があるように、私にもやらなくてはな  らないことがある。だからお前達と手を組む気になった」

 謎の男は溜め息混じりに肩をすくめた。
 だが次の瞬間、男の目は険しいものとなって千影に向ける。

 「お前が何を考えているのかは知らんが、今は優秀な人材が喉  から手がでるほど欲しい。・・・・・お前の提示し条     件・・・不本意だがのもう」

 「ならばこの書類にサインを」

 どこからともかく白い書類が出てきた。

 「・・・・・どこから出したんだ?」

 「企業秘密と言うことで。
  しかし、正直だな。普通言わないぞ、不本意なんて」
     
 「不器用なだけだ」
  
 「ふふ、お互い不器用だな」

 「不器用だからこんな生き方しかできないのかもしれんな」

 「そうだな・・・・・何時までそこに隠れている気だ?」

 家の周りの植木から次々と現われてくる黒服の男達。
 そして黒服の男達の中心に白い服を着、黒い長髪の男が鋭い眼 光を向けていた。
      
 「ふっ、久しいな月臣元一朗。
  ネルガルの犬になったというのは本当だったか」

 「探したぞ【南雲義政】!」

 「まぁ、積もる話は後にして何の用だ?」

 「何を考えているかは知らんが貴様は危険過ぎる。
  命貰い受ける!」 

 月臣元一朗と黒服・・・ネルガルのシークレットサービス達は 一斉に攻撃態勢に移る。

 「その程度で我を倒そうなどと考えてはいやしまいな?」

 「ぬかせ!はぁーーー!!」

 月臣が全力で南雲に襲い掛かる。
 月臣の渾身の右が決まるその瞬間その右腕は南雲の右の手のひ らによって月臣から見て右に弾き飛ばされその直後、南雲の左 によって月臣の右肘は破壊される。
 その破壊された肘の内側からは骨が出ていた。

 「ぐあぁーーー!!」

 「月臣、そなた未だ未熟なり。
  さて、他の奴等も・・・
  !?・・・・・」
   
 「もう終わった」

 「・・・ふふ、本当に訳のわからん奴だ」

その場には数秒前の光景とは明らかに違う光景が広がっていた。
 その場の植木に紅い牡丹の花が咲き乱れたような光景だ。

 「月臣・・・お前の命、生かしといてやる。
  己の未熟さを十分悟るが良い」

 「ぐ、南雲ーー!!」 
         
 「さらば、また会おう」

 そのまま二人は去っていった。

 「くそ!」



後書き?

しまった!あの二人強すぎる。
つい、勢いで書いてしまった・・・・・どうしよう?
・・・・・まぁ、いいか。(爆

と言う訳で、最近、趣味爆発のホムンクルスです。
う〜ん、趣味に走ったため、カイト君が食われそうなキャラ大放出!(核爆
さぁ、続々と主要キャラが出てきました っていうか、主人公カイトがやっと登場!
はたしてこの後どうなるか?
イツキはカイトを新キャラ(女)に奪われてしまうのか!?(大爆
それは、私にもわかりません。(だめじゃん

ついでに言うとこの話は「『思いで』は刻のかなたに・・・(ラビオエンド)」→「The prince of darkness」→この話となっています。
理由?そんなのは簡単。
この方がネタにしやすいでしょう?(爆
    
「ところでホムンクルスさん?」 
  
はい。なんでしょうルリさん。
    
「名前の由来(新キャラ)は何ですか?」 

あ〜〜〜・・・これは冒頭の人の過去を説明しなくてはならないのでパス。



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