機動戦艦ナデシコ
                   E I V E   L O V E
〜 The blank of 3years 〜
記憶のかなたで逢った人たち






  第2話 ちょっとした『特別』な日



 2198年7月

 ナデシコが地球へ強制送還させられサセボに拘留されてから、約4ヶ月がたとうとしていた。

 その間ナデシコのクルーは、通称ナデシコ長屋で軍からの監視があるとはいえ比較的自由な生活をしていた。

 暇に任してと言うか、ナデシコクルーだからというか、相当好き勝手をして連日大騒ぎだった。軍から苦情がこないのはミスマル提督とネルガルの尽力と長屋のある場所がサセボ基地資料管理倉庫Dという基地本部より遠く離れていた辺境であったためだった。

 ま、こんな好き勝手できるところだからか、ナデシコ長屋の朝は遅い。例外的に何個所かは規則正しい生活をしているけど。





 ここは例外の規則正しい生活をしている部屋の一つ。テンカワ・アキト、カイトの部屋である。

 戦艦ナデシコ内での部屋組が一緒だったためカイトはアキトの世話になっている。

 AM7:30

 アキトはすでに起床し、朝食の準備をしている。カイトはまだ夢の中である。

 目覚ましが鳴るが、すぐ沈黙。カイトが条件反射でスイッチを切ったためである。慣れとはげに恐ろしきもの。

 AM7:35

 アキトが食事の準備が一段落したところでカイトを起こしにくる。

 「食事の準備が出るからそろそろ起きろよ。早くしないとユリカが全部食べてしまうぞ」

 がばっ

 全部食べてしまうぞの一言に反応し起き上がるカイト。ここまですればパブロフの犬である。

 「……おはよ、アキト」

 反射的に起きたとはいえ、まだカイトの頭の中には眠りのヒヨコが頭を駆けずり回っているらしく、寝ぼけている。

 「ほら、タオル。本当に目を覚まさないと飯がなくなるぞ」

 タオルを受け取ったカイトは本格的に目を覚ますために洗面所へ歩いていった。

 AM7:40

 「おはっよ〜。アキト、カイト君」

 「……おはようございます、テンカワさん、カイトさん」

 玄関を開けて入ってきたのはユリカとルリだった。

 「おはよう。ルリちゃん。しかし、いつもいいタイミングで来るな、ユリカ」

 「おはようございます、ユリカさん、ルリちゃん」

 アキトが味噌汁の味を確認しながら、カイトは食器をちゃぶだいに運びながら挨拶をした。

 ここでは毎朝、ユリカとルリが朝食を食べに来る。

 なぜこうなったかと言えば、カイトが珍しく朝早く起き、たまたま軍へ出勤するユリカと会い、そのときに朝食のことを話してからである。

 ルリは規則正しい生活組だったため、ユリカが誘ってなし崩しに来ていたが、最近は自主的に来ている。

 「「「「いただきます」」」」

 4人の声が綺麗にはもる。

 今日の朝の献立は、ご飯と味噌汁、焼き魚とお新香。

 「おいしい、おいしい、アキトのごはん〜〜♪ お味噌汁お代わり(はぁと)」

 「まあ、いいけど。太るぞ、おまえ」

 「だいじょーぶ。朝しっかり食べて、しっかり働けばいいんだもん」

 微笑みをうかべながら幸せそうに答えるユリカ、その顔を見ながらまんざらではなさそうにアキトはお代わりの味噌汁をついた。

 「朝から、ラヴラヴ全開ですね」

 「さすがに、居辛いね……」

 既に食事を終えたルリとカイトがこそっと突っ込む。

 「ななな、なに言ってんだよ」

 「そうだよ、ルリちゃんカイト君。私とアキトはいつでもラブラブなんだから」

 ルリはもういいですといった慣れた態度でお茶を飲み、カイトはまだ慣れていないせいか精神汚染をされて固まっていた。

 AM8:00

 食事を終え、この時間になると各人の仕事の時間になる。

 アキトは午前中ホウメイのもとで料理の修行。夕方からは雪谷食堂でバイト。

 ユリカはお迎えのジュンが来て軍へ出勤。

 ルリとカイトは朝飯の食器の片づけ。

 それが終わったら、少し前ならルリの協力でカイトは過去のデータを探って過去探しをしていた。(戦時下の被害もあって、ロストしているデータも多かったが)

 だが、最近はそれも行き詰まり午前中カイトは1人ふらりと出ることが多くなった。

 今日もその日のようだ。

 「カイトさん、今日はどこかへ行くんですか?」

 食器を洗いながらルリがたずねる。

 「うん、そうだけどルリちゃんは?」

 「別に何もありません。いつもどおりです」

 「だったら、一緒に行く?」

 「珍しいですね、誘うなんて」

 カイトは少し考えた風な態度を取る。

 「う〜ん、一度も誘ったことなかったかな?」

 「はい、一度も」

 ルリが即答しカイトは頬をかいた。

 「大抵そういう時のカイトさんって、余裕がなさそうですし」

 「はははっ、ルリちゃんどうする?」

 「そうですね、特にすることあるませんし」

 「それじゃ、ささっと片づけちゃお」

 「はい、あとでちゃんと顔洗ってくださいね」

 カイトの頬には洗剤の泡が付いていた。





 2人は玄関においてあるウリバタケ特製の自転車に乗り基地を出る。

 7月なので朝とはいえ結構暑い。その暑さもウリバタケ特製の自転車のスピードのおかげで涼しく感じた。

 カイトはそのまま1時間ほど自転車をこぎ見晴らしのいい丘へ向かった。

 「ここがいつも来ている場所ですか?」

 「そうだよ。ここはすごく景色がいいから。ちょっと風が強いから注意して」

 丘の縁まで歩いていく、強い風が吹いてくる。

 ルリは風で麦藁帽子を飛ばされないように押さえる。

 「カイトさんはここで何をしているのですか?」

 「んっ? う〜ん、そこに樹があるでしょ。そこに登ってずっとこの景色を見てるんだよ」

 木に登って見る景色は遠くがよく見渡せる。ただ、見ているのは風景だけではないが、カイトはあえて言わなかった。

 カイトが上に登ってみる? と尋ねたがルリは丁重に断った。

 「確かにきれいな風景ですね。でも、何日でもみられるものなんですか?」

 カイトは樹を背にして座って、

 「全体を漠然とただ見てるだけなら飽きてるかもね。でも、雲の流れやあそこに港が見えるでしょ、そこから出る船や来る船を見ると面白いんだよ。ほら、あの雲。今日の朝ご飯の焼き魚に似てるでしょ?」

 ルリも座って、カイトの指差すほうを見る。

 風にのって雲が流れる。よく見ると確かに魚に見えないこともない。

 2人はそのまま、景色を眺めていた。





 「ただいま」

 「……かえりました」

 「おかえり。もう少しでお昼できるから」

 「おかえり。珍しいね、2人でどこか行ってたの?」

 ルリとカイトが帰ったときにはすでにアキトとユリカは帰っていた。

 それもそのはず、今日は日差しがあまり強くなかったのと風が心地よかったため、カイトがぐっすり眠りこけて起こすのに手間がかかってしまったためである。

 「はい、カイトさんの散歩先に行ってきました。そのせいで帰るのが遅くなりましたけど」

 カイトはばつが悪そうに、アキトの手伝いに逃げる。

 「おい、いったいどこに行ってきたんだよ?」

 アキトが周りを考慮してか小声でカイトに話し掛ける。

 「いつも行ってる丘なんですけど……天気がいいのでついうとうとと……」

 「いいな、ルリちゃん。遊びに連れっててもらって。私もどこかに遊びにいきたーい。ねえねえ、アキト。今度どこかに連れっててよ」

 「いい所なんだろうな。行ってみたいけど多分無理だろ、ユリカ?」

 アキトは器用にお昼のチャーハンを皿にそよいながら、答える。

 「でも、行きたいたら行きたーい!!」

 チャーハンの入った皿をアキトとカイトがちゃぶだいまで運ぶ。

 「あまり、アキトを困らせるもんじゃないですよ」

 カイトが苦笑しながら、チャーハンを渡しつつ答える。

 「そうですね」

 「うぅ……ルリちゃんまでぇ」

 ユリカはスプーンを咥えて未練がましそうにする。その姿はまるで幼稚園児である。その態度を見かねてかアキトがフォロを入れる。

 「ま、いつかはこの状態も解けるだろうさ。その時にな。じゃ、さめないうちに食べよ」

 「「「「いただきます」」」」

 ユリカは何か言いたそうだったが、空腹とチャーハンのおいしい香りには勝てなかった。





 PM1:00

 昼食も終わり、けだるい午後になる。

 ユリカは軍へまた戻る。アキトとカイトはその人柄か、付き合いがよいのかたいていこの時間になると来る来訪者に付き合うことになっている。ルリはルリでそれに巻き込まれた形で付き合っている。

 「テンカワー、カイトー、いるか!! 前回のリベンジだ!!!」

 「ごめんね、リョーコがヒートアップしてて。でも、リョーコじゃないけど今日こそは」

 「今日こそ、勝たせて頂きます」

 「やっほー。皆さんこんにちは〜。ルリ、勝負よ。勝負!」

 今日の来訪者は、リョーコ、ヒカル、イズミ、ユキナという面々だ。

 リョーコのリベンジとは、先の戦闘でのカイトのデータを見て派手に動いていたわりには撃墜率が低かったのを疑問に思って挑戦をしたところ−なめていた部分もあるが−容赦なく、たたかれたことがあるからである。その後、よく調べてみると撃墜率こそ9%と6人の中で一番低いもの、サポートにいたっては72%と言う、脅威的な数字をたたき出している事が判明した。リョーコが負けたからと言うわけではないが、ヒカル、イズミ、アキト、アカツキもカイトに挑戦したが誰一人として勝てなかった。

 カイトの実力は指揮能力だけでなく、個人技も相当なレベルにある事が分かった。

 方や、ユキナの場合はミナトにゲームで勝つためにそこそこ強そうだと思ったルリを誘って、負けたのでむきになったからである。今ではルリに勝つのが目標になっている。

 ナデシコのクルーの大半が20代から30代と同世代が少ない事もあるのだろうか、この2人は結構息があっている。まあ、ユキナが一方的にしゃべってルリが突っ込みを入れるという形なのでルリがあわせていると見えるが、満更でもないようだ。

 ともあれ、このメンツでのパターンでリョーコがアキトとカイトを拉致し、ユキナがルリの手を引っ張って長屋の一部を勝手に改造した娯楽室に連れて行こうとしたが、

 「ちょっと待ってくれないか。まだ、メンテ中でね」

 現われたのはウリバタケである。娯楽室を作ったのはウリバタケら整備班なので、定期的なメンテナンスは彼らの仕事である。

 「おいこら。昼には終わるっていってたじゃねーか!」

 「無茶言うなよ、リョーコちゃん。シュミレーションの敵のレベルを上げろって言ったのはリョーコちゃんだろ? それに、カイトにあわせて無茶をするから直すのが大変なんだよ。あと、30分ほど待ってくれ。それとカイト……手伝え」

 カイトはうっとした表情になる。原因の一端が自分にあることを自覚しているからだろう。

 「わりーな。エステのシュミレーター以外はまともに動くからそっちで遊んでてくれ」

 「しゃーねーな。よっし、ユキナでももんで時間をつぶすとするか」

 「いったなー。ぜったい後悔させてやるんだから。ぷんすか」

 「とほほほっ」





 カイトとウリバタケは機械の中に潜り込んで基盤をいじっていた。

 隣からは楽しそうな声が聞こえる。おそらく、タッグ戦をしているのだろうか。

 「ウリバケタさん、この基盤熱消耗してますよ。交換したほうがいいんじゃないですか?」

 「ちっ、またかよ。やっぱ熱は機械の敵だな」

 ウリバタケはカイトが差し出した基盤を確認して、スペアの基盤を取り出し渡す。

 「でも、こうじゃないと夏って気にならないじゃないですか」

 「まっ、そうだけどよ」

 かちゃかちゃ……しばし無言で作業を進める。

 「ふぅ……多分これで大丈夫だと思いますけど」

 「よし、試しに電源を入れてみるか」

 ウリバタケがスイッチを入れる。モニターに少しノイズが入るがすぐにクリアになる。そして、ゲームセンターにありがちなオープニング曲も正常に流れてくる。

 一通り動かしてチェックをする。

 「やっと終わりましたね」

 「ここでキーンと冷えたビールでも飲みたいところだな」

 「そうですね……けど、さすがに昼間からってのは」

 「たくっ、のりが悪いな」

 カイトは苦笑を浮かべながら、ウリバタケは少し不満そうな顔をするが一仕事を終えて一安心している。

 「ビールを飲むのもいいですけど、少し風情がほしいですね。そろそろ七夕もありますし」

 七夕という単語にウリバタケが少し考え込む。

 「確か、七夕といえば……ルリルリの誕生日じゃなかったか?」

 「そうと言われましても、僕は知りませんし」

 「アーキートー♪ あれ、いなぁい」

 そう言って現われたのはユリカだった。

 軍服から着替えてないところを見ると、アキトの部屋を覗いていないのを見るやすぐにここに来たようだ。

 「あれ、もう仕事が終わったんですか?」

 普通ユリカの仕事が終わる時間はだいたい午後4〜5時ごろ。今は、1時30分を少し超えたところ。カイトが不思議に思うのも無理はない。

 「だってさ、いつもいつも同じ事ばっかりなんだもん。ジュン君に任せてきちゃった」

 ジュ、ジュンさんって……不幸の固まり?

 カイトはジュンのあまりの不幸さに少し同情した。一方ウリバタケのほうは、またいつものことかという態度だった。

 「それより、アキトはどこ?」

 「アキトなら、隣でルリちゃんたちとゲームをしていますよ。あ、その前に一つ聞きたいことがあるんですけどいいですか?」

 すぐにも隣へ行きそうなユリカをカイトが引き止める。ユリカは少し不服そうな顔をする。

 「ルリちゃんの誕生日って、七夕と一緒なんですか?」

 「うん、そうだよ」

 ユリカにとっては至極当たり前のことだろうか、不思議そうな顔で答える。

 「突拍子なんですけど、ルリちゃんの誕生日と七夕を一緒にやっちゃいませんか? それも、ここじゃなくって外で」

 その後、数分ぐらい密談を交わしたユリカとウリバタケとカイトはおのおのの場所へ移動した。

 ユリカはアキトのところへ、ウリバタケは密談の内容の準備をするためにいずこへ、カイトは汗を落とすためにいったん部屋へ戻った。

 カイトが汗を洗い流して、娯楽室へ戻ったときには珍しくアカツキとエリナが来ていた。

 ネルガルの会長がこんな所へ遊びに来ていいのかと思うが、当のアカツキはどうとも思っていない。それの監視役としてエリナが来ている。エリナの場合、それだけではないが。

 いまだ不敗記録を更新しつづけるカイトは今日も勝って気分良くベンチに座っていた。するとその様子を見ていたエリナがその隣に腰をかけてきた。

 「今日も絶好調見たいね。ほんと、どういった腕をしてるんだか?」

 「ははっ、ありがとうございます。でも、みんな結構腕を上げてますよ。特にリョーコさんなんか。たまに危ないって思うときありますから」

 一通り賛辞を交わし合う2人。本題がここにないことはカイトにはわかっていた。

 それを察したのかエリナが本題を切り出してくる。

 「以前話した、ジャンプの実験の話だけど少しは考えてくれた?」

 「その話ですか……いえ、まだ考えていません」

 やれやれといった風な態度をとり颯爽とエリナは立ち上がった。話は進みそうにないし、お目付けの会長のお遊びもそろそろ終わりに近づいたからだろうか。

 カイトはその態度を見てふと考え込む。少しすると、まるでいたずらを思い付いた子供のようにエリナに話し掛ける。

 「なら、エリナさん。ひとつ賭けをしませんか?」

 「賭け? いったいなんの」

 「エリナさんの言うジャンプの実験に付き合うか、それともぼくのお願いを聞いてもらうって賭けですよ」

 カイトはいたずらっ子の顔を浮かべたまま、驚くエリナの顔を見ていた。

 「……ふぅん、でも賭けの方式はどうするの?まさか、このシュミレーションでって訳じゃないでしょ」

 気を取り直してエリナが切り返す。

 「実はそうなんです。手短に賭けれるってものがないですし」

 カイトは苦笑を浮かべ頬を掻きながら答える。

 「なら、賭けにならないじゃない。あなた未だに不敗記録更新中なんでしょ」

 「これならどうです、ダメージ累積でリョーコさんたち五人抜きってのは?」

 先ほどの驚き以上に驚くエリナ。

 この賭けの条件ではいくらカイトの腕が優れているとはいえ不可能に近い。出会ったときの腕ならともかくここ最近はカイトが相手をしているため5人とも腕を上げている。先ほどカイトが言ったようにリョーコはかなりいい線をいっている。そこら辺を考えると、どう見てもカイトが格段に不利な条件だった。

 「あなた、彼女たちをなめているの? でも、まあいいわ。本当にその条件でいいのね?」

 まだ、気を取り直せてないが、この千載一遇のチャンスを逃がすほどエリナは甘くない。

 「なめてなんかいませんよ。ただ、このくらいの条件を出さないとエリナさんが賭けにのってくれないでしょ?」

 微笑みながらカイトが答える。余裕があるわけでもなく、なげた風でもなく。ただ、自分なら出来るという自信からだろうか。

 「それじゃ、やりましょうか」

 小一時間後

 「ちっ、相変わらずつえーなー」

 「もうちょっとで勝てそうだったのに」

 「本当にさすがね」

 「やっぱ、オレじゃ相手にならないよ」

 「完敗、完敗」

 「と、言うことです。いいですね、エリナさん」

 結果は台詞にあるようにカイトの全勝だった。

 エリナはこの結果から立ち直れないようだった。ルリもユキナも唖然としている。

 だが、5人とユリカはなぜかにやにやとした顔をしてエリナとカイトのやり取りを見ていた。

 「わ、わかったわよ、もう。で、何をすればいいのかしら?」

 「まあ、その話はあとで。みんな、今からジュースを買ってこようと思うんだけど、いる人はいますか?」

 みな、それぞれのジュースを頼む。カイトは1人では持ちづらいからという理由でエリナを連れ出した。

 「連れ出したわけは、あそこだと話しにくいからなんでしょ?」

 自動販売機の前まで来て、当たりに人がいない事を確認してエリナが切り出す。

 カイトは、カードを差し込んでジュースを買いながら答えた。

 「あそこだからというより、ルリちゃんがいるから話しにくかったんですよ」

 「それじゃ、ぼくが代わりに話そうか」

 いつのまにか現われたアカツキがエリナの後ろからジュースをとりながら言葉を続ける。

 「何であなた知って……って、もしかしてぐるだったの?」

 「ピンポン、正解。さすがだね、やり手の会長秘書さんは。ちなみに、カイト君の頼み事ってのはルリ君の誕生日会と七夕の準備の手助けだよ」

 軽い口調でアカツキは答えるが、エリナは鋭い視線をカイトに送る。

 「すみません、だましたりして。でも、こうでもしないとエリナさんが参加しづらかったでしょ?」

 確かに、体裁としてエリナも参加することはあっただろうが楽しむために参加することはしなかっただろう。エリナは出世のために青春や社会性などを犠牲にしてきた、だからこういった事にはなじみにくい。特にナデシコを降りていち早く社会に復帰したことも関係あるのだろう。ただ、カイトがこういう事までを考えて行動したのかは、はなはだ疑問ではあるが。

 「はいはい、わかりましたよってばさ。で、私は何をすればいいの?」

 苦笑しつつ、カイトの好意に答える。

 カイトは心底安心した笑顔をエリナに向け、耳元でささやく。しかし、カイトの話を聞くに連れて顔が険しくなっていく。

 「ちょ、ちょっと。それって結構大変なことよ?」

 「大丈夫ですよ、アカツキさんもいることですし。お願いしますね」

 そう言うと、カイトはエリナに預けていた缶ジュースを受け取り一礼と笑顔をおいて、シュミレーターのほうへ戻っていった。

 「さて、僕らも戻ってカイト君の希望にこたえるとしましょうか」

 「そ、そうね……」

 こころなしかエリナの顔が赤い。カイトの笑顔にやられたのだろうか。

 アカツキは飲み干した缶をごみ箱に投げ捨てポツリとつぶやく。

 「エリナ君、ぼくはひとつも手加減した覚えはないんだよ。多分、他の皆もね。彼を敵に回すのはやめたいね。どんな手を使ってくるのかが想像できないよ」





 PM11:00

 夜もふけそろそろ寝ることを考える時間であるが、ナデシコ長屋はまだまだ元気である。

 アキトもこのくらいの時間になると、雪谷食堂から帰ってくる。

 「ただいま」

 「おかえり、アキト!」

 「……おかえりなさい」

 「お疲れ様」

 夕食後のアキトの部屋はたいてい、ユリカ、ルリ、カイトの三人で占拠される。

 ルリがいるのは、ユリカの遊び相手……もとい監視である。

 かつて、便利屋扱いであるカイトが用で部屋を空けたときユリカが料理の練習をして長屋を廃屋と化す寸前までいった事があった。しかし、たまたま回覧版を回しに来ていたルリのお陰で事を最小限に押さえたという経緯がある。

 それ以来、料理の練習を禁止されたユリカは、『ルリちゃん1人でさみしいよね』と言ってチェスなどいろいろな事を教えている。はじめの頃は弱かったルリだが、ユリカの教え方がいいのだろう、めきめきと腕を上げて3、4戦すれば1つは勝ちを取れるようになった。カイトはそこそこ腕だったので最近はルリにすら勝てなくなっている。

 「また、チェスやってるじゃないか。今日はどっちが勝ってるんだ?」

 チェスをあまりやった事ないアキトにはこの盤上の状況はわからないらしい。

 「僕もよく分からないですけど、かなり微妙じゃないんですか?」

 カイトもよく分からないらしい。仕方ないので男たちは盤上の女神たちの戦いが終わるまでお茶を飲みながらゆっくりした。

 1時間後勝敗がついた。結果はユリカが僅差で勝ちをもぎ取った。

 「ほぇ、ルリちゃん本当に腕を上げたね。ここの時点でこうされてたら苦しかったのに」

 「……でもリスクが高くないですか?」

 「でもね、ここで勝負って時にはリスクを背負わなきゃいけないときだってあるんだよ……」

 ユリカが優しくルリに検討をする。その姿はまるで母が娘に教えを説いているようにも見える。

 その姿をアキトとカイトは優しく見守る。

 「こういうのってのもいいよな……」

 アキトがしみじみと言う。幼いころに両親を亡くしているので特にそう感じるのか。また、ユリカも幼いころに母親を亡くしているのでルリに自分を映しているのかも知れない。

 「……次は負けません」

 「それは私だって!」

 どうやら、ふたりの検討は終わったようだ。夜も更けているのでルリはかえって眠る時間だ。

 「それじゃ、おやすみなさい。艦長、テンカワさん、カイトさん」

 「おやすみ♪ ルリちゃん」

 「おやすみ、ルリちゃん」

 「おやすみなさい、ルリちゃん」

 寝る前の挨拶も終わりルリは自分の部屋へ帰っていく。

 3人ともじっと静かにしてルリが隣の部屋へ入っていくのを確認する。

 がちゃっ……ぱたんっ……

 「ルリちゃんは帰ったな。で、カイト、ユリカ。昼の話、詳しく話してくれるよな」

 「「それはもちろん」」

 ユリカとカイトの返事がはもる。どうやら今晩の就寝時間は遅いようだ。





 翌日より、ナデシコ長屋の朝はほんの少しだけ早くなって、寝る時間はものすごく遅くなった。

 それもそのはず、カイトの提案で始まった誕生日会&七夕祭り、コードネーム"天に流れる河"の準備である。考えついたのが7月に入ってからとあって作業は急ピッチで進んでいった。しらぬはルリとユキナだけ。特に主役であるルリには完全に隠匿されていた。

 7月5日、ミッション開始まであと2日となった日カイトはあの丘に来ていた。

 資材などの手配などは順調にいっていたが、全員の外出許可がおりなかった。ユリカやジュンが懸命に交渉しているが『ナデシコクルー全員を外に出すなど危なくてできるか』という、何ともごもっともな意見で難航している。

 「はぁ、どうしたらいいかなぁ……」

 樹に登り無意識にポケットから写真を取り出し、そこで微笑んでいる少女に向かって問いかける。

 強攻策は使いたくないんだよな……せっかくのなんだし。

 そのまましばらくの間、少女に問いかける。

 問いかけても何も答えないが不思議と心が落ち着いてくる。でも、答えは出ない。

 「ユリカさん達がきっと何とかしてくれるさ。信じろ。」

 苦笑を浮かべながら、写真をしまい込み、樹を降りようとする。

 『カイト君、やったよ。許可とれた!!』

 「うわぁぁぁ!!!!」

 突然ウィンドが開き、笑みを浮かべブイサインを出したユリカが顔を出す。

 「や、やりましたね」

 急なウィンド展開で驚いたカイトは転げ落ちた樹の下でひきつった笑みを浮かべながら親指を立てた。

 このあとも少しのトラブル−ジュンからユキナに一部情報が漏れたとか−があったが特に何事もなく準備は進んでいった。





 7月7日 PM6:00

 ルリとユキナはユリカとミナトの手によって浴衣に着替えていた。

 「艦長、ミナトさん。この格好って意味があるんですか?」

 「そうよ。それにあたし達以外誰もいないじゃないの」

 「だいじょーぶ!ささっ、いこ」

 「ルリルリ、ユキナ。浴衣にあってるわよ」

 ふたりの意見を関せず、ふたりのお姉さん達は長屋の外まで歩いていく。そこには一台の自動車があった。

 自動車の運転席が開く。

 「私は天流れる丘に案内する案内人。星之瑠璃比売命(ほしのるりひめのみこと)さま。そして、ご友人の方さま。お車のご用意は出来ております。さあ、お乗りください」

 そして、恭しく礼をし、ドアを開く。

 「カイトさん、なんのまねですか」

 ルリが冷ややかにつっこむ。

 「そう言わずに少しぐらいのってよ。これからあるパーティーに行くんだから」

 カイトはそう言って黒の燕尾服をただして言う。ちなみにこの服は貸衣装である。

 「そうそう、ルリちゃん。これから楽しいパーティーに行くんだから」

 「けど、カイトさん似合わない。ぷぷぷっ」

 「こら。ユキナ失礼でしょ。けど、ほんとに似合わないわね、カイト君」

 ユキナとミナトのつっこみ少し傷つくカイト。

 煮え切りそうにないルリを見て、ユリカが背中を押して自動車の中に入れる。そのあとにユキナとミナトが続く。

 カイトがドアを閉め、運転席に戻る。

 「それでは参りましょうか」

 自動車を30分ほど走らす。

 「あ、ここって……」

 ルリが呟きを漏らす。以前カイトと来た丘に続く道。進んでいくと次第に闇夜に沈むはずが明るくなっていく。

 「さて、つきましたよ」

 乗ったときと同じようにカイトが自動車のドアを開く。

 「まあ、こんなに派手になっちゃって」

 一番に下りたミナトが呟く。

 丘より少し離れた広場にはすでにナデシコクルーが皆集まっていた。ほかにも近所の人やサセボの軍人さんも家族や恋人と一緒にいるようだ。

 中央に備え付けてあるステージから火が上がる。

 『さて、やって参りました。今日の主役のホシノ・ルリちゃんです。皆さん、拍手でお迎えください』

 ステージの上で司会を務めるのはメグミ。補佐にジュンがいるようだ。目立たないけど。

 「え、あ……」

 急な指名をうけてうろたえるルリ。

 「ルリ、もしかして今日自分の誕生日だって忘れてない?」

 ユキナのつっこみではっとするルリ。

 「さ、ルリちゃんいこっ。みんながまってるよ」

 「今日の主役なんだから、緊張しなくていいのよ」

 ユリカとミナトが優しくルリを後押しする。

 「もぉ、じれったいわね。みんなが待ってるでしょ。がしっ」

 ユキナがルリの手を持ってステージへ引っ張っていく。その様子を微笑みながら見ているユリカ、ミナト、カイト。

 「それじゃ、後は任せますね。裏方に戻りますんで」

 「あれ、カイト君来ないの?」

 カイトの発言に疑問を持つミナト。

 「企画者が遊んでるわけにはいかないじゃないですか。それじゃ、まず自動車を移動させないといけないので。楽しんでください。」

 そう言ってカイトは颯爽と自動車に乗って去っていった。

 その後、ルリのバースデーケーキ(アキト・ホウメイの合作)のろうそく消し、ハッピーバスディの歌。七夕の短冊の飾り付け。あとはおなじみのカラオケ、一発芸などでもりあがる。

 しばらくして、ふと会場の明かりが落ちる。そして、ぱっとステージにスポットライトがつく。

 『皆様、お待たせしました。これより本日のメインイベントのひとつ、夜空に輝く星のキャンパスに一瞬描かれる夏の花を開始します。それでは丘の方を見てください』

 うっすらと丘の方に移動するための明かりがともる。

 ぞろぞろと人が移動する。ルリ達も移動を開始する。

 とすると、遠くのほうからルリ達を呼ぶ声がする。

 「お〜い、アキト、こっちこっち。ここに場所をとってるから」

 その男は樹の下の特等席を陣取ってるようだ。

 「アキト、多分カイト君だよ。あっちにいこ」

 事前連絡を受けているユリカがアキトの腕を取って引っ張る。それに付いていくルリ達。

 そこには木のベンチとブタの蚊取り線香、そして『ほしのるりひめのみこと星之瑠璃比売命さまご一行、ご予約席』とかいてあった。

 「やっ、間に合ってよかったよ。そろそろ始まるよ」

 カイトが木に寄っかかって話しかける。すでにきぐるしい燕尾服は着ておらず、浴衣に着替えていた。

 「しかし、カイトよくここまで大がかりなのが出来たな」

 「そんな、みんなのおかげだよ。さ、ルリちゃんはここにユキナちゃんはここに座って。ここだと打ち上げるところから全部花火が見えるんだよ」

 アキトがカイトの肩をたたきながら話しかける。

 ルリとユキナの両脇をユリカとミナトが占める。

 ぽーん、ひゅるるるるっ……ばーんっ!!

 座ったのがわかったのか、一斉に花火が上がる。

 しばし、花火の美しさに目を囚われる。うち上がっては花開き一瞬の輝きを見せる。

 どこかで、たまーというかけ声がするとかぎやーと声があがる。

 ばーんっばんっ……

 星のキャンパスに描かれる夏の花とはよく言ったものである。ビデオなどでしか花火を見たことのないユキナは特に見入っている。

 「ルリちゃんどう。花火や今日の誕生バーティーは」

 アキトが西瓜を皿に盛ってルリの後ろから声をかける。

 「あ、テンカワさん」

 「ほら、ユリカもミナトさんも……ユキナちゃんは駄目か」

 「アキト、ありがとう!」

 「ユキナの分ももらっておくわね、アキト君」

 アキトが西瓜を配っていく。ルリが振り向くとカイトはいない。

 「テンカワさん、カイトさんはどうしたんですか?」

 「んっ、カイトは西瓜配りだよ。オレもこのあと手伝うんだけどね」

 「えー、アキトも一緒に見ようよ」

 「だめだめ、あいつばっかり働かせるわけにいかないだろ。ちゃんと配り終わったら戻ってくるからさ」

 むくれるユリカをアキトがなだめる。

 「じゃあ、早く戻ってきてね。カイト君もちゃんと連れてきてね」

 「わかってるよ」

 アキトは手を振って人混みに戻っていった。

 しばし、花火を見つめる4人。

 「ほんっと、カイト君ってよくやるわよねぇ」

 「どういうことなんですか、ミナトさん」

 ミナトの呟きが聞こえたルリは問いかける。

 「う〜ん、もういいわよね。薄々感づいてるみたいだから言うけど今回の誕生日会、七夕、花火大会を考えついたのってカイト君なのよ」

 「えっ!?」

 「そうだよ。ルリちゃんやユキナちゃん、そしてみんなのために考えたんだよ。だから、たのしんでね」

 微笑みながらユリカがミナトに続いた。

 「えーー。カイトさんってそこまで考えてたんだ。でもなんであたしまで? ルリはわかるけど」

 いつの間にか会話を聞いていたユキナ。

 「カイト君はね、ユキナが本当の花火を知らないだろうからって言ってたわよ。実物と映像じゃ迫力が違うもの。ルリルリも一緒、どうせなら盛大にってね」

 「へぇ……以外ね」

 「それはないでしょ、ユキナちゃん」

 「あ、カイトさん……こそこそ」

 苦笑しながらカイトが立っていた。無論アキトも一緒だ。

 「こら、ユキナ。カイト君にお礼は?」

 「いいんですよ、ミナトさん。それよりふたりとも楽しんでくれてるかな?」

 「うん、もう最高。ありがとねカイトさん」

 「……はい」

 元気いっぱいに答えるユキナとは対象に小さく答えるルリ。よく見ると頬がほんのり赤い。

 「提案者としてすごくうれしいよ」

 カイトは微笑みながらふたりの頭を少し乱暴になでる。

 ルリもユキナも頬をますます朱に染める。

 「どうかしたの?まだ、花火は続くよ」

 (もしかして、自覚してない?)

 ミナトのつっこみはおそらく正しいのであろう。ここら辺の鈍さはアキト並である。

 ばーんっばーんっ

 花火は続く。

 あか、あお、みどり様々な色の花火が星空を彩っていく。

 途中、流れ花火で『ルリルリ誕生日おめでとうby整備班』などというルリを赤面させるだけのおもしろいものもあったが皆満足そうだった。

 でも、そう言った楽しい時間は早く過ぎていくもの。とうとう最後の一発が空に舞う。

 ばーーんっ

 それは最後にふさわしく瑠璃色で大輪の華を咲かせた。







 翌朝

 ルリは珍しく早くアキト達の部屋へ来ていた。

 あの花火のあとカイトはそうそうに後片づけがあるからといって立ち去ってしまいお礼が言えなかったからだ。

 帰ってからもしばらくまっていたが、コミニュケで『アキト、ごめん。当分終わりそうにないから先に寝てて』とだけ一方的に通信を送ってきたため−アキトとユリカの勧めもあって−寝てしまった。

 「おはようございます。テンカワさん。カイトさんはいますか?」

 「おはよ、ルリちゃん。今日は早いね。カイトならさっき寝たところだから」

 よく耳を澄ますと寝息が聞こえる。

 「そうですか。わかりました」

 少しすると、ユリカが来る。いつもの朝食の時間。それが終わるとアキトとユリカはいつも通りに部屋を出る。

 ルリはひとりぼっちになる。食器を片づけて部屋にある端末からオモイカネにアクセスする。いつも通り多方面からデータを引っ張り出して端から読んでいく。

 たいくつ……

 今まではそうは思わなかった。どうしてかはわからなかった。

 ただ、時間だけが過ぎていく。そろそろ、アキトが戻ってくる時間だ。

 「ふぁぁぁぁ……あれ、おはよルリちゃん……」

 隣のふすまを開けてカイトが起きてくる。寝起きのせいか髪には寝癖が付いていし、顔にはまだ眠いと書いてある。

 「……おはようございます。でも、もうすぐお昼ですよ」

 急に起きてきたカイトに驚きながらもすぐに冷静さを取り戻す。

 「んっ……もうそんな時間か……ふぁぁぁ……ねむっ」

 「ひとまず、顔を洗ってきたらどうですか?」

 「……そうだね、起きたんだしちゃんと起きますか」

 ひとしきり朝起の儀式をしてカイトが戻ってくる。まだ、パジャマのままだったりするが。

 「ただいま、ルリちゃん。お、カイト起きてたんだ、おはよ」

 「お帰りなさい、テンカワさん」

 「おはよ……アキト……ふぁぁぁ」

 カイトは起きてから、何度目かのあくびをしながら挨拶をする。まだ、眠りのひよこはダンスをしているようだ。

 「ははっ。また寝るか?」

 「……いや、起きる。ここで寝たら多分空腹で途中起きてしまう」

 何とか気合いで眠気と戦うカイト。たまらず、ルリが吹き出してしまう。

 「ひどいな、ルリちゃん。こっちは必死なのに」

 「すみません。でも、おかしかったので」

 必死に笑いをこらえようとするルリ。アキトとカイトはしょうがないねといった風な顔になる。

 「それじゃ、お昼を作るから。カイト、寝るなよ」

 「うん、早く作ってね」

 そう言って、アキトは台所に行く。

 「カイトさん、昨日はどうもありがとうございました」

 「……あ、楽しんでくれたようだね。こちらこそありがと。みんなでやったかいがあったよ」

 カイトはルリの言葉に満足げに微笑む。一仕事を終えた笑み。

 ルリは少しうつむく。恥ずかしいのだろうか。

 「あ、そうだルリちゃん。あとでみんなにもお礼を言ってくれるかな? 頼んだときみんな快く承知してくれたんだよ。ナデシコのみんなに愛されてるんだね。特にウリバタケさん達整備班の人は花火を主に担当してもらったんだけどすごく気合いがはいってたからね」

 「……わかりました。会ったらお礼を言っておきます」

 そう言ったルリの態度をほほえましく思いながらカイトはアキトの作る昼ご飯をまっていた。












  終わったあとの雑談会

  ひ〜ろ:どうもどうも、第2話終わりました。どうだったでしょうか?それでは今回のゲスト、鈍感王テンカワ・アキトです。

  アキト:ちょっとまて、どういう紹介の仕方だ。

  ひ〜ろ:そのままでしょ・・・

  アキト:・・・

  ひ〜ろ:まあまあ、はぶてない。

  アキト:で、なんでおれを呼んだんだよ。

  ひ〜ろ:これを掲載させてくれてる管理人さんからのご要望だよ。

  アキト:なら、しかたないか。で、なんのはなしをするんだ?

  ひ〜ろ:たしか、中華が得意だったよな。ほかには何か作れないの?

  アキト:別にほかのが作れない訳じゃないぞ。ただ、ラーメンが得意なだけで。

  ひ〜ろ:そっか、今度おごってくれ。

  アキト:機会があったらな。で、今回の話だけど、やけにルリちゃんとカイトが仲良かったな。ユキナちゃんもみたいだけど。

  ひ〜ろ:アキトが鈍感じゃない・・・へんだーへんだー

  アキト:なんでそうなるんだよ。少しはわかるさ。

  ひ〜ろ:まま、ここら辺は後々はっきりしてくるから。パパは大変だねぇ。

  アキト:だから、なんでそうなる!

  ひ〜ろ:だって、ユリカと結婚をするんだろ。

  アキト:ば、ばか。まだそんなこここ・・・・・

  ひ〜ろ:・・・おーい、もどってこーい・・・無理みたいだね。それじゃ、読んでくれたみんなありがと。次は第3話『あなたの『行き先』はどこですか?』であいましょう。ばいば〜い








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