機動戦艦ナデシコ セカンドスト−リ−

無限の時空(とき)の中でみつけた、大切なモノ



第一回 回想録 ―― 機動戦艦 『ナデシコ』 の出航まで ――





そもそも身元不明・記憶喪失であった ミスマル・カイト






… そんな彼が、テンカワ・アキト、ミスマル・ユリカ、ホシノ・ルリ三名と共同生活を過ごしている時の事 …

… 彼が急に自分の記憶を取り戻そうと、箇条書きで記入・作成したモノが、事の始まりである …


… 私は "回想録" を作成するのに恐らく必要であろう彼のノ−トを確認するため、直接彼の住むアパ−トを尋ねる …

… そこで出会った時の彼の印象は(おそらく誰が見ても彼が18には見えない)人懐そうな小柄な少年である …

… でも彼との会話で、時々出てくる大人びた物の言い方には、つい私を戸惑わせてしまう …


… 高度な知性を持ちながらも純粋な心を忘れていない …

… いつのまにか私の心に彼の存在が自然と住み着いてしまう …


… 突然家に尋ねて来た私を、彼等は(かつての知人を思い出したかのように驚いたが)快く受け入れてくれた …

… 事情をうまく説明できた事もあるが、なにより私と(歳は違うのだが)雰囲気が似ているそうだから …

… 秘密の漏洩に関しては、先の説明で述べていたので、了解を得る事ができた …

… またなによりも、彼が素直に私を信じてくれた …


… 彼の経緯については "不明" な点が多い …

… けれど 『ナデシコ』 という、同じ空気の中で過ごした者には、あまり意味の無い事のように思えた …


… そうして話を進めていくうちに、私は彼にノ−トの拝借依頼をした …

… ただ、さすがに "オリジナル" を借りる事は叶わず、その代わりに "コピ−" したモノを後でもらうことができた …


… そして私はふと、彼にノ−トを急に作成した動機を尋ねてみると、彼は少々躊躇いながらこう私に答えた …





カイト 「…ルリちゃんとの会話のおかげで、改めて記憶を取り戻したい… と思ったからです。(照)」





… その様子を伺い見て、彼はようやく自分の大切なモノを見つけることができたのだ、と私には解った …



… そして彼の優しい雰囲気が、緩やかに拡がってゆく …





ユリカ 「だったら、ルリちゃんにもう一度ユリカと出会った頃のカイトくんを、キチンと教えてあげなきゃダメだよね♪」

アキト 「ジュンに少し聞いた事がある……大変だったンだろ。」

ルリ 「そうでもなかったみたいです。 だって、カイトさんは…ユリカさんの …愛犬… でしたね?」

カイト 「…ルリちゃん… お願いだから、早くその事は忘れてくれないかい。(哀願)」

ルリ 「イヤです。(きっぱり)」





… そんな彼の笑顔で拡がる暖かい空気は、私がうらやましくなるほど微笑ましく思えた …


… 途中、アオイ・ジュンがテンカワ家に来ると、彼からも話を伺う事ができた …


… 私はメモ書きから、彼の記憶と事実を大まかな流れで "タイムスケジュ−ル形式" で整理をしてみる …


… 無論これは "未完成" のものではあるが …


… 彼等に見せたものは、更に、このごく一部である …


… なにぶん彼等の意見・主張・衝撃(笑劇)の事実が発覚して、その場にいた者すべてが混乱したためである …










… とりあえず、一区切りをつけた私はその場を立ち去った …





… 私は "再会" を喜び、彼は "再会" を約束して …

















[参考印]

※印:創作された事実。



西暦2195


"第一次火星会戦" 勃発。


アキトは火星から地球へボソンジャンプする。
その後アキトは、サセボの 『雪谷食堂』 で真面目に働く。

… 一人前のコックを目指して …


そしてユリカは、地球連合大学の戦略シュミレ−ション実習を受講中。

… ジュンはユリカの腰巾着(?)と化している …


一方ルリは、ネルガル重工傘下の 『人間開発センタ−』 のもと、来年稼動する予定の、
機動戦艦 『ナデシコ』 のオペレ−タ−要員として、機械による英才教育を施されている。

… 6年前から無表情で …



09月29日

※河原で倒れていた少年をユリカ(とジュン)が保護する。

…病院ではなく自宅に連れ帰ったユリカ。
…その理由は… 彼の雰囲気が昔飼っていた愛犬と同じだったから …との事。
…父コウイチロウは当然反対するが …後日… ユリカの説得により敢え無く断念する。



09月30日

※ユリカ、目覚めない少年(以下K)を心配して医師を自宅に呼び付ける。

…Kの健康状態は特に問題はなかったが、依然として眠り続けている。
…遺伝子照合の結果は "該当不明"
…しかし既に "ナノマシン処理によるIFS強化体質" であった事が判明。
…なかなか起きないカイトに、ユリカは …元気になれるおまじない… "サ−ドキス" を実行。
(アキトが最初、次は昔の愛犬で経験済…ただし本人その事実を忘れている。)

…危ない所でジュンとコウイチロウに止められる。

〜ちょうどそこでカイトは目醒めた〜

〜カイトの貞操は守られた(以後、童○)〜

…周囲の騒ぎにショック状態(?)のカイトは、周りの反応を "無表情" で警戒する。



※その後のユリカは、日々懸命にカイトの看護をする。

…いわゆる【 脅える仔犬(K)の馴らし方作戦 】の実行を開始する。(以下、K作戦と略)

〜なお、『作戦名(解釈)』=行動に伴う[結果][備考]等を明確に表記しておく〜
〜また、≪ ≫.は、Kの隠し感情パラメ−タを表し、〔各〕の値が両方100に達すると…

… "愛" に目覚める(笑)〜



※K作戦T 『 ファ−スト・コンタクト(刷り込み)』=ユリカは優しくKに自己紹介をする。

…[結果]→K、特に反応は無し。

≪好感度−0、信頼度−0≫〔各 0〕



※K作戦U 『 ラブ・クエスチョン(愛の質問)』=ユリカは愛情をこめて、Kのことを質問する。

…[結果]→K、僅かに首を振る…目眩がしたようだ。

≪好感度−1、信頼度−1≫〔各−1〕



※K作戦V 『 ラブ・コ−ル(愛の呼び込み)』=突然ユリカは、Kが御統家に住むことを宣言する。

…[結果]→K、ユリカの嬉声により硬直するものの、相変わらずの無表情。

≪好感度+11、信頼度+11≫〔各10〕

…[備考]→コウイチロウ猛反対! ユリカ、駆け落ち宣言! ジュン、「ムンクの叫び」 と化す。
…[結果]→K、呆然とする。

≪好感度+40、信頼度+40≫〔各50〕



※K作戦W 『 ユリカ・ず・クッキング(悪夢の手料理)』=ユリカ、Kに手料理をご馳走する。

…[結果]→K、口に入れられた途端に失神する。

≪好感度−?、信頼度−?≫〔意識不明のため、各?〕

…[備考]→コウイチロウ驚く! ユリカ、思わずKの首を揺さぶる! ジュン、ユリカを止める。
…[結果]→駆け込みドクタ−ストップ! ユリカ、レッドカ−ドで退場。 男たちの努力が実る。

Kは、奇跡的に命をとりとめる。

≪好感度−1万、信頼度−9万≫〔計測不可能〕


※K作戦X 『 ユリカ・ず・ティア−(鬼の眼にも涙)』=ユリカ、顔面蒼白のカイトの名を必死に叫ぶ。

…[結果]→カイト、目が覚めて初めて微笑する。

≪好感度+?万、信頼度+?万≫〔各50〕

…[備考]→コウイチロウとジュン、ユリカの殺人未遂で "カイト" の同居を認める。
…[備考]→ユリカ、初めて見せたカイトの笑顔に、「似合っているよ♪」 と微笑む。
…[結果]→ "カイト" 頬を染めてうつむく。

≪好感度+50、信頼度+50≫〔KのベストED達成〕



※作戦終了!

…[疑問]→Kは、いつのまにか自分についた名前を不思議がっている。 周りの者も 「?」 だ。
…[返答]→ユリカは意気揚々に、「昔飼っていた犬の名前。 ユリカとは仲好しさんだったの♪」
…[呆然]→カイト、初めての言葉を呟く。


…「……そんな……バカな……」…そして、落ち込む。


…周りの者は、顔をしかめながらその呟きに納得した。


…◎ユリカ曰く、「すっごく、いい名前でしょ♪」



10月10日

※カイト、やむ負えない事情(ユリカの殺人未遂)により、御統家の養子となる。

…御統家の "新たなる秩序" のために…



10月12日

※ユリカとカイト、戯れに "戦略シミュレ−ション" で対決する。 結果はユリカの初黒星。

… ユリカ、キレる …カイト、脅える… ユリカ、萌える …ユリカ、カイト(の才能)に目覚める?



10月13日

※カイト、ユリカを守る 『 騎士 』 の自覚に目覚める。

…いわゆる 『 忠犬カイト 』 の誕生。


〜ここから、彼の "仔犬伝説" が始まった〜


※とりあえず、仮想敵をジュンに定めて防衛(妨害)活動を開始する。



10月15日

※カイト、御統家の家事見習いを始める。

…物事を何でも平均以上にこなせてしまう自分の能力に気付いて、とても不思議がる。
…(フ○メタ○Pよりの使者?)…勘がいいくせに、自分のことになるとズレている。

… 一家に一匹は欲しいヤツである …



10月20日

※カイト、近所に住んでいる年上のお姉さん、同年の少女、年下の幼女に同時に告白される。

…混乱したカイトに代わり、ユリカが仲裁を引き受けたおかげで、さすがに状況は血の沼と化した。
…しかし一週間後、突然この三姉妹は引っ越してしまったため、結果はユリカの勝ちである。



※ユリカ、戦略シュミレ−ション実習で(対カイト戦は公式記録として残ってないので)無敗を誇る。

…その評判がプロスペクタ−の耳に入り、『ネルガル』 からスカウトされる。
…入社の条件のひとつとして、ユリカのお気に入りのモノ(当然カイトも含む)を艦に持ち込む権利を提示…
…それに対するプロスペクタ−の折衷案…

… "ペット" の持ち込み(=ユリカの希望)ではなく…
…カイトを一人前の 『ナデシコ』 の "スタッフ" として認める事 …

…で、ようやくユリカはスカウトをOK♪した…当然、カイトに拒否権はない。



12月24日

※カイトとユリカ、待ち合わせをして二人で外出する。 初めてのデ−ト?



12月25日

※カイト、ユリカの態度(昨日ジュンと会う約束を忘れてスっぽかしていた事)で初めてジュンに同情の念を抱く。
…これよりジュンとの友情が生まれる。



12月26日

※カイト、ユリカとジュンをテ−マパ−クへと連れて行き…二人の仲人をした後…迷仔になる。



12月31日

※カイト、初めて除夜の鐘を聴く。来年の自分は、果たして幸せなのだろうか…とは思わず。





西暦2196年


01月01日

※カイト、徹夜でお節料理の一部を作る。 コウイチロウより息子として、初めてお年玉をもらう。

※カイト、コウイチロウより、『お父さん』 『父上』 『御主人様』 『パパ』 のリクエストを受ける。
…カイト、新年早々ピンチを迎える。



02月14日

※カイト、ユリカから初めて手作りバレンタインチョコをもらう。

…カイト、ユリカとジュンに内緒で義理チョコ(市販)と交換する…箱と包装は同じものにしたのだ。
…ジュンは(手作りとしらずに)喜んで食べるが、緊急入院する。



02月21日

※ジュン、退院する。 摂取したチョコが(ユリカ手製とは気付かず)不良品だったと認識する。



03月03日

※ユリカ、ジュン。 地球連合大学卒業。 ユリカは戦略シュミレ−ション実習を首席で卒業する。



03月05日

※ユリカ、卒業旅行へ。 カイトは尻尾を振って見送った。 帰ってきたら飛びつこう…と思っている。



03月14日

※ホワイトデ−の贈物として、ジュンに助言(贖罪)を施す。 結果は良好。 カイトの贈物は白百合。



※ジュン、地球連合軍に入隊。…両親の意向もあり、やむなくユリカの側を離れる。

…ユリカの事を、一時的にカイトに託す…カイト、ジュンに敬礼!

…プロスのスカウトは、ユリカとカイトだけだったが…
…二人の隣で話を聞いていたジュンも 『ネルガル』 入りを希望して立候補する。
…カイトが推薦者となる。
…ユリカは、カイトの助言もあり…「ジュン君が来たいのなら…いいと思うけど…(適当)」
…ジュン、プロスから、密約をいいわたされる。

…「わかりました。今秋まで軍人やれば、あなたは副艦長です。」



※ユリカとカイト、『ネルガル』 に入社。(契約社員で 『ナデシコ』 出向までは、研修扱い)

※ユリカは、戦艦 『ナデシコ』 に乗艦するまで…特別カリキュラムのもと…自宅通勤にて講習・実習を受ける。

※ユリカ 「…『ナデシコ』 に乗れば…またずっと一緒だから、我慢してね…ユリカも我慢するよ。(涙)」

…カイトはユリカの言葉を信じて…その日を夢見て…日夜努力する…ジュンとの約束は?(笑)



※カイトは、適性検査により、エステバリス(以下エステ)のテストパイロットとなる。

…『ネルガル』 重工傘下のアトモ社所属 『カワサキ基地』 に配属となる。
…男性社員寮(仔犬小屋)生活の始まり… なぜか、食料栽培も手伝いながら自炊もする。


※カイトとユリカはこの後…月日が経つに連れ…たがいに出会う機会を逃してしまう。
…そのことが結果として、盲目的だったカイトの性格に少しずつ変化を促していく。(ユリカ離れ。)



※カイトが 『ネルガル』 に入社してから、謎の噂が広がっていく…


1.空中戦能力に長けており、模擬戦での東方不敗、正体不明の "風の旅人" なる噂がたつ。

2."大激励" "捨身" "奇跡" "手加減" "愛" "復活" の素質を持っているそうだ。

3.雄叫びも名前もないが、必殺技が密かに用意されているそうだ。【秘密専用機開発中】

4.実戦・訓練では無敗、遊戯では勝率30%とコケル、お茶目な人物である。(本人天然100%)

5.エステの構造パ−ツを考案してからは、装甲、武器、システム、とマルチにこなせてしまう彼。

…普通こういうヤツは嫌われるのだが、なぜか開発チ−ムの仲間にかわいがられている。
…良家で仕込まれた天然ボケ(萌)、開発期間・費用の減少、成果・効果は上場、給料アップ(喜)
…という要素により、彼が所属するチ−ムの士気は異様なノリをみせたのである。

…本人至って真面目だそうだが、ギャグメ−カ−のアイドルでもあるらしい。

…『オモイカネ』 のシステムを専用機に無断で搭載したことは、公然の秘密である。
…なぜならば 『ネルガル』 で彼を慕う者達が勝手に彼の専用機を日々改造しているからだ。(笑)
…彼は変更された試用機の構造を 「小人さんって、ホントにいるんだ。(真剣)」 と素直に感嘆する。
…そこが彼の魅力だと、皆一同に涙する … ダイヤよりも硬い結束、暗黙の規定違反グル−プの活動…

…"風の旅人" を無敵のヒ−ロ−にしようとする彼等の熱意と願い(αプロジェクト)は、果たして彼に届くのか!?

… しかし …報告だと、頭のリミッタ−を解除(プッツン)して、初めて潜在能力を引き出す事ができるそうだ。
… 多分 ……御都合主義である。

6.エリナ・キンジョウ・ウォン(ネルガル会長秘書)に目をつけられて、何度もスト−カ−された…が
…不穏な気配を察知すると、彼は華麗に身を隠す。 果たして…エリナとの接触は全くなかった。
…そのため海に潜って隠れた時…彼は危うく溺れかけた…というエピソ−ドをもつ。

7.後に彼を分析した …とある… 少女によると 『天然ボケの天才…もしくは、ただのバカ?』 と呟く。

8.彼には想い人(飼い主)がいるそうだが… 彼女が幸せならばボクは …と悲しそうに呟いていた。

9.この活動はネルガル非公認・非合法のため、彼に "風の旅人" の正体を明かそうとしたりして…

…組織の風紀を乱す者 …には "闇の実行部隊" による問答無用の処罰が下される… が未だいない。



09月29日

※カイト、御統家にて初めて誕生パ−ティを開いてもらう。 ユリカとの久しぶりの再会にドキッ!!

※ "風の旅人" をユリカ、ミ−ハ−宣言する。 カイトは、ジュン以来のライバル意識を復活させる。

…溢れる才能…隠匿の魅惑…無敵の予感…だが本人に全くその意識が無い…やっぱバカ?…

※ユリカからもらったペンダント "青い水" を、肌身離さず、他人に見られないように装備する。



【 『仔犬らしく』 いこう! 】


09月30日

運命の日。 ユリカとジュン、ネルガル重工の 『サセボ基地』 へ向けて、御統家自宅より出発。

『ナデシコ』 初出勤のユリカ、ジュンが本当に軍を辞めて一緒に来てくれるとは思っていなかった。(笑)

大幅な予定時間の遅れであったが、それが(車での移動中)ある民間人の人生に転機を齎す。

アキトはユリカを思い…ユリカを求めて 『サセボ基地』 に強行突入する…が、敢え無く捕虜となる。

※オペレ−タ−席に着いたルリが、ふと何かを呟いたそうだ。



10月01日
※カイトは、『カワサキ基地』 から上層部に無断で、空戦型エステバリス・試作機で移動していた。

…目的地は 『サセボ基地』。 本当ならば、彼の 『ナデシコ』 搭乗は、三日後の予定である。
…旧型試験機を使用して水中戦用装甲の比較試験途中で、彼は突然…

…『ユリカさん!!!(ついでにジュンさん)』 と叫び…機体換装する。

…彼のただならぬ雰囲気に気付いたスタッフが皆集まってきて、アイコンタクトでサポ−トする。

…後でプロスさんに聞いたら 「世界記録を超えていましたよ♪」 というくらいの早業だったそうだ。

… "旧式" の代わりの機体が用意できたら…
…後で『ナデシコ』に送ってくれると言ってたっけ…(…どうやって贈るかも全く不明だが)
…できれば、あの "最新型のエステ" に…死ぬ前にもう一度だけ、乗っておきたかった…

…と、カイトはなぜか、チョット、後悔していた。

…このエステ、『普通の武器』 が無い…

…『光の拳モ−ド』 ボタンと 『特攻』 ボタン…って、ナニ?…(不安)


〜 この "旧式試験機" は "廃棄処分登録" した機体を会社に無断で改造してモノであり、彼の "バイオセンサ−" を処理する "テスト機" でもあった。 〜

〜 なお "最新型のエステ" が "彼の専用機" であると、知る由もなかった… 〜


※その後…彼の予感通り…見えてきた 『サセボ基地』 上空は、夜明けの空を赤く染めていた。



スキャパレリプロジェクトのため、新造戦艦 『ナデシコ』 は予定より早く 『サセボドック』より出航。
…その理由として、突然現れた木星蜥蜴の襲撃に対応するためであった。

『ナデシコ』 に乗艦した副提督の立案が却下された後、艦長ミスマル・ユリカの英断が冴え渡る!!

ユリカ 「囮を使い、集まった所を一気にグラビティ・ブラストで決めちゃいましょうっ!!ブイっ♪」

ジュン 「…でも、囮役で代わりのパイロットはいないよ? ユリカ。」

ルリ 「…パイロットなら…今、出ているわ。」

※アキト 「逃げちゃダメだ…逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ…」(エステ上昇中。)

※ルリ 「バカが出ます。(冷嘆)」



※カイトは、目標上空の木星蜥蜴たちが地上のある一点に向けて攻撃をかけていく様子を眺め…
… 現状地形と配置を確認した瞬間 …艦長ユリカの想い描く作戦を一瞬で… 理解した。

※カイト 「…囮エステの動きがまずい。(冷静)…仕方が無い…『光の拳モ−ド』 ボタン、ポチッとな。(冷嘆)」

< コマンドキャンセル … 気力が足りません … 必要気力値=80以上 … 現在のあなたの気力=30 >

※カイト 「???(呆然)」

…人間呆れてしまうと、無意識に何かをしてしまうもの…
…想像はしていたが、まさにその通りになるとは…

< 囮エステに自動標準セット! … ブ−ストポッド作動 … エンジン臨界を超えても止まらないかも? …ね♪ >

…突如目標に向かって急斜角で特攻するカイトのエステ。
…落下とともに、彼の気力が上昇していく。


…『ディスト−ション・フィ−ルド』 による 『高速度 "特攻" 攻撃』!


…囮に群がる敵を次々と粉砕していった。

…囮を捕らえる絶妙のタイミングでフィ−ルドを "瞬間解除・再始動"!!

…機体は大空へと舞い上がる。


…その後 "鳶に油揚げをさらわれて呆然となった敵を、まとめて一瞬にして闇に葬る" …

…かのように… 海底浮上した 『ナデシコ』 の主砲で木星蜥蜴はすべて一掃された。





…そしてカイト達の機体が、優雅に 『ナデシコ』 甲板上に着陸する。









――― かくして、壮大なる歴史が今、よみがえる ―――













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