『花』
――自分だけの花だと思っていた――
「おかしいところはないですか?」
「いや。よく似合ってると思うよ」
――時をかけ、慈しみ、育てた、愛しい花――
「忘れ物はない?」
「大丈夫です」
――他の誰かの手に委ねるなんて考えたこともなかった――
「あ、今日は夕飯食べてくるんだよね?」
「えぇ…。たぶん」
――そう――
「じゃあ、遅くなるときは送ってもらうんだよ」
「…はい」
――考えたことなどなかったんだ――
「それじゃ…行ってきます」
「うん、行ってらっしゃい。…あ、ルリちゃん!」
「え?」
「そのイヤリングは外していった方がいいと思うよ」
「…………似合いませんか?」
「ん?そんなことはないけど。その服には少し合わないかな?」
「そう…ですか?」
「少しね。それに…」
「?」
「他の男からのプレゼントつけてくのは悪い気がするでしょ?気分的にさ」
「っ!!」
「折角だからさ、新しいの見立ててもらいなよ」
「あの…カイトさ…」
「行ってらっしゃい」
「……………………………行って…きます」
キィ
パタン。
カチ
カチ
カチ
カチ
カチ
カチ
カチ
カチ
カチ
カタン。
キィ
「行かなくていいの?」
「……………」
「約束の時間、過ぎちゃうよ」
「カイトさんはずるいです!」
「ん?」
「私の気持ち……知ってるくせにっ!」
「僕の気持ちも知ってるはずだろ?ルリちゃんは」
「………」
「僕の望みも知ってるはずだ」
「それは……」
「引き止めて欲しいなら、そう言えばいい」
「カ、カイト…さん」
「確かめたいなら、そう言えばいいんだ!」
「私…」
ダンッ!
ビクッ
「…こんな、試すような真似しなくてもね」
「………………ごめんなさい」
「…………」
「…………」
「………………ごめんなさい」
「……ルリちゃん次第かな」
「え…?」
「どうしてほしい?」
「…………」
「僕に…どうしてほしかったんだ?」
「!?」
「ちゃんと言わなきゃ赦さない」
「あ…」
「言えよ、ルリ」
「…っ…引き止めてください」
「他の男のところになんか行かせない」
「!!」
「誰にも渡さない」
「ん!…んん…」
「ルリは僕のものだ」
「カ…イト…さ…」
「離れるな」
――自分だけの花だと思っていた――
だから。
もう二度と放さない。
ブチ切れカイト第1弾!
は、
『音声のみ』でお送りしましたぁ!(爆)
…だって行間埋めるの面倒になったんだもん(^-^; <ボツった理由。
なんと
1年前のネタでした(ひぃぃ)
ヤキモチカイトが見たいなぁって理由で始めたはずですが…
たまにゃ〜アダルちぃに責めてみようと…セリフだけ考えたら↑のように(汗)
こういうのもアリでしょう♪たぶん…。
セリフの隙間はお好きに想像してくらさい(笑)