リレー小説 『夏祭り!』 










<第5話>

前編

 夏祭りも中間に差し掛かり、あいも変わらず駆けずり回るカイト。勿論全く休みなし。と言うわけでもなく、それなりに休憩時間をとるわけで・・・昼食を取ろうと、屋台で、焼きそばとラムネを注文し、金を払おうとマネーカードを差し出すとその横から

「焼きそばとラムネもう一つとおいなりさん2パック。代金は彼の分と一緒で。」

といって現れた一人の男。その男は、カイトと同じぐらいの年齢で銀色の髪と瞳をという異彩を放つ風貌で、カイトのことをよく知る人物だった。その男は二人分の焼きそばとラムネといなり寿司のパックを受け取り、

「ひさしぶりだな。カイト。」

と挨拶する。

「おいおい・・・地球連合の若き総裁ともあろうお方がこんな所で油売ってていいのかい。それも護衛もつけずに。」

向き合ったカイトは、呆れながらそう言った。

 そう。この異彩を放つ男こそ、現地球連合総裁にして、地球連合総合統括軍最高司令官ジョン・”プロフェッサー”・シーザー元帥その人だった。

なんで、一介の中尉であるカイトと、宇宙軍、統合軍双方を取りまとめる総合統括軍(以下総括軍)のトップであり、地球連合総裁でもあるジョンが親友なのかというと、話は蜥蜴戦争の休戦まで遡る。カイトとは、ナデシコクルー全員がサセボで拘留されている時、秋山源八郎と共にユキナに会見した際、ひょんな事から知り合い、お互いに意気投合。その後現在に至るまで親友(悪友?)として付き合っている。

もともとジョンは木連に和平交渉のため、極秘に送り込まれた人間であり、持ち前の頭脳と話術により親善大使として草壁以下木連のトップの信頼を得るのだが彼を送り込んだ時の地球連合総裁が和平を良しとしない輩に退任に追い込まれ(退任の理由は引責でなく名誉退任であったが。)変わりに就任した総裁が木連に(秘密裏に)戦争を仕掛けた為、彼は木連側の人間として、優人部隊の育成を行うと共に、時限跳躍の研究を進める一方、彼を送り込んだ元総裁とコンタクトを取り、和平の為の方法を検討。白鳥九十九の暗殺の証拠を掴んだ彼は、部下であった秋山源八郎以下優人部隊を動かし、月臣源一郎を説得。熱血クーデターを示唆。成功と共に元総裁とコンタクトを取り地球に戻り、休戦条約を締結。

カイト達ナデシコクルーの協力により和平交渉の場を取り繕い、新地球連合の発足に倒力するも、それを良しとしない当時の総裁以下地球連合のトップによって、嫌疑を掛けられるがカイト以下ナデシコクルーの協力で、逆に総裁以下地球連合のトップの汚職が発覚し、全員逮捕され、そのため、再度地球連合の編成をやり直す事になり、彼が、総裁としてカイトを推薦する物のカイトは、二つ返事で辞退。そのため、連邦議会は、彼を総裁とする事に。とはいえ、彼の采配のお陰で、戦争からの復興は、思いのほか早く、また、宇宙軍、統合軍の二つに分裂した軍による武力衝突を避ける目的で編成した総括軍を復興の遅れている地域に派遣するなどのおかげで、世間一般からも好意を持たれている。

「心配しなさんなって。この状況で襲ってくるバカもいないって。仮に襲われてもネルガルのシ―クレットサービスやSFS(スペシャル・フォース・サービス=総括軍特殊部隊)の人たちが周りにいるから。」

「で、わざわざ護衛をつけてまで祭りを楽しみに来たのかい。先に断っとくけど、何度誘われても総括軍に行くつもりはないから。」

憮然としたカイト。そんな彼を制して、ジョンは、真剣な眼差しで、

「あいにくどっちもはずれ。ここに来たのはあくまで仕事さ。そしてそれはお前にも関係してる。ちょっと付き合え。」

二人は駐車場に向かった。

関係者専用駐車場

ネルガルや、祭りの為に出入りしている関係者の車の並ぶ駐車場。その端に停めてあるシルバーのメルセデスベンツのセダン。それもなぜか最新型でなく、20世紀のモデル。その車に乗り込み二人して焼きそばをほおばる姿はなんとなく間抜けで絵にならない。

「相変わらず骨董趣味だなあ。よく見つけてきたよ。この車。ま、それより仕事って?」

焼きそばといなり寿司を食べ終わり、ラムネを飲みながらカイトが問い掛ける。

「先日の日本舞踊、様になってたぜ。最もお前の家族、全員気付いてたみたいだけど・・・。」

額に縦線状態のカイト。気に障ったのかジョンの分のいなり寿司を召し上げて一言

「世間話なら今度にしてくれ。忙しいんだから。」

「・・・・・・・奴らが動き出す。」

焼きそばを食べながら、要点だけ述べるジョン。召し上げたいなり寿司をつまみながらカイトは一言

「お前らにしては動くのがずいぶん遅かったじゃない。もうとっくに動いてるよ。」

「なッ・・・何・・・・・ぶホッ!!げほ・・げほ・・・・・・」

カイトの返答に驚き、焼きそばを噴き出しむせるジョン。

「汚いなあ・・・・・。まあ・・・・少しお仕置きしておいたし、派手に動く事はしないような事を言ってたけどね。」

「お仕置き・・・ねえ。どんなお仕置きかはは聞かないでおくよ。それより、これを見てくれ。」

少し戦慄を覚えながらもカイトにある書類を渡すジョン。その書類は、ネルガルの廃棄されたプロジェクトの計画書と、実験データ。その書類に目を通すカイト。読み進めるうちに険しい表情になるカイト。そう。その書類は、とある少女の研究データ。その内容は非人道的なものも含まれていた。

「ネルガル会長の指示による物なのか。」

読み終えた書類をジョンに渡しながら、普段のカイトから想像出来ない怒気をはらんだ低い声で静かに問い掛ける。対するジョンは

「いいんや。元大関スケコマシ殿は、知らんかった。いくら会長殿とはいえ、全てに目が通せるわけではないさ。もっとも発覚したのを機に関係者全員閑職に回して彼ら全員の出した、辞職願いも受理してないがね。だから今、こうしてナデシコクルーの皆と一緒にいるんでないの?」

お気楽な口調で返しながら、書類をビリビリと破くジョン。カイトも分かってはいたものの、万が一もある。裏付けが欲しかった。安心したカイトは最後のいなり寿司をほおばるとシートに体重を掛け、

「奴らの目的は・・・」

「そう先を急ぐなって。話にはまだ続きがある。この研究、どうも、クリムゾンが関わっている。そして・・・」

「奴ら・・・草壁一家も・・・・。だろ。」

「・・・・・・・・確かにその通り。連中とクリムゾンが繋がっているのは分かっているが、証拠がない。残念ながら・・・。それはそうと会長の決済をもらわずそんだけの研究をする事はまず不可能。ましてやそのセクションは終戦から冷遇されてるところだ。どっかよそにスポンサーがいる。そしてそいつらはネルガルと敵対してるところが一番妥当だろう。なにせ、そのセクションのスタッフも旧会長派。元大関スケコマシ殿を敵視してるからな。」

「飼い犬に手を噛まれるとは会長さんも大変だあねえ。で、奴らの動向は?」

「俺たちだってそれなりに動いている。そっちの方は心配ないさ。我々の方でどうとでもなる。それより・・・」

「奴らの狙いは研究の成果である彼女の奪取。そして、僕は彼女の護衛。だろ」

「ああ。昔、とある国のプリンセスを守り抜いたナイトのお前に最も適した役割だからな。もっともそのプリンセスも今はお前の・・・」

「んじゃいくわ。ごちそうさん。」

ジョンの言葉を制し、車からおり、会場に向かうカイト。今度はジョンがカイトを制する。

「ちょっと待て、カイト。これを・・・」

そう言いながらカイトに駆け寄り、拳銃を手渡すジョン。カイトはそれを受け取り

「この銃は・・・またこいつを僕に渡すという事はかなりヤバイ状況ってわけだ。」

カイトは以前も使った事のある受け取った銃ーコルト・パイソン357-をチェックする。

「ああ。そいつでお前のプリンセスをもう一度護ってやれ。彼女も奴らのターゲットだ。この一件でクリムゾンや草壁側の人間も何人か潜入している。この祭りの客に成りすましてな。スタッフに紛れてないのが幸いだが。スケコマシ殿に聞いたが以前お前、ヤバイ状況になったらしいからな。だから今回はアシスタントをつける。」

そういって、コミュニケを操作すると、近くに止っていた車から一人の女性が降りて、カイト達の近くに歩いてきた。その女性を見たカイトはまるで、幽霊を見たかのように取り乱し、ジョンに食って掛かる。。

「き・・君は・・・・・・・・・・・・・・まさか・・・・・・・・・・ジョン!!どういう事だ!!」

「久しぶり。ミカズチ・・・・・・・・・・・・・今はカイトだったかしら。他人の空似や勿論幽霊じゃあないわ。」

そう。カイト達のまえに現れた女性は死んだはずのイツキ・カザマその人だった。

「お前と同じさ。我々の言うところの古代火星人の手によって蘇生していただいたのさ。」

「なぜ・・・・・・・」

「彼らも危惧しているのさ。遺跡・・・・彼らにすれば端末なのだが、が奴らの手に落ちるのをな。」

いまだ狼狽するカイト。そんなカイトに歩み寄り、イツキは・・・。

「私を蘇生してくれた人たちに聞いたわ・・・・貴方の事を・・・そして・・・それを知らずに・・・・貴方を苦しめてしまった。だから・・・・一言謝りたかった。貴方と・・・貴方の愛した人に・・・」

申し訳なさそうな表情で静かに語り出すが、それをカイトは制する。

「君の気持ちはわかった。けど悪いけどアシストは遠慮するよ。君を巻き込みたくは・・・・」

「でも・・」

「悪いがそれはできない。命令だ。彼女をつけるのはあくまでもお前の暴走を食い止めるためだ。」

そう言ってカイトにIDを手渡す。そのIDは、総括軍の物。

「ミカズチ・カイト中尉。地球連合議会の決定により現時点をもって、一時的に連合宇宙軍中尉の任を解き、地球連合総合統括軍特務准将に任命。連合宇宙軍少佐ホシノ・ルリ及びラピス・ラズリならびにこの祭りの警護総責任者に任命する。なお、補佐官として、イツキ・カザマ統括軍大尉を同行させる。」

「拒否権は・・・・・・なしか。」

カイトはため息をつきながらそういった。

「んじゃあいきますか。イツキ。」

そう言って会場に戻る二人。

「本当は・・・・・奴らの一番のターゲットはお前なんだけどな・・・・・カイト。ま、一人にしなければ無茶しないだろう。」

二人を見送りながらジョンは呟いた。

 

宿舎内にある大会議室。

そこにナデシコクルー全員と、ラピス、それとアサミが召集されていた。召集したのは元大関スケコマシ殿。相変わらずお気楽な口調で入って来て・・・

「カイト君はどこいったんだい?」

開口一番これである。まあ、あっちこっち駆けずり回っているので、だれも気にしていない。がそれだけの理由で呼び出されたのでは堪らない。リョ-コが怒鳴り出す。

「わざわざそんために俺らを呼んだのか!!」

「いやいや。全員集まった時点で話すつもりだったんだけど・・・」

その直後、会議室のドアが開き、

「おまたせしました。話の途中ですが、会わせたい人がいます。」

そう言って中に入ってくるカイト。その後ろをついてきた人物にみな驚いた。

「お久しぶりです皆さん。」

「「「「あなたは・・・・・」」」」

「新入り!!」

殆どのメンバーが驚き、リョ-コが叫んだ。そして・・・・ルリの顔が引きつった。そんな皆の表情に複雑な表情で、カイトが話し出した。

「ご存知の方が多いと思いますが、彼女はイツキ・カザマさん。つい最近ボソンジャンプで生還してきました。そのため、ここ数年間の事でわからない事もありますが、今回、リハビリもかねて、我々のメンバーとして活躍してもらいます。さ、イツキさん。」

「色々と心配を掛け、ご迷惑をかけましたが、無事に戻ってきました。これからもよろしくお願いします。」

「さ、全員集まった所で、本題に入ろうか。二人とも、座って。」

そう言って二人に席を勧めるアカツキ。ちょうどルリの隣が空いてたのでそこに座る。するとルリがカイトに耳打ちする。

「カイトさんどういうことです。」

「事情は後で話すよ。イツキと共にね。」

「それじゃあ始めよう。今回集まってもらったのは他でもない。新たな祭りについてだ。ベイナガサキの旧軍事施設に先ほど完成したテーマパーク一体型のリゾートホテルの事は知ってると思うんだけどそこのオープニングイベントを皆で盛り上げてもらいたい。」

そういって、テーマパークの完成予想図のウインドウを出すアカツキ。その施設は日本国内に限っても五本の指に入る規模のものだった。そして、その場所は、アカツキの言うように軍の施設があった場所でナデシコ長屋とさほど離れていない場所にあった。そして、その施工主の欄を見たルリが怪訝な表情する。そう。その施工主は、ピースランドであり、彼の国が、世界の主要各国に展開している一大テーマパークであった。

嫌な予感がしたルリだったが、次のアカツキのセリフで、的中してしまう。

「このイベントの発注主はご存知ピースランド。ここの国王夫妻はルリ君の実の両親でもある。実は・・・

「「「えええっっっ!!!」」」

話の途中で旧ナデシコクルー以外のメンバーが驚きの声を上げ、とくにハーリーは、

「ほんとなんですか!!艦長!!」

直接ルリに尋ねる始末。

「アカツキさん・・・・」

予想どうりの反応にルリは訝しげな表情でアカツキを睨む。ルリはあえて自分がピースランドの国王夫妻の(遺伝子上)実の娘である事は誰にも知らせてはいなかった。知らせる必要も、また、その理由も無かったからだ。何より知られたらからかわれたりするのが目に見えていたから。知っていたのはナデシコA時代のクルーと、ジョンなど、ごく一部の人間のみ。

「あ・・あはは・・・・・まあいいじゃない。ルリ君。いずれ分かる事なんだし。オープニングイベントには国王陛下夫妻やご子息たちも来るからねえ。君が王位継承権を放棄したといっても血の繋がった親子な訳なんだしあれから全然会いに来てくれなくてみんな寂しいって言っていたから。」

勿論それなりに会いにいけない理由はルリにもあった訳で・・・何よりいくら血の繋がりが会るとはいえ、一緒に暮らした事がないせいか家族であるという事に実感が湧かない為、(仕事が忙しかったせいもあるが。)招待されても全然会いに行っていなかったのは事実だが・・・、だからって家族そろって国をほっ放ってまで来る事もないだろうにと思うルリであった。

 

「はぁ・・・・で、私たちは何をすれば良いんですか?」

気まずい空気が流れるが、その流れを変えるためか、ルリはため息をつきながらアカツキに問い掛ける。

「許してくれる?ルリ君」

流石に気まずく思ったのか許しを請うアカツキ。

「・・・仕方ないでしょう。ばれてしまった物は。それで。」

「実は・・・「貴方方にプレオープニングセレモニーに参加して欲しいの。何より蜥蜴戦争を終結に導いたナデシコクルーの皆さんにね。」

アカツキの発言を遮って現れた一人の女性。その女性とは、21世紀初頭、宇宙開発において、飛躍的進歩を遂げ、宇宙時代の礎を築いた企業、カイト・コスモ・スペース代表兼研究所長であり、その技術で得た莫大な財力によって世界各国の大企業(ネルガルやクリムゾンも含む)を事実上傘下に収める(表向きは資本及び技術提供)世界最大の財団”カイト財団”の若き総帥レイラ・A・クオノ女史だった。

「「「「レイラ(さん)」」」」

「お久しぶり〜皆さ〜ん。」

驚くナデシコクルー達に、ユリカばりの能天気な挨拶をするレイラ。はっきりいってとても総帥がする挨拶ではない。

実は、彼女はイネスの一番弟子であり、ナデシコAの地球側の開発主管(すなわちチーフ・エンジニア)でもあったのだ。(ナデシコの開発には、カイト・コスモ・スペースの所有する特許技術が色々盛り込まれている為。)そして、オモイカネをプログラムしたのも実は彼女だったりする。そのため、ナデシコクルー新旧全員彼女とは顔見知りだった。そんな彼女に師匠であるイネスが一言。

「相変わらずね、レイラ。どうしたの、今日は。」

「いや〜祭りやるってんで私も混ぜてもらおうかな〜っていうのが半分。残り半分は、ネルガルからの要請で、この祭りにわが財団からも積極的に融資しているから。なんせ、平和的なことには積極的なのが、当財団の信条ですから。それにただでさえ落ち目なネルガルさんには、潰れて貰っちゃ困るしね。その監視もかねて。」

「あははは・・・・相変わらずきついですねえ。総帥。」

レイラの冗談交じりの皮肉に冷や汗を流すアカツキ。もっとも、彼女にしてみれば本当に潰れられては冗談どころの話じゃ済まないのだが。

「まあ、建設中のホテルは、カイト財団のグループ企業の運営だし、そっちの滑り出しさえ順調に行けば大丈夫だろうしね。それで、本題なんだけど、セレモニーといっても、高級ホテルじゃないからそんな堅っくるしい事はするつもりないから。」

とはいうものの、規模からすれば下手な高級ホテルなど足元にも及ばない。しかも、そのホテルの役員はみな、日本国内の様々な高級ホテルからヘッドハンティングされた精鋭ぞろい。しかも場所は元々軍事施設である為、交通網は整備されており、(ちなみに今現在祭りの会場までの交通網は軍が一挙に引き受けている。)また、民間人に関わり合いが無いせいか、民家や近辺にライバルとなるホテルや旅館がアカツキ達の使っている旅館(ちなみにこの旅館も、ホテルの別館として営業する事になる)以外全く無い。(その為にナデシコのクルーを拘留するのに好都合であり、先日大規模なコンサートの開催が可能であった。)

条件的にこれほど好都合な事は無い。最初の出だしで躓かない限りは・・・・。その出だしのセレモニーを性格に問題のある彼らに託すのは、リスクがでかすぎるのだが、それ以上に腕は超一流なので、予想以上のリターンも期待できる。まさに大博打ではあった。

一抹の不安を抱えながらルリが聞く。

「それで、レイラさん。何するつもりなんですか?」

待ってましたとばかりに不敵な笑みを浮かべながらルリに向かって一言

「電子の妖精ホシノ・ルリの一日支配人。」

「へ?」

呆気に取られるルリ。そりゃ普通アイドルの仕事をアイドルでない自分がやれといわれたら唖然とするわなあ。

「自分では気付いてないかも知れないけどあなた、巷ではものすごい有名人よ。この前の一番星コンテストの時なんて、本物のアイドルの皆さんと対を張るぐらいの人気だったんだから。」

「でもそれはあたしより適任な人がここにいるじゃないですか。」

そういってメグミ、アサミ、ホウメイガールズに顔を向けるルリ。だがレイラは

「どうしても貴方にやってもらいたいのよ。貴方の功績は素晴らしい物があって軍のイメージアップに貢献してくれるからって、宇宙軍総司令ミスマル大将やジョン。そして統合軍総司令も太鼓判押してるし、連合議会の皆さんも評価してるし、あなたのご両親に再会させてあげる桧舞台にもなるし、そして・・・何より貴方の行っている活動を世間一般に知らせる絶好のチャンスだと思うけど。」

ルリの活動・・・・それはマシンチャイルドの、遺伝子改造及び、人体実験の恒久的な禁止活動だった。自分自身そんな境遇で生まれたせいもあるが、ナデシコの艦長になってから、それに関わる様々な事件に関わったことで、自分は(勿論ハーリーも)まだ恵まれている方だということに気付かされた。人工的に生を受けた物に対する誹謗、中傷、虐待的な実験、などなど・・・そんな事件が起こると真っ先に解決のために尽力してきた。勿論管轄の問題もあったのだが、直接介入した訳ではなかった(基本的にオモイカネと共に集めた情報を提供する形だった)のと、ルリの境遇と熱意が知れ渡るにつれ、みな協力的になり、事件の件数も減少してきたものの、やはり完全に無くなった訳ではない。レイラやジョンもそんなルリの理解者だった。ピースランドの両親に会いに行かなかったのも自分がマシンチャイルドである負い目を感じてる事にレイラは気付いていた。

「・・・・・・・・分かりました。そこまでおっしゃるのでしたら引き受けます。ただし・・・」

「分かってるわ。こんな事はこれっきりにして欲しい。でしょ。私の最初で最後の我侭になるけど、それ相応の御礼はするわ。それで、準備期間中は、カイトと一緒に行動して。カイトは臨時マネージャーとして彼女についてあげて。それじゃあ早速行動開始。皆にも協力してもらうから。」

そうとなると話が早いのがナデシコクルーのいいところ。ウリバタケが気合の一言

「おっしゃあ!!我らがルリルリの桧舞台だ!!野郎ども、気合を入れていくぞ!!」

「「おお――――――っ!!」

大会議室に掛け声が木霊する。

「それじゃあいきましょうか。ルリちゃん。それと、カイト、イツキさん、それに・・・ラピスちゃん・・・一緒にきてくれますか。」

「カマワナイケド・・・・・・・」

 

                                        To Be Continued

 


Morry:まず最初にお詫びから・・

    私も完結できませんでした。

 F&Gさん。もう少しおまちください。

 

後編なんとか予定に間に合わせますから。

・・・・・・・・それでは、私の書いてる本編-AからBへの3年間-に先駆けて今作で、先行デビューするおふた方をお招きしております。」

ジョン:「ジョン・シーザー元帥。通称プロフェッサー。スパイ戦術と心理戦の名人さ。俺のようなひねくれ者で揚げ足取りでなけりゃア百戦錬磨のツワモノどものボスは勤まらない。」

レイラ「ってなにむかしのアメリカのアクションTVシリーズのまねしてんのよ。ここをご覧になってるナデシコファンの皆さんが知ってるわけ無いでしょ。Morryさんの年がばれるでしょうに。」

Morry「(ぐさっ!!)わ・・・わたしゃ再放送で見たクチですから・・・・・。」

レイラ「ま〜た見栄張っちゃって、ナイトライダーの再販されたプラモデル速攻でゲットしたくせに。」

Morry「・・・・それはいいから自己紹介。」

レイラ「はじめまして。レイラ・A・クオノと申します。本編での役どころは、この作品で書いてある通りで、ほぼ間違いないので割愛させていただきます。さて、とんだ展開になりましたがそれに関してどの様な経緯で?」

Morry:「いや、後半に差し掛かったので今までと違う展開にしないとこのリレー小説を面白くなくしそうだったんで、勿論後編で収束させますので F&Gさんご安心下さい。じつは考えてる内に、というか書きながら話がややこしくなってしまったと反省していますが、色々プロットを考えていたんですが皆先に使われちゃったから・・・。それに二人をゲスト出演させるのは最初から考えていたし。」

ジョン「でもいいのかい。本編よりさきに登場して。オリジナルキャラは登場したらまずくないか?」

Morry:「本編には第二話で登場してもらう事が決まっているから大丈夫かなと。まあ、こちらでは、カイト君の設定が違うから難しくはあるけどね。車(GT-R)も出さないし。二人とも深みのある役どころだからこっちに出てくれると話の展開もらくだしね。」

レイラ「その割にけっこうキャラだしてるけど大丈夫なの?」

Morry「ど〜なんでしょう。はっきりいって自信ない。それに、ほかにも登場してもらう人(こちらはナデシコ本編の)も出てきてもらうと思うんで・・・。

それでは、後編で、お会いしましょう。」

ジョン&レイラ「それじゃあまた明日!!」

Morry:[絶対無理!!(現在11月12日夜)」

PS。諸般の事情と、不自然な所が気になったので、改訂しました。(12月1日)

 

 

 

 

 

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