涼しげな風が流れてゆく・・・

そんな中で・・・

「・・・意外とお兄ちゃんしてるじゃないか」

兄は弟に語りかけ、

「・・・そうですか?」

弟は聞き返す。

「・・・お兄ちゃん?」

いつの間にか起きていたのか、少女は問う・・・

「・・・ラピス。できれば義を付けてね」

「・・・義兄ちゃん?」

夏掛けをかけたまま少女は聞く。

弟は妹が暑くないように団扇を扇ぎ、

兄はそれを優しく見つめる・・・

 

可能性

対決

 

「それじゃ、後お願いね?ルリちゃん」

「・・・・・・・」

頼むカイトに不機嫌な表情を見せるルリ。

ラピスは寝ている。

「ルリちゃん?」

「・・・わかりました」

カイトの頼みを聞くルリ。

これからカイトは出かけなければならない。

なぜルリが不機嫌なのかは・・・まあ色々と複雑なのだ、乙女心というものは。

「それじゃ、たのんだよ!」

家を出て行くカイト。

沈黙するルリ。

「・・・さて、ラピス」

「・・・ん、なに?」

もぞもぞと布団から抜け出すラピス。

「あなた、カイトさんと何をしていたんですか?」

「・・・な、なにって。なに?」

「昨日のことです!」

そう、昨日ルリが家に戻った時、カイトとラピスは慌てていた。

尋常じゃないほど慌てていた。

ラピスをじっと見つめるルリ。

ラピスは動けない・・・。

やがて頬を赤らめてそっぽを向いた。

「なんか気になるわね。その仕草」

「!誰ですか?」

ルリが振り向くとそこには・・・

「やっほー」

白鳥ユキナであった。

「いったいいつの間に?」

「ちゃんとノックしたわよ」

 

 

 

息を切らし家に急ぐカイト。

忘れ物に気付きすぐに戻ってきたのだ。

カイトが家に辿り着き玄関に手をかけたとき、何かドタン、バタンと音がしている。

(なんだろ?)

カイトが玄関を開けた瞬間、

見えたのは揉みくちゃになった三人であった。

 

 

 

「別にただこうしていただけだよ?」

「・・・うにゅ」

ラピスはカイトの膝枕で寝ている。

「・・・・・・」

明らかにそれだけではないのでは!問い詰めたいルリ。

「・・・・・・」

ユキナは先ほどから羨ましそうにラピスを見ている。

「うん。これっきゃないわね」

「へ、ユキナさん?」

ユキナは行動に出る。

そしてルリは・・・唖然とする。

「・・・てい!」

「うわっ!」

「・・・うにゃ!」

カイトに対してダイビングで飛びついたのだ。

突然の行動に防御ができないカイト。そのまま後ろに倒れる。

ラピスもいっしょにゴロンっと。

「ふふっ。まったく」

そうやって飛びついてきたユキナの行動を微笑みがら頭をなでるカイト。

ラピスはカイトのお腹に抱きついている。

なにかいい感じになってきた三人。

それを傍観するルリ。

焦るルリ。

焦りだすルリ

ユキナのように冗談半分で抱きつくこともないし、

ラピスのように無邪気に甘えてくることも無かった。

(ルリ、ピンチです)

そんな感じで焦るルリ。

ただでさえカイトとじゃれることの少ないルリ。

いつも傍観が目立った。

でも・・・今回は、

「・・・えい!」

負けたくは無かったようで。

 

 

 

その後静かな寝息が聞こえたそうな。

 

 

アキト「いったい何を慌てていたんだ?あの二人は」

膝枕+耳掻き+息吹きかけのコンボ。

アキト「そのぐらいか」

ラピスの方からだしね。

アキト「本人同士の了解があればね

ルリ、ユキナ「「良くない(ありません)」」

    って(汗)」

今回の可能性は劇場版後なのにユキナがカイトに惚れている。

ユキナ「あれ?あたしジュン君振ったの?」

いや、振ってないって。

この面子で季節ネタが凄そうだな。

 


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