「ユキナちゃん、これ重いよー」

「情けない声出さない!男の子でしょ!」

カイトの両腕は紙袋で塞がっている。

ユキナはそんなカイトを眺めながらカイトの横を歩く。

「部活の買い物じゃなかったの?」

「いいの、いいの!それを含めてのデートなんだから」

カイトはため息をつく。

「む!なによー」

「へ。あ、いや何でもないよ」

「むー!怪しい。怪しいーぞ!くん、くん」

ユキナはカイトの匂いを嗅ぐ。

「うー。汗臭いよ」

「はは、ごめんごめん」

鼻を摘み臭いよと表現するしかないユキナと、謝るしかないカイトであった。

「いや、来週からなんだなって思って」

「・・・・・・うん」

可能性

不安と想いと乙女

「それじゃ、ここまででいいかよ」

「重いよ、家まで頑張ってね」

ユキナは頷くが表情は暗い・・・。

「ユキナちゃん」

「・・・・・・ふえ、ん!」

カイトの呼びかけに顔を上げるユキナだが、

カイトにキスされていた。

「はは、ご馳走さま」

カイトはユキナから顔を離し帰っていく。

突然の行動に顔を赤くしていたユキナ。

「ず、ずるいー。両手塞がってるのにー」

うー、と唸りを挙げるユキナ。

ふと気付くと、回りの人に見られていたことに気付き、

顔を真っ赤にして帰路に着くユキナであった・・・。

 

 

 

ハルカ邸縁側にて

ユキナは片膝をついてため息をついている。

ちりん、ちりんと風鈴の音が鳴る。

「どうしたの?ユキナ」

「・・・お姉ちゃん」

ミナトはユキナが元気が無い原因が分かっている。

「・・・相談に乗るわよ」

「・・・うん」

ミナトの申し出に素直に応じるユキナ。

「・・・カイトってさ」

「カイト君?ノロケ話なら聞かないわよ」

「・・・ちがう」

ユキナは首を振る。

「・・・カイトってもてるんだよね」

「・・・はっはーん。嫉妬ね」

ユキナがすぐに否定すると思っていたミナトだが、ユキナは頷いた。

「・・・あいつってさ、いろんな子から言い寄れれてるの」

「ふーん」

「・・・奥手って思ってたルリでさえ色々聞いてくるし」

「へールリルリまで」

ユキナはそう言い切って両膝を抱き締め、

「信じていいのかな?あいつのこと」

「・・・そっか。来週からか」

ミナトはあることに気付いた。

ユキナは陸上部のエースである。

来週からここを離れ合宿に行かなければいけない。

いつもは、自分が傍に居て周りを牽制しているが、自分が居なくなった途端、

カイトは自分から離れてしまうのか・・・。

「でも、そんなこと言ってると・・・」

「・・・分かってるよ」

ユキナはこれから先力を付ければ全国の代表に選ばれる。

もしかしたら何ヶ月も海外に行くかも知れない。

「・・・不安?」

「・・・・・・」

ミナトの問いに頷くユキナ。

はぁ、とため息をつくミナトは、

「・・・そんなユキナにプレゼント」

「・・・・・・?」

なに、と言う顔をしているユキナ。ミナトは指をパチンと鳴らすと、

「僕ってそんなに信用無いかなー?」

暗闇からカイトが現れた。

「え、えええ!おお、おねえちゃん?」

ユキナはミナトに問うと、すでにミナトの姿は無く、

「か、カイト!・・・って。ん・・・」

またも、カイトの先攻。

 

 

 

ミナトさん出番ですよ。

「ここから先は、出刃亀はいけないわよ。

 ・・・それにしても、カイト君やるわね」

だそうです。

 

 

 

真夜中の縁側

いつの間にか月は昇っていた。

今日は満月・・・。

「そんなに・・・不安だったんだ」

「・・・うん」

何かしら?の進展があった二人。

カイトとユキナは肩を並べて寄り添っている。

「しんぱいだよ。私」

「・・・そっか」

ユキナはカイトを見上げる。

「僕ね。こう思うんだ。誰かを好きになったら・・・誰かを嫌いにならなくちゃいけないのかなって」

「・・・・・・ん」

カイトはユキナに唇を重ねる。

「・・・カイト、いじわる」

「うん、好きな女の子はいじめたいもんだよ」

カイトは笑う。

ユキナはカイトの肩にコテンッ、と頭を乗せる。

「・・・浮気したら許さないからね」

「肝に銘じとくよ」

カイトはユキナの肩を抱き締める。

 

 

 

それは、真夜中の小さな大きな出来事・・・。

 

 

 

ユッキーの出番でした。

「ユッキーよぶな!」

うっさい。さてカイトの可能性カイト×ユキナの一本です。

予定

     イネス先生

     エリナ・キンジョウ・ウォン

     アサミ・ミドリヤマ

     スバル・リョ―コ

     アマノ・ヒカル

を考えています(予定は未定・・・)

 

 

 

まだあった。

     テンカワ・アキト

もあります。我我でした。

途中カイトが青年に変わったりします。

 

 


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