機動戦艦ナデシコ    〜忘却の白銀色の戦士〜
 

                               黒と白。例えそれが別の色でも色は色

                              ならその色の意味は一緒なのだろうか?

                                  それは違う。黒は黒。白は白。

                              貴方は黒と白。どちらが悲しくみえますか?

                              普通は黒だと思うだろうけど僕は白だと思う

                                   どうしてそう思うのですか?


                               白は何もない色と思うからだよ・・・・・・・・・・

                              



               
       第3章   白い銀色の復讐者



ネルガルドック基地


「ほら、ぼーっとしてないで早くこいよ」

アキトはそう言ってカイトを呼んだ。別にゆっくりでもいいじゃないかと思いながら、カイトはアカツキ達の居る近くまで行く。

「お帰り。テンカワ君、元気そうじゃないか、それになんか昔のテンカワ君に戻った感じじゃないか」

「アカツキさん。今まで行方をくらませて、心配おかけしました」

「アキト君・・・」

エリナはアキトのその言葉、そして昔の服を見て、嬉しさをかみ締めていた。昔の彼がここに居る。それが嬉しかった

「それに、後ろの人は誰かな〜。まさか、もう一人のテンカワ君なんてオチはないだろうね?」

アカツキはゆっくりと歩いてくる白い服装をしたカイトに向かってそう言った。

「それはないですよ。アカツキさん」

「その声は・・・」

「カイト君!!

エリナが声をあげて驚いていた。カイトはアカツキ達の側に行くとバイザー越しから笑顔した

「お久しぶりです。エリナさん。アカツキさん」

「君は・・・・どうしてここに君が居るんだい?」

「その話はここではするより、もっとちゃんとした場所でお話しましょうか。別に逃げはしないですから」

「あっああ」

そうしてカイト達はネルガルに戻った。


ネルガル会長室


「アキト〜〜〜〜」

「ユッユリカ」

会長室に入った瞬間にユリカがアキトに抱きついた。それを微笑ましくカイトは見ていた。アカツキ達は予想していた通りと言う顔をしていた。

「もう、戻ってこないと思ってた。私の事嫌いになっちゃったのかと思った」

「ユリカ・・・。そんな事あるわけないだろ」

そうしていきなりラブラブモードに突入しそうになる所を

「テンカワ君、ユリカ君。場所を考えてくれないかな」

のアカツキの一言で現実に戻された・・・・訳がない

「でもでもでもでも、アキト。本当に帰ってきたんだよね。偽物じゃないよね?アキトだよね?」

「ユリカ、何いってんだよ」

「嬉しいよ。やっとやっと会えたもん」

そう言いながらユリカはアキトを抱きしめたまま、顔をアキトの胸に埋めた

「アキト・・・嬉しいよ。こんなに嬉しいことないよ」

「ユリカ・・・・・」

そして絶頂に達する瞬間に微笑ましく見ていたカイトが一言

「話、・・・していいかな?」

とアキトとユリカの間に割って入った

「ほえ?。貴方・・・誰?」

「誰とは・・・ご挨拶ですね」

カイトは笑いながら昔のユリカさんと変わっていない事を確認していた。

「もしかして・・・カイト君!!!」

「そうですよ」

「カイトく〜ん」

そうしてユリカはアキトから離れてカイトに向かってギリギリの距離まできた。

「カイト君?。カイト君なの。生きてるよね。偽物じゃないよね?」

「本物ですから」

「カイト君にアキト、二人とも一緒に帰ってきてくれるなんて・・・」

ユリカは目に涙を浮かべながら泣きじゃくっていた。

「嬉しいよ。こんな嬉しいこと・・・ないよ」

エリナはユリカにハンカチを渡して、ユリカを席に座らせて落ち着かせた。

「誰・・・あれ?」

ラピスが不意にカイトに質問をしてきた。

「ああ、あれかい。ミスマル・ユリカさんだよ。アキトのお嫁さんって所かな」

「そうなんだ・・・」

ラピスはアキトを見るとアキトはラピスの視線に気付かないのか、ユリカの方ばかり見ていた。その瞬間ラピスは不安の顔になり下を向いた

・・・・・・・私は・・・一人になったんだね

「うん?、どうしたんだい。ラピスちゃん」

カイトはそう言って微笑みながらラピスの頭を撫でた

「・・・・なんでもない」

ラピスは少し安心した顔になりカイトの手を握った。

「うん?」

だがすぐに手を離して、カイトの後についていきカイトの隣の席に座った

「さってとカイト君、君は今の状態を知っているかい?。僕としては君が今まで何をしていたか興味あるがまずは現状をカイト君も知りたいだろうし」

「ユーチャリスの中で大体はアキトさんに聞きました。火星の後継者ですね?」

「そう今は残存部隊だが、火星の後継者ナンバー3の南雲 義政が後ろの方で何か企んでいるらしいんだ」

「南雲・・・・義政・・ですか?」

「聞いた事はあるかい?」

「いえ、知らない人物です」

「まあ、彼は火星の後継者でも裏の方で動いていたから僕らもよくは把握できていないが何か起こすと言うのは事実だ」

「そうですか」

カイトはアカツキからその以前の事を色々聞いたが内容はアキトと言っていた事とさして変わらなかった。そしてカイトの事に話はなった

「君は今まで何をしていたんだい?」

「私も気になるわね。生きているならなぜ連絡をよこさなかったの?」

「アキトさんにも説明しましたが、まずはこれを見てくれると分かりやすいかも知れませんね」

そう言ってカイトは白いバイザーと手袋を外し、オペレーション用とパイロット用のIFSタトゥと金色の片目を見せた

「それは・・・」

「カイト君、金色の目になってる。どうして?」

「これから色々話しますよ」

そうしてカイトは今まで自分が何をしていたか、どうなっていたか、何故こういう事になったか、そしてこれからの事を話した。勿論イツキの事も

「カイト君・・・それ本当なの?」

エリナが驚きの表情をして、カイトをマジマジと見つめた。

「本当です・・・・僕の余命は一ヶ月。その間に火星の後継者の残存部隊を出来る限り、潰すつもりです」

カイトはそう言ってエリナを見つめ返した

嫌だよ」

ユリカが小さくそう呟いた

「嫌だよ。どうしてカイト君がそんな事しないといけないの?。大体カイト君は家のラーメン屋で働くって言ってたじゃない」

「それとこれとは話は違います。僕は昔の僕じゃない」

「ヤダヤダヤダヤダヤダ、絶対、嫌。カイト君の寿命だってきっと何かとなるよ。絶対そうするよ」

「ユリカさん」

だがカイトの決意は固かった。大体寿命の事なぞ絶対にどうにか出来る事じゃないと言うことは分かっていた

「ユリカ、いい加減にしろ」

今まで黙っていたアキトが怒って体中を光らせながら、ユリカに怒鳴った。だがアキトは今は体の事なぞ気にしてはいなかった

「カイトはそうしたいから、そうするんだ。俺だってこいつと同じだったんだ。でも俺と違う所がある。俺は治るって可能性があるけど、カイトには可能性すらないって分からないのか。大体、もう俺らにカイトを止める権限はないんだよ」

「・・・アキト」

ユリカは涙を流しながら、そのテーブルの上にふさぎ込み泣いた。アキトはユリカの頭を撫でながら、自分がどれだけ不甲斐ないと唇を噛みながら、ユリカの頭をなで続けた。

「・・・・・・・で、カイト君はこれからアキト君の代わりをするって・・・事かい」

「はい、そのつもりです」

アカツキとエリナは無言のままカイトを見つめた。止める事は出来ないと分かっていたのだろう

「分かった。・・・ユーチャリスは現時点を持って君の物だ。ブラックサレナは君が操縦するといい」

「いえ、僕は僕専用の機体があります。火星の後継者の機体ですが、性能はいいので」

「そうか。ではブラックサレナは僕の管轄下において置こう。何れアキト君がまた乗るかもしれないからね」


そんな事はさせないで下さい!


カイトはそれだけは拒否した。アキトにまた戦場にいけなどと言える訳がないからだ

「・・・分かった。ブラックサレナは破棄しておくよ」

アカツキはやれやれと言った感じでカイトの要望に答えた。

「ご迷惑かけて、申し訳ありません・・・」

「別にいいよ。気にしないでくれたまえ」

そう言ってアカツキは笑っていた。内心は悲しくてしかたないのだろう。また復讐者を作ってしまった事に

「そう言えば、ホシノ君にはどう言うつもりだい?」

アカツキは神妙な顔をして、カイトに聞いた

「別に・・・会えば何れ話す事になると思いますから・・・別にいいです」

カイトは感情を押し殺してそう言った

「そうかい。ただ君が生きてる事は伝えるよ。いいね?」

「分かりました。ただ僕が一ヶ月の命だと言うことは云わないで下さい」

「分かったよ。自分で何れ言うつもりだろ?」

アカツキはカイトを見た

「そのつもりです・・・」

カイトはそれを約束すると手袋をはめた。

「でわ。僕はさっそく宇宙に行き、火星の後継者を潰してきます」

「もう行くのかい?。ゆっくり・・・出来ないよね」

「ええ、時間は待ってくれません。再会できただけで・・・僕は十分です」

カイトはそう言って立ち上がりみんなの方を向いた

「有り難う御座います。もうこれで会えないでしょうけど、僕はみんなと会えた事、楽しかった思い出・・・忘れません」

そう言ってカイトは微笑んだ

「カイト君」

「カイト・・・・」

「うぐ・・・カイト君」

エリナは何も出来ない悔しさに顔を歪ませていた。ユリカは泣きやむ事はなく、ただひたすら涙していた。アキトは唇噛みしめて、カイトを見ていた。アカツキはただクールな表情を浮かべていた。まるでアキトが復讐者になりその時に送り出す時のように

「・・・・・・・・・・まって」

「うん?」

ラピスがカイトの服の端を掴み動きを止めた

「私も・・・行く」

「馬鹿な事を考えちゃいけないよ。ラピスちゃん」

カイトはバウザーを目に付けて、ラピスを見た

「私は・・・あの船と一緒、あの船が貴方の物になるなら、私も貴方の物になる」

「そういうのはネルガルが決めた事だろ?」

「でも・・・・私も行く」

カイトはラピスの目を見て考えた・・・。

どうする・・・この子を連れて行く訳には絶対に行かない。危険過ぎる。それに僕が何時何処で死ぬか分からないのに、連れていける訳がない

「連れて行きたまえ」

カイトが考えるとアカツキがそう言った

「その子はユーチャリスと反応している。いわばナデシコとルリちゃんの様にね」

「ならユーチャリスはいりません」

カイトはそう言ってラピスから離れた。しかしラピスはカイトの横に行き、そしてまた服の端を掴んだ

「・・・・・何のつもりだ」

「一緒に行くの」

「アキトさんの精神と繋がれているんだろ。居なくなるのは不味い」

「嫌だ・・・」

「それなら心配はないよ。彼女の精神はテンカワ君が手術した時に一緒に切り離すつもりだ」

「アカツキさん」

カイトはまた動き今度はドアの前まできた。

「あっ」

ラピスは後を着いてきて、また服の端を掴んだ。

「・・・・・・やめろ。僕は君を連れて行くつもりはない」

「勝手についてくるだけ・・・」

ラピスは少し怯えながらそう言った

「・・・・・死にたいのか?」

「・・・・・・・・・うっ・・」

ラピスは怯えてカイトの服の端を離した。カイトは既に昔のカイトではなかった。アキトも昔はそうだったのだろうがカイトの場合は違った。まるで本当にラピスを殺す事をするようにそう言い放った。ラピスはそれで服を離したのだ。

「カイト・・・連れて行ってあげてくれないか?」

アキトはカイトに向かってそう言った。

「・・・アキトさん、どういう事だ?」

まるで先ほどまでの微笑みを浮かべたカイトと別人の様になったカイトに少しアキトは怯えていた

「その子は・・・今まで俺の言うことだけを聞いてくれた。その子が初めて、自分の望みを言ったんだ。だから叶えさせたいのさ」

「貴方のラーメン屋で一緒にラーメン作ってる方が安全だと言っているんだ」

「そうは言ってもお願いだ。その子の初めての望みを叶えたいんだ」

カイトは少しため息をつくとラピスを見た。ラピスは怯えながらカイトの服の端をまた掴んだ

「・・・・・・・・・ふぅ」

「・・・お願い・・・です」

ラピスは震えながらカイトの服の端から服の方にしがみついた。まるで抱きつくように

「・・・・・・君はこれから何をするのか知っているのか?」

「戦争」

「・・・・・馬鹿が・・」

カイトはバイザーを外すとラピスの背丈までしゃがみ込んだ

「・・・いいかい、もし危なくなったり、僕が死ぬ時には君をボソンジャンプでアキトさん達の所に飛ばす。それでいいね?」

「・・・・・あっ・・・うん」

ラピスは否定しようとしたがそうしたら連れて行ってくれないと悟ったのだろう。しぶしぶそれを了承した。

「戦争なんて言葉は君のような幼い子が出す言葉じゃないんだ・・・。分かったら二度と口に出さないでくれないかな」

カイトは優しく微笑み、そしてラピスの頭を撫でた。

「はい」

ラピスは気持ちよさそうに瞳を閉じて、カイトの手の感触を感じていた。

「しかし、なぜ僕についていこうなどと思ったんだい?」

カイトは頭を撫でながら、ラピスに語りかけた

「・・・・・分からないけど、一緒に居たい。アキトよりもカイトと一緒に居たい」

「・・・・・そうか」

カイトは悲しそうに微笑むとアキトの方を向き、そしてバイザーを付けて、扉に向かった。ラピスはその後を着いてくる。

「カイト・・・・出来るなら死ぬときは、俺達の側で・・・」

「無理な注文だな。アキトさん」

カイトはそう言うと扉をから廊下に出て、アキトとユリカの方を向いた。

「・・・アキトさん、必ず5感・・取り戻して下さいね。ユリカさん・・・アキトさんと今度こそ離れちゃ駄目ですよ」

そうして扉は閉じた。

エリナは頬に涙を伝わせてカイトを見送った。

アキトは分かったと言う様に首を縦に振りながら涙を流した。

ユリカは最後まで涙を止めることなくアキトに抱きついていた。

アカツキはクールな顔をしながらも瞳を滲ませていた。

「・・・・・・・・また会いたいよ・・カイト」

アキトはそう呟いて涙を拭いた







ユーチャリス内部


ラピスはカイトの横で涙を流していた。多分精神がアキトを通じて伝わってくるだろう。それを見ないようにカイトはユーチャリスのブリッジの椅子に座った。

「さようなら・・・大切な家族・・・」

カイトはバイザーの下から昔と変わらない茶色の瞳からだけ涙を流していた。涙は枯れたと思っても流れ出す。それはまるで雨のように






ナデシコBブリッジ




「艦長、ネルガルから極秘で通信が入ってますよ」

本を読んでいたルリにハーリーはそれを送った

「有り難う。ハーリー君。極秘って事はシークレットみたいですから、私の会話を聞かないで下さいね」

それは無理だろうとサブロウタは突っ込みを入れたかったがそれはなしにしておく。そうして通信をルリは開いた

「いや〜。お元気かな。ホシノ君」

「あ、アカツキさんですか?。何かご用ですか?」

「おいおい、つれないな。今日はとびっきりのニュースと少し複雑なニュースを届けようと思っているに」

「用件を早く言って下さい」

ルリはこの極秘通信はあまり好きではない。秘密と言う言葉がルリはあまり好ましく思っていないからだ

「はいはい、えっと、まず一つ。ハッピーなニュースだ。テンカワ君が戻ってきたよ」

ルリはその言葉に耳を疑った。

「今はさっそく手術してるから通信には出ないと思うけど、4日もすれば一気に5感も戻る可能性もだってあるかもしれないとイネスさんが言ってたねぇ」

「それは・・・本当ですか?」

「そうじゃなきゃ、こんな極秘通信なんてしないよ」

アキトさんが帰ってきた。ルリはそれだけで満足だった。嬉しさのせいで笑みがこぼれているのが分かった。しかも5感が回復までと言う所まで差し掛かって居るのだ。すぐにでもアキトの所に向かいたいと思うほどだった

「それで・・もう一つが・・・複雑なニュースだ」

「なんですか?それは」

ルリは冷静を保ちながら、もう一つの情報に耳を傾けた。

「これは君とって・・・いいニュースかも知れないが、結構複雑でねぇ」

「勿体ぶらないで教えて下さい。時間の無駄です」

「はいはい、実は・・・カイト君が生きてた」

「・・・・・・・・・・・・・・えっ・・・」

ルリは一瞬頭の中が真っ白になった。カイトが生きている・・・それだけを聞くと

「それでなんだが・・その内、彼と会うことになるだろう」

「カイト・・・さんが・・」

ルリにとってはこれほど嬉しいことはなかった。アキトが5感を取り戻して今、地球に居る。それとカイトが生きている。

「その・・彼がテンカワ君を連れて帰ってきてくれたんだが、ちょっとね」

「カイトさん・・」

既にアカツキの言葉は耳に入っていなかった。カイトが生きている。約束を果たしてくれる。その言葉だけが頭の中を支配していた

「それでなんだが、えっとホシノ君?。聞いてる?」

「えっ・・あ、はい。聞いていますが」

無論聞いているはずがない。カイトが生きて約束を果たしてくれる。それだけしかルリの中にはない

「まあ・・・彼と会う事になれば教えてくれるから、僕からは以上だ。それと新艦長の派遣の事も、もう少し待ってくれと助かるね」

「分かりました。でわ」

回線を切るとルリは一人嬉しさの渦にいた。

「カイトさんが・・・・約束を・・・・」

「艦長、どんな通信だったんですか?」

「約束・・・・・」

「艦長?」

ハーリーの声は聞こえるはずもなく、ルリはその場でぼーっとしていた。

サブロウタは回線の内容を少し聞いていたので理由は分かった

「ハーリー、今は駄目だ」

「駄目って何が駄目なんですか?。サブロウタさん?!」

艦長の思い人が生きてるって言った日にゃ、ハーリー泣いて走るから仕事にならねぇしな・・・・

とサブロウタは色々考えて何て言うか考えていた。

「サブロウタさん?艦長?」

何も知らない少年は一人悲しくただ二人を呼んでいた。





宇宙



カイトはユーチャリスで火星の後継者の今まで行動、歴史、重要人物、今まで何処に出現したかを全て頭にインプット中だった

ラピスはカイトの横の席で静かにカイトの作業を眺めていた。

カイトはまるでアキトと同じ様な行動をしていた。火星の後継者の記録を常に見続けて何処のポイントに現れるかの予測を割り出す。

「カイト」

「何だ、ラピスちゃん?」

「カイトはアキトにそっくりだよね」

「そうかもな、今の僕はアキトさんの分身だ。姿も行動も」

「でも、アキトより・・・」

「何だ、違う所があるか?」

「うん、アキトよりずっと黒い」

「・・・・・そうか。だがその表現は間違っているよ」

「え?」

カイトはラピスを見て、答えた

「僕は黒いんじゃないんだ。白いんだ」

「白?」

「そう、この服の様にね」

「どうしてなの?」

「何もないからだ」

そう言ってカイトはまた作業を再開した。

「・・・白・・・何もない・・・」

ラピスはカイトの言った言葉を考えていた。

何もない・・・アキトにはあったって事・・それは何?。命?妻?大切な物?

ラピスは考えているとカイトがそれを見て告げた。

「・・・・・・・色々な物だ。今は僕は全て失ってるだろ」

「・・・・・色々な・・物」

ラピスはカイトの言葉を理解した。彼には何もない。アキトはそういう物の為に復讐をしていた。では・・カイトは何の為に復讐してるの?

ラピスは思っていた。やはりこの人はアキトと違う。アキトよりも重く辛く黒いのではなく白いのだと・・・

「ラピスちゃん・・・そろそろ火星の後継者の出現ポイントだ。チェックしてくれ。僕はシルバーエステに乗る」

「了解・・・」

カイトはそうして格納庫に向かう為に席を立った

「カイト・・・」

「うん?」

「気を付けて・・・・」

ラピスはそう言うと少し心配した顔になった

「・・・・有り難う」

カイトはバイザーの下から微笑みそして格納庫に向かった

「気を付けて・・・死なないで・・・」

ラピスには分かってるのだろう・・・カイトは何時でも死んでいい事が、復讐なぞどうでもいい。ただ死に場所を探しているだけだと

「よし、ラピスちゃん調べてくれ」


「了解」

そして始まる。何時終わってもいい復讐が、無駄と分かっている復讐が

「カイト、シルバー、出る」

カイトのシルバーエステは火星の後継者の出現ポイントにエステを飛ばした。

「カイト、・・・来た。敵戦艦3機」

「上等だな。ラピスちゃん、別に無人兵器はいらない」

「え?。どうして」

「その無人兵器はあくまでユーチャリスの守りにだけ使ってくれ」

「・・・・・了解」

やはり求めてる。カイトは

死に場所を

「さあ・・・イツキ・・・始めよう。僕と君を物として扱ったあいつらに」

そうしてシルバーエステは黒い宇宙の中で銀色に輝いた。その光は儚く、寂しく、そして・・・孤独だった

それは僕が望んだ事

イツキが望んだ事

そして・・・・僕は壊れていくんだろう・・・きっと







どうも、闇光です。第3章 白い白銀の復讐者 はいかがでしょうか?。

自分で書いてて思ったこと・・・暗すぎです。ええマジで・・

そしてルリちゃんの出番がねぇ・・・

「私はまだ1章とこの3章しか出ていません。どうしてですか?。ヒロインじゃなんですか?」

うお、ルリちゃん、いきなり出てこないでよ。びっくりじゃないかー

「私は最初から出てるけどやっと3章でカイトに近づけた・・・よし」

「何がよしなんですか?。ラピスさん」

「ルリの出番はこのまま皆無・・・よし」

「・・・・・・・・・」

えーえっと怖い空気が流れています。凄く怖いです。きっとカイト君も何れこれを味わうのでしょう・・・

「元を辿れば・・・・貴方のせいですよね。闇光さん」

ギック・・・・いや、ほらだって私も色々考えているんだけどさ。ねぇ

「そうですね。カイトのヒロインは私だけでいいのに・・・(ギロ」

「何言ってるんですか?カイトさんは私のものですよ」

「私と一緒に居てくれる・・・」

「私です」

「私」

ええーっとこれは長くなそうなので、またの感想待ってますよ。でわ、このへんで失礼しますね〜^^;



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