永遠の時の中で




・・・・・あの日、会社から帰ってから親に聞いた最初の言葉は【お前】が
   死んだことだった。
   それを聞いた俺は信じられなかった。
   悔しかった。
   憎かった。
   俺の【弟】を殺した奴が。
   そんな時、【お前】の部屋を整理していて【お前】の宝物《ゲキガンガー》
   を見つけたんだ。
   気がついたら俺は何と無く《ゲキガンガー》を見ていた。
   お前の気持ちが、今ならわかる。
   ・・・・・お前が貫き通そうとした《正義》が。
   だから・・・・・俺は・・・・・・・・・。



  NADESIKO AFTER STORY
            
              永遠の時の中で
                           by ホムンクルス

        第二章 太郎さん?



     



   

   突然現われた《独立強襲遊撃分艦隊ルドルフ》のおかげで難を逃れた第一、
   第三艦隊はネルガルが作ったターミナルコロニーネルガルで修復作業を行っていた。
   このコロニーは他のコロニーとは比べ物にもならないほどの規模を誇っていた。
   
   「何とか助かりましたね」

   ルリが暗くなっている部屋の中で素直な感想を述べた。

   「うむ、助かった。
    礼を言うぞケイル中佐」
   
   頭を下げるコウイチロウを慌てて制するケイル

   「やめてください、総司令」

   「しかし、何で月にいたんだね?確か、君の部隊は火星に行くと聞いていたが?」

   「はい。それがですね、火星に向かっている途中で機動兵器のテストをおこなって
    いた所に統合軍だと思われる戦艦を発見しまして、もしやと思い戻ってきたんで
    す」

   「良い判断だ」

   「ありがとうございます」

   「さて、これからどうするか」

   「取りあえず、秋山少将の第二艦隊とムネタケ参謀の第四艦隊、トウマ大佐の第五
    艦隊が到着するまで待つしかないでしょう」

   コウイチロウの呟きに素っ気無く答えるルリ。
   現にこの戦力ではどうしようもなかった。

   「それにつきましては良い案があります」

   「「「「え?」」」」

   「水の中からこんにちは〜〜〜」

   「プロスぺクターさん一体どこから入ってきたんですか!?」

   「まぁまぁ、気になさらずに」

   ジュンの質問はあえなく流されてしまった。

   「良い案とは何かね?」 

   (キランッ)
   「実は我々ネルガルは兼ねてから機動力と破壊力そして優れた情報能力を併せ持つ
    艦隊を考えていました。
    そして、先ほどの《ルドルフ》の働き振りを拝見しましてその考えが間違ってい
    ないこと確信しました」

   「つまり、独立強襲遊撃分艦隊増やせと?」

   「いえ、ただ闇雲に増やしても意味がありません。
    問題は質です。ですから、我がネルガルが最強の質をお届けしましょう」

   「ふむ、それはありがたいが、見返りは何かね?」

   怪しく、プロスペクターの目が光る。

   「いえいえ、見返りなど・・・・・・・・ただ、我が社といたしましては早く本社を取り
    戻したいだけでして」(キランッ)

   (怪しいですね。今、確かにプロスさんの目が輝いた様に見えましたが・・・・・・)



   
  ???

   (なるほど、情報通りだ。
    ネルガル・・・・・注意しなければならないな。)



   



   そんな訳で新たにナデシコを中心とした【独立分艦隊】を設立した訳。
   クルーはメグミさん、ホウメイガールズ、ジュンさん以外のレギュラーメンバーが
   全員ナデシコに搭乗しているからむさ苦しくてしょうがありません。
   でも何だか、懐かしい感じがします。
   やっぱり、アキトさんとユリカさんが乗っているとシックリきますね。
   ちなみに、私が艦長でユリカさんが提督となっています。



   「で、今度来るパイロットって奴はどんな奴なんだ?」

   「まぁ、来るまでの秘密ということで」

   「どんな人なんだろうねぇ〜〜?アキト」

   「そうだな、苦手な食べ物とか聞かなくちゃな」

   「よっしゃ〜、着いたらシュミレーターの相手してヤンゼ」

   「あ、わたしも、わたしも」

   「スープをスプーンですくって息を吹きかけて冷ます。
    それはwho(フゥ〜)」

   格納庫では新しく来るエステバリスのパイロットがどんな奴か確かめるべく野次馬
   でごった返していた。
   何故かアキトはプロスペクターに事前に「来てください」と言われていた為不思議
   に思っていた。



 *ここからはアキトの視点でお楽しみください



   (なんでプロスさんはあんなこと言ったんだろう?
    俺に何か、関係あるのか?)

   なんて事を考えている間にそのパイロットが乗っている機体が来たようだ。
   三色のゲキガンカラーで・・・・・・・・ってゲキガンガー!!?????
   
   「な、なな、あのカラーリングはガイのエステと一緒だ!」
   
   (お、落ち着け、落ち着くんだ俺。
    単にカラーリングが一緒なだけだ。
    そうだ!きっと熱狂的ゲキガンガーマニアが乗っているだけだ!!
    そうさ!そうなんだ!!それなら納得がいく!!!)

   動揺が隠せないアキト。
   他のクルーもあまりの衝撃で呆然としていた。

   「降りてきたみたいですよ」

   ガイのことを知らないハーリーが降りてきたパイロットを見てそう言った。
   降りてきたパイロット見て旧ナデシコクルーはさらに驚いて目を見開いた。

   「ガ、ガ、ガ、ガ、ガイ(ヤ、ヤ、ヤ、ヤ、ヤマダさん)!!!???」

   降りてきたパイロットはガイ(ヤマダ ジロウ)にそっくりというかあの時のガイが
   そのまま歳をとったような感じだった。
   俺はその瞬間叫ぶように両手を併せてお経を唱えてしまった。

   「「「「「「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏迷わず成仏!!」」」」」」

   何故そんな事をしているかわからない高杉、ハーリー、そしてガイ(ヤマダ)そっく
   りのパイロットは引いていた。
   
   「オイ!テメーラ、人を勝手に幽霊にするな!
    それに何のことかさっぱりわからねえぞ!!」

   「その声、間違いないガイの声だ・・・・・・・
    うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜!!!
    確かにガイ、その登場はかっこいいけどいくらなんでも幽霊になってまでやるな
    んてぇぇぇ〜〜〜〜〜!!!!!」

   俺は完璧にキテいた。
   そう、例えて言うのならばZZに出てきたヤザン並みにキテいた。 
 
   「まあまあ、みなさん落ち着いて下さい。  
    アキトさん、彼はヤマダ・ジロウさんではありませんよ。」

   「「「「「「え!!!」」」」」」

   「それじゃあ、全くの別人?」

   「いえいえ、そうでもないんですよ」
 
   「どういう意味・・・・・・」

   プロスさんの言っている意味がわからなかった俺はただ、呆然としていたが次の
   一言でその意味が解った。

   「彼はヤマダ・ジロウさんのお兄様なんです。」
 
   「「「「「ホッ」」」」」

   みんなが一斉に胸を撫で下ろす。
   かく言う俺もかなり安心した。

   「それにしてもヤマダさんにお兄さんがいるなんて始めて知った〜」

   ユリカ・・・・・艦長だったんだからしっとけよ。
   それにしてもそっくりだな。
   やっぱ、性格とかも同じなのかな?

   「コホンッ、何はともかくナデシコでパイロットやっていただく事になりました、
    ヤマダ・タロウさ『ダイゴウジ・ガイだ!!!』」

   ・・・・・・そっくりだな。
   それにしても、魂の名前が同じだ。

   「俺は今は亡き弟に誓ったんだ!!お前の魂を受け継ぐと!!!
    だから俺は、『ダイゴウジ・ガイ』だ!!!!!」

   な、なんだ!?この体を駆け巡る熱いものは!?
   ・・・・・そうか!わかるわかるぞ。
   これが<漢>か!!(どうしたのアキト?)

   「わかる、わかるぞ〜!!俺にはその気持ちが痛いほどわかる!!」
                     (え?ア、アキト?)
   「そうか!!わかってくれるか!!!」

   「そうっすよ!これが<漢>ってもんなんだよ!!!」
                     (え?あ、何、言って・・・え??)
   「こんな所に<漢>の意味が理解できる奴が居るなんて・・・・・
    俺は今、猛烈に感動している!!!」

   「ガイ!!!」

   「アキト!!!」

   ガシッ!!!

   俺はガイと骨も砕かんばかりに抱き合った。

   「い、い、イヤーーーーーーーーーーーーーー!!!
    アキトが、アキトがぁ〜〜〜」

   ユリカが何か叫んでいるようだが聞こえない、聞こえない。
   今、俺はガイと<漢>の友情について魂で語っているんだ
   誰も俺を止めることはできない!! 


 


   しかし!ここにも<漢>がいた、汝の名は・・・・・・・ウリピー!!



 *ウリバタケ・ビジョン

   「いやはや、すごいですなぁ。
    ここまでいくとは・・・・・ねぇ、ウリバタケさ・・・・・・」(汗)

   「わかる、わかるぞ〜〜俺にも見えるぜ。
    <漢>の熱き思いが!!」

   俺の瞳は涙で何も見えない状態だった。
   思い出す、思い出すぞ!若い頃にやった新聞配達をやっている自分を!(なぜ!?)
 
   ガシッ!!!

   「オマエラの気持ちは良くわかった。
    一緒に緑の地球を守ろうじゃねぇか」

   「博士」(違います)

   「セイヤさん」

   「おいおい、そんな他人行儀で呼ぶなよ。
    これからは一緒の釜の飯を食らい、生死を共にするんだぜ。
    義兄貴と呼びな」←

   「「あ、義兄貴!!!」」

   ガシッ!!!

  ・
  ・
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  ・  
  ・ 
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  ・

   こうして<漢>3人は義兄弟の契りを結んだのだった。
   後にこの誓いは【ゲキガンの誓い】となずけられたそうな。

   一方、新妻さんはと言うと・・・・・・・

   「・・・・・・・・・・・・・・」パタッ

   チーン

   「ばか」



  後書き?

   ゴメンナサイ、ゴメンナサイ!! 
   ど〜〜〜うしてもこれがやりたかったんです!!!
   だから許して。
   
   「だからってこんなことにアキトを巻き込んで・・・・・
    ゆるさないんだからぁーーーーー!!」

   ドゴォーーーーーン!!

   うげはっ!



   『あの二人はほっといて、話を進めたいと思います』

   勝手においていくな!

   『良く無事でしたね』

   まあ、作者だし。

   『ともかく、我が道を逝っていますね』

   ちょっと待て!漢字が違うぞ。

   『・・・・・・ドンマイ』

   って、オイ!!

   『それでじゃ、また会いましょう。
    サヨウナラ』

   勝手に終わりにするな〜〜〜!! 

   「・・・・・僕の出番は?」=次回!(爆



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