機動戦艦ナデシコ・妖精達の行進曲 |
第一話 出発の朝、カイトは反省していた。 姉、ユリカの着替えが予想以上にかかっていたのだが、 その理由を、 (僕がもっと早く起こせばよかったんだ。) と思っていたからだ。昨日の内に準備しておかなかったユリカが悪いのだが、その性格ゆえ、自分が悪いと思ってしまっていた。 「きゃーーーーー。」 二階から聞こえてくる悲鳴。カイトはその声を聞くと二階に走りだしていた。 二階に着くと、父、コウイチロウとアオイ・ジュンが倒れていた。 「姉さん!」 そう叫びながらユリカの部屋をのぞくと何も着ずに布団で体をかくすユリカがいた。 「あ、カイト聞いてよー。お父様達、ノックもせずに戸を開けるのよ。失礼しちゃうわよね。」 カイトにユリカの声は聞こえていなかった。カイトにはユリカの姿は刺激が強過ぎたのだ。 そして、 バターン!「か、カイト。」ぶっ倒れしまうカイト。 旅立ちの日は騒がしく始まった。 「このままだと遅刻かな、ジュン君。」 「うーん、微妙なとこかな。」 「ごめんなさい、僕のせいで。」 ここは車の中。あの後カイトを起こしたり、ユリカの準備がけっこうかかったりして、家を出る時間が大幅に遅れてしまったのだ。 「カイトは悪くないよ。ユリカの準備がかかったのが原因ななだから。」 ユリカの言葉でカイトも少し元気がでた。 その時、外から何か落ちる音がした。カイトが外を見てみると、車からトランクが落ちて、通行人に当たっていた。 「あの人には、悪いことしましたね。」 「うん、でもいい人でよかったね。」 あの後、ぶつかった人に謝ったのだが、その時に荷物の整理までしもらったのだった。 「姉さんどうしたの?さっきから何か考えてるみたいだけど・」 「え、うん、ちょっとさっきの人どっかであったことがあるような気がしてね。」 「ユリカの勘違いじゃない。そういうことってよくあるよ。」 「そうかなー。」 とかなんとか言ってるうちに一行は基地に着いた。 「じゃ、姉さん部屋に荷物持っていくね。」 「うん、カイトありがと」 ブリッジに行くユリカたちとは別にカイトは荷物を部屋に置きに行くことになった。 数分後、 「よし、全部おわった。」 荷物を全部運び終わり、自分もブリッジに行こうとしたとき、艦内に警報音が鳴り響いた。すぐさまコミュニケを開くカイト。 一方ブリッジでは作戦会議が行われていた。 「海底ゲートをぬけていったん海中へ。その後浮上して背後より敵を殲滅します。」 作戦は決定した。しかし問題が発生した。ナデシコが浮上する間、誰がおとり役をやるかということだ。 かんじんのパイロットのヤマダ・ジロウ(魂の名はダイゴウジ・ガイ)は脚を骨折していた。 「僕がおとり役をやります。」 「カイト。」 「君は誰かね。」 見たこともないコミュニケの男の子に質問するフクベ提督。 「本日よりナデシコにのります、艦長のボディーガード兼エステバリスパイロットのミスマル・カイトです。」 「ミスマル?ということは」 「カイトは私の弟なんです。」 フクベ提督が全部いう前に答えるユリカ。 「それじゃ、カイト、10分だけでいいから、おとりをやってもらえる。」 「うん、任せて。それじゃエステバリスの準備を」 「おとりなら出てるわ。」 「「「え」」」 「今、エレベーターにロボットが。」 オペレーター、ホシノ・ルリの一言に皆驚いた。いったい誰が乗っているかわからないからだ。 「誰だ、君は!」 エステのパイロットにエステを使って質問するフクベ提督。 「パイロットか。」 「え、いや。」 「所属と名前を言いたまえ。」 「テンカワ・アキト、コックです。」 その答えを聞いて回りは騒ぎだした。しかし、ユリカだけは目をキラキラさせていた。そして、 「アキト、アキトだー。」 ユリカが騒ぎだした。アキトもユリカを見つけ何か、話している。周りの人間は興味ぶかそうにそれを見ていた。ただ一人を除いて。カイトだった。カイトはルリが発言した時に、ルリを見て、ずっと顔を赤くしたまま、その場に立っていた。 ミスマル・カイト、人生初めてのひと目ボレであった。 しばらくボーっとルリを見ていると、 「カイトさん、どうしたんですか?」 「え、あ、ごめんなさい。」 急にルリに呼びかけられ、条件反射であやってしまうカイト。 「何を謝ってるんですか?」 「いや、何となく。」顔を真っ赤にして答えるカイト。 「それよりテンカワさん一人では、心細いので発進してください。」 「は、はい。」といいエステのもとに走ってゆくカイト。 「はー、ばかばっかり。」カイトの背中を見ながら言うルリ。 二人の妖精の出会いはこうして終わった。 戦闘の方はアキトの意外な活躍もあり、ナデシコの大勝で終わった。こうして冒険の初日は終わっのだった。 あちがき えーここで発表が二つあります。まず次の話にオリキャラを出します。それとこのss、イツキが出ません。というのも、私ゲームを持ってなくてイツキの性格がよくわからないんです。イツキファンのかたごめんなさい。それではまた次回、さようなら。 |
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