機動戦艦ナデシコ
                   E I V E   L O V E
〜 The blank of 3years 〜
記憶のかなたで逢った人たち






 第5話 現在より、『過去』と未来へ



 2098年12月31日大晦日  

 ちらちらと小雪の舞う中、公園のすぐ近くにいつものラーメン屋台はあった。

 「お客さん、来ないね……」

 「大晦日ですから」

 「退屈だね……」

 「寒いし、雪降ってますからね……さむっ」

 「アキト、寒いね……」

 「って、抱きつくな! 仕事中だろ!!」

 「あぁん。アキトの意地悪!」

 年が変わろうとするのに、相も変わらずの調子である。

 ともあれ、皆ユリカとほとんど同じ気持ちである。日系人であれば、大晦日の夜はこたつで蕎麦を食べながら紅白である。小雪ちらちら舞う中、外にでてまでラーメンを食べようとするのはまれだろう。

 「けど、さすがにこれだと商売にならないな。そろそろ店を閉めるか」

 時間は9時。ここまでの売り上げはたったの10杯。0時を過ぎて、お宮参りに行く客を待つのも考えだが、それまでに風邪をひいてはいけない。アキトは店を閉めることを決めた。

 「そうしようか。当分はお客、来ないだろうから」

 「けど、アキトのラーメンは美味しいのに」

 「この寒い中、ルリちゃんやおまえが風邪をひいたらどうするんだ。ほら、さっさと片づけるぞ」

 アキトはユリカを手で片づけをはじめるように促す。

 「ちゃんと心配してくれてる……やっぱり、アキトはあたしが大好き!!」

 ユリカはアキトに飛びつく。

 ルリとカイトはそれを横目で見、

 「お二人とも、片づけが終わるまでには終わってくださいね」

 「やっぱり、これがないとな」

 と、いいたいことを言って淡々と片づけをしていく。

 「だー。2人とも落ち着いてない!!」

 「大丈夫だって。最近はそのくらいでフリーズしなくなったから」

 カイトは笑いながら答えるが、論点がずれている。

 「ほら。ルリちゃんとカイト君がいいって言ってるから」

 「別に今じゃなくてもいいだろ」

 アキトが最後の妥協点を出す。

 「今じゃないと困る」

 「ですね。帰ってまでされると居場所が無くなりますし」

 さすがに、他の場所、特に家などの時間制限のないところでされてはたまらないとカイトとルリが息のあった攻撃をする。しかし、

 「でも、お終い。アキト、ユリカさん片づけ終わったよ」

 「「ぎゃふっん!!」」

 2人は見事にずっこけた。





 屋台を押す位置は、アキトが前をユリカとルリが積んである椅子などが落ちないように両側、最後にカイトが後ろから押すという位置になっている。

 がらがらと家であるぼろアパートまで押していく。

 路地を曲がり、あと少しのところでカイトは妙な気配を感じた。見られている。

 監視の目かと思ったが、始めの頃、見られているという視線をいやと言うほどに感じたので「見張り役なら、見張られているのを悟られないぐらいにしてください」と強くエリナに言って以来、意識しない限りそのたぐいの視線を感じなくなっていた。

 だが、今は感じる。特に悪意は感じられないが悩んでいるような視線。

 (まあ。いいか。狙われたって、ネルガルの監視員の皆様もいるし)

 本当にのんき者である。ナデシコにボソンアウトしてきた頃のカイトがまるで嘘のように見える。

 

「カイト君」

 (帰ったら、紅白かな。でも、あのぼろテレビが映るかな。昨日からの雪でたまに画面がおかしくなるから……)

 

「カイト君」

 (なんとかなるか。こたつもあることだし。最低限、あの極寒の日々からはおさらばできたからな……)

 「カイト君」

 (ラーメン食べながら、年越しもおつなものかな……)

 「人が呼んでいるのに。ちゃんと返事をしなさい!」

 ごすっ

 ハンドバックの角がカイトの頭を直撃する。

 「っっっっっっ!! いきなり、角は反則……ひっ!」

 そこには柳眉を逆立てたエリナが立っていた。

 「何度も呼んでも、答えないあなたが悪いのじゃないの」

 「そんな理不尽な……」

 よほど痛かったのだろうか、カイトは叩かれた部分を押さえて目尻の涙を拭いた。

 「で、ハンドバックの角で殴らなければいけないほどのことってなんですか?」

 少し恨みがましくエリナを見る。エリナはちょっとだけ表情を崩して、

 「ここだと話しにくいから。少し、ついてきてくれないかしら」

 「カイトさん、エリナさん。こんなところで何やってるんですか?」

 いつの間にかカイトの横にルリがいた。2人の会話が聞こえたのだろうか。

 「いきなり唐突ね、ホシノ・ルリ。でも、用があるのは彼だけなの」

 「でも、私達には聞かれたくない怪しいことなんですね」

 「そうね。子供にはちょっと早いかしら」

 

「あの〜。もしもし」

 「無理しない方がいいですよ。出来もしないことなんですから」

 

「おーい」

 「なによ、このがきんちょ!」

 「人の話をちょっとは……」

 「いやだな、おばさんは。すぐ怒鳴る」

 「だから……」

 「「うるさい!!」」

 2人ににらまれじたじたになるカイト。

 そのまま、エキサイトしていく2人。

 助け船をも止めるように後ろを向くと助けはいた。

 「アキト、ユリカさん。あの2人を止めてくださいよ」

 「とかいってもな、原因はカイトだろ?」

 「うん。ルリちゃんもエリナさんもこんなに感情的になるのは珍しいし。あたし達じゃ無理よね、アキト」

 「そうだな。2人とも怒ると怖いからなぁ」

 アキトとユリカはにやにやとしながらはぐらかす。

 カイトの顔には縦線が入っていた。

 「2人とも、さっきのことを根に持ってるでしょ?」

 「「もちろん」」

 見事にユニゾンする。

 「謝るから、その前にあの2人を止めてよ」

 「はははっ。それじゃ、そろそろ止めようか。カイトの困る顔も見れたことだし」

 「そうだね。たまには、このくらい仕返ししないと。ほらほらルリちゃん、エリナさん。カイト君が困ってるよ」

 ようやくユリカが助け船をだしてくれたことで胸をなで下ろすカイト。ただ、根本的な解決になってないことに気づいていない。

 ルリとエリナははっとすると、顔を赤らめる。

 「2人とも落ち着いたかな。で、エリナさん。用って何ですか?」

 どう見ても、別の意味で落ち着いてはいなさそうだが、カイトはしらずか言葉を進める。

 「用って言うのは、あのときの約束を果たしてもらいたいのよ」

 「あのときの約束ですか……パフェはおごりましたよね。となると、あれですか?」

 「そうよ、あれよ。ようやく目処がついたのよ。フレサンジュ博士のお墨付きで」

 少し困ったように頭をかくカイト。

 ここで声をかけてきたと言うことは、約束通り"危険が無くなった"と言うことなのであろう。イネスのお墨付きとあればより信憑性が増す。

 嘘をつかれることはともかく、嘘をつくことは嫌いなカイトは拒絶できない。

 「けど、こんな時間にですか?」

 「ちょっと事情がせっぱ詰まっているのよ」

 エリナは少し苦いものをかんだような表情をする。

 「わかりました。事情はあとで聞かせてもらいますから。というわけだから、ちょっと行ってきます。あ、年越しラーメンは3玉のこしておいて」

 そして、エリナとカイトは用意してあった車に乗っていった。





 カイトが連れてこられた先は、ネルガル研究所の応接室。

 不相応にクッションのきいた椅子に座って居心地が悪い。

 しばらくすると、イネスとエリナが部屋に入ってくる。

 「久しぶりね、カイト君。けど、どういった心境の変化なのかしら?」

 「ちょっとエリナさんにはめられまして」

 「はめたとは酷いわね。ちゃんと約束したでしょ」

 「ぐっ……」

 さすがに約束をだされると辛い立場のカイト。エリナはしてやったりという表情になり、イネスは少しあきれている。

 「まあ、ともかく時間がないので、説明しましょう。

 生体ボソンジャンプの安全面ではすでに問題ないわ。その点では何度も研究をしてきたから。それで、これだけ時間がかかっちゃったのだけど。あとは、跳ぶ側の人間の問題。その点、カイト君はナデシコにボソンアウトしてきた経緯があるから、遺伝子レベルから遺跡に干渉されているので大丈夫よ」

 「あなたはアキト君たちと生活していたから知らないでしょうけど、私たちネルガルの他にもボソンジャンプを研究しているところがあるの。もし彼らが"ヒサゴプラン"を完成させれば、ネルガルに勝ち目がないわ。そういうわけで、こっちも早くしたいのよ」

 「ヒサゴ? ……ひょうたんですか」

 カイトがふと疑問に思ったことを口にする。かつての長屋時代の時の情報で何度かボソンジャンプの研究欄で見たことのある言葉だったからだ。

 その疑問にはイネスが答える。

 「そう。地球圏をボソンジャンプネットワークで結んだ形が瓢箪の蔓のようになっているのをもじったらしいわ」

 「安直なネーミングですね」

 ヒサゴプランの担当者が聞いたら、怒りそうなセリフである。

 「ネーミングはともかく、ヒサゴプランは反ネルガルグループが木連と手を組んで作ろうとしている、ボソンジャンプネットワークシステムよ。彼らは多くのチューリップを使って、宇宙航行の驚異的な迅速化を図ろうとしているわ。

 もしそんなことをされれば彼らにボソンジャンプの実権を握られてしまう。ネルガルがボソンジャンプを独占していくためにも、有人でジャンプする方法を私は解き明かしたいの……」

 エリナは苦い顔をする。

 「そうですよね。今のネルガル株は最盛期の半分ですから。軍需産業も戦争が終わって、クリムゾングループにシェアをかなり奪われてるみたいですしね」

 「く、詳しいわね」

 「新聞の経済欄を毎日見れば、多少はわかりますよ」

 「はいはい。2人ともすとーっぷ。説明はこのくらいでいいかしら?」

 2人のやりとりが長くなりそうなのでイネスが停止を求める。

 「ええ。けど、何をするんですか? まさか、ただ跳ぶだけなんて言わないですよね?」

 「その通りよ。いろいろなボソンジャンプデータを取るのが主だもの」

 「それじゃ、やりましょうか」

 「「ありがとう」」

 カイトの承諾を2人は感謝した。





 広い密閉された空間に貸与されたチューリップが固定されており、その上から、カイトののったエステバリスがクレーンでつり下げられている。

 (ドノーマルのエステだな……)

 場違いな思いを抱きながら、実験開始までの時間をカイトは潰していた。

 ガラス張りの観測室から、イネスとエリナが大勢のスタッフと一緒にカイトを見守っている。

 「気分はどう?」

 エリナがカイトを気遣うように通信を開く。

 「大丈夫ですよ」

 カイトは気軽に答える。緊張とは縁がないのか、うらやましい性格である。

 「それじゃ、カイト君チューリップの中に降ろすわよ」

 「どうぞ」

 イネスの簡潔な指示でエステバリスがチューリップの中に降りていく。

 「さあ、あなたの行きたい場所をイメージして」

 「唐突に言われても……」

 「逢いたい人でも何でもいいわ。それを心にイメージして」

 僕の行きたいところ、逢いたい人……

 自然とイツキのことが頭に浮かぶ。

 君は僕の誰? 僕は君の誰? きみは……

 

「ボース粒子確認。安定しています……」

 そんな声を聞きながら、僕の意識は遠のいていった。





 

「なかなか、起きませんね」

 

「心配するのはわかるけど、少しは休んだらどう? あなた、ここ2日間全く休んでないでしょ」

 

「このくらい大丈夫です」

 何の声だろ……

 

「たくっ。これ以上の病人怪我人は遠慮したいからどうなっても知らないわよ」

 

「大丈夫です。丈夫に出来てますから」

 

「なら、後は任せるわよ。んっ〜〜、やっと寝られるわ」

 

「おやすみなさい。先生」

 

「おやすみ」

 やっと静かになった。けど、視線を感じる。とても心配した視線。

 カイトはもう少し眠っていたかったが、視線が気になり体を起こす。

 「エリナさん、イネスさん。話が違うじゃないですか。安全といって実験後2日も寝込んでしまうなんて……」

 「へぇ……今度は2人ですか。おもてでうらやましいですね」

 そこには、写真の少女、イツキが思いっ切り引きつった表情でにらんでいた。

 10分後……

 「ふぅん……記憶喪失ね。今回の嘘はお世辞にも上手じゃないわね」

 「か、勘弁してよ。本当に知らないんだから」

 「うふふっ。冗談よ。あなたの目を見れば嘘をついていないぐらいわかるわよ」

 イツキは悪戯っぽく微笑みかける。

 「はぁ……冗談きついよ。本当に何も知らないんだから」

 「えっ。じゃあ、私とあなたが幼なじみで恋人同士なのも?」

 「そうだったんだ」

 「そう。そんなにあっさり忘れちゃうんだ……」

 イツキはそういうと顔を伏せて肩を振るわせる。

 「イツキ……ごめん」

 そう言って、カイトはイツキの肩を抱き寄せる。

 「うぅん、あなたが無事ならいいの。あなたが眠り続けた2日間は本当に胸が張り裂けそうだったもの……」

 「覚えて無くて、ごめん」

 記憶の無いカイトはうなだれるだけだった。

 「謝らないで、私は私は……」

 イツキは涙で濡れた顔でカイトを見上げ瞳を閉じる。

 カイトは記憶のない僕がいいのかと思いつつも瞳をとじ、顔を近づける。

 ぷしゅー

 「あ、隊長が起きてる!!みんな、カイト隊長が起きました〜〜!!!」

 ばっ!!

 その声に2人は一斉に離れ背を向けた。

 「あれぇ。どうしたんですか、2人とも。もしかして、おじゃまでしたか?」

 「そ、そんなこと無いわよ。でも、ラビオ。どうして、こんな夜更けにここに来たの?」

 イツキは顔を真っ赤にしてドアから入ってきたラビオという少女にたずねる。

 「イツキ先輩、お顔を真っ赤にされては説得力ありませんよぉ。それとも、カイト隊長がまたですか?」

 「ま、またってなに?」

 ばっと振り向いたカイトが問う。

 「しらばくれなくても。お二人は恋人同士なんですから♪」

 (ああ、僕っていったいどんな奴なんだ〜〜!!)

 頭を押さえてうずくまるカイトを後目に少女達はきゃいきゃいと言い合いをしていた。

 さらに5分後、敵監視任務以外の"シュトゥール"の面々が集まっていた。

 「そうか、記憶喪失か。新手のナンパ術か? 日々精進しているようだな」

 「いえ、違うでしょう。イツキちゃんの追求をのがれるためについたとっさの嘘では」

 「そうだな。それが一番信憑性が高いな」

 「……」

 「そうですよね、何たって"レディーハンター・カイト"ですものねぇ」

 「僕をいじめて楽しいですか?」

 

「「「「「もちろん」」」」」

 「ひ、ひどい」

 さすがに即座にそういわれると傷つく。

 「カイト隊長は日頃が日頃ですから」

 「そうね。さすがにフォロはいれられないわ」

 このままでは誰がしゃべっているのかわからないので説明しよう。

 上から、シュトゥール隊中隊長アラン・ファルメーラ、中隊長補佐アイリア・アジール、第3小隊隊長シュバイツァー・ナイトハルト、第4小隊カトウ・シンエモン、トモカ・アキツキ。あとは、カイトとラビオとイツキだ。

 「しかし、マジで記憶がないのか?」

 「ええ、まったく」

 アランの真面目な表情から、戦況がよくないことを漂わせている。

 「こまったわね。中隊1の天才エースパイロットがこの調子では……あの新型は使えませんか」

 アイリアが頬に指を当てながら悩むように言う。

 「その新型ってなんですか?」

 「本当に忘れているみたいね。ミナヅキ第5小隊長。あなたが運んできたものでしょう」

 「あのぉ。ミナヅキって僕のことですか?」

 はぁ……

 全員から落胆の声が漏れる。

 「そこら辺の説明はイツキちゃんから聞いておけ。偵察はシュバイツァーがリーダーだ。あとはシンエモンとトモカを連れて行け」

 「「「了解!」」」

 アランの命令に3人が隙のない敬礼をする。

 「あとのもんも解散解散。明日は難民ごと移動なんだからな、へますんなよ」

 「早く寝なさいよ。風邪をひいてはいけませんからね」

 「あたりまえだな」

 「……」

 「おやすみなさぁい」

 「カイト隊長、明日には元気になってくださいよ」

 皆、席を立ち部屋から出ていく。部屋に残ったのはイツキとカイトだけになった。

 何となく気まずくなる2人。

 カイト自身、先ほどのことを思い出して、自己嫌悪になりかけており。イツキは本当に記憶の無いカイトにどう接していいのかを迷っていた。

 「あの、服に入っていたものはここにあるから」

 イツキがポケットから、写真とパーティー券を取り出しカイトに渡す。

 「あ、ありがとう。あれ……文字がない」

 「あの写真、落書きしてあったでしょ。それも女の人の文字で……」

 「う、うん」

 いつもの調子に戻ったのか、イツキは問いつめるような表情でカイトに迫る。

 「歯がゆいから、私の落書き無しのと交換したのよ」

 「そ、そう」

 「で、誰が書いたの? どこの女の人? なんて聞いても、覚えてないんでしょうね。どうせ」

 「うん、覚えていない」

 (まさか、一度なくした何か言ったら命がないだろうな)

 失礼な奴である。

 カイトの考えを知ってか知らずか、イツキは言葉を続ける。

 「ふふっ。何か、都合のいい言い訳ね」

 「そんな、本当だってば」

 「わかっているわよ。その証拠に頬をかいてないでしょ。あなたは何かあるとすぐ頬をかく癖があるのだもの」

 くすくすと楽しそうに笑う。

 「う〜ん。そんな癖があったのか」

 カイトは無意識に頬をかいていた。

 「そうそう。今みたいにね」

 「本当だ。はははっ」

 「くすくすっ」

 2人の笑い声が、医務室に響く。

 「ははっ。そうだ。イツキ、これも何かと交換してくれないかい?」

 そういって、カイトはパーティー券をイツキに差し出した。

 「けど、これって。いいの?」

 「いいよ。アキト達にまた作ってもらえばいい。それに、何でもいいんだ。イツキの物が何かほしい」

 「う〜ん。それじゃ……」

 イツキはパーティー券を受け取ると、カイトの首に腕を回した。

 「もう、私を忘れないで……」





 翌朝、カイトの隣ではイツキが眠っていた。

 あのあと、夜通しで昔話をしていたのだが、話をしていて安心したのか、途中でイツキが疲れてしまい眠ってしまったので一緒に眠った。

 (2日も寝ずだったね……起こさないでおくか)

 先に目の覚めたカイトは、イツキを起こさないようにベッドを出、医務室を出た。

 (出たのはいいんだけど、どこに行っていいのかわからないんだよな……)

 ぶらぶら歩いていると、格納庫のような所につく。エステバリスに混じって見知らぬ機体が混じっている。

 (あれかな、新型ってのは。見るからに、エステと設計思想が違う)

 カイトは引き寄せられるようにその機体に近づいていきコクピットをのぞき込む。

 「ふぅん。耐弾性のことも考えて、前方開閉式じゃないのか」

 「民間人がかってにコクピットを覗かないでください!危ないですよ!」

 カイトの頭に冷たい物が触れる。

 「一応、僕、シュトゥール第5小隊隊長のカイト・ミナヅキって言うらしいんですけど……」

 カイトは両手をあげながら答える。

 「えっ……あ、すみません。てっきり、民間の人が興味津々で潜り込んだのだとばっかり。けど、ちょうどいいです。そのままコクピットにはいちゃってください。最終調整をしますから」

 「あの……いいんですか?」

 「あと1時間で出発ですから。はい、さっさと乗る乗る」

 その勢いに乗せられて、カイトはコクピットに潜り込む。IFSコントロールボールに手を合わせると自動的にモニターが立ち上がる。

 「で、何をすればいいんですか?」

 『シュミレーションをしてください。あとの細かいことはあたしがやりますから。時間がないので即スタート』

 「ちょっとまってください、朝ご飯食べてないんですけど」

 『これが終わって、移動しながら食べてください』

 カイトの要求は非却された。どうやら、本当にせっぱ詰まっているようだ。

 『さあ、いきますよ』





 1時間後、火星極冠遺跡研究所からシャトルのあるポートピアコロニーまで難民200名ほどとともに1日の行程を進む。

 現有戦力はエステバリス改6機、タイプCと呼ばれる機動兵器が1機だけである。たったこれだけの戦力で神出鬼没の木星トカゲから、難民を守りながら行こうというのだから、相当神経を使う。

 しかし、運が良かったのか、ハイウェイが比較的ましだったことと敵襲が一度もなかったため予定の3/4ほどの時間でポートピアコロニーまで到着した。

 シャトルは、地下にあったため少しの整備で飛べるようになったが、滑走路の一部の修復に手間がかかり終わったのは昼を過ぎていた。

 「アラン中隊長、やはりばれました。近くのチューリップから多数のジョロ、バッタが確認できました」

 「ちっ。あと30分、いや15分でいいから待ってくれればよ」

 アイリアの報告にアランは苦い表情をして答える。

 「どうしますか? タイプCの回収作業はどう見ても間に合いません。それどころか、シャトルの発射すら怪しいです」

 「タイプCの回収は諦める。人員の方が優先だ」

 「ですが、あとで上が五月蠅いですよ」

 「今更それがどうなんだ。くだらない上官命令を拒否する奴らが集まったのがシュトゥールだ。一つ二つ増えたところ、どうなるものか!」

 吐き捨てるように言うとアランはそのまま管制室を出ていこうとする。

 「どこに行くのですか?」

 「シャトルを飛ばす手伝いをしに行くんだよ」

 「そうですか。なら、私も行きます。ここは退屈ですから」

 「かってにしろ」

 2人は管制室を出、生きるためにシャトルに向かった。





 『シャトル1号機、出ます』

 シュバイツァーがカウントダウンもせずに強行する。

 しばらくして、2号機が発進することになっている。

 しかし、すぐ側まで、木星トカゲは迫っている。

 カイトはレーダーを見ながら状況を分析していた。このまま強行してもしなくても無理だということは即座に分かった。

 (どうする。このままだと2号機は駄目だ……)

 「カイト隊長、どうですか。ちゃんと帰れますよね……」

 オペレーターシートに座っていたラビオが心配そうにたずねる。

 「大丈夫だよ。このまま強行すれば……あれ、その石は?」

 「この石ですか。綺麗でしょ、さっき拾ったんです」

 ラビオの手にはCCが握られていた。

 (もしかすると、可能かも知れない)

 カイトの頭にひとつだけ案が浮かぶ。

 「ラビオちゃん、その石をちょっとかしてくれないか?」

 「ええ、いいですけど……」

 このような状況でと疑問に思ったが、ラビオはカイトにCCを手渡した。

 「ついでにレーダーも見ていて。ちょっと出てくる」

 そういうやいなや、カイトは操縦室を出ていきトイレに駆け込む。

 (これが本物で、僕が跳べるなら……)

 そう思った瞬間カイトの姿は、タイプCのコクピットの中にいた。

 『2号機発進まであと30秒』

 ラビオの声が聞こえる。

 (急がないと)

 カイトはタイプCのホールドを解除するとスロットルをめいいぱい蹴りこんで外に出た。そこには2号機を狙わんとする木星トカゲの大軍が待っていた。

 タイプCはカイトのイメージ通りストレートに反応した。

 「ちっ! おまえら、じゃまなんだよ!!!」

 タイプCの試作型グラビティーライフルをジョロやバッタの一番多いところに標準を合わせて放つ。

 重力波の光がジョロやバッタを飲み込んでいく。それと同時に機体の状況を知らせるモニターの1/5が黄色く染まる。

 (機体強度銃身強度がついてきていない。けど、もう一度なら)

 再度輝いた黒い光が敵を貫く。だが、砲身が威力に耐えきれず、右腕ごと吹っ飛んでいく。

 『誰だ、タイプCに乗っている馬鹿は!!』

 アランの怒鳴り声がコクピットに響く。

 「僕ですよ。文句を言う暇があったら、さっさと飛んでください!! 守るのも楽じゃないんです!」

 『馬鹿野郎!! なことより、いつの間にそんなところに行ったんだ!!』

 「そんな事情の前に飛んでください!!」

 カイトも負けずに怒鳴り返す。

 『何でカイト隊長がそこにいるんですか?』

 『そうよ、何考えているの?』

 怒鳴り声を聞いたのかラビオとイツキも混ざってくる。

 「大丈夫だって。今回乗れなくても他の場所にシャトルの一つや二つぐらいあるでしょう。それに乗っていくよ。それに、誰かが引き寄せないとシャトルが飛べないだろ」

 そういいながら、残った左手にあるラピットライフルを乱射して敵を引きつける。

 徐々にカタパルトから敵を引き下げていく。

 『中隊長、行きましょう。このまま私達がまごまごすればカイト君が死んでしまう可能性があがります』

 『あいつにさっさと逃げる時間を作れってことか……おい、カイト。死んだら、俺が。いや、シュトゥール全員がゆるさねえからな。生きて帰っていっぺんぶん殴らせろ!』

 「えっ。それは遠慮願いたいです。雲隠れしようかな」

 『がっはっはっ』

 『ちゃんと、戻ってきなさいよ』

 『カイト隊長は天才ですものね』

 『……』

 みんなが笑う中、イツキだけが心配そうな視線を変えなかった。

 「僕が信用できないかな?」

 カイトは困ったように頬をかきながらたずねる。

 『それって卑怯な言い方よ……わかったわ。カイト、あなたの好きなように。でも、死んだら決して許さないから』

 「大丈夫、僕は死なない。殴られたくないけど」

 イツキは目尻の涙を拭きながら微笑む。

 『たくっ。やっぱり、おまえはカイト・ミナヅキだよ。記憶が無くても口調が変わっていても、その無責任にあたえる安心感がな』

 『中隊長。シャトル出します。カイト君、あとをお願いね』

 「ええ。まかせてください」

 シャトルのノズルに火がともる。それに気づいた木星トカゲはターゲットをタイプCから、シャトルに切り替える。カイトも合わせて、敵陣に突っ込もうとする。

 『カイト』

 「はい」

 シュトゥール全員のウィンドが開く。

 

『グット・ラック!!』

 「みんなも、グット・ラック!」

 カイトはシャトルへ敬礼をすると敵陣に再度攻撃をしかけた。

 その後、シャトルが飛び去ったのを確認したカイトは進路をユートピアコロニーに向けた。





 ユートピアコロニー内は難民であふれかえっていた。

 「本部、本部!」

 「駄目なんじゃないの……地上がさ。地下がこれじゃあ、地上は全滅だよ……」

 (まあ、普通はそう考えるよな……)

 カイトは、人々の話し声を聞きながら歩いていく。

 タイプCはユートピアコロニーにつく前に第2波に襲われ、そのときに捨ててきた。逆にあったら、地下まで忍び込めなかっただろう。

 それ故に地上の状況はよく理解している。

 (生きて帰るって約束したのはいいけど、どうしようか。元の時代にも戻らなきゃいけないしな……)

 そのまま、考え事をしながらふらふら歩いていると、

 「ありがとう、お兄ちゃん。デートしよう。私、アイって言うの……」

 「あ、はははっ」

 「くすくすっ」

 (これだけを聞けば平和そのものなんだけどな……)

 がしゃっ……がらがら……

 壁が崩れる音がする。その隙間から、赤い光が漏れている。

 その瞬間、爆発音があたりに響き渡る。

 「っ! なんだ」

 そこにはバッタが不気味な瞳を輝かせながらいた。

 「市民の安全を優先しろ!」

 「今、手動で開けていますから。慌てないで」

 兵士達の声が市民を誘導する。

 ホール中央へバッタがじりじりと近づく。

 よく見ると、1人の青年が作業車に乗り、バッタに立ち向かっていこうとしている。

 (あれはアキト。何を考えてるんだ)

 「ボクが、押さえ込んでいる隙に……」

 「お兄ちゃん!」

 少女の叫びも空しく、次々とバッタがホールに入り込んでくる。

 (アキト! 下がれ。死んでしまうぞ)

 カイトはそう思うと、無我夢中で走り出していた。

 「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 その思いに関係なくアキトはバッタ達につっこんでいく。そのとき、アキトの体からまばゆい光が放たれる

 (ボソンジャンプの光?)

 その光の渦は、カイトと少女も包み込んでいった。





 『やれやれ。本能的にあの時間を嫌っているのかな』

 『そうではないでしょう。ただ、よほど縁があると見えますね』

 『この際、縁はどうでもいい。こいつをどうするかが問題だ』

 『元の時間に戻せばいいでしょう。別に他の並列世界に送る必要は認められません。どのみち……』

 (誰だ、話しているのは……)

 カイトはもうろうとする意識の中でそれだけを思った。

 『後は任せる』

 『かしこまりました。ごめんなさいね……』

 そこでカイトの意識はなくなった。





 (どのくらい眠っていたのだろうか……)

 カイトは気がつくと医務室らしき部屋のベッドに寝かされていた。

 「実験は失敗ね」

 「いえ、一概にそうも言えないわよ。ただ、特殊なケースであるというだけなのだけど」

 「あの……実験はどうなったんですか?」

 カイトはベッドから起きあがりたずねる。

 「結論から言えば、ボース粒子は検出されたけど跳べなかったと言うことだけが分かったわ」

 (僕は確かに跳んだはずだ。昔の火星でイツキに出会ったこともちゃんと覚えている……)

 「カイト君、どうしたの?」

 イネスが不思議そうに顔をのぞき込む。

 「確かに、跳んだと思ったんですけど……」

 カイトは控えめに言う。

 「そんなわけないじゃない。確かに、ボース粒子は確認できたけど、あなたはひとつも動いてなかったのよ。その状態が5分も続いたから、実験を中止して、あなたを回収したら気絶していたのよ」

 「そうね。あなたはずっとあの場にいたのは確かよ」

 エリナとイネスの説明にも釈然としないカイト。

 「たぶん、疲れてるんですよ。無理な実験のせいでしょ」

 「ルリちゃん、きつ〜い。あ、心配になったからプロスさんに聞いてここに来たんだよ」

 「けど、顔色良さそうだから安心したぞ」

 イネスの少し後ろには、ルリ、ユリカ、アキトがいた。心配して駆けつけてくれたのだろう。

 (本当に実験は失敗だったんだろうか。僕が跳んだということは確認できないんだろうか……)

 「ま、それじゃ、もう正月だし、ぱーっとしようか」

 「うんうん。賛成」

 アキトの意見にユリカは間髪入れずに賛成する。

 「それじゃあ、私達も一緒していいかしら?」

 「もちろんですよ。カイトは、大丈夫か?」

 アキトは気遣うようにたずねる。

 「大丈夫だよ。楽しくやろう!」





 その帰り道、カイトはルリに頼み事をした。

 「イツキのことをもう一度調べてくれないかい?」

 「かまいませんけど、前に調べましたよ。どうかしたんですか?」

 「ちょっとね……」

 カイトの雰囲気を察したのか、ルリはこれ以上追求しなかった。

 家に着いたころには、そろそろ夜が明けそうになっていた。

 「それじゃ、よろしく」

 「はい、じゃ調べますね」

 ルリは手際よく端末のキーボードを叩いていく。

 しばらくの後、検索結果がはじき出される。

 「以下の情報が検索されました……」

 全員がモニターに注目する。

 「おかしいですね、情報が少し増えています。ネルガルさん、何かしましたか?」

 「さあ」

 ルリの疑問にエリナが即答する。

 「両親の名前が増えている。でしょ」

 「そうです」

 以前は、

 イツキ・カザマ、本名同じ 2179年生まれ 国籍日本。

 宇宙連合に入隊後、火星方面軍第一機動兵機大隊第三中隊「シュトゥール」にパイロットとして配属。

 その後、ナデシコに転属。カワサキシティのおいて敵木星トカゲ迎撃に出動。

 戦闘中、敵ボソンジャンプに巻き込まれ殉職

 だったのが、

 イツキ・カザマ、本名同じ 2179年静岡県浜松で父モリオ、母ユカの長女として生まれる 国籍日本。

 宇宙連合に入隊後、火星方面軍第一機動兵機大隊第三中隊「シュトゥール」にパイロットとして配属。

 その後、ナデシコに転属。カワサキシティのおいて敵木星トカゲ迎撃に出動。

 戦闘中、敵ボソンジャンプに巻き込まれ殉職

 となっている。

 「ふ〜ん」

 「カイト、どうなんだ?」

 「さあ、よく覚えてないから。またあとで考えてみるよ」

 カイトは少し悩んで、それを忘れるように明るく笑った。

 「ま、新年あけましておめでとうございます」

 カイトの一言で、みんな一斉に飲み始めた。だが、疲れもたまっていたのか1時間もしないうちに眠りに落ちていってしまった。

 みんなが寝静まった頃を確認して、カイトは1人外出した。

 行き先は、先ほど確認したイツキの家。

 (行こう、イツキのいたところへ)





 数時間後、カイトはイツキの家の前に立ち、愕然としていた

 「住所通りなら……戦災か……」

 目の前には、ぼろぼろに壊れた家があるだけだった。

 地球が戦場でなくなってから、もう一年が過ぎようとしている。都市部の復興は早く、皆戦争のことを忘れようとしていた。

 だが、目の前では未だ癒されない戦争の傷跡があった。

 カイトは、その家がイツキの家でないことを祈りつつ、がれきの中の物を必死で確認した。

 このままではイツキの家族は戦争で全てを失ってしまったことになる。

 家族そのものが消えて無くなってしまったことになる。

 カイトはそれが、無性に怖かった。理由など無かった。

 手が寒さでいうことを聞かなくなった頃、1つの小箱を見つけた。

 そして、その小箱を開けたとき見覚えのある写真とカードが一枚ずつ見つかった。





 そのあと、僕は近くの草むらで眠っていた。

 いつの間にか雪が降り始めていたせいで、僕は白くなっていた。

 「う〜、さむい……風邪ひかなきゃいいけど」

 立ち上がり、体についた雪を一通り振り払って来た道を戻ろうとすると、何名かがくるのが見える。

 こんな山奥に。物好きだな……って、あれは。

 「ルリちゃん、ユリカさん、アキトにイネスさんとエリナさん」

 「やほー。カイト君、真っ白だね」

 「起きるといないので、びっくりしました。」

 「本当に、失踪したかと思ったわ」

 「もしかしたら、監視されるのがいやになったのかと思ったわ」

 「その割には、あっさりと浜松まで逃げられましたね」

 「べ、別にいいでしょ。お正月なのだから」

 ルリのつっこみにエリナがあせりながら答える。

 「ともかく、見つかってよかったよ。起きたらおまえがいないから大慌てになったんだぞ」

 アキトがカイトの肩を叩きながら雪を払った。

 「ごめん。一応、けりは付いたから」

 カイトは少しだけすっきりした笑顔をみんなに向けた。












 雑談会その5

 ひ〜ろ:やっとおわった〜〜。長い。第4話ほどじゃないけど。

 アイリア:そうですね。ものすごく遅く。

 アラン:だな。それに俺達をサブ扱いしやがって。

 ひ〜ろ:あ、シュトゥールのおとーさんにおかーさん。

 アイリア:この年でお母さん扱いですか・・・中隊長ならまだしも(29歳)

 アラン:俺はいいのか・・・(42歳)

 ひ〜ろ:まま、とりあえず中隊のことを説明してよ。

 アイリア:それでは、簡単に。シュトゥールは5小隊からなる機動兵器中隊です。第1小隊は中隊長である、アラン中隊長が兼任しています。第2小隊はあの時点で全滅していたので説明は省かせていただきます。

 アラン:第3小隊はって、これだとあそこに書いてあることとだろ。

 アイリア:そうですね。これは困りました。

 ひ〜ろ:あの・・・夫婦漫才をしてないで説明してもらえません? 後ろの方で説明お・・・姉さんが暴れてるもんで。

 アイリア:仕方有りませんね。それでは簡潔に。シュトゥールとはドイツ語で誇りをという意味があります。そのせいか、この隊にはいろいろな意味でプライドの高い者集まりになっています。代表的なのは、記憶のあるカイト・ミナヅキでしょう。彼の説明は次回行うそうなので説明いたしません。

 アラン:もっと簡単にいえば、いやなことははっきりと言える奴らの集まりだな。実力がある分、首にするわけにも行かず仕方ないので集めているような部隊だ。

 アイリア:誰もが、必ず1つは上官の命令を無視して作戦を実行させ、成功させています。例外として、新人のイツキちゃんとラビオちゃんはそういうことはありません。ちなみに、この2人はパイロット研修生の中で5位以内の成績です。

 アラン:命令無視が一番多いのはあいつなんだよな。

 アイリア:彼の場合は、より良い案をこなしているだけですから。無能な上司が彼を使う自体が間違えなのですよ。

 アラン:ああ、そうだな(何となく、おまえもここに来た訳ってのがわかるような気がするぞ)

 ひ〜ろ:(さらっと言ってる割には怖いことと・・・)

 アイリア:何か?

 ひ〜ろ・アラン:いーえ、何でもありません。

 アイリア:(何もなかったように)このように、シュトゥールは「才能はあるのだが、性格が軍人むきでない」者の集まりです。そういった点ではナデシコと似通った部分があります。

 ひ〜ろ:そーゆーのがあったから、カイトもすんなり適応できたのかな?

 アイリア:そうかも知れません。

 アラン:あとは技術者のねーちゃんか。

 アイリア:彼女はネルガルの技術部から出向してきた子です。

 アラン:名前は・・・確か、フィリア・フォートランだったかな。

 アイリア:本編では名前はでていませんが、その通りです。彼女は、あのタイプCをコントロールできるパイロットがいるためにここまで来られました。

 アラン:結構、根性ある子だよな。目的のためには危険も、徹夜も省みないからな。

 アイリア:中隊長も見習ってほしいものです。

 アラン:ごほんっ。説明はこんなもんでいいか?

 ひ〜ろ:いいですよ。もっと詳しいことが知りたい人はメールください。

 アラン:そんじゃ、締めな。

 ひ〜ろ:それでは次回、「あなたのラーメンの味はどんな味?」に期待せよ。じゃね〜♪








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