シックルのボツネタ大公開!! のお部屋



はじめに……

 こんにちは。「シックルのボツネタ大公開」へ、ようこそいらっしゃいました。

 ここは、読んで字の如く、私が構想(妄想?)はしたものの、様々な理由から結局は企画段階、あるいは制作中などでボツとなった作品達を、ネタとしてサルベージしよう、という場所です。
 お急ぎでない方は、よろしければどうぞ御覧になっていってください。



目次(クリックすると各コーナーへジャンプします)

はじめに

「a Jewel Baby」「BlackonyxTyphoon!」シリーズ関連のネタ
「a Jewel Baby」「BlackonyxTyphoon!」とは無関係なネタ
他作品とのクロスオーバーネタ
あとがき


 それぞれのネタは基本的に、
 という形式になっております。(中には例外もありますが)
 では、ごゆっくりお楽しみ下さい……。


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「a Jewel Baby」「BlackonyxTyphoon!」シリーズ関連のネタ

 ここからは、私の「風の通り道」デビュー作にして代表作、そして衝撃の問題作(笑)でもある、
『機動戦艦ナデシコ 〜a Jewel Baby〜』
 そして、その続編となるシリーズ、
『Blackonyx Typhoon!』 
 この2つに関係したボツネタのコーナーです。

 ここには全部で3つのネタがあります。
 (クリックするとそれぞれのネタへジャンプします)
 ……以上の3つです。順番にどうぞ……。


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Nadeshiko The Mission Blackonyx Typhoon! ver

 主人公は大学卒業間際の艦長候補生。(DC版のプレイヤーキャラクター)
 訓練航海のために臨時の艦長としてナデシコBに乗艦する
 その時、人妻と知りつつもルリに一目惚れ。
 真面目な性格故にアプローチなどはできないのだが、職務などで二人きりになったりするたびに思わずドキドキしてしまう。
 しかし、後半になってルリを助けるために”跳んで”来たカイトとも、複雑な気持ちを感じつつも友人として意気投合する。
 最後には、救出されたルリとカイトの絆の強さを見せつけられ、結局想いを告げぬまま、ひっそりと身を引く。

 その後、ルリは中佐への昇進とともに地上勤務となり、彼が新たな艦長として正式にナデシコBに乗艦することになる。



没理由
 DC版を舞台にした、ルリの後にナデシコBの艦長になる青年のお話です。
 以前の作品でも、ちらっと話だけは出てきたりしましたが……。
 ただ、やはり人妻への恋心などというものは、私にはどうも表現できないようで(汗)。
 ああ、まだまだ修行が足りないな……。(←何の修行だ、オイ)


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ハーリーの結婚妨害大作戦!!

 とうとう明日にまで近付いたルリとカイトの結婚式。
 そして、2人の結婚をなんとか阻止すべく、ハーリーが立ち上がる!
 IFS強化体質の能力をフルに利用し、仮想の人物「魔王討伐隊長」を作り上げ、ルリの熱狂的なファン数名と極秘で連絡を取り合い、彼女の結婚阻止組織「魔王討伐隊」を結成する。
 役所のコンピュータを麻痺させたり、式場へ向かう途中の道路で大渋滞を起こさせたり……。
 果ては、ホテルで小火を出させ、その混乱に乗じてルリをさらって行こうか等とまで考える。

 だが、役所のコンピュータに仕掛けたウィルスは、ラピスと、彼女のレジスターに宿るダッシュに処理され……。
 渋滞で車が動かなくなれば、カイトのボソンジャンプにより一気に式場へと跳んで行かれ……。
 ホテルの式場を、煙草の煙に反応させたスプリンクラーで水浸しにすれば、たまたまそこにテンカワ食堂の近所にある教会の神父さんが居合わせて、その人の教会で式を挙げてもらうことになったり……。

 ……と、どの計画もどうにも上手くいかない。
 最早最後の手段に出るしかないか……? と、教会の廊下の片隅で悩むハーリー。
 そこに、彼のことには気付かずに、ミナトとユキナ、そして、えらく上機嫌なメノウがやって来る。
 ずいぶん嬉しそうね? とメノウに聞く2人。

「そんなにお父さんができて嬉しいの?」
「うん!! あ、でも、それよりね……う〜ん……。
 ……えっとね、きょうのおかーさんが、すごくしあわせそうにしてるから!
 おとーさんがきてからも、まいにち、とってもたのしそうだったけど、きょうはそれよりもずーっと、ずーっとうれしそうなの!
 だから、わたしもすごくうれしい!!」

 ……曲がり角の向こうでその言葉を聞き、固まるハーリー。
 そして、思わず去年までの……カイトが地球圏に帰還する前のルリと、それ以降の、カイトと一緒に暮らすようになってからのルリとを思い返し、比較する。
 ……やがて、小さなため息とともに、同志達に端末から「討伐隊長」の名義で連絡を送る。
 一言、”計画は全て中止”と。
 そして、式は順調に進み……、



没理由
 これまでの作品中に伏線はあったりなかったり……なネタ、第2弾。
 しかもこちらも主人公→ルリで、最終的に密かに自分から身を引く話……。
 う〜ん、なんなんだろう(笑)。


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母が来る! 〜a Mother Come`s!〜

 その日、突然の休日出勤により、ミスマル宅はルリとメノウの2人きりだった。
 そこへ、年の頃30前後と思われる1人の美女がやって来る。
「こんにちは。ミカ……いえ、カイトの家はこちらですか?」
「……あなたは?」
 やや警戒しながらも応対に出るルリ。だが、ルリを見た訪問者の反応は予想外のものだった。
「あら? ……ねえ、あなたひょっとしてホシノ=ルリちゃん? ほら、ナデシコのオペレーターだった女の子……」
「……はい、そうですけど?」
「やっぱり! 前はちらっとしか見たこと無かったけど、すっかり大きくなっちゃったわねぇ……。
 ああ、御免なさい。私はイツキ。イツキ=カザマよ。昔一度だけナデシコに乗ったことがあるんだけど、憶えてるかしら?」
 そう言われてよく姿を見ると、年齢こそ重ねているものの、その顔は確かに記憶にある容姿と一致した。
「……はい、憶えています」
 忘れるわけがない。もともと物覚えは良いルリだったが、彼女はかつて、記憶喪失だった時のカイトが、その唯一の手がかりとしていた女性であり……何よりも、カイトの”母親”とも言える相手なのだ。

 かつて、ボソンジャンプの事故により時空の狭間を漂っていたイツキは、古代火星人により救われる。彼女の事情を聞き、太陽系で起こる出来事を察した古代火星人達は、様々な手段で警告のメッセージを発した。
 そしてその中に、彼女をベースに遺伝子操作を施した「地球人」を作り出し、自分たちの技術や知識に習熟させ、メッセンジャーとして送り込む、というものがあった。そのメッセンジャーこそ、「カイト」本来の名を「ミカズチ=カザマ」だったのである。
 火星で起こった事件の際、イツキはその場にいる人間達への説明のため、一度その姿を見せはしたものの、結局その後はそのまま古代火星人の元に残った。そんな彼女の存在はまた、カイトが3年間彼らの元へと戻っていた理由の一つでもあったのだ。

「あら、でもそれじゃあ、ここはホシノさんの家ってこと? やだ、聞いた住所が違ってたのかしら。……ねえホシノさん、うちの息子、今どこにいるのか知らない?」
 困惑するルリ。彼女は……自分達のことを知らないのだろうか?
「……今日は、急な仕事が入って朝から出ていきました。夕方になれば、帰ってくると思います」
「…………え?」
 今度はイツキが困惑する番だった。さらに、ちょうどそこへ、様子を窺いにメノウがやってくる。
 そして、ルリの口から「事情」を聞いたイツキは……、

「……あ、あの大馬鹿息子ぉ〜!! あれだけ派遣監察官に拘ってたのはそーゆーこと!? しかも、もうこんな大きな子供までいるですってぇ〜!! 〜〜〜っっっ!!!」

 そこへ、間の悪いことに……、
「ただいま〜。……あれ? ルリちゃん、お客さん?」
「み〜〜か〜〜ず〜〜ち〜〜!!!」
「え? ……い、イツキ母さん?」
「話は全部聞かせてもらったわよぉ〜!!」
「えぇっ!? ……は、話って、一体なんの……?」
「問答無用!! ……覚悟はいいわね?」
「ちょ、ちょっと、母さん!? 少しはこっちの…………!!?」

 ……その後、何が起こったかは、関係者全員が口を閉ざし、全く伝えられていない……。



没理由
 一転して、思いっきりコメディです。やはりこういうネタの方が、色々と楽しい♪
 タイトルは「夜が来る!」とその主題歌から。
 話の元ネタは、GS美神より「グレート・マザー襲来!!」です。
 でも、この一家は嫁姑の争いはほとんど無さそうだ……。
 で、その分のしわ寄せがみんなカイトに行く(笑)
 この親戚筋の中で一番”弱い”のは間違いなく彼だな……。


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「a Jewel Baby」「BlackonyxTyphoon!」とは無関係なネタ

 続きましては、上記のシリーズとは関係のないネタのコーナーです。
 (クリックするとそれぞれのネタへジャンプします)
 ……の3つが用意してあります。存分にご覧下さい。


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わわわんわん! わんわわん!(「僕は犬です」犬語バージョン)

 わわわん! わん!
 わぉん、うぉおん、わわわわん!
 う〜、わんわんわわん!!
 うぉ〜……わわん! わおぉぉん!!
 ぐるぐるぐる……はっはっはっ……。
 くぅ〜ん……、

(以下、激しく略……)

 ……わん!



没理由
 見ての通りです。ええもう、ただそれだけ。
 電波って怖い……(笑)。
 このネタの為に、近所にある犬専門のペットショップを、店の外からしばらく覗いていたのは秘密♪


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劇場版機動戦艦ナデシコwithカイト 〜 Cavalier de Fay 〜

 基本的にシナリオ1の共同生活→アキト・ユリカのシャトル事故→シナリオ3のナデシコB乗艦と進み、ルリといい仲になるカイト。
 ただし、ゲームと違い、イツキ関係は写真も記憶もテレパシーもさっぱり出て来ず、開戦直後の火星だとか、木星の秘密プラントだとかにも行ったりはしない。
 そのまま、カイトを含んだ劇場版に突入。
 どーにかこーにかして原作よりいい形で(アキトやユリカの体調とか、社会的な立場とか……)終了する。
 その時、図っていたかのようにカイトの記憶が戻り、彼の真実が明かされる。

 実は、カイトの正体は、約20年先の世界から両親を救うためにやって来た、アキトとユリカの実の息子だった!
 さらに、この計画を立てたのは未来のルリ(既に30代)であり、未来でもルリとカイトが恋人同士だというのだ!!

 そこへちょうど、未来のルリがカイトを迎えにやってくる。
 激しく驚愕する一同を置いて、未来のルリとともに元の時代へと帰っていくカイト。
 最後に、カイトがこの時代のルリに一言、

「……何年後かは言えないけど、必ずまた会えるから……その日が来るまで、待っていて」
「…………はい…………」

 その日、ルリの逆光源○計画が始まった……!


……未来にて、

「おかえりなさい、カイトさん」「ただいま、ルリちゃん」
 この2人、今では圧倒的にルリの方が年上にもかかわらずこの呼び方だったりする。
 もっとも、外見上は実際ほど年齢差があるようには見えず、あまり違和感はない。
「……でも、どうしてわざわざあの時代に送りつけたの? わざわざ、記憶にはプロテクトまでかけて……」
「だって、そうしないと私が知っている通りの歴史の流れにならないもの。それに……」
「それに?」

「これで、少しは差が縮まったでしょ♪」



没理由
 拙作ではカイト君がロ○コン、○リコンとうるさく言われているので(って、言わせてるのは私か)、逆にルリちゃんの方にショ○コンになってもらいました(笑)。
 しかも、年の差推定15〜20歳(爆)。
 ……ゴメン、ハーリー君。

 ちなみにサブタイトルの「〜 Cavalier de Fay 〜」は、嬉野秋彦著「フェアリーランド・クロニクル」より頂戴しました。
 意味はズバリ「妖精の騎士」です。
 話を知っていれば、その裏の意味がご理解いただけるかと思います(笑)。

 しかし、上の奴は全然没理由じゃないな……(苦笑)。


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暗闇の幻想

 舞台はいわゆる「剣と魔法の世界」。
 その中でも、平和で穏やかなことで知られる国「ナデシコ王国」。
 しかしある日の夜、この国に大事件が起こる。
 第2王女ルリ姫の、16歳の誕生パーティーが行われる中、突如1人の吸血鬼が王城を襲い、姫をさらって行ってしまったのだ!
 第1王女のユリカ姫は、3年前に病で亡くなっており、彼女の他に王家の血を継ぐ人物は存在しない。
 首席宮廷魔術師イネスの「説明」によれば、姫をさらった吸血鬼が姫に対して何らかの行動を起こすとすれば、それはおそらく次の満月の夜、月が最も高みに昇る頃に行われるだろう、とのこと。
 ナデシコ国王ミスマル=コウイチロウは、騎士団、神殿、魔術師協会、……等から選りすぐりの人材を集め、ルリ姫奪還を目的とする精鋭部隊を結成する。
 従者としてルリ姫に仕える騎士見習いの少年マキビ=ハリは、奪還部隊の隊長であり、同じ剣の師に師事する兄弟子でもある騎士隊長タカスギ=サブロウタに頼み込み、雑用係兼非常時の伝令役として、奪還部隊に参加する。
 数々の障害を乗り越え、吸血鬼が住む塔を目指す一行。
 しかし、ようやく塔へとたどり着いた頃には、既に満月がその姿を見せ始めていた。
 もうほとんど時間がない、と、焦りを見せる一行。
 そんな彼らの前に、少女の姿をした霊を引き連れ、全身を漆黒の鎧で覆った、一人の騎士が現れた……。

 黒騎士は凄まじい力を見せつけ、サブロウタ・リョーコ・ヒカル・イズミの4人の騎士が総掛かりで攻めても、全く問題にしない。
 連れの少女は、魔術師のイネスやジュン、神官のミナト達の魔力を完璧に封じ、騎士達の戦いを魔法で援護する隙を全く与えなかった。
 だが、2人はまるで時間稼ぎをしているかのように、彼らにとどめを刺そうとはしない。
 しかしやがて、3人娘の連携技を避けた一瞬の隙をつき、サブロウタが黒騎士の首を刎ねる!
 宙に舞う黒い兜と、その下から現れた男の生首……。
 が、黒騎士はそのまま自分の首を左手で脇に抱えると、何事もなかったかのように戦いを続けた!
 そして、兜の下の素顔を見て激しく驚愕するサブロウタ達。
 1人だけ、事態を理解できずに戸惑うハーリーに、サブロウタが告げる。
 黒騎士の正体は、かつて彼らと同じナデシコ王国騎士団に所属していた仲間であり、3年前に、蛮族の討伐に赴いて戦死したはずの男、テンカワ=アキトだった……!
 どういうことなのか詰め寄る一行、そして、アキトの口から、この事件の裏に隠された、3年前からの因縁が明かされる……。

−−−<ここから回想シーン>−−−

 かつて、ナデシコ王国には2人の「天才」がいた。
 剣術や馬術、あるいは戦術などに極めて優れた才能を持ち、「100年に1人の騎士」と呼ばれた「テンカワ=アキト」。
 その弟で、およそ人が知りうる限り全ての知識と、常人とは桁外れの強大な魔力を持ち、若くして「大賢者」と称された「テンカワ=カイト」。
 その才能により、王国史上最年少で騎士団、宮廷魔術師団それぞれのトップに上り詰めた兄弟は、同時に、2人の王女の教育係も兼ねていた。
 兄アキトは護身術や馬術など、主に体を使う技能を、弟カイトは学問や宮廷儀礼、簡単な魔法など、主に頭を使う技能を教え、活動的だった姉姫ユリカはアキトと、姉とは逆に大人しかった妹姫ルリはカイトと、それぞれの時間を過ごすことが多かった。
 そして、この二組の男女は、身分違いと知りながらも互いに惹かれ合うようになって行った……

 だがある日、隣国ネルガルから、第2王子アカツキ=ナガレを、2人の王女どちらかの婿に、という旨を伝える使者がやって来た。
 コウイチロウ王はこれを受け入れ、早速第1王女ユリカとの婚約が交わされる。
 だが、既にアキトと想いを交わしていたユリカ姫はこれに反発し、アキトと駆け落ちしてしまう!
 しかし、所詮文化的な生活からは離れられないお姫様連れ、駆け落ちから半月程がたって、立ち寄った町で待ち構えていた捜索部隊に発見され、王城に連れ帰られてしまう。

 そして、王族を誘拐した罪によりアキトは斬首刑に処せられ、弟のカイトも兄に手を貸したと疑われ、こちらは自ら毒を飲むよう命じられた。
 そのことを聞いたユリカは、ショックで心を閉ざしてしまう。
 半ば植物状態の生活を送る中、やがて、ユリカが身篭もっていることが明らかになる。
 逃亡生活中に生まれた、アキトとの間の子供だった。
 コウイチロウは、公にはユリカ姫は病気と発表し、密かに裏の世界から闇医者を呼び、堕胎させる。
 だが、そのことで完全に精神が壊れてしまったユリカは、ある日、懐剣で自らの喉を突き、命を絶った。
 ただ1人残されたルリは、一度に3人もの大切な人間が失われたことで、表面上は何の変化も見せなかったものの、その心を凍り付かせてしまい……。

 ……だがしかし、服毒自殺して果てたはずのカイトは実は生きていた!
 いや、一度は確かに死んだのだが、その後、人間とは違う存在となって蘇ったのだった。
 禁呪とされた古代の魔法儀式により、「ノーライフキング」−「不死の王」と呼ばれる究極のアンデッド、最強にして最凶のヴァンパイアへと転生して……!

 復活したカイトは、処刑されたアキトを「デュラハン」として、自殺したユリカを「レイス」として転生させ、霊体のユリカには自ら制作した「フレッシュ・ゴーレム」を仮初めの肉体として与える。
 さらに、堕胎手術により人間として出来上がる前に殺された2人の子供の魂を拾い上げ、「バンシー」としての存在を持たせて作り替え、蘇らせる。
 ……両親よりもむしろ、叔母に似ているその娘を、彼ら3人は「ラピスラズリ」と名付けた。

 さらにカイトは、ルリを自分と同じ存在にするべく、かつて自らが不死者となるために使った術を、術者ではない人間に施すための研究を始めた。
 そして、およそ3年の月日を経て、ようやく他者を「不死の王」と化す魔術を完成させ、ルリを自らの伴侶「不死の姫」とするため、彼女を迎えに行ったのだった……。

−−−<回想シーン終了>−−−

 アキトの話に、激しく衝撃を受ける一行。
 だが、「そんな昔のことなんて、僕には関係ない!」と1人アキトに突き掛かっていくハーリーを見て、自分たちの使命を思い出す。
 再び戦いを始める一行と、アキト・ラピスの2人。
 相変わらず4人相手でも一歩もひけを取らないアキトと、術者達の魔力を完全に封じているラピス。
 だが先程までとは逆に、サブロウタ達の方が時間を稼ごうとしているかのような戦いを見せ始めた。
 そして、サブロウタはハーリーに、出発の時に神殿から授けられた銀の短剣を渡し、ここは自分たちに任せて、1人だけで先に進むように命令する。
 たとえ「不死の王」と言えども、大がかりな魔法儀式の最中には必ず無防備になる。
 その隙をつけば、まだ見習いレベルの剣の腕しか持たない彼でも、充分倒せるはずだ、と……
 その言葉に従い、1人で塔に向かうハーリー、アキトがそれを阻止しようとするが、サブロウタ達に上手く妨げられ、結局そのまま見逃してしまう……。

 1人、塔を昇っていくハーリー。
 途中、妨害らしい妨害もなく、無事に最上階へとたどり着く。
 そこでは、まさに儀式が行われている最中だった。
 侵入者に気付かず、一心不乱に呪文を唱え続けるカイトに忍び寄るハーリー。
 静かに背後を取ると、背中から心臓めがけて思い切り短剣を突き刺した!

 そして……

 < DEAD or ALIVE? >



 ENDING1 DEAD

 ……剣が突き刺さろうとした瞬間、強力な結界によって後ろの壁に吹き飛ばされるハーリー。
 身動きが取れないまま、儀式の進行をただ見つめるだけ……。
 やがて儀式が完成し、祭壇に横たえられたルリがその身を起こす。
 息をつくカイトと見つめ合い、嬉しそうに微笑むルリ。やがてその目がハーリーを捉えると……、

「……誰ですか、あなた?」

 硬直するハーリーを余所に、互いに相手の首筋に牙を埋め、抱き合うカイトとルリ。
 やがて、意味不明な叫び声をあげて錯乱するハーリーに、眉を寄せたルリが巨大な火球を放ち……、

 ……少年の意識は、永遠の闇に途絶えた……。



 ENDING2 ALIVE

 ……剣が突き刺さった衝撃で、呪文を途切れさせてしまうカイト。
 そして、術が中断されたショックにより、壇上のルリが目を覚ます。
 激しく憤るカイトと、彼に首を掴まれて持ち上げられているハーリー。
 一方、そんな2人を見たルリは、すぐさまその場の事態を理解すると、床に転がった銀の短剣に目を止めた。
 カイトはそのまま怒りにまかせてハーリーを投げ飛ばすと、正面に立って自分の方を見ているルリに気付く。
 壁に叩きつけられ、アッサリと気絶するハーリー。見つめ合うルリとカイト。
 やがて、ルリがカイトの胸にゆっくりとその身を飛び込ませると、カイトも思わずルリの体を抱き返す。
 そして……、

 ……ルリが背中に隠し持っていた短剣が、カイトの背から、2人の心臓を一直線に貫いた……!

「ルリちゃん……どうして……?」
「もう、いいんです……カイトさん……。
 ……一緒に、逝きましょう……?」
「……ルリ、ちゃん……」
 静かに目を閉じ、ゆっくりと唇を合わせながら床へと倒れ込む2人……。

 ……意識を取り戻したハーリーが見たものは、穏やかに微笑んだまま、寄り添って眠る2つの影だった……。



没理由
 ……は〜、長かった(笑)。

 タイトルはまんま「ダーク・ファンタジー」です。
 世界観はロードス島とか、ソードワールドとか、もしくはD&Dとか、あの辺り。
 カイトのキャラクターは、ヴァルプロのレザードと、月姫のロアとを加えて3で割った感じ。

 元々は、上にある結婚式の話の冒頭で、ハーリー君が見る悪夢というオチだったんですが……。
 DEADENDの方の流れで、ルリが放った炎に焼かれた時点で目が覚める、という。
 ……どこをどうしたらこんなに長くなってしまったのか(汗)。

 まあ、偶にこういうダークなアイデアが浮かんできてしまうのです。……実は、こちらが本性か?(爆)

 ……言えない。一番のネタ元が、某ア○○ソ○トの「ダ○○○○ズ」だなんて、口が裂けても言えない……。

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他作品とのクロスオーバーネタ

 最後は、ナデシコ以外の作品とのクロスオーバーネタです。
 思いつくだけなら簡単なのですが、ちゃんとしたお話にしようとすると難しい……。
 ネタはそれこそ山のようにありますが、ここではそんな中でも、
 「多少はマシか……。いや、むしろネタとしてだけならOK?」
 ……なモノを3つほど持ってきました。
 クロスする作品を知らないと、サッパリ理解できないばかりネタですので、わかる方のみ御覧下さい(笑)。

 全て、キャスティングクロスオーバーと言われる類のネタです。
 (クリックするとそれぞれのネタへジャンプします)
 ……全部アリスのXゲームだ(爆)。ううむ……(苦笑)。
 というわけで、ここから先は一応18禁です(笑)。


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配役変換・鬼畜王ランス、その1

 白いくじらの姿をした創造神「ルドラサウム」により創られたため、「ルドラサウム大陸」と呼ばれる世界。
 その世界で最強の存在である「魔王」には、自らの血と力を分け与えて生み出す「魔人」と呼ばれる24体の配下が存在する。
 その中の1人に、元人間の格闘家であるが、ある出来事から人間を激しく憎悪する男がいた。
 その名を「カイト」という……。
 人間だった時の名はミカズチ=カザマ。
 彼が人間を憎むようになったわけは、かつて、彼の姉「イツキ=カザマ」が「緑化病」と呼ばれる不治の病に感染し、伝染を恐れた他の人間達から迫害されるようにして死んでいったためだった。
 だが、ほとんど全ての人間を憎む彼にも、心を配る相手は存在した。
 それは「緑の里」と呼ばれる集落の少女達。
 「緑の里」とは、かつての彼の姉と同じ、緑化病を患う少女達が、大陸中から集められ、隔離されている場所だった。
 そんな少女達に様々な手助けをしていくうち、カイトは、その中の1人「キャ=ルリ=メイト」、通称「ルリ」と、互いに深く心を通わせるようになる。
 しかし、遥か北の地で起こったある事件を切っ掛けとして、大陸中に、人間・魔物全てに関わる戦乱の嵐が吹き荒れる。
 もちろん、魔人である彼とて例外ではなかった。
 果たして、彼はその戦乱の中で何を見、何をするのか……。



配役


没理由
 ……というわけで、思いついて3秒で「あ、こりゃ無理だ」と思いました(笑)。
 まあ、一発ネタとしてならOKかな、と。ネタ以上にはなりませんが。

 キャ=ルリはちと苦しかったかな……?。


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配役変換・鬼畜王ランス、その2

 ある日、町中を2人でのんびり歩いているルリとカイト。
 そこに突然、年齢不詳の中年紳士が空間をねじ曲げて現れ、ルリを連れ去ってしまう!
 男はカイトに「追いかけて来るなら早くしろ、出なければ帰れ!」とだけ告げ、闇の向こうに去った。
 カイトはすぐさま、男の残したブラックホールのような奇妙な穴に突入する。
 暗転する意識。
 目覚めた場所は、まるでゲームかなにかのような(実際その通りなのだが)剣と魔法の世界だった……!

(……中略……)

 伝説の武器「聖刀日光」を手に入れ、やっとのことでルリをさらった男、「魔王ガイ」の城へとたどり着いたカイト。
 魔王の親衛隊長である魔人バークスハムを辛くもうち破り、魔王の元へと突き進む。
 そしてとうとう、ルリになにやら怪しい儀式を施している魔王を見つけ、激しい戦闘の末、ついにをうち倒す。
 ……だが、実はその時ガイはすでに「”元”魔王」となっており、魔王の位と力は、他ならぬルリに継承されてしまっていたのだ!
 驚き、戸惑いながらも、ひとまずルリを連れて魔王の城から逃げ出すカイト。
 そして、ルリを魔王から人間に戻す方法、2人で元の世界に帰る方法を求めて、”聖刀使い”カイト、”魔王リトルプリンセス”ルリ、そして、聖刀の化身である”エターナルヒーロー”日光の3人による、長い長い、探索と逃亡の旅が始まった……。



配役


没理由


IF・鬼畜王ルリルリ、その1

 ”元”魔王のガイをようやく討ち果たし、ルリとの再会を遂げたカイト。
 そして、魔王化の儀式が終了し、目覚めたルリは……、
「ルリちゃん!!」
「……え? カイトさん? これは一体……?
 ……なるほど、そういうことですか」
 持ち前の明晰な頭脳により、自分たちの置かれた状況を瞬時に理解するルリ。
「……カイトさん、ちょっとこっちに来てください」
「え? なに……!?」

 かぷ

 ちぅ〜〜〜っ

「な、何を……?」
「……取りあえず、元の世界に戻る方法も、元の体に戻る方法も、探すには長い時間がかかりそうですし……。
 それに、この世界って、今にも戦争が始まりそうな雰囲気なんです。そんな中で落ち着いて調べものなんてできませんから」
「……から?」
「まず、私がこの大陸の全てを支配してしまいます。なんと行っても『魔王』ですから、そう難しいことでもありませんし。
 そうしたら、後は誰か適当な人に後を任せて、私たちは元の世界に帰る方法を探すことにしましょう。
 ……でも、先程も言ったように、それにはかなりの時間がかかりそうなので……」
「…………の、ので?」
「……カイトさんにも、魔人になってもらいました♪ ほら、さっきちょうど欠員が出たみたいですし」
「……きゅう……」バタン……。
「体が落ち着くまで、何日かかかるみたいですけど……今だけですから、我慢してください。あ、それと、魔人になったら私の言うことには逆らえませんからね♪
 さて、まずはこの世界の情勢について、もっと詳しく調べてみないと……」




IF・鬼畜王ルリルリ、その2

 ”元”魔王のガイをようやく討ち果たし、ルリとの再会を遂げたカイト。
 そして、魔王化の儀式が終了し、目覚めたルリは……、
「ルリちゃん!!」
「……え? カイトさん? これは一体……?
 ……なるほど、そういうことですか」
持ち前の明晰な頭脳により、自分たちの置かれた状況を瞬時に理解するルリ。
「……カイトさん、ちょっとこっちに来てください」
「え? なに……!?」

 ……がしっ!

「……これは、どういうことですか?」
「え? ああ、日光さ……い、いや、”聖刀日光”のこと? なんか、魔王と魔人を傷つけられる世界に2つしかない武器の1つだとか……」
「……そんなことくらいは知ってます。今の私には魔王としての知識もあるんですから。
 もちろんそれ以上のことも知ってますよ? もう1つの武器、魔剣カオスと違い、短時間なら人間の姿に戻れることとか、その人がとても綺麗な女性だってこととか……。
 ……聖刀日光を扱うためには、ある儀式が必要だということとか……!」
「(ぎくぅっ!!)……る、ルリちゃん? で、でも、これは、ルリちゃんを助けるにはどうしても……」
「……浮気……しましたね?」
「うっ……!?」
「し・ま・し・た・ね・?」
「いや、ルリちゃん、ちょっと僕の話を……!?」
「……問答無用です。許しません……!! ……消えちゃえ(ぼそ)

 BOOOMB!!!

「……ぐはっ……!」ドサッ!
「…………バカ…………」


 その1を破棄したとき、替わりに浮かんできたネタです。
 あの2人とならストーリー的に違和感なく入れ替われるな、と。
 ……まあ、どちらにせよ、もはやナデシコのSSではなく、ランスSSwithナデシコキャラになってしまいますが。(汗)

 ちなみにIFその2の最後ですが、カイトも武将格扱いなので、一応生きてはいます。まさしく、半死半生で(笑)。
 ……これまたわかる人にしかわからないネタですね。


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配役変換・ぱすてるチャイム

「ん…………ふあぁ……」
 ポカポカとした陽気に激しく眠気が誘われる。今日は絶好の昼寝日和だ……。
 ……………………。
「…………トくん」
 ……………………あれ?
 ……なんで僕は、こんな所で寝てるんだ?
「……イトくん、起きて」
 確か、エリナさんに頼まれて、ネルガルの実験場でジャンプの実験に……。
 それで、行きたいところをイメージって言われて……。
「……もう、オリエンテーション始まっちゃうよ?」
 でも、あんまり上手くイメージができなくて……。
 そのまま…………っ!?

 ガバッ!!

「あ、ようやく起きてくれたわね」
「…………へ?」
 いつの間にか、目の前に17,8歳の女の子の顔があった。……あれ? もしかして、この人……?
「……イツキ、さん?」
「? カイト君、どうしたの? いきなり『イツキさん』だなんて……。いつもなら私のこと『イツキ』って呼んでるのに」
 ……はい?
「あっ! もうこんな時間! カイト君、もう行かないとオリエンテーションが始まっちゃうわよ? ほら、早く早く!」
 そのまま、イツキさんは僕の腕を引っ張りながら、どこかへ走り出した。思わず慌ててついていく。
 でも……、
「……ね、ねえ! イツキさん!」
「えっ、なに?」
「その『オリエンテーション』って、一体何のこと?」
 その言葉を聞いた彼女は、ひどく呆れた顔をして、
「……カイト君、いくらなんでも寝惚けすぎよ? オリエンテーションって言ったら、『ダンジョン実習』についての説明会に決まってるじゃない!」
 ……だんじょん?
「……『ダンジョン実習』って?」
「えぇっ!? ……はぁ、本気で言ってるの、それ? 私達、ここ『舞弦学園・冒険科』の生徒は、毎年3年生から、校内に作られたダンジョンに潜って、『冒険者』になるためのより実践的な訓練をするの!」
 …………は?
 僕って、学生だったのか? ……じゃなくて!!
 ……ぼ、『冒険者』ぁ!? 何ですか、それ!?
「そして、それまでの2年間で身につけた剣の腕や魔法の力を試し、さらなる向上を目指す……。どう? 思い出した? ……って、ああ、もう始まってるぅ! カイト君、もっと急いで急いで!!」
 ……なにがなんだかサッパリわからないけど……取りあえず、今はイツキさんについて行くか。なんだか凄く急いでるし。
 ……どうやら「僕」にも、関係あるみたいだし……。

 はてさて、これから一体どうなることやら……?




配役

主人公&ヒロイン 同級生達 大人達 敵役 ランサー

没理由
 各キャラのキャストを考えてる間は結構楽しいんですけどねぇ……。
 さて、それでどんな話を? ……ってところで止まってしまう(汗)。
 というわけで、これもやっぱりネタ以上にはなりませんでした。

 だいたいのキャストはほぼ確定してますが、一部は流動的です。
 例えば、ユキナとの絡みを無視して、師匠つながりでレパード先生を九十九→月臣にするとか。

 あと、プロスペクターとウリバタケの役がないのが痛いところ。
 謎の人物つながりということで、ロニィ先生をミナト→プロスにする、なんて手もありますが。
 でもそうすると、九十九・ゴートとの教師間三角関係が……(笑)。

 でなければ、ホウメイさんを購買でなく食堂のおばちゃんにして、2人を購買のオジサンに当てる。
 プロスさんはアイテムやエステの仕入れや売買が担当で、ウリピーは製造・修理・鑑定などの担当、とか。
 でも、どちらにしても出番無さそうだなぁ……。

 いやまぁ、そもそもまず書かないだろうから、そんな心配しても意味は無いんですけどね。

 ……何人か年齢的に微妙なキャラがいるのは内緒です(笑)。


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あとがき

 以上をもちまして、「シックルのボツネタ大公開」は終了とさせて頂きます。
 3種類3つずつ、合計9つのボツネタ、如何でしたか?
 どれか1つでも、楽しんでもらえるネタがあれば幸いです。

 それでは、読者の皆様、最後まで読んで頂き、真にありがとうございました。
 ご意見・ご感想などあれば、遠慮無くお申しつけください。
 何時になるかはさておき、次の機会にまたお会いしましょう。

 では、これにて……



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