―――遠くで誰かが呼んでいる。

 

 

まだ眠い・・・。

僕の意識はそうまどろみに落ちていく。

 

   ゆさゆさ・・・・・

 

体を揺らされるのが分かる。

しかしまだ眠い。

 

   「・・・お兄ちゃん」

 

ラピス?

 

   「・・・お兄ちゃん。起きてよ〜」

 

本当は起きているのだ。

僕はラピスをからかう。

 

   「・・・む〜〜。・・・!そうだ」

 

ふと気付くと、何かが近づいてくる感じがする。

僕は目を開けると・・・、

 

   「・・・あ!起きちゃった・・・」

 

互いに息の掛かるくらい顔を近づけていた。

目の前にラピスの顔がある。

「・・・お早う。ラピス」

「・・・ぶ〜」

頬を膨らませ、僕を睨むラピス。

「・・・な、なに?」

「・・・だって。お早うのチュウが」

へ?

可能性

義兄と義妹

 

グラウンド

昼休みの屋上でカイトとラピスは並んでお弁当を食べている。

「・・・そう言えばさ」

「・・・なに?お兄ちゃん」

すでにラピスは食べ終わってイチゴ牛乳をちゅーちゅーを吸っている。

「何であんなことしようしたの?」

今朝の「お早うのキス未遂事件」ことだ。

「・・・だってパパとママがやってたから」

(あのバカップルが・・・)

カイトは頭を押さえる。

カイトの住む町ではオシドリ夫婦を呼ばれるまでに、

アツアツカップル(死語)なのだ。

 

 

 

「はぁ。だけどねラピス」

「・・・なに」

ため息が出るカイト。

「そうゆう事は、大事な人の為にとっておく物だよ」

そう諭すカイト。

ラピスは何か考えている。

カイトは何事かと問おうとすると、

「・・・お兄ちゃんは私のこと嫌いなの?」

「え?そ、そんのことないよ」

目に涙を浮かべるラピス。

慌てるカイト。

「・・・じゃあ好き?」

「え?あ、うん。ええっと、・・・好きだよ」

頬を赤らめて聞くラピス。

頷くカイト。

その返事を聞いたラピスは、

「・・・だったら問題ないの」

そう言って顔を近づけていく。

カイトの手からは・・・お弁当が床に置かれていく。

 

 

 

 

 

おまけ

その二人の光景を盗み見ていたものがいた。

「うー、カイトさん」

「なにやら、背徳な香りがぷんぷん匂うねー」

涙ながらにカイトを見るホシノルリと、

明らかにそれを面白がっている白鳥ユキナであった。

 

 

 

おまけその2

「・・・それでね。キスしたの」

頬に手をあてイヤンッイヤンッと首を振るラピス。

「うふふ、あと一息よラピスちゃん!」

そう言ってラピスを抱き締めるユリカ。

策略を楽しむ母の姿がそこにあった。

 

 

 

ルリ「昔の記憶がない分、今の思い出を大切にできると思います。
   私たちはみんな、この思い出を大切にしたいと思ってます。あなたも……そう思ってくれたら嬉しいです」

カイト「どうしたの?ルリちゃん突然に(汗)」

突然だね、相変わらず。

ルリ「私の方が人気ありますよね?」

カイト「え、そうだと思うよ」

ルリ「何故ラピスなんですか?」

妹って感じだしたかったから、かな?

ラピス「お兄ちゃん。遊ぼうよ。ねー」

ルリ「な、ラピスなんで貴方がここに?」

ラピス「別にー」

水面下で巻き起こる女の戦い。

 

御免なさい。当初の予定ではエリナさんの出番だったんですが、色々と事情が・・・御免なさい。

この作品は「迷子の子猫」の後

     カイト、ルリ、ラピスが学校に入学したら

のお話です。

 


[戻る][SS小ネタBBS]

※我我 さんに感想を書こう! メールはこちら[gaganext@hotmail.com]! SS小ネタ掲示板はこちら

<感想アンケートにご協力をお願いします>  [今までの結果]

■読後の印象は?(必須)
 気に入った!  まぁまぁ面白い  ふつう  いまいち  もっと精進してください

■ご意見・ご感想を一言お願いします(任意:無記入でも送信できます)
ハンドル ひとこと