ナデシコが地球へ強制送還させられてからどのくらいたっただろうか。あの後ミスマル提督のトビウメ連衡の元、地球に着いたナデシコは軍の基地の一つ。サセボに拘留されていた
　ボソンジャンプの演算ユニット、木蓮の事を知っていて、軍の味方でなくあくまで中立という立場をとったナデシコのクルーをそのまま野放しにはできなかったというのが拘留の理由であろう
　拘留と言っても住む所は用意され、結構自由な生活。通称ナデシコ長屋で軍からの監視付きでの生活が保障されていたのでクルー全員（一部除く）がそこに住み込んだ
　四畳半一間に一人ずつの部屋でズラリと並ぶ部屋の数はすざまじい。そんな中でナデシコクルーは拘留期間を楽しく過ごしていた



























　と、いうことで私、ホシノ・ルリがこの長屋の説明をしたいと思います

ペコリ

　ちなみにいつもの説明オバサンはネルガルの研究所に言っているので代理・・・とでも言う所でしょうか。レポーターホシノ・ルリ、カメラ兼アシスタントはオモイカネ（端末）でお送りしていきますのでよろしく

ペコリ

　それではナデシコ長屋迷スポット巡りに行きましょう






〜ナデシコ長屋出入り口〜

　とりあえず入り口です
　ここにはウリバタケさんの（一応）自信作のリリーちゃん５号が設置されています
　本人によれば対人兵器をふんだんに詰め込んだこのリリーちゃん５号がいれば侵入者の十人や二十人はお茶の子さいさいだそうです……
　でも無差別に襲ってくるというフレームもあるので近々廃棄予定
　ま、仕方ないですよね

　さ、次行ってみましょう






〜ヒカル宅前〜

　はい、やってきましたヒカルさん宅前
　ここはクルーの間では通称『地獄への門』と言われています
　理由はカンタン、この部屋の前を通ればマンガのモデルにされるか、『白い悪魔との戦い』に強制的に参加させられるからなんだとか
　けれども入り口付近なので必然的に通らなければならないためいつもニ、三人は捕まっています

「ほらそこ！！そこはＩＣトーンＳ−１２４を縦でなく斜めばり！！そっちは消しゴムかけやってね。失敗なんかしたらモデルやらせちゃうからね」

　…もう誰か捕まっているみたいですね

「さーあと4ページがんばろう♪」

　さすがに中は覗く勇気はないのでここの所はこの位で・・・・






〜レクレーションルーム〜

　大抵のクルーはこの部屋でヒマをつぶします
　この部屋にはシュミレーションからバーチャルルームなど様々な機械がそろっているので遊ぶのに事欠かないのです
　最近人気を呼んでいるのは『エステバリスライダー』というゲーム。製作は整備班一同だそうです
　ＩＦＳナシでもできるように改造されており。タッグ戦、トーナメント戦、一人プレイにバトルロワイヤルまでできるという設定の豊富さが売り
　ランキングではやっぱりパイロットの人たちが上位に位置付けされていますが、意外なことにプロスさんも中々のツワモノ…アマチュワ部門ではダントツのトップなんです。パイロットの人たちも難解か落とされたこともあるとか。あの人は一体何者なんでしょうか？？
　あとよくされるのはリンチ戦です。バトルロワイヤル設定で誰か一人を他の人達が徹底的に攻撃するといったもの。これには強制的にアキトさんかカイトさんがターゲットに選ばれます

　次に人気を呼ぶのは対戦型格闘ゲーム『ライチーズ』です
　このゲームは『ナチュラルライチ』が基盤で、出てくるキャラクターのほとんどは『ナチュラルライチ』のキャラです。隠しキャラに私が入っているのは少々驚きです。しかも結構強いときます。『ルリ目ビーム』とか『ルリドリール』とか……私はサイボーグではないのですが…あと必殺技に『膝こぞう』というのがあるんですが……コレってセクハラですか？作った整備班一同さん
　このゲームはほとんどユキナさんがやっておりその相手は大抵がミナトさんかアオイさんです。
　今日はどうやらアオイさんが相手のようですね今。アオイさんや休みとか言っていたのにしっかりとユキナさんに捕まっていました…あ、いまユキナさんが勝って勝負が終りました　ユキナさんが勝利のＶサインを効果音付きで極めます
　アオイさん……ご愁傷さまです


「ルーリちゃん何やってるの？」

　あ、艦長。お仕事もう終ったんですか

「んーん。毎日同じことばっかの会議だから抜け出してきちゃったの。ねえねえルリちゃんは何やってるの？」

　レポーターごっこです

「ふーん。あ、オモイカネがカメラさんなんだ。ピーースピーッス。っとそうだった。ねえルリちゃんアキト知らない？」

　アキトさんならそこに居ますよ……

「え？どこどこ？あ、居た居た。おーーいアキト」

　さ、次ぎ行きましょう






〜アキト・カイト宅前〜

　この部屋は長屋の中央に位置します。表札の通り一人一部屋与えられたナデシコ長屋の中で、このお二人は共に住んでいます。あ、ちなみに私は艦長と同室です
　なぜこの部屋にはアキトさんとカイトさんの二人が住んでいるのかと言うと理由があるのです

　あ、オモイカネ。カメラ動かして






〜元・部屋だった所〜

　えーここはカイトさんの部屋だった所です
　ここに来て数日たったある日にウリバタケさんが持ってきた発明品『記憶がもどーる』だと思いました。それを機能させたら暴走・・そして爆発
　結果カイトさんの部屋と隣の部屋であった私の部屋が半壊…元々壁が薄いカンタンな作りだっただけにここでの爆発は致命的だったのです
　そのためカイトさんはアキトさんの部屋へ、私は艦長の部屋へと同居することになったのです
　ええと……ここにカイトさんのコメントを貰ってあるのでお聞かせたいと思います。
　
　オモイカネ、再生よろしく
　
　『……いや〜頭に変な機械乗せられたとおもったら、急に煙噴出したもんであせちゃってあせちゃって。周りみたらウリバタケさんはさっさと避難しちゃってるし、間一髪で放り投げたもんで一命は取り留めたものの…本当に死ぬかと思ったよ。アレは』

　…結構苦労しているようで






〜食堂〜

　ここはナデシコ長屋の胃袋ともいえる場所…食堂です
　朝食などはほとんどのクルーは自炊又は昼頃おきるので朝飯いらずなのですが、お昼とお夕飯はここで食べる人がほとんどです
　ナデシコにいたときと変わらないメニューの多さと、レクレーションルーム同様特別に作られたたくさんの人が入れる空間はお祭り好きのナデシコクルーには無くてはならない場所となっています
　お昼時を過ぎたばかりなので今は後片付けに追われている最中のようです……
　あ、まだ食べている人がいましたね。少し話を聞いてみましょう

　どうも。リョ―コさん何食べてますか？

「ん？なんだルリ。お前なにやってんだ？？」

　レポーターごっこです

「はぁ？なんだそりゃあ？」

　気にしないで下さい。で、何食べてるんですか？

「ああ、火星丼だよ。昨日はオムライスを食べてからな」

　お味の方は？

「そりゃあやっぱホウメイさんが作るだけあっておいしいさ。味もボリュームも文句なしだな」

　ではここの料理でリョ―コさんオススメの一品は何でしょうか？

「ん〜〜難しいな……やっぱマーボーカレー…かな」

　マーボーカレー…ですか？

「一見ミスマッチのように見えて中々の味。値段、量共に適度だし大盛りも可。オレのオススメはやっぱりマーボーカレーだな」

　なるほど。貴重な意見ありがとうございました

「いやぁ別にかまわねえよ」

　以上リョーコさんの話でした。それじゃあ次、行ってみましょう






〜整備班作業所〜

　最後ということになります
　ここは整備班一同が自分の私利私欲のために作った作業部屋です
　ここでは日頃様々な開発が行なわれ、そしてその度に爆発が起こっています。ここ、ナデシコ長屋ではそれが日常茶飯事になっておりクルーの皆も誰も突っ込んだりはもうしません

　まあ、少し前に爆発があったばかりなので覗いてみましょう


　すいませ〜〜ん

「ん？誰」

　おや、カイトさんではないですか。珍しいですねこんな所にいるなんて

「そうかな？でも最近はここに来て色々作ったりしてるよ。それよりルリちゃんはどうしてここに？」

　たんなるリポートです

「はえ？リポート？なんで？？」

　細かい事は気にしないで下さい。で、何作ってたんですか？

「ああ、今さっき完成したばかりだけどスタンガンをね」

　スタンガンを？また物騒なものを作りましたね

「はははっ、でもウリバタケさんのロボットよりは全然危険じゃないよ。襲ってきたり爆発したりはしないから」

　……確かにそうですね

「そうだ。これルリちゃんに上げるよ」

　スタンガンをですか…

「『ゾウも一撃で気絶』　がコンセプトなんだ。レベルも変えられるし豊富な小技が可能、防水加工にタイマーセット、どんなショックにも誤作動しないように施されており、持ち運びもカンタン安全の自信作」

　女の子に送るには物騒な物ですね

「そうかもね。リボンでも巻けばよかった？」

　巻くんだったら別の贈り物の時がいいですね

「だね。でもまあ護身用とでも思えばいいよ。ルリちゃんは可愛いから持ってても損はしないさ」

　…それ天然ですか？

「何が？？」

　…天然なんですね

「へ？？だから何が？」

　いいですなんでもありません。それよりコレはありがたく頂いていきますね

「うん。でも取り扱いには十分注意してね」

　はい。ではこれで

「またね」





〜まとめ〜

　と、まあナデシコ長屋はこんなかんじです。クルーにとってはどこでも「住めば都」なのでここでは毎日が宴会状態。私達はいわば監禁されているも同じなのですがその境遇にも負けず……もとい気にせずこうやって騒げる皆はやっぱり「ナデシコらしい」と言えます。

　まとめれば

　何所に行ってもナデシコクルーはナデシコクルー。良くも悪くも「自分らしく」生きているということです