機 動 戦 艦 ナ デ シ コ

白 銀 の 機 械 神




第6話「新たな・・・」



トウキョウシティの下町
商店街の大通りから横道に入った裏通り
建物は古いが作りはしっかりとしたお店
看板には『テンカワ食堂』と書いてある。


突然、お店の前に現れる光の塊、次第に光が弱くなり消える。

「到着、あ!!時間ギリギリだよ。ルリ」

「それはカイトさんが・・・・・(///)
頬を赤らめ俯くルリ

「え?ルリだってノリノリだったじゃないか」
頬を掻きながら答えるカイト

「そんな事を言う人は嫌いです。もう知りません。」
カイトに背を向けるルリ

「うそ!?ルリ、怒った?・・・御免、ルリ、本当に御免」
急いでルリの前に回り込むカイト

「知りません」
背を向けるルリ

「ルリ、御免」
前に回り込むカイト

「貴方、誰ですか?」
背を向けるルリ

「うう、ル〜リ〜」
泣きそうな顔になるカイト

チラッとカイトの様子を見るルリ
「も〜〜そんな顔をしないで下さい。
これでは私が泣かせているみたいじゃないですか」

「だってルリに嫌われたら、僕は、僕は・・・・」

「カイトさん」
カイトに近づき、カイトの胸に頬を当てるルリ

「ルリ?」

「私は、どんな事があってもカイトさんを嫌いになったりしません。
私は、貴方を愛しています。」
カイトの首に腕を廻して見詰めるルリ

「ルリ」
ルリの背中に腕を廻し、ルリの顔に自分の顔を近づける。
そして

「お〜〜い、カイトにルリちゃん、店の前で
イチャイチャしないでくれ」

「「え?」」
突然の呼び掛けに驚き、声のした方を見ると
お店の引き戸から顔を出し、困った顔をするアキトとユリカ

「カイト君もルリちゃんも大勢の人が見ている中で
イチャイチャするなんて、本当に大胆なんだから」

「「え!?」」
ユリカの言葉に驚き、辺りを見回すカイトとルリ
さっきまで誰も居ない通りだったのが、今では
大勢の野次馬が二人を囲んでいた。

「いや〜若いって、いいですな」

「わしだって、あと10歳、若かったら」


「おばあさんや、わしらも頑張るか」

「イヤですよ。おじいさん」


「ママ、お兄ちゃんとお姉ちゃん、何しているの?」

「見ちゃいけません!!」



「「・・・・あの、その・・・失礼しました〜〜(///)」」
顔を真っ赤にしてアキトのお店に駆け込むカイトとルリ




「いや〜〜焦った。」

「本当です。いつの間にあんなに人が・・・」

「二人とも、少しは自重してくれ」

「も〜〜、二人とも本当にラブラブなんだから
でも人前じゃ、ダメだよ。」


「「・・・き、気を付けます。(///)」」
頬を赤らめ俯くカイトとルリ

「あ!カイトとルリだ♪」

満面の笑みのラピス


「「ラピス(ちゃん)」」

「カイト〜♪」
カイトに駆け寄りしがみ付くラピス

「久しぶり、ラピスちゃん」
ラピスの髪を優しく撫でるカイト

「カイト〜♪・・・・・・・・最近、遊んでくれない。
ラピスの事が嫌いになった?」
目をウルウルさせながらカイトを見上げるラピス

あまりの可愛さに一瞬、ドキッとするカイト
「そ、そんな事、ないよ。僕はラピスちゃんが大好きだよ」

「本当に?」
疑いの眼差しでカイトを見るラピス

「本当だよ。」
真剣な眼差しでラピスを見るカイト

「私もカイトが大好き〜♪」
嬉しそうに答え、カイトに頬擦りするラピス

「ラピスちゃん・・・・・・・・・・・え!?」
ラピスの髪を優しく撫でるカイトしかし
突然、後ろから強烈な殺気、恐る恐る振り返ると其処には

ニコニコ顔のルリ、カイトに近づき
「カイトさん、ラピスと仲がいいですね。」
カイトの腕にしがみ付くルリ

「ル、ルリ?・・・・・・いっ!!!」
身体をビクッとさせるカイト

「如何したんですか、カイトさん」
ニコニコ顔のルリ

「て、手が、い、痛いんですけど」

「それは大変ですね。後で病院に行った方がいいですよ。」

「ル〜リ〜」
泣きそうな顔になるカイト

「そろそろ、許して上げたら、ルリちゃん」
助け舟を出すユリカ

「・・・・・仕方ないですね。」
カイトの腕を放すルリ、手の甲が赤くなっている。

「う〜〜」
手の甲を擦るカイト

「それにしてもラピスちゃんは本当にカイト君が大好きなんだね。」

「うん!お母さん、私、大きくなったら、カイトのお嫁さんになるの〜♪」

「「「え!?」」」
驚く、カイト、ユリカ、アキト
何故かルリだけ涼しい顔

「あれ、ルリちゃん驚かないの?」
不思議がるユリカ

「以前、ラピスに『カイトのお嫁さんに成るには如何したらいいの』と
相談を受けました。」

「「「・・・・・」」」
(ラピスちゃん、なんて事を・・・)
(ラピス、よりによってルリちゃんに聞くとは・・・)
(まずい、まずいよ・・・あ!こっちを睨んでる)

「そ、それでルリちゃんはなんて言ったの?」

「カイトさんが決める事ですから、
直接、お願いしたらと答えました。」

「そ、そうなんだ・・・・あははははは」
もはや笑う事しか出来ないユリカ

「カイト、お前、如何するんだ・・・」
手を額に当てヤレヤレと頭を振るアキト

「何でこうなるの?」
呆然と立ち尽くすカイト、其処に

「カイト、私をお嫁さんにして〜♪」
カイトの手を取り、手の甲に頬擦りをするラピス

「あ、あのね。ラピスちゃん、それはだね・・・え〜〜〜と」
どう答えたらいいか焦るカイト

「カイト・・・うるうる」
目をウルウルさせながらカイトを見上げるラピス
ラピスのお願いモード
男性(一部女性あり)なら一発KOできる。
まさに男殺しの必殺技

(ま、まずい、まともに見ちゃった)「いや、だから、その・・・・」
まさにラピス軍に完全包囲され、今にも陥落寸前のカイト城、其処に

「カイトさん」
ニコニコ顔のルリ

「ルリ!」
ルリ軍の援軍と思いきや

「カイトさん、ラピスは私にとって、とても大切な妹です。
泣かせたら、絶対に許しませんよ。」
ルリ軍は敵だった。

「ル、ルリ(汗)・・・・・はっ!ユリカさん」
ユリカ軍に援軍を要請するカイト、しかし

「カイト君、ラピスは私とアキトの大切な娘です。
泣かせたら、家族の縁を切るからね。」
ニコニコ顔のユリカ

「そ、そんな・・・・・ア、アキトさん」
最後の希望をもって、アキト軍に援軍を要請、しかし
(ちょ、ちょっと、何処に行ったんですかアキトさん?・・・
お〜〜い、アキトさん・・・・・・・い、居ない、逃げた!!)
カイト城を見捨て、戦場を離脱していたアキト軍

「お嫁さん♪、お嫁さん♪」
カイトの腕にしがみ付き満面の笑みのラピス

「それで、如何するんですか?カイトさん」
ラピスとは反対の腕にしがみ付きカイトに微笑むルリ

「カイト君、モテモテだね。両手に花だよ。」
カイトの困った顔を見て微笑むユリカ

「・・・・・・・・・」
(大体、断ったら、断ったで、ラピスが大泣きして、ユリカさんには家族の縁を切られるし、ルリには嫌われる。
そしてラピスの申し出を受けたら、ルリに・・・・・・ルリに・・・・・・・・・・・・・嫌じゃ!!!!
それだけは何としても回避しなければ、此処は丁重に断るんだ、ラピスちゃんだってきっと分かってくれるはずだ)
「ラ、ラピスちゃん」

「何?カイト」
カイトを見上げるラピス

「ラ、ラピスちゃん、ぼ、僕にはルリが・・・」
ラピスを見詰めるカイト

(カイトさん、やっぱり私を選んでくれるんですね。)
カイトの腕にギュッと抱き付くルリ

「カイト♪お嫁さんにして♪」
微笑むラピス

(・・・・・・・・・か・・・・・か・・・・・可愛い!!・・・・だ、駄目だ、言えない。
この子を傷付ける事なんかできないよ・・・・・・・一体如何しろって、言うんだ!!

「「カイト(さん)♪♪」」

「?ユリカ、カイトの奴、如何したんだ?」
エプロンで手を拭きながら現れるアキト

「アキト、何処に行ってたの?」
呼ばれて振り返るユリカ

「ちょっと、トイレに・・・それより如何したんだ?」

「じつは・・・・・」
今までの事をアキトに話すユリカ

「・・・・まったくあいつは仕様が無いな・・・二人ともそろそろ
カイトを貸してくれないか、宴会の準備が遅れているんだ」

「アキトさん!助けに来てくれたんですね。」
今にも泣き出しそうな顔のカイト

「・・・仕方ないですね」「ぶーぶー」
渋々カイトから離れるルリとラピス

「それじゃ行くぞ、猫の手も借りたいぐらい忙しいんだ!!」
カイトの後ろ襟を掴むアキト

「ちょっと、待って、苦しい、苦しいってアキトさん」
後ろ向きに引張られて厨房に消えるカイト

「ルリちゃんも大変だね。」

「まったくです。」

「・・・・あれ?・・・ルリちゃん♪
後でカイト君に注意した方がいいよ♪」

「な、何をですか?」
にんまり顔のユリカに後ずさりするルリ

「首筋にキスマークが付いてるよ。」

「なっ!?」
慌てて手で首筋を隠すルリ

「はい、これ」
手鏡を差し出すユリカ

手鏡を受け取り確認するルリ
「・・・・」
朝の出来事を思い出して顔を真っ赤になる
カイトさんのバカ(///)

「カイト君って独占欲が強いのかな?」

「え?」

「だって、そんな目立つ所に付けるって事は
この娘は、自分のモノだ!誰も手をだすなって
意味だよ。」

「私・・・モノじゃ・・・ないんですけど(///)
そう言いながらも頬を赤らめ嬉しそうに俯くルリ

「でも、そのままだと皆にからかわれるね。」

「あ!ど、如何したらいいでしょうか」

「内出血だから時間が経てば消えるんだけど
そんな時間ないし、温めて、マッサージするしかないね。
ラピスちゃん、厨房からお湯とおしぼりを貰ってきて」

「はーい」
厨房に走っていくラピス

「それじゃ、奥の部屋でマッサージしようか」

「はい」

「ルリちゃん、後でお返しにカイト君にも
沢山キスマークを付けちゃえばいいよ」

「え?・・・・はい(///)
頬を赤らめ俯きながら答えるルリ



数時間後、宴会が始まる。




片手にグラスを持つユリカそして
「皆さん、飲み物は行渡りましたか?・・・・・それじゃ、アキト、挨拶して」

「何?俺が挨拶するのか?」

「当たり前じゃない。今日はアキトが主役なんだから」

「そ、そうか・・・・それじゃ・・・・・今日は忙しい中、来てくれて、ありがとう。
皆のお蔭でこんなにも、いい店を持つことが出来た。皆の協力が無かったら・・・・俺は・・・今頃・・・・・」
アキトの目頭に光がそして心配そうにアキトに寄り添うユリカ

「大丈夫だ、ユリカ・・・今日の料理は腕によりを掛けて作った物ばかりだ、
一杯食べてくれ・・・・・皆、本当にありがとう・・・それじゃ、乾杯」

「「「「「「「「「乾杯」」」」」」」」」

グラスを掲げ打ち鳴らすそして各々宴会を楽しむ



「テンカワ、いい味だしているじゃないか、また腕を上げたね」

「ホウメイさんのお蔭ですよ。」

「あたしゃ、何もしちゃいないよ。あんたの身体が
料理の作り方を覚えていたんだよ。」

「ありがとう御座います。でもホウメイさんには本当にお世話になりましたから、
この店だってホウメイさんの紹介で手に入れる事が出来たんですから」

「この店、気に入ったかい?」

「ええ、店内も広くて、とても使いやすい厨房で気に入ってます。」

「それはよかった。この店はね、あたしの師匠の店なんだよ。」

「ホウメイさんの!?」

「ああ、結構繁盛してた店なんだけど師匠も年でね、店をたたんで田舎に引っ越すって言うんで、
だったら腕のいい奴が居るんで、そいつに使わせてくれって頼んだんだよ。」

「そうだったんですか、俺、ホウメイさんに恥を掻かせない様に頑張って繁盛させて見せます。」

「ハハハハハ、そんな事気にしないで頑張りな」

「はい、頑張ります。」





「カイト」

「ラピスちゃん、如何したの、その料理?」

「ラピスが作ったの食べて」
綺麗な狐色に焼けた餃子を差し出すラピス

「上手に焼けたね。えらいよ。ラピスちゃん」

「えっへん、練習したもん」
胸を張るラピス

「ルリもラピスちゃんを見習ったら」
隣に居るルリに目線を送る。

「わ、私だって料理ぐらい出来ます。」
頬を膨らませるルリ

「ルリも食べて」

「それじゃ、いただこうか、ルリ」

「・・・はい」
まだ少し脹れている

一口サイズに作られた餃子をパクリと一口で食べるカイトとルリ

「「・・・・・?」」
(何だろ、この甘くてほろ苦い風味は・・・・・ま、まさかチョコレート!?)

(何でしょうか?この甘酸っぱく、プチプチした食感は・・・・・はっ!イチゴジャム!?)

「カイト、ルリ、美味しい?」

「・・・・・・・ラピスちゃん、味見した?」

「してない、でも、ハーリーが味見した。」

「「ハーリー君が!!」」

「うん、休みの日はいつも来て、味見してくれたの、いつも美味しいって言ってくれたよ」

「・・・・・なるほど、だから何時も休み明けは、げっそりした顔で仕事に来ていたんですね。」

「ハーリー君・・・・・・哀れだ」

「私も食べよ♪」

「「ラピス(ちゃん)待って!!」」

「モグモグ・・・・・う(汗)・・・(///)
次第にラピスの顔が青くなっていく

「ラピスちゃん、これ飲んで」
ラピスにジュースを渡すカイトそして一気に飲み干す。

「・・・・・・カイト、ルリ、御免なさい。・・・こんな不味い物、食べさせて」
涙目になるラピス

「そんな事無いよ。ラピスちゃんが一生懸命作ってくれたんだから・・・」

「そうです。私もカイトさんも怒ってはいませんよ。」
優しくラピスの頭を撫でるルリ

「ルリ」
ルリにしがみ付くラピスそしてギュッと抱き締めるルリ

「如何したんですか?皆さん」

「ハーリー君」

「・・・間の悪い時に・・・」

「えっ?」

「ハーリー」
ルリから離れてハーリーを見るラピス

「ど、如何したんですか!?ラピスさん」
ラピスの涙目を見て驚くハーリーそして

「ハーリーのバカ!!」

「「ラピス(ちゃん)!!」」

「カイト、ルリ、向うに行こう」
カイトとルリの手を掴んでその場を離れるそして
其処には燃え尽きた様に真っ白になったハーリーが残された。





「リョーコちゃん、飲んでるかい?」

「ん?アキトか」

「リョーコちゃん、グラス空っぽじゃないか、はいこれ」
リョーコのグラスにビールを注ぐアキト

「すまない。アキト」
グラスに注がれたビールを一気に飲み干すリョーコそして
「アキト、お前も飲め」
アキトのグラスにビールを注ぐ

「ありがとう、リョーコちゃん」
一気に飲み干すアキト

「おお、いい飲みっぷりだな・・・・・ん?・・・お、おい、お前その手、如何したんだ?」

「如何したの?リョーコ」

「ヒカル、こいつの手」

「アキト君の手?・・・・・・・・・・う、うそ」

「ん?・・・・ああ、これ」
自分の手の甲を見るアキト
其処には何も無い普通の手・・・・・・・・普通?

「アキト、お前のIFS、消えてるじゃないか!!!」

「アキト君、何で消えてるの?」

「カイトが治療した結果なんだ」

「カイト君が!?」

「あいつ、一体どんな治療をしたんだ?」

「それが、よく分からないんだ、カイトの言うとおりに、寝そべっていたら次の瞬間、
周りが花畑で目の前に大きな川が流れているんだ」

「「・・・・・・・」」

「それで、川の対岸に死んだはずの父さんと母さん、あとガイと白鳥が立っていたんだ」

「「・・・・・・・おい」」((汗))

「川を渡ろうとするんだが、足が動かないんだ、何とか動こうとしていると、
突然、強い力で後ろに引っ張られて気づいたら病院のベッドで寝てた。
あれ何だったんだろう?」

「アキト、それって・・・・・」

「三途の川?」

「・・・・・それでアキト、身体の方は大丈夫なのか?」

「ああ、良いよ、むしろ前より良いくらいだ」

「そうか、それならよかった。」

ガラガラ


店の扉が開き振り返るアキト
「ん?すいません、今日は貸切・・・・イズミさん」

「ただいま、到着」


「イズミ、帰ってきたんだ」

「それより、おまえ、なんだ?その格好は?」

イズミの姿は重装備の登山家の格好、リュックを下ろしガサガサと
リュックの中から新聞紙で包まれた物を取り出しアキトに渡す。
「お土産」

「あ、ありがとう」
受け取るアキト、恐る恐る新聞紙を開いてみると出てきたのは













鮭を咥えた熊の木彫り

「「「・・・・・・・」」」





「リョーコちゃん、ヒカルちゃん、これって・・・・・北海道のお土産?」

「「うん、うん」」
アキトの問いに頷く二人

「でも、イズミさんって・・・・ヒバゴンを探しに中国地方に行ったんだよね?」

「「・・・・・」」

「なぜ熊の木彫り??」

「知るか!!!」
「ハハハハ」
怒鳴るリョーコに笑うヒカリ

当のイズミは、もうその場には居なく店の奥でイネス達と酒を飲んでいる。



数時間が経ち宴会もたけなわの頃


「み〜な〜さ〜ん、こっちに注目して下さい。」

「なんだ、なんだ、どうした?」


「何か始まるの?」


大声で叫ぶカイトに皆の視線が集まる。
「皆さんに、重大発表があります。・・・ルリが話す?」
隣に立つルリを見るカイト

「いいえ、カイトさんが話してください。(///)
少し頬を赤らめるルリ

「そう、それじゃ僕から話します。実は・・・・僕とルリ
来月、結婚します。」

「・・・・え?」


「・・・・なに?」

「・・・・はい?」



「「「「「「「「「「え〜〜〜〜〜!!!!!????」」」」」」」」」」

一瞬にしてカイトとルリの周りに人だかりができる。

「ルリ、一体どう言う事?」

「カイト君、ルリちゃん、本当に?」


「ルリちゃん、嘘でしょ?」


「カイト、お前本気なのか?」

「ルリルリ、早すぎるわ」


「「皆さん、落ち着いて下さい。」」
皆を落ち着かせるカイトとルリ

「落ち着いていられるか!!」

「ルリルリ、いくらなんでも早すぎるは、まだ16歳でしょ」

「法律上では女性は16歳で結婚できますし、カイトさんだって
ネルガルに作ってもらった戸籍では20歳ですか何の問題もありません。」


「「「「「「「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」」」」」」」

ルリの真剣な顔に沈黙する


カイトの横に立つアキトが
「カイト、やっぱり早いよ、せめてルリちゃんが
20歳になるまで待てないのか?」

「それが出来ないんです。」

「なぜだ?」

「実は・・・・ルリ、妊娠してるんです。」

「「「「「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」」」」」」

一瞬で静まり返る店内、誰一人動かない。












「お母さん、妊娠ってなに?」
ラピスの一言で次第に覚醒する皆さん

「・・・な」


「・・・な」

「・・・な」


「・・・な」

「・・・な」


「・・・な」


「「「「「「「「「「なに〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」」」」」」」」」」


「本当なの?ルリ」

「ルリルリ、無理したら駄目よ」

「ルリちゃん、すごい」

「まさか、あのルリ坊がね・・・」

女性陣に囲まれて気遣われるルリ、方や




「貴様という奴は!」

「よくもルリルリを傷ものに!」

「おのれ、外道が!」

「死んでお詫びしろ!」

男性陣に小突かれるカイト


それから1時間後

片手にグラスを持つユリカそして
「皆さん、飲み物は行渡りましたか?」

「「「「「「「「「「は〜い」」」」」」」」」」


「それでは、カイト君とルリちゃんの結婚と生まれてくる赤ちゃんに乾杯」

「「「「「「「「「「乾杯」」」」」」」」」」


「カイトさん、大丈夫ですか?」
カイトの隣に寄り添うルリ

「大丈夫じゃない」
カイトの姿は、シャツもズボンも所々裂けてボロボロの状態

「ルリちゃんを娶る為の試練だと思って諦めろ、カイト」

「そんな、アキトさん」
アキトに泣きつくカイトその時、後ろから・・・

「カイト」

「ラピスちゃん」

「カイト、ラピスのことお嫁さんにしてくれるって
言ったのに・・・嘘つき・・・グスン」
頬を膨らませて涙目のラピス

「ち、ちょっと、ラピスちゃん、そんな約束してないと思ったけど」(汗)
後ずさりするカイト

「カイトさん、ラピスを泣かせましたね。」
カイトに冷たい視線を送るルリ

「ル、ルリ」(汗)

「カイト君、ラピスちゃんを泣かせたね。」
笑っているが額に井の字のユリカ

「ユリカさん」(汗)

「カイト、よくも泣かせたな」
指をポキポキ鳴らすアキト

「なんで、アキトさんまで」(汗)

「「「「「「「「「「・・・・・・・・・・・」」」」」」」」」」

周りを見回すが我関せずの皆さん

(鬼か、あんたら!!)
4人の気迫に後ずさりするカイト
遂には壁まで追い詰められる

(ま、まずい、逃げられない・・・こうなったら)
「ごめん、ラピスちゃん」
土下座して謝るカイト

「「「え?」」」
当然の行動に目を丸くする4人

「ラピスちゃん、何でも言う事をきくから許して」

「本当に?」
カイトの顔を覗き込むラピス

「出来る範囲でなら・・・」
ラピスを見詰めるカイト

「それじゃ・・・・・カイトの2号さんにして」


「「「「「「「「「「プーーーゲホゲホ」」」」」」」」」」

飲み物を噴出してむせかえる皆さん


「2号さん♪、2号さん♪」
嬉しそうにカイトの首にしがみ付くラピス

「ラピス!!カイトさんから離れなさい!!」
ラピスを引き離そうとするルリ

「2号さんって・・・・・・何?」
まったく、意味の分かっていないカイト

「ラピス、一体何処でそんな言葉を覚えたんだ?」
手を額に当てヤレヤレと頭を振るアキト

「私が教えたんだよ♪」
平然と言い放つユリカ

「「「「「「「「「「お前か!!!」」」」」」」」」」






「?如何した、ハーリー」
店内の端で体育座りするハーリーに声を掛けるサブロウタ

「サ〜ブ〜ロ〜ウ〜タさん」
涙と鼻水でグジョグジョの顔のハーリー
立ち上がりサブロウタに抱き付く。

「やめろ!鼻水!鼻水!」
ハーリーを引き剥がそうとするサブロウタ

「如何して?如何して?あの人ばかり・・・・・フー」
サブロウタのシャツで鼻をかむハーリー

「ギャーーー」
店内に悲鳴が響き渡る。






後書き

ルリ、カイト「今回も、この作品を読んでいただき、ありがとう御座います。」

カイト「って、如何して僕達が後書きの進行役をしているの?三千世界さんは?」

ルリ「あの人なら、あそこでブツブツと何か喋ってます。」

三千世界「遂に此処まできたか・・・・次回作ってアレだよな
・・・・・書いたら間違いなくカイト君に殺される。
此処はいっそ番外編でも書いて延命処置を
図った方がいいかも・・・・・・・・・・・どうしょう。」


カイト「お〜い、三千世界さん、後書き、始まってますよ。」

三千世界「え?・・・・ええ!!」
急いでカイトとルリの所に行く


三千世界「すいません、考え事してたもので・・・」

ルリ「別に貴方が居なくても構いません。」

三千世界「うう〜〜」(涙)

カイト「ルリちゃん」(汗)

ルリ「それより、カイトさん、私達、結婚するんですね。」
カイトの首に抱き付く

カイト「そうだよ、ルリちゃん」
ルリをキュッと抱き締める

ルリ「でも、皆さん驚いていましたね。」

カイト「だって、出来ちゃった婚だもの」

ルリ「それは、カイトさんが毎晩・・・・・」

カイト「そんな、ルリちゃんだって・・・・・」
二人とも顔を真っ赤にして俯く(///)

ルリ「そうだ!この子の名前を決めないと」
お腹を擦るルリ

カイト「そうだね。そういえば、聞いていなかったけど男の子?女の子?どっち?」

ルリ「イネスさんの話だともっと成長しないと分からないそうです。」

カイト「そうか・・・・でも、どっちにしても僕とルリちゃんの大切な子供なんだから、大事に育てようね。」

ルリ「はい、カイトさん」
お互いに手を取り合い見詰め合う二人

三千世界「うう〜〜〜」(涙)

カイト、ルリ「「三千世界さん??」」

三千世界「うう〜〜〜悲し過ぎて、もう二人を見てられないよ。」
泣きながら何処かへ走り去る

カイト「何なんだ?」

ルリ「さあ、あ!それより、そろそろ後書きを終らせないと」

カイト「そうだね。次回は僕とルリちゃんの結婚式です。皆さん、祝福してくれると嬉しいです。」

カイト、ルリ「「それでは、皆さん、さようなら」」


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