第一話 パンドラの箱




機動戦艦ナデシコ 戯曲 〜妖精の微笑みと騎士の思い〜



    


               人は有り余る力を手に入れたとき



                  それを手放そうとは



                    けしてしない



                    それがたとえ
 



                 操りきれないものだとしても



                     人はけして



                  それを手放そうとはしない



第一話 パンドラの箱

 草壁をリーダーとした”火星の後継者事件”その事件は宇宙軍少佐ホシノ・ルリと同じく宇宙軍大尉カザミドリ・カイト両名のタッグの活躍で解決した。そのさい、ミスマル・ユリカを救出。が、テンカワ・アキト、ラピス・ラズリ両名が行方不明となる
 後に起こった南雲をリーダーとする”続・火星の後継者事件”この事件もまた宇宙軍少佐ホシノ・ルリと同じく宇宙軍大尉カザミドリ・カイトの活躍で幕を閉じた。また、この時カザミドリ・カイトは艦長候補としてホシノ・ルリはオペレーターとしての乗船。一般には知られていないがこの際、テンカワ・アキトを必死で説得。そのかいあってテンカワ・アキト、ラピス・ラズリ両名はナデシコに戻ってきた。
その後テンカワ・アキト、ミスマル・ユリカは正式に結婚。ミスマル・ユリカはテンカワ・ユリカとなった。またラピス・ラズリはテンカワ夫妻の養女となりテンカワ・ラピス・ラズリとなった。

そして幸せな日々がすぎていった

                   しかし



全てがこれで終わると思っていた。このまま幸せが続くと思っていた



                   でも



火星。ネルガルのマークがついてる研究所から舞台は始まった
あの”火星の後継者”の事件のさいここの研究所が見つからなかったのはこの研究所が地下にあったためとはいえ偶然だった

ド―――――――――ン

施設内に轟音が響き渡る、

「なんだ!状況を報告しろ」

メインコンピュータールームにいるこの施設のリーダーらしき人物がオペレーターに怒鳴りつける

「はっ、どうやら研究ルームで大規模の爆発が起こった模様です。しかし内部の状況は不明です」

「消火班を至急向かわせろ!ほかのものは脱走者や不信人物がいないか施設内のチェックだ」

ここの施設は表ざたにしてはいけないことを今でも行っているところだ。しかしそれはネルガル上層部の命令では無く、施設の上の連中が独断で自分達の私利私欲のために行っていることだった。
そのため、研究者の中には脱走しようとするものいたりする

そして、施設を監視カメラで散策していたものから声があがる

「!!!。施設内に脱走者を発見。第二区画を通って今なお逃走中。IDナンバー017、トライバル博士です」

その脱走者の名前と通っている道を聞いてリーダーらしき人物の顔色があきらかに変わる。
ティル・トライバル博士、世間では研究中の事故で死んだことになっているマシンチャイルドの生みの親とも言える存在、と同時に”あれ”の生みの親でもある

「いかん、エレベーターを緊急停止、シャッターも下ろせ。急いで博士を捕まえろ!第二区画は”あれ”の部屋に続いている博士は起こすつもりだ」

その命令を聞きプログラムを発動させようとする、が一向に作動しない

「だめです、こちらの命令を一切受け付けてくれません、そこだけプログラムが奪われています」
   
                                        クックック


メインコンピュータールームで行われている作業の中、博士はエレベーターに乗り、あの部屋と下っていった。目覚めさしてはいけなかった”あれ”のもとへと



エレベーターを降り少し進んだところにこの部屋はある。
部屋の中はさまざまなコードが床を張っている、それは全て中心にあるカプセルにつながっており



                   その中に・・・・・



                    ”あれ”はいる



「クックック。やっと、やっとこの時が来た」

両手を広げカプセルの前に立つ白衣の男・・・ティル・トライバル博士がいた

「目覚めよう我が息子よ、あれから私はお前に新たなる力もつけたのだよ。ボソンジャンプさ。凄いだろう?これでお前はさらにすばらしい存在になったのだよ。さあ、お前の力をお前を危険視し束縛しようとしたやつらや否定したやつらに私と共にみせつけてあげよう」

博士はコンソールパネルをすばやい手つきで操作していく

 
 ダイイチ


 ダイニシステムカイジョシュウリョウ 


 パスワードヲイレテクダサイ  



パスワード・・・・・

それは二つの力を共有する者としてつけた名



                    CROSS=クロス



           



そして、最後の言葉が入力された。さまざまな機会音とともに中央のカプセルが開く、中の”あれ”に絡み付いたものがとれ、その中から”あれ”が出てくる。
その体つきは普通の男性くらいだ、年齢は二十歳前後だろうか髪は黒く、長さは腰に届くくらいはあろう、服装はグレーのバトルスーツのようなものを着ている。しかし、明らかにちがうところがあった。そう・・・彼の目は



                  金色と銀色の瞳だった



「クク、ハハハハ、ハッハッハッハッハッハッハッハッハ。ついについに目覚めた目覚めたのだ」

狂気じみた笑い声を上げ叫ぶ博士。もうその瞳には正気の色は無かった・・・

「さあ、さあ!その力を私に見せておくれ、お前の素晴らしい力を、この私に!!」



「・・・・・うるせえよ」



静かに、だが殺意のこもった冷たく、激しい口調でクロスが言い放つ、と同時に博士の頭を片手で掴み空中に持ち上げる、見た目の姿では想像できないくらい軽々と

「なっ・・な・・にを・・す・・る・のだ」

頭をつかまれた博士が驚きの声を上げる、信じられないといった表情で

「うるせえって言ったんだよ。だいたい何様のつもりだ、人のこと『息子』とか言いやがって、こっちはそんなつもりは全然ないんでね。」

彼が何を言っているのか分からなかった、彼には自我がないと思っていたからだ。そのため、氷のような冷たい表情で話す彼を見て困惑していたのだった

「それにきずかねえのか?ここまでこれたのは俺がシステムに侵入してやったからだ。まあ、最終プログラムはあの中にいたんでは解けなかったんでね、お前が来るのをまっていたんだよ。」

追ってがこない訳が今やっとわかった、彼が、クロスが中から少しシステムを掌握していたからなのだ

「つまり、俺はお前を利用しただけなんだ。」

博士の目が大きく見開かれる。自分はただ踊らされていただけだったと気がついたからだ。
そして、ただ出るためだけに利用されたのだから用はもうない、つまり・・・

クロスがさっきとはちがい落ち着いた口調で話し出す

「そうそう、ボソンジャンプっていったか?あれを使えるようにしてくれたのは感謝するよ。でもそれだけだ」

そして博士を掴んでいる手に力を入れていく。小さな悲鳴を博士があげる



「だもんで・・・もう、あんたに用はないんだよ」



クロスは涼やかな笑顔になり言う



「バイバイ、マヌケなマヌケな・・・・道化さん」



・・・まるで、りんごを潰すかのようにあっさりと握りつぶすクロス
そして、手にもっている『博士だったもの』を放り投げる
それとほぼ同時に手にサブマシンガンを持った2人の男が駆けつけてくる、二人は血だらけのクロスと『博士だったもの』を見て驚き銃を乱射する

「まったく、まあいい機会だし試してみるか」

そういいいだしたとたんクロスの周りが光だしそれが収束し、消える
何が起こったかまったくわからない顔をして銃を撃つのをやめる二人
そしてそれを狙っていたかのように二人のすぐ目の前が光だし中から出た手が二人の顔を掴む。そしてそのまま後ろの壁に叩きつける。二人は悲鳴を上げるまもなく倒れた

「まあ、思っていたより負荷がかかるな、あと数回も使えばなれるだろうが。さてと」

近くにあるコンソールパネルに触る。そうするとクロスの体が光りだす。



メインコンピュータールームでは混乱がおきていた。博士を追っていったものたちの反応が消えたとおもったら、急にシステムが操作不能になったのだ。それで混乱だ

そんな中リーダーらしき人物は一人頭を抱えていた。この状況では”あれ”が復活したせいかもしれないと思っているためだ。あの力を知っているからこそ、この事態が恐ろしかった

そして、その考えが現実のものとなる

彼らの目の前にウインドウが開く。その中には”あれ”、つまりクロスがいた

《こんにちは、みなさん。ここでモルモットにされていたクロスです。早速ですがここの施設は全部、俺が掌握しました。つきましてはココごとみなさんには死んでもらいます》

そうクロスが言ったとたん自爆プログラムが作動しだした

「!!!おい、プログラムの緊急停止はできないのか」

真っ青になりながら悲鳴まじりでいうリーダーらしき人物

「だ・・だめです緊急停止どころかなにやっても作動しません」

《無駄ですよ、そんなことしても。シャッターも全て下ろして施設からは出られないようにしました。あ、あとカウントは少し長めです。ゆっくり恐怖を味わってください。それでは」

そういってクロスの周りに光が集まり収束。画面からクロスの姿は消えた



2分後、火星から一つの施設が消えた



研究所から少し離れた岩場、そこにクロスはボソンアウトした

「ふう、たまに監視カメラで外の様子を見といてよかったな。見てなきゃイメージもできなかったし。さて、施設も吹っ飛ばしたしな。俺の力を他のやつらに認めさせるか、盛大に。まずは武器だな、それからエセマシンチャイルドにも合っときたいし、やることはたくさんだ」

彼は歩き出した。その表情はこれから始まるものが楽しみでしょうがないといったものだった



         妖精と騎士はまだ知らないこれから何が起こるのかを

         それでも時は動きだす運命という名の歯車は動き出す

         ゆっくりと、しずかにクルクルとクルクルと動き出す

         けして、避けることのできない物語、けれどもそれを

         乗り越えてゆかなければならない先えと行けない物語

               妖精と騎士の二人の物語



―――――――――――――――――――――――――――――
あとがき

どうもブチめがねです
〈@△@〉しまった。一話目なのにカイト君とルリルリが名前しか出ていない
さらに、オリキャラ目立ちまくりで人を殺しすぎたかも〈T△T〉
と、とりあずクロスは性格は結構残忍という設定にしています。興奮すると喋り口調が激しく
なるというふうにもしてあります。
ティル・トライバル博士は自分の考えたオリキャラです。出番少な目ですが
マシンチャイルドの生みの親のことでは豊斟渟様、GONZA様に意見をもらいお助けいただきました
この場を借りてお礼を申し上げたいとおもいます。本当にありがとうございました
では、第二話で



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