機動戦艦ナデシコ    〜忘却の白銀色の戦士〜
 

彼女が僕の記憶を知っている?                              


                                                知っていたんだの間違いだと思います 


         「そうだった・・・有り難う。ルリ・・・・ちゃん」       


                                  「記憶がないから今を大切にする。それでいいじゃないですか」    
 

          

                          彼女ほど思い出を大切にする子はいなかった・・・・・

 


      ルリちゃんは僕にとって大切な思い出になってくるかな?



                                   カイトさんはたとえそれが悲しい記憶でも思い出したいですか?




                    だから・・・僕は為りたかった。 彼女の思い出に。大切な彼女の思い出に


      必ず、帰ってくるから


                                                               約束ですからね


                       プロローグ   (思い出は砂の様に)





         木星プラント  

「ミカズチ、ずっと待ってたんだよ」

「イツキ・・・・・」

「ずっと・・・・貴方だけを待ってたんだよ」

「・・・・・・・・・」

「さあ、ミカズチ、一緒に生きようよ」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「どうしたの?。私と一緒に生きてくれない?!」

「イツキ、僕はもう、生きることは出来ないんだよ」

僕はイツキに向かってそう言った。記憶が戻って分かった。僕は存在してはいけない者、僕の鎚となるイツキも存在してはいけない。  
    
なぜなら、僕達が存在する事によって悲劇が生まれる事を思い出したから、・・・あの子を守らないと

「どうして!?。貴方が戻ってくるまでずっと・・・待ってたのに、どうしてそんな事言うの?」

「・・・・これからはずっと側にいるから・・・ずっと」

「・・・・・・ミカズチ」

ドンドン

銃声・・・・・・瞳から頬へ流れ出す涙。僕達は生きていてはいけない・・・・僕は知っている・・・何故生きていてはいけないかを。僕は知っている。僕達は所詮道具だと言う事を

イツキ・・・・・・・ごめんね。

さようなら・・・・・・・・・

「・・・・・・・・・・・・・・ルリ」

そして僕は全ての電源を落とし、自爆タイマーをセットして、カプセルに横になった。


「くっくっくっっくっく、やっぱり帰ってきてくれたんだねぇ。ミカズチ君♪」



  同時刻       ナデシコB

「もう、待てねぇ。ルリ、そろそろ突撃命令を」

「リョーコさん、もう少し待って下さい。ミナトさん、カイトさんから定時連絡は?」

「駄目ねぇ〜。さっきから全然応答しないわ」

ルリは意を決意して、出撃命令を下そうした。

「でわ、リョーコさん、ヒカルさん。まずはお二人でプラントの様子を・・!!」

ドカーーーーーーン

爆発音。 ・・・・木星プラントはいきなり爆発した。何の前触れもなく

「必ず帰ってくるから」

そう言って笑う彼の姿、一瞬頭の中に浮かんで消えた。

「・・・・・・・・嘘」

「おい、なんだありゃ・・・」

「嘘だよね。リョーコちゃん」

「何だよ、どうして、カイトがまだ中に居るんだぞ!」

「カイト君!。カイト君、応答して。カイト君!!!」

「・・・・・・約束は必ず守るって、言ってたじゃないですか」

涙が溢れだした。止まることなく涙が流れていく。どうして・・・・

プラントはなおも爆発をしていた。彼が帰ってくる確率は0に等しかった。

「カイトさん・・・・カイトさん・・・・・
カイトさん

何時も笑っていて、不思議な気持ちにしてくれた人、大好きだよって呟いてくれた人、二度と帰ってこないと分かった瞬間。涙が流れ続けた

「・・・・・・・・ばか・・・・・・・バカ」









そして2年と言う月日が流れました。私はナデシコBで新しい思い出をまた作ってます。新しい方も配属されてきました。

「艦長、データリンクOKですよ」

「了解しました。ハーリー君。有り難う御座います」

「いっいえ」

この2年間色々ありました。本当に色々・・・・

私はまだ約束を覚えています。貴方とした私にとっては大切な約束。私は信じています。だって彼は約束を破った事がないですから、だから・・・・

信じて・・・・・・待ってますよ。カイトさん






         火星プラント

「いいねぇ。ミカズチ君。君はやっぱり最高だよ」

そう言ってカプセルの中に居るカイトに話かける。白衣の男

ブクブク

・・・・・・・・・・・・・何故、僕は感じる事が出来る

「ヤマサキ様、試作2号の意識が覚醒したようです」

「そうか。やっと目覚めてくれたか〜♪。長かったな。あの時から。しかしこれで」

・・・・・・・・・何だ。どうして僕は声が聞こえるんだ

「やっと、私の願いが叶うんだ。あ〜はっはっはっはっ」

「・・・・・・・・・・・・・」

「試作2号、意識完全に覚醒」

「!!」

パリーーン

「おっと、元気がいいねぇ。でもそうじゃなくちゃ困るんだよねぇ」

カイトはカプセルを破壊して、研究所の床に着地した。

「ここは、何処です・・」

「ふむ、これから色々、話をしてあげるよ。ミカズチ君」

そう言ってヤマサキと言う男はカイトに服を渡した。カイトはそれを受け取るとすぐに着替えた。その服は白い戦闘用の服でマントもついていた。腰にはリボルバーらしい銃がついていた。

「うんうん。似合ってるよ。さってとまず何から話そうかな」

「・・・・・・・・・・どうして、僕が生きてるんだ。それに貴方は、誰だ?」

「うん、まずは君の現状から教えてあげるよ。ちなみに私はヤマサキだ」

「ヤマサキ・・・・だと」

カイトはこの男を知っていた。そう記憶の片隅にある名前、イツキと僕を作った男だった

「うんうん、君を生き返らせた。いや作り直したのは私って事さ。理由はこれからじっくりと教えてあげるよ」

ヤマサキは巫山戯た笑みを浮かべながら、カイトに話始めた。

「まずね。君を作り直したのは先の戦いで遺跡から分離された。ミスマル・ユリカの代わりと言う所だねぇ」

「ミスマル・ユリカ・・・だと」

「まあ、君が寝てる間に火星の後継者と言う一種の組織のグループを草壁様は作ったのさ。それでねぇ、私はその戦いに参加しなかったんだよ。まあ、どうせ負けるって思ってたし、つまらない戦いだったからねぇ」

カイトはヤマサキを睨みながら、話を聞いていた

「私はそんなのより、もっと歴史的瞬間の出来事の方が好きなのさ。だから君とイツキ君を木星プラントが爆発する前に連れ出して、この研究施設で君を最強の戦士にすると同時に遺跡への翻訳機の代わりにする為に作り直したって訳さ」

「どうして・・・・僕を死なせてくれなかった」

「言ったろ。翻訳機と最強の戦士って。ミカズチ君は元々その為に作られたんだよ。それが5年前の火星での戦いの時に次元跳躍しちゃって何処かに行っちゃうし。あの時は僕は本当に困ったよ」

カイトは思い出していた。自分がナデシコに初めて現れた時の事を

「あの時か」

「まあ、それから木星は地球と戦争を終結しちゃうし、木星は放棄されて、私と少数の人間しか残ってなかったのさ。まあその中にイツキ君もいたけどね。その後は、分かってるよねぇ」

「ああ、イツキが無人兵器を使って、僕を呼んだんだ」

「そうそう、僕達はそれを隠れて見ていたのさ。本当、イツキ君はよくやってくれたよ。そして君が帰ってきた」

イツキ・・・・・寂しかったんだよな。きっと

「そして君が帰ってきて、イツキ君と一緒にプラントで眠る瞬間、私達は君達をここに連れてきて2年という月日をかけて、君を作り直した」

「どうして、そんな事をしたんだ。イツキと僕は生きていてはいけない存在なんだぞ!」

「何を言ってるんだ。ミカズチ君、君の馬鹿な考えに付き合う気はないよ。大体、イツキ君はもう居ないよ。君一人で事は足りる」

「なんだって」

「まあ、イツキ君には色々手伝って貰ったよ。君のナノマシン量を上げて置かないと遺跡との翻訳機の代わりには為りにくいからねぇ」

「イツキを、イツキどうした?!」

イツキ君かい、ふっふっふっ、はっはっはっは〜」

「何が可笑しい!!」

「イツキ君はあれはただの使い物にならないただのゴミっとそんな事言っちゃいけないなぁ。ミカズチ君の改造に役に立ってくれた訳だし」

「!!」

バキ!!

カイトはヤマサキの顔を力いっぱいに殴った。イツキをゴミ呼ばわりする奴を許せなかったのだ

「巫山戯るな。イツキを僕の鎚にして恋人の役割にしたのは貴様だろ!」

ヤマサキは袖で口を拭いながら、カイトを睨みつけた。

「私はそんなの興味ない。元々そうプログラムしたのは二人が逃げない為にした事だ。それにミカズチ君、そんな事していいのかい?」

そう言ってヤマサキは白衣のポケットから薬の入った瓶を取り出した。

あの薬は?

「実はねぇ、君を改造したら体がボロボロに為っちゃってねぇ、この薬がないと一日と保たず死んでしまうのさ。まあ私もそう為っては困るしねぇ」

「別に僕にとっては好都合だ。僕は生きてはいけない存在。それに元々死ぬつもりだったんだ。こんな体に未練はない」

そう言うとヤマサキは少し悲しそうに笑いながら、告げた

「ミカズチ君、そんな事言うなよ。君の体の改造の為にイツキ君には手伝って貰ったんだよ」

「貴様、さっきはイツキはもう居ないって」

「いや、居るって言うよりは君の体の中に居るよ」

「えっ?」

「イツキ君にはねぇ。ナノマシン量を上げる為や色々な運動性とか上げるために君の中に組み込んだのさ。バラバラにしてね」

「・・・・・う・・・そ・・・・だろ」

「ふっふっふ、嘘なものか、この薬もね。イツキ君から出来てるから私にしか作れないのさ」

「イツ・・・・うっうぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

絶望だった。イツキに何も感じていなかった訳ではない。例えプログラムされていたとしてもイツキは僕の事を待っていた。イツキは僕の事を好きでいてくれた。イツキは・・・イツキは!!

「さあ、ミカズチ君、私達と共にこれから(
ドーーン)

「・・・えっ?」

カイトはヤマサキに向かってリボルバーを撃った。その瞳には光はなく復讐の色しか見えなかった。

「ヤマサキ様!!」

「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

ドーンドーーンドーーン

「ぐは」

バタン

次々に倒れていく。研究者達、カイトはリボルバーを収めると改造のせいで金色になった左の瞳と昔と変わらない茶色の瞳から涙を流した。

「・・・・・イツキ。ごめんな。ごめん」

僕は何故生まれてきたんだろう。

僕は何故生きているんだろう。

そう考えていると一人の最愛の少女の顔が浮かんだ。

「・・・・・・ルリ・・・・ちゃん」

涙は止める事なく溢れてくる。止めようがなく、止めることもせずに・・・・・・・・・・・・・・・・













どうも、初めまして。闇光と申します。さてとプロローグ、思い出は砂の様には如何でしょうか?。
私としてはばっちりと決まった・・・・かな?と思っています^^;。出来れば感想を色々贈って大変嬉しいと思います。

短めですが、これで挨拶を終わりとさせて頂きます。これからも是非読んでくださると嬉しいな^^

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