機動戦艦ナデシコ・妖精達の行進曲




第四話

ナデシコの食堂にて。ユリカがウリバタケとホウメイと話している。

その近くのテーブルにカイトとエンが座っている。カイトは暗い顔をしているが、エンは滅茶苦茶、嬉しそうな顔をしている。

「おい、カイト!ついに俺様のエステが来るぞ。」

テンションがやたら高い。

「そうですか。それはよかったですね。」

テンションがやたら低い。そんなカイトに対してエンは

バチンっ!!

と地獄突きをした。

「ぐふぉっ!」

もろに入ったようだ。

「人がテンション上がってる時に下げるなバカ者。」

なんか変なポーズを決めながら言うエン。

「す、すいません。」

例え、地獄突きをされても謝るカイト

「で、そんなに人が死んだ事が厳しいかね、カイト君。」

無意味に偉そうにしているエン。

「・・・はい。」
「ま、戦争なんてしてたら誰か死ぬのは当然の事なんだしさ、お前が悲しむ事もないだろ。」

「死ぬのが当然なんて駄目です!」

それまで、静かだったカイトが大きい声で反論した。

「え!」

エンはビックリしている。知り合いの家にいる犬と遊んでいたら急に噛まれたっといった感じの顔になっている。

「え・・・、あ、大声出してすいません。」

カイトの顔がいつものすいませんでした顔に戻っている。

「ホントだよ。まったく。・・・ま、安心しろ。俺がパイロットになりゃ、誰も死なせやしねえよ。」

「エンさん。・・・僕も頑張ります。もう、だれも死なせません。」

「おう、その意気だ。がんばれ、がんばれ。」

そんな話をしていると、ユリカから呼ばれた。

「カイトー、エンくーん、もうすぐサツキミドリに着くからブリッジに行くよ〜。」

「あ、うん、すぐいくね。エンさんも一緒にブリッジに行きましょう。」


「お、ついに俺の新しい相棒がくるわけか。」

「相棒ですか?」

「新しいエステの事だよ。」


そして2人はブリッジに向かった。

ブリッジに着くとカイトはユリカの近くに行き、エンはルリの近く行った。

「あと一分でコロニー見えます。」

目の前にいるエンとカイトを気にせず、仕事をするルリ。

「あそこに俺のエステが、あるのか。な、ルリ、そうだろ。」

「はいそうですよ。」

「フフフ、ついに俺の伝説が始まるわけか。」

「・・・バカですね。」

バカと言われてルリを睨むエン。

「何かいったか?」

「真実を言いました。」

睨みあう両者。

「あれ?何か爆発してませんか?」

それまで静かに画面を見ていたカイトが何かに気付いたようにしゃべった。
「え、何?」

その次に交信していたメグミが何かの異常に気付いた。

そして、画面上のサツキミドリが爆発した。

「コロニー方向より衝撃波きます。」

ルリが報告する。

衝撃波により揺れるナデシコ。

「すぐに被害を確認。メグミちゃん、生存者を探して。」

ユリカがクルーに指示を出す。

ナデシコ全体に緊張が走る。

数分後、ナデシコ内の被害を調べていたジュンから連絡が入る。

侵入者がいるという連絡だった。

ナデシコ内に緊急の警報が鳴り、すべてのクルーが銃などを装備している。

「側面より機影を確認。敵は5機。」

ブリッジに緊張が走るなか、ルリが報告する。

「エステバリスの準備をしてきます。」

カイトが格納庫に走っていこうとする。

「カイト、待って。」

「え?」

走りだそうとするカイトをユリカが止めた。そして、機影が大きくなっていく。そこには、5機のエステバリスが写っていた。

「しかし、味方ならば識別信号を送ってくるはずだ。」

「いいえ、忘れているだけです。見てください。」

一番前のエステバリスのワイヤーに白い目印があった。それは車での意味だった。

ナデシコに入る5機。

「それじゃ、私とゴートさん達はパイロットさん達に挨拶にいってくるね。カイトはまだ、侵入者さん達がいるかもいれないからここを守っていてね。」

ユリカがカイトに言う。

「あの、私、少し休憩してもいいですか?」

メグミが暗い顔をして聞いてくる。

「うん、いいよ。」

ユリカがメグミの顔色の悪さを気にしながらいう。

「それじゃ、私は部屋をみてきていい?さっきの揺れで部屋が汚れてるかもしれないから。」

「ちょっと、すまんが一緒についていっていくぞ。俺様のエステを見たいからな。」

ミナトとエンがほとんど同時に聞いてくる。

「うん、いいよ。」

2人にも許可をだした。

「それじゃ、行ってくるから、カイト、よろしくね。」

「うん、わかった。」

ブリッジにいた面々が散っていく。

そして、みんながいなくなるとカイトがようやくある事に気付いた。

(る、ルリさんと2人きりだ。)

カイトはその事に気付いたと同時に顔が少し赤くなる。

ルリはというと、自分の仕事をしている。2人に会話も無く、ただカイトは落ち着き無くキョロキョロしている。

「別にどこかにいってもいいですよ。」

ルリが唐突に喋った。

「え。」

「私といてもつまらないでしょうし。カイトさんはちゃんと仕事をしていたと言っておきますから。」

「そ、そんな事ないです。それに今はルリさんを守るのが仕事です。」

「・・・守るのは私じゃなくて、ブリッジじゃないんですか?」

「え、ああ、そ、そうですね。」

カイトの顔が真っ赤に染まる。

「私が殺されても、ここのシステムは守るのが今のカイトさんの仕事ですよ。」

その言葉を聞いて、カイトの顔色が変わった。

「そんなの駄目です!」

「え。」

いきなりの大声にルリは驚く。

「あ、ごめんなさい。そのいきなり大声出しちゃって。」

カイトの顔が赤い顔に戻った。

「人が死ぬのは嫌ですか?」

「・・・はい、いやです。」

「会った事の無い人でもですか?」

「そうですね。人が死ぬのは絶対に嫌です。」

「やさしいんですね。」

「・・・違うんです。ただ・・・ただ僕はつぐなわないといけないんです。」

カイトがルリに笑顔を向けた。しかし、その笑顔は悲しいほどに切なそうだった。

しばらく経って警報が解除され、ユリカ達が帰ってきた。見た事が無い女性が3人いる。

「あ、姉さんお帰り。・・・エンさんは?それにそちらの方達は?」

カイトがユリカに聞く。

「エン君ならエステバリスの調整をするって。すっごく喜んでたよ。そしてこちらの3人さんは新しいパイロットさん達です。」

「あ、これは初めまして。姉さん、じゃなくて艦長の護衛兼エステバリスパイロットのミスマル・カイトです。」

カイトがペコリと頭を下げて、丁寧に挨拶する。

「どうも、ホシノ・ルリです。」

ルリは言葉少なく挨拶する。

「どうも、初めまして。私はアマノ・ヒカルで〜す。それにしても、」

ヒカルと名乗ったメガネ少女がカイトに近づく。ヒカルに見つめられてカイトの顔が赤くなる。

「ねえ、カイト君?」

「はい、何でしょうか?」

「男の子とか興味無い?」

「男の子?興味?」

「ヒカル、やめてやれ。困ってるだろうが。」

3人の女性の内の一人がヒカルを止めた。

「俺の名前はスバル・リョーコ。そんでもってもう一人が。」

「肝心な新人・・・ククク。」

「・・・マキ・イズミだ。」

「・・・バカ?」

「ちょ、ルリさん。」

ルリのバカと言う一言を聞いて焦るカイト。しかし、運よく3人には聞こえていなかった。

「あ、そうだ。」

ここでユリカが何かを思い出した。

「サツキミドリの中にまだエステバリスが残ってるかもしれないから皆さんと一緒に調べに行ってきてね。」

「はい、わかりました。それじゃ、準備してきます。」

カイトはエステバリスの収納庫に走っていった。

「それじゃ、俺達もいくか。」

「は〜い。」

「ククク。」

パイロット3人娘を向かった。

「あ〜、アキトは大丈夫かな〜。」

ユリカはこんな状況でも、アキトの心配をしていた。

収納庫に行くと、エンが作業員と一緒にエステバリスの調整をしていた。

「お〜う。カイト〜!」

「あ、エンさん。」

「なんだ。今から出撃か?」

「はい。」

「そうか〜。いいな〜。俺もさっさとエステに乗りたいな〜。」

「大丈夫ですよ。もうすぐ乗れますよ。」

「まあ、そうさな。とりあえず、頑張って来いよ。」

「はい。」

そう言ってカイトはエステバリスに乗り、出撃していった。


宇宙を行く4体のエステバリス。話しながらサツキミドリに入っていく。4体が入った後にアキトのエステバリスが入ってきたがすぐにエネルギーが切れた。そしてリョーコのエステバリスに蹴られてサツキミドリの外に出た。
「アキトさん、大丈夫かな。」

カイトだけが心配していた。そんなこんなで4人は1体のエステバリスを見つけたが、そのエステバリスの動きはおかしかった。なぜならバッタに操作されていたからである。サツキミドリの中で戦闘が始まった。パイロット3人娘は見事なコンビネーションでゾンビエステを追い詰めていく。しかし、カイトはあたふたしてるだけであまり役に立てていない。その内、勢いをつけ過ぎてゾンビエステをサツキミドリの外にだしてしまったが、アキトが倒したりして結局活躍してたりする。

そうして、5機のエステバリスがナデシコに戻っていく。

戻ってくるとアキトはちょっとしたヒーロー扱いされていた。そんでもって、エステバリスを降りたアキトの元へメグミが近づいていく。2人は少し話した後、2人の影が重なった。

それを横からユリカが見ていた。それに気付かず去って行く2人。叫ぶユリカ。

それをカイトとエンが隠れながら見ていたりした。



あとがき
はぁぁぁぁぁぁ。ひさしぶりにSSを書いたけど・・・だめだ〜!何をしたいのかわからない。い〜や〜。・・・
・・・
・・・
・・・ま、いっか(爆)。今度からも頑張ろうっと!



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