耳掻きとアニキ




「なんか最近耳の中がゴロゴロするな〜」

小指で耳の穴をかきながらいうカイト

「しょうがない、ウリバタケさんにでも耳掻き借りるか」


ウリバタケ室

「ウリバタケさ〜ん、ちょっといいですか」

「なんだカイト、俺は今、プラモの色塗りで忙しいんだ。用件があるならさっさといえ」

「あ、いえ。耳掻きを貸してほしいな〜と思いまして」

「耳掻きか?だったらそこの箱の下から3番目で左から2番目のところに入っているぞ」

「じゃあ借りてきますね」

「おお、もってけ」

カイトはウリバタケが言った引き出しを開けた。中には他のものも入っていたが『竹でできたごくシンプルな作りの耳掻き』と『機会式の電動?っぽい耳掻き』の二つを見つけた。
どっちしようか迷ったが結局両方借りていくことにした

ウリバタケが持っている機会式のものにまともな物が少ないのを忘れて……



                   



              耳掻きとアニキ



(今日も仕事は終わったからあとは自分の部屋にでも帰って寝ましょうか)

そんなことを考えながら廊下を歩くルリ

と、突然



「どわぁぁぁぁぁあぁぁあぁ」



ドー―――ン



カイトの部屋のあたりから大きな音が聞こえてくる

(!!!今のはカイトさんの部屋から聞こえたような)

言いようの無い不安が頭をよぎって駆け出すルリ

「カイトさん、どう・・し・た・・・・・何してるんですか?」

「あ、ルリちゃ・・じゃなかった艦長。」

「今はルリでいいです、それよりなんでそんな格好しているんですか?」

カイトの格好はというと逆さになって壁にもたれかかっている・・・そんなマヌケな格好だった

「ああ、実はウリバタケさんから耳掻きを借りてね。スイッチを入れたらいきなり変形して襲ってきたもんで思わず叩いちゃたら、爆発して吹っ飛ばされちゃたんだ」

「・・・・そうだったんですか。」

(なんか心配して損した気分ですね)

「はぁ仕方が無い。もう1個のほうでやるとするか」

立ちあがりながらいうカイト。言いながらもシンプルなほうの耳掻きを手に持つ

「にしてもなんで急に耳掃除しようなんて思ったんですか?」

ルリがカイトに尋ねる

「ん?最近耳の中がゴロゴロするな〜って思ったもんで、今の内にやっておこうと思ってね」


「そ、そうなんですか。・・・あの、カイトさん」


「なに?」


何かを言いたそなルリ、その頬は少しだけ赤くなっている


「その、やってあげましょうか?」


「なにを?」


ちょっと恥ずかしいのか、目を泳がせながら言う


「・・カイトさんの・・・耳掃除・・・」



!!!!・・・・・・い、今ルリちゃんは何ていった?み、耳掃除をし、してくれるって、僕の?


「あの、迷惑ならいいんですけど・・・・」

おずおずという

「め、迷惑じゃない、迷惑じゃない。よよよよこんでお願いします」

めちゃくちゃ動揺しまくるカイト、顔などもう真っ赤だ

「わかりました」

そういって手にもっている荷物もテーブルの上に置きソファに座る。その表情はうれしそうに見える

「じゃ、じゃあお願いします」

ルリに耳掻きを渡し、おずおずとルリのフトモモに頭を近ずけていく



(あっ、ルリちゃんのフトモモ・・・やわらかいな・・・・)



そんなこと考えていると自分の右耳に棒のようなものが入ってくる

「動かないで下さいね」

耳のなかではルリの操る耳掻きが掃除中



(あ〜〜〜〜なんか気持ちいいや〜〜〜〜)



「次は反対のほうをやりますね」

こんどは頭を回して左耳を掃除し始める



(あーーーー多分こういうのも幸せっていうんだろうな〜〜〜〜)



今や幸せの絶頂だ!と言わんばかりの至福の表情でルリに耳掻きをしてもらっているカイト


「はい、お終いです」



・・・うれしい時間というのは早くすぎるものだ



「いやぁ、ありがとうルリちゃん」

言葉とは裏腹に実は少し残念なカイト、もう少しやってもらいたかったという思いがあるまあでも偶然が偶然に重なっただけとはいえウリバタケさんに耳掻きを借りにいってよかったなんて思っている

「いえ、別にいいですよ。私が言い出したことですし。それより・・その・・・カイトさん」

「何?」

「また耳掃除やるときは呼んでくださいね、私・・・またやってあげますから」

その言葉を言うと荷物をもってそそくさとでってしまった

そんなルリの顔は赤かったそうな



一方カイトはというと



ルリの言葉を聞いたあと少し固まっていたが硬直が解けると走り出していた



ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド



バッン


「ウリバタケさん!?!!」

「ど、どうしたカイト」

血相を抱えて急にきたカイトにビックリしてプラモに塗っていたてをとめてしまう

そしてウリバタケの両手をつかみ

「ありがとうございます。あなたとあなたの発明のおかげです。こんどからアニキって呼ばせてください」

「はぁぁ?」

「じゃあ僕はこれで」

そういい残してスキップしながら去っていくカイト

「・・・なんだったんだ?あいつ」



それからというもの2週間に1度、定期的にルリに耳掻きをしてもらうカイトの姿があったそうな

またカイト曰く

「これも全てウリバタケアニキのおかげだ」

とかいっていたとか



あとがき

どうもブチめがねです
自分小説書くのは初めてだったんですけどいかがでしたでしょうか?まだまだいたらない点ばかりかもしません。耳掻きネタは自分の耳を自分で掃除している時に思いついたものです。しかし書いていて思ったことは・・・・・・・・・・
カイト君がうらやましい・・



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