「ほら、本を読みながら食事をしないでください」
一人の少女━━神秘的な美しさを持った━━が目の前で大きな学術書らしきものを読みながらこの不人気メニューのシュレティンガー定食(510円:丼山盛りの魚の目玉でDHAを補給!)を食べていた。
「はいはい、わかりましたよ。食事を終えてからゆっくり読ませてもらいますよ」
少しふてくれた表情で残った魚の目玉をかきこむ。
「カイトさん食事はもう少しゆっくり食べてください。体に・・・悪いです」
相手を気遣う感情が込められた言葉を出す。しかしその事に照れたのかカイトはそっぽを向く。
「いいんですよ。食事はある程度の栄養が取れれば。それにこの定食は結構いけますよ。だから一日三食これですよ。僕は」
ちなみにこの食堂では一日のシュレディンガー定食の注文数は3つである。目玉だけどこで入手しているかは秘密である。
「さてそれではブリッジにそろそろ戻りましょうか。そろそろこの船の艦長が来るでしょうから」
そう言うとカイトはトレーを持って立ち上がる。その後をルリが続く。
この日か
この船を中心にして