機動戦艦ナデシコ セカンドスト−リ−
無限の時空（とき）の中でみつけた、大切なモノ
―― "伝言" ――
――― シゲさんからのメッセ−ジ ―――
…この "ディスク" が再生できれば "オレ達の願い" をオマエに届けることができると思う…
… "カイト" …相変わらず元気にやっているか？ まさか、くたばっちゃいね〜とは思うが…
…アイツ等は、オマエの腕を信じている。 無論、オレもそうだ。 まぁ、その（照）…なんだっ！！
…オマエと別れる前に約束していたモノがもうすぐ完成しそうなんでな…
…今のうちに "伝言" を作っておこうと思って…
―― 班長ぉ――ッ、俺等もカイトに言いたい事があるンスが、入れてください！
いいでしょ〜 ―――
―― カイト――ッ、オマエ用の "オモチャ" を今作っているからな――ッ
待ってろよ〜！！ ――
―― ぜってぇ――また "溺れたり" して、死ぬんじゃねぇ〜ぞぉ〜
ガハハハハッ（複数） ――
うるセ――ッ！！ オマエらは、ちぃ〜ッとダマッてろっ！！ ってんだっ！！
…フッ…すまねぇな、カイト。 みんなオマエの事となると、ど〜も馬鹿騒ぎになって盛り上がっちまうんでな。
まぁ、あいつらはオマエさんの事を…かわいい "仔犬" だと思ってやがるから、心配しているのさ。
すぐに "迷仔" になるオマエのことさ。 いつもの事だから、気にするなよ。（笑）
そうそう、"約束" のモノだが、こいつがそうだ。
オマエのためにオレ達が作った、"オマエ専用のエステバリス" だ。
機体名は < ＡＷＸ−α・７ >
―― 通称 "ウィングライダ−" ――
こいつは、"高速巡航" 用の機動形態なんだ。
最大の特徴として、戦闘用に "変形" できるシステムを試してみた。
この特殊戦闘形態へ変われば < ＡＷＸ−α・６ >
―― 通称 "α" （"アルファ"） ―― となる。
形式番号でオマエなら気づくと思うが、実は…最初は "α" の方で開発をしていたんだが…
企画課のハラキチの野郎が、自分の "趣味のモデル" を提案してなぁ……
ついみんなも "面白い" ってんで、こうなっちまったのさ。
おかげで、エステバリスの目玉機能である "換装システム" が、全く意味の無いモノになっちまった。
だが…まぁ、機体（期待）の基本性能の方は、安心してイイゾッ！！
オマエも以前乗った事があるヤツだからな。 "アレ" の発展型だ。
ただなぁ、…そいつに乗せた "制御システム" が、少々（笑）やっかいなモンになっちまってな…
それで今、最終段階の調整を行っている所なんだ。 いや、マジで！
ま、オマエのことだからきっと大丈夫だと思う。 …そうだ、オレを信じろっ！！（焦）
……ちなみに "制御システム" は、オマエが名前をつけてやってくれ。
そうすれば起動できるように… 一応は … しておくから…
詳しい情報やこいつの開発デ−タなんかも、一緒に入れておくから、後はオマエに任せようと思う。
ああ、それから "オマエ専用の機体" に関しては、会社から許可が出ているんで何も心配する事は無いぞ。
っていうのもな、こいつは …とある "奇特な人物" から… オマエに是非
"寄贈" したいって "依頼" されたモノなんだ。
もし、そこんところの事情が知りたければ 『ナデシコ』 にいる "プロスペクタ−"
って人に聞けばいい。
スカウトされた時に会った人、といえばオマエだったらわかると思う。 って、もう乗っていたよな！（笑）
オマエさん…意外なところで、いろんな人に好かれているんだな。 オレも驚いたぞ。
まぁ、ここは有り難くその好意をもらっておけよ。 だからオレ達も、コイツを作ったんだからな。
なぁ、カイト…本当に気にする事はないんだぞ。 フッ…
ふふふ… こんなこともあろうかと …密かにオレは……
――― "迷仔の仔犬" であるオマエの体内に "発信器" を埋め込んでおいたんだからな♪
―――
…だぁ〜ハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ！！……
…いや、スマン… 別に "害" は無いんで、これで "帳消し"
ってことにしてくれ、な。
… "最後" に、これだけは言っておく。
オレには "家族" がいないが、カイト …オマエのことを "オレの息子"
だと思っている。
だから、決して無茶して死ぬようなことをするんじゃないぞ。
オマエは "軍人" なんかじゃないんだからな。 "命令違反"
なんて、気にするなっ！！
みんな、オマエが無事に戻って来るのを願っているんだ。
"天然ボケした元気なオマエ" の顔を、またみんなに見せてくれ。
そうすれば、オレも安心するんだ。
…それだけは絶対に忘れないでくれ。
地球に戻って、オマエが 『ナデシコ』 から降りたら、また逢おうな……
じゃあ、それまで楽しみに待っているからな。
必ず生きて帰って来るんだぞ…… "カイト"